4.通時と共時、階座標系

神名龍子


 ここで念のため、通時と共時について繰り返しておくと、唯時間的観点を通時唯空間的観点を共時といいます。

 ここでは、通時・共時を事象全体の歴史とそれに関わる全空間とします。その通時・共時の軸によってあらわされるのが、図5の1階座標系です。この1階座標系が数年〜数百年を尺度とする観点として、2階座標系は数日〜数十年を尺度とするものです。この時の唯時間的観点を推時、唯空間的観点を限時といい、さらに3階座標系はコンマ以下の秒数から数時間を尺度として、唯時間的観点を系時、唯空間的観点を定時といいます。

 それによって事象全体の歴史と、その中においての個々人の、あるいはある団体の歴史、さらにはそれらの「その時々のあり方」を相互に関連付けて捉えようというのが、この階座標系のねらいです。

階座標系(表2)
階座標系尺度唯時間的観点唯空間的観点対象
1階座標系数年〜数百年通時共時事象全体
2階座標系数日〜数十年推時限時特定の個人・団体
3階座標系秒〜数時間系時定時事象の1要素

 例えば日本の女装の歴史を1階座標系とすると、ある女装会館が開設されてから今日までの推移は2階座標系で捉えることが出来きます。あるいは、女装会館の歴史を1階座標系と捉えてある個人の女装歴を2階座標系で捉えてもいいでしょう。すると3階座標系では、その女装者の今日の化粧の出来栄えとかある一瞬のしぐさなどが捉えられ、全体ではそれら相互の関係を捉えることが出来るのです。

 この階座標系についても私が運動科学から学んだもので、もちろん他のあらゆる分野において利用できる概念なのです。


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