半年が過ぎました


from 足立みのりさん (2001年05月12日 18:29)

龍子さん、おひさしぶりです、みのりです。

有里と一緒に住み始めて半年が経ちました。 最初の予定では、「(昨年の)12月中に引越しを完了し、年末に最初で最後(?)の里帰りをして、1月から本格的に……」でした。ところが前回の書き込み直後、あたしがインフルエンザにかかりあえなく玉砕(^^)。有里は看病のためにお里帰りができませんでした。
その後、1月末までは彼女も専業主婦を満喫してましたが、幸か不幸かアルバイトが決まり、
(あたしは堅気の夜の商売なので)今では土日以外はすれ違いの毎日です。

一緒に生活することでお互いに精神的に安定するかどうか、
不安だったのですが、(これはきっと有里の性格にも起因するんだろうけれど)不思議に上手くいっています。病状も比較的安定しています。
あたしに関するかぎり(あたしの性格なのか、クラインフェルター症候群の影響なのか)よくヒスを起こして爆発してしまうのですが、そういう時でも彼女はうまく対応してくれています。
彼女にはすごく感謝しつつ、ある意味かなり幸せなんだろうと思っているのにも関わらず、
「人間の欲望は限りなく続く」ものなんだと痛感しています。

【「自分がどういう性質を持っているか」、「自分がどういうカテゴリーに属すのか」そして、「今後どうすれば最善なのか」を常に一緒に考え話し合い、行動してきたつもりです。その過程の中であたしのIS発覚もあり、身体の状況や、あたしの性自認がほぼ真ん中である事や二人の関係を今後どうしていけばよいのかにも答えが見つかってきたようです。】と昨年の10月に書いた割には、再びその答えはわからなくなってきてしまいました。
「一緒に住み、一緒に考え、行動する」ということに「満足してしまった」のが原因だろうと思います。
今のあたしの悩みは「自分がどういう方向に進んでいくのが良いか」ということなんです。例えば彼女のように MtF TS ならば、ある程度の方向は定まっているし(それが技術的になかなか困難ではあるけれど)その方向に突き進めばよいと思うんですよね。(その為の第一歩として)一緒に住み始めて、彼女を応援することに集中しようと【決めてしまった】ことが大きな間違いだったのかなぁ……。彼女が突き進めば進むほどあたしはその彼女に嫉妬しているんです。
贅沢なんかなぁ、そんなの……。

【一緒に前進すれば良い】のだろうけれど……

1つの解決策として、「糖尿と腎臓疾患で何もできない」と決めてかかっていましたが、もう一度、埼玉医大に行って、可能な方向性を見出してもらう、というのを考えたんだけれど、他力本願なんですよね、これって……


自分を裏切らないという事

 自分の可能性を探る事は、「他力本願」とは違うと思いますよ。なぜならこの場合、それは専門家の手を借りなければ出来ない事なのですから。ただ、

彼女を応援することに集中しようと【決めてしまった】ことが大きな間違いだったのかなぁ……。彼女が突き進めば進むほどあたしはその彼女に嫉妬しているんです。

 これは私の考えでは、「贅沢」かどうかなんていう問題ではなくて、また、彼女に対して約束を守るかどうかという問題でもないと思います。「自分で決めた事」について、自分との約束を守れるか、それとも自分を裏切ってしまうかという問題ではないでしょうか。そういう意味で、みのりさんは今ちょっと自分を失いかけているのではないかと思います。

 自分で決めた事を続けながら、その上で、自分の先を考え、現実的な可能性を探って行くのであれば、誰からも責められる筋合いはないでしょう。だけど、自分を裏切ってしまったら、結局は自分自身から責められ続ける事になるでしょう。それが判っているから、私は誰に対しても、ずっと「負い目を背負い込むような生き方はするな」といい続けているのです。

 ところで、

「一緒に住み、一緒に考え、行動する」ということに「満足してしまった」のが原因だろうと思います。

と書かれていますけど、これはどういう意味でしょうか。「満足してしまった」から「土日以外はすれ違いの毎日」になってしまった現在では、あまり接点を持たないままで過ごしている? もしそうだとしたら、その没交渉が問題なのかもしれませんね。

 互いに離れていたら、例えば1週間や半月に一回くらいのメールのやり取りでも、それなりに「判り合えている」という感触が得られるものです。なぜなら、その程度のメールのやり取りでもしなければ「全く判らない」状態になってしまうから、それよりはマシだという話になる。でも一緒に住んでいたら、そうはいかないでしょう。一緒に住んでいるのだから、何でも判るはずだとか、判っていると考えてしまいやすい。

 だけど本当は、そういう場合にこそ、細やかなコミュニケーションが必要なのだと思います。まして、以前は「平均1日3往復」のメールのやり取りをしていたわけでしょう。一緒に住んでいる今の方が、よほど没交渉になってしまっているんじゃありませんか?

 平日に直接話せる機会が少なかったら、交換日記のようなノートでも1冊作ってみるとか、ちょっと工夫が必要かもしれませんね。そこに書き込む事は、1回当たりあまり長い文章でなくてもいいんです。気負って書くと、かえって疲れてしまって長続きしないかもしれませんし、そうそう毎日そんなに話題があるはずもない。また、忙しい中でそんな時間も必ずしも取れないでしょう。でも、別に必要な連絡事項とかでなくても、ちょっとした言葉でもいいから、毎日交換し合っていたら、それでずいぶん違うのではないかと思います。

 最後に、「嫉妬」についてですけど、「妬み」というのは「傷み」に変わりやすい。「傷み」はさらに被害者意識を生み、「今の私の不幸はあの人のせいだ」みたいな「恨み」に変わりやすい。T's の中にも、具体的に親を恨む人から、「この性別二分社会が悪い」とかいう人まで、たくさんいますよね、こういう人。

 だけど、他人と自分を比べて、相対的な幸・不幸に一喜一憂することには意味がない。なぜかというと、幸・不幸は本来「競争」のゲームではないからです。何が幸福なのかは人によって違っていて、その基準が一元化できないから「競争」の基準がないわけですね。だけど、隣の芝生が青く見えちゃったりするわけです(笑)。

 細やかなコミュニケーションが必要だと書いたのも、お互いの気持ちや苦労が判ったら、必ずしも「隣の芝生」が青くないことが判るからです。青く見えたけど、本当は違うんだな・・・と。だから、そのコミュニケーションは社交辞令の交換ではなく、本音が語られていなければ意味がないし、もし本音を明かせないんだったら、その事が問題ですよね。

L.Jin-na


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