from 三橋 順子さん (1999年04月10日 16:56)
4月新年度から矢島正見中央大学教授(社会学)を代表に、 私(三橋順子)が研究総括を担当する「トランスジェンダー社会史研究会」が正式発足しました。
社会史という方法を用いて、戦後日本の異性装と社会の関係を総合的に把握しようという学術研究プロジェクトです。
3年計画の初年度にあたる今年度は、主に文献資料の収集と整理を行う計画ですが、
1月〜3月の予備調査で「大宅壮一文庫」(世田谷 八幡山)と「風俗文献資料館」(神楽坂)で 相当量の文献を収集できました。
すでに1950年代後半〜70年代前半に発行された性風俗雑誌『風俗奇譚』と『奇譚クラブ』の女装関係記事は、ほぼ完全に収集し、現在、1940年代後半〜50年前半のカストリ雑誌や (カストリという粗悪な密売焼酎のように3合=3号で潰れるという粗悪な短命雑誌群)1970年代以降のSM雑誌掲載の関係記事にまで手を広げて収集中です。
また、予想外の成果として「風俗文献資料館」に保管されていた鎌田意好氏(富貴クラブ会長) の 個人スクラップ・ファイルを「発見」することができ、1960〜70年代に活動した謎の女装秘密結社「富貴クラブ」の会則や入会申込書を複写することができました。
元『風俗奇譚』編集長で現「風俗文献資料館館長」の高倉一氏にも面識を得ることができ、 いずれ詳しいインタビューをお願いする予定です。
もし、この研究会に興味がお有りの方、あるいは女装関係のスクラップなどを借覧させてくださる方がいらっしゃいましたら、三橋までご連絡ください。
| PS. |
『ニューハーフ倶楽部』24号(三和出版)から、私の新連載 「日本女装百話」が始まりました。 戦後女装の社会史を概観することを目指した連載エッセーです。 第1回は「戦後の出発点 上野の山の『男娼』全盛時代」です。 読んでいただけるとうれしいです。 |
あの人は、取材であちこち行きますから、「今のうちに昔の(と、いっても、やはり戦後の話ですが)女装はどうだったとか、そういう話を集めておけ」と、そういう話だったと記憶しています。それとゲイバー(ニューハーフバー)の変遷についてもですね。
例えば、昭和30年代だと、カツラなんか高くて買えなくて、その代わり頭をスカーフで巻いたとか(当時、女性の間でそういうファッションが流行っていたそうです)、そんな話をエリザベスに通ってた頃に、大先輩(^^;)の方達から、うかがった事がありまして、そんな事から思い付いたのでしょう。
こんな事も、やはり時代背景とは切り離せない女装の在り方で、「戦後日本の異性装と社会の関係を総合的に把握」する事の一種なのかなと思います。
こう言っては該当者の方々には悪いのですが(^^;)、こういう作業は今の内にやって置かないと、特に終戦直後の「生き証人」がどんどんいなくなる。今は、そんなギリギリの時代だと思うんです。それが上の、「今のうちに…」と言う言葉になって出たんですね(^^;)。
今回の「トランスジェンダー社会史研究会」の正式発足と、上記の事とは別なのでしょうが、私としても、非常にうれしく思います(^^)。
