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| 神名 | メールでの質問で、「女性ホルモンを使いたい」とか、「女性ホルモンはどうすれば入手できるか」など、答えに困るようなシンプルすぎる問い合わせ(一行メール)を受けることがあるのですが、こういう「困った問い合わせ」の例と、それに対する回答例について教えてください。 | ||
| YUKI | まず、「一行メールとは、内容が概ね1〜2行で構成され、薬の入手先や病院の紹介を求める内容のもの」として、話を進めます。 私の所に例えば「ホルモン剤を打ちたいけれども、どこで打ってくれますか?」というメールが届いた場合、以下のような返事を書きます。一例として参考にしてください。
必要に応じて上の文の後にメールに対するレスをつけます。 上の返事のポイントは、 1.ホルモン療法の目的(体質改善のためであることを明記する) 2.効果(外見の変化の無いことを明記する) 3.効果判定、副作用の評価方法(血液検査によることを明記する) 4.外見上の変化を求める場合には美容外科へいくべきである 5.ガイドラインが存在している 順不問で、概ね上記の5つの項目が含まれていれば後になって問題は生じないかと思われます。更に場合によっては、 6.精神安定の目的もあることを明記する こともあります。 | ||
| 神名 | たまたま私が知りあった人で、話を聞いてみたら東海地方のある都市からフェアリークリニック(東京)に通っている人がいて驚いたことがあるんですけど(笑)、やはり真剣な悩みであれば、そういう手間を惜しむべきではありませんね。 |
| 神名 | 俗に女性ホルモンの使用によって期待されている効果として、乳房の発達、肌がきれいになる、声が高くなる等、虚実が入り交じって語られているように思うのです。 そこで女性ホルモンの使用による実際の効果について、これらの虚実の別を明らかにするための解説をお願いします。 |
| YUKI |
女性ホルモンの生物的効果は内臓に対する効果として発現します。まず、性ホルモンの作用を受けやすい細胞は顕著にその影響を受けます。最も期待している主体たる作用は間脳視床下部にある、いわゆる「性ホルモン感知細胞」で、これは血中エストロゲン、(テストステロン)の量に敏感に反応し、下垂体刺激ホルモンの分泌を調整します。結果、下垂体からの性腺刺激ホルモンが増減させられ、エストロゲン(テストステロン)の分泌量を変えること。ここに人工的に外部からエストロゲンを投与しますと、上位抑制がかかり、結果的に性腺刺激ホルモンの分泌が抑制されることになり、血中テストステロンの血中濃度が低下するわけです。 それにより、皮膚、毛、爪など、新陳代謝と細胞の世代交代の盛んな臓器については、例えば皮膚がなめらかになる、とか、毛質が女性型になるとか、乳腺細胞が刺激を受けて反応し、「胸(乳房)が痼るようになった」とか、自覚症状が感じられる人が出てくるわけです。しかし、これにも限界があります。そもそも、(生物学的)男性は細胞にあるエストロゲン受容体の数が(生物学的)女性よりも少ないため、たとえ血中濃度が女性と同じ程度となっても自覚症状として感じる程度が著しく少ないわけです。しかし、副作用については話は別です。というのは、エストロゲンの副作用は自覚症状に非常に乏しい(または殆ど無い)ため、自覚症状として感じた時には既に手後れであり、その部分については重篤となっていることが多いわけです。女性ホルモン(エストロゲン)の代表的な副作用を掲げておきます。
血液検査としては、一般生化学検査と凝固系(注1)を行ない、評価します。
なお、一般人に女性ホルモンで効果を示すと思われているが実際には全く無関係ないという効果を掲げておきます。
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| 神名 | なるほど。確かに髭や体毛などは、女性ホルモンを使用しているゲイボーイ(ニューハーフ)達を見ても、みんな高いお金を払って脱毛に通ったりしていますものね(笑)。 |
| 神名 | ゲイボーイ(ニューハーフ)などでも、女性ホルモンは使用すればするほど効果があるとして、短期間に大量に使用(注射および錠剤の服用)するケースがあるのですが、身体が変化するわけですから、その作用にはおのずから限界があると思います。 例えば、「身体の変化」の別の例として、筋力トレーニングについてスポーツ科学でいうと、ある筋肉を限界まで使った場合の40%(腕立て伏せ百回が限界ならば40回)までは筋肉が増えるが、それ以上の回数をこなしても筋肉が増えないというデータがあります。つまりそれ以上の回数をこなしても、無駄である(筋肉が増えない)ばかりでなく、むしろやりすぎれば害になることも有り得るというわけですね。女性ホルモンの使用量についても、これと同じようなことが言えるのではないかと思うのです。 そこで、女性ホルモンの使用の適量(もちろん個人差があると思いますから、それも含めて)についてと、適量を越えて使用した場合の害(副作用?)について教えてください。 |
| YUKI |
これも血液検査で、本来の効果(テストステロン抑制作用)を血中テストステロン濃度を測定しつつエストロゲンの量を決定していくのが正式な使用方法です。 実際には個人差はかなりの幅で存在します。しかも、内臓に対する効果(テストステロン抑制作用)と自覚症状とはかなり副作用が進行しない限り、相関していません。従ってある人が1日に錠剤3錠を服用したとしても、別の人は6錠、他の人は異なる種類の錠剤を1錠となることは日常茶飯事です。しかし、薬には極量(これ以上服用すると毒性については関知せず)というものが概ね決まっています。 ところが薬の知識の無い人がむやみに使用している量を聞いてみると、私がギョッとする程多量に服用している人が多いのです。血液検査をしてみれば案の定、副作用を示す数値が異常値を呈しており、効果(テストステロン抑制作用)についても過剰な反応を呈している(生物として健康に生活することに支障を来すほどの)人が多々存在しています。 薬の使用方法については、公に書いていいものか疑問が残る(資料としての正常値といった内容とは意を異にする)のでここでは参考として公表することを控えます。というのは、それを公表すると、その通りに自分の判断で闇状態で薬を使用する人が新たに出現する可能性があるからです。 薬を使用した場合の副作用は上記2.で書きました。当然、過剰に使用すれば、副作用が通常よりも強く起こります。また、効果(テストステロン抑制作用としての)が過剰になった場合には再生不良性貧血、タンパク同化作用障害(創傷治癒の遅延等)を引き起こす原因となります。 |
| 神名 | なるほど、おおよその予想はついていましたけれども、薬を過剰に使う人が多いわけで、逆に少な目にしか使わない人はいないか、いてもごくわずかだと言うことですね。これは再認識して、注意する必要がありますね。 また薬の適正な使用量については、個人差が大きいために、一人ひとりが検査を受けることで「その人の適正な使用量」を医師が判断してゆくしかないという事ですね。 性同一性障害の治療が正式にスタートしたわけですから、これまで「闇」で女性ホルモンを使っていた人も時代が変わったことを認識して、一人でも多くの人が正規の安全な治療を受けるように意識を切り替えて行くようにして欲しいと思います。 |
| 神名 | その他、女性ホルモンについて、よくある誤解と、それについての正しい知識について教えてください。 |
| YUKI | 当然といえば当然、基本的なことですが、女性ホルモンを使用しても女性にはなれません。当事者の中には、理想の女性像をイメージして、それになる、というつもりで安易な気持ちでホルモンを使用する人が結構います。いわゆるホルモン幻想というものです。これがある限り「ホルモン使用=完全なる女性化」という間違えは無くなりません。 |
| 神名 | これを機に認識を新たにして、女性ホルモンに安易な気持ちで接したり、幻想を持つ人が少しでも減ってほしいものですね。どうも、ありがとうございました。 |