りゅこ倫

■■1998年08月05日■■

自然権を疑え

 この8月2日の日曜日はTSGの第3回集会へ行ってきた。なぜか私が受付をしていたけれども、あれは成り行きで(^^;)、別に私がTSGの役付きになったわけでもなければ、TSGと【EON】のどちらも、「ヒモ」にも「ヒモ付き」にもなったわけではないので、念のため(笑)。

 もしかしたら気がつかれた方もいらっしゃるかも知れないので、ついでに書いておくと、TSGは最初は、「トランスズ サポート グループ (Trans's Support Group)」が正式名称だったんだけど、この3回目の集会告知から、「トランス サポート グループ (Trans Support Group)」と、ズ抜けた名称変更がされてたんよね。「はてな?」と思いながらも、頂いた告知内容をそのまま掲載したけど、三橋順子さんに確認してみたら、やはりいつのまにか名称変更されたらしい(^^;)。

 私のカンでは、お酒を飲みながらTSGの話をしていた人が、誰か「トランスズ サポート グループ」と発音しようとして舌をかんだんじゃないかと思うけどね(って、これは冗談 ^^;)。

 TSGの印象をひとことでいうと、明るくて大変よろしい(笑)。TSGの名誉のためにいっておくけど、これは不真面目という意味ではない。この世には、「悪いマジメ」と「よいマジメ」があって、TSGの場合、「よいマジメ」はあっても、「悪いマジメ」さがないので、安心できるのね。

 「悪いマジメ」というのは、どこかウサン臭い真面目さのことでね。それは何かということを真面目に考えてみると(笑)、これもけっきょくは、私が以前から書いている「絶対正義」だろうね。「真面目」とか「平等」とか「人権」とかね。「社会のことを考えるべきだ」、「弱者のことを考えるべきだ」、「社会をよくするべきだ」というような、ちょっと反論できないような正義(絶対正義)を押し付けて来るようなやつ。そして、押し付けている側もなぜそれが「正義」であるのか、きちんと説明できない。その代わり、「絶対正義」に対して疑問を持つこと自体を封じてくる。これでウサン臭さを感じなかったら、どうかしている。

 今回のTSGで、ちょっと気になったのは、自分の主張を説明するのに「自然権」という概念を使った方がいたことかな。その人は基本的には自力救済という考え方を根底においている人だったので安心できる面もあったし、話の流れのこともあってその場ではいわなかったけど、この「自然権」という考え方は危険だなと思った。

 というのは、この「自然権」という概念はおそらく本質的には「王権神授説」と変わらなくて、神様であれ自然であれ、あるいは宇宙であれ、「この権利のバックには超越存在がついているんだぞ」ということでしょう。実際にフランス革命でも、名前は忘れたけど(^^;)、キリスト教の神様とは違う、何か超越存在みたいなものを祭る祭壇を作って、権利宣言したんじゃなかったかな・・・。そしていまだにそういうものが、意識されないままに、しかし本質を変えずに近代から現代へ「当たり前のこと」として受け継がれているわけ。するとこれは、疑い得ない権利、つまり「絶対正義」が本質だということやね。

 これが「権利」ではなくて、例えば「引力」だったら「自然が作った」あるいは「自然が与えた」といっても、話は判る。なぜ引力があるのかということはそれ以上考えなくても、また判らなくても、引力がどのように働くのかが判ればよいわけで、これは科学(自然科学)の領域だね。しかし、そういう法則もあるいは引力自体も、人類が存在しなくても「ある」ものだけど、権利はそうはいかない。誰も、人類が滅びても権利は「ある」とは思わないだろうし(思うようなら、その人の「権利」信仰は、もう宗教の域だね ^^;)、「権利」が人間にどのように働きかけるのかという数式も書けなければ、地球上にどのように「権利」が分布しているのか、つまり「極地と赤道では、極地の方が権利が強く働いています」などと科学的に測定することも出来ない。その上、なぜ権利があるのかということも判らないのでは、人類は権利について何も知らないことになる。これはやはり、おかしいでしょう(笑)。

 少なくとも現代においての法律とは根本的に、科学の問題でもなければ、もちろん神学の問題でもないはずで、哲学の領域の問題だと思うのよね。

 「人権は時代遅れなものだから捨ててしまえ」とまではいわないけれど、しかし「自然権」の概念は、もはや時代遅れのものとして捨ててしまってもいいんじゃないかね。人権も平等もすべて根底から疑って、その上で人間同士が取り決めたルールとして編み直す必要がある。これはいいかえれば、なぜ人権や平等が必要なのかを説明できる原理を編み上げるということでもあって、それが出来れば「あれも平等、これも平等」という悪平等がはびこった時に、「それは『平等』の問題ではないじゃないか」と反論することも出来るだろうと思う。

 現代の「悪いマジメ」は、王権神授説の同類だ!!(笑)。

L.Jin-na


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