新 西遊記


 無事(?)にアフラを出発したエルウィン一行。しかしながら東方の古詩にも「西の方、陽関を出ずれば故人なからん」と申します。
(唐の詩人王維の七言絶句より。
陽関は中国西部敦煌の西にあり、これを越えれば助けてくれる人もおらず生きて帰れる保証もないという意味、らしい)
 さて、「陽関」はまだ先の話としましても、それを越える前に片づけておかなければならないことがございます。
 「小人同して和せず、大人和して同ぜず」(器の小さな人は馴れ合うが心から相手を信じて協力しあおうとはしない。器量のある人はその逆)と申しますれば、まず一行の内にも和を定めることが肝要かと存じます。天魔両族の反目は如何にして解かれるか。
 先ずは第四回をお読み下さい。


第四回


 西方行のメンバーは祭司のエルウィン、警護役として魔族からは魔戦士ゼニア、天使側からは聖戦士のヘラ。これに飛び入りで同行しているネルと夢魔のレノラという面々。呉越同舟とは言いながら、危難がすぎれば犬猿互いに牙を剥いて争うの例え通り、少しばかりぎくしゃくしてくるのも自然の成り行きというもの。
 ネルとレノラの自主的(強引)な参加については、エルウィンやゼニアはこれといって反対はしていないものの、一人ヘラだけは渋い表情を隠さなかった。
 彼女の反対意見としては、一つには旅先で出会うであろう様々な危険に際してエルウィン一人の安全を図るだけでも大変なのに、これに少年であるネルの面倒を見るのは難しいということ。最悪の場合、エルウィンの安全を優先させて、彼女の親友であるネルが危難の渦中に取り残されるということも有り得る。レノラについても戦闘要員としてはあまりにも非力で、戦闘時には足手まといとなって、親友(愛人)であるゼニアの集中力を削ぐことになりかねない。
これらの意見は一応正論であるだけに、水を向けられたエルウィンやゼニアも面と向かっての反論はできなかった。
 だが一方で正論を展開しながら、裏の意見としてヘラの私的な感情もある。
 一つには天使側からは彼女一人しか参加していないのに、魔族側から同行者が二人いるのは不平等だという天使側としての生来の反感。
さらにアフラの一件ではレノラに籠絡されて痴態を晒し、ゼニアに助けられたということから生ずる羞恥心があった。
 同行者数不平等説については、ヘラ自身がレノラを戦力と認めていないこともあって、武功を魔族側に総取りされる心配はない。羞恥心に関しては彼女自身の問題であって、レノラやゼニアがこれを楯にとってどうこうすると考えるのは被害妄想というものであろう。
 そんなわけで、アフラを出てはや三日、一行の中に漂うぎくしゃくとした雰囲気はそろそろ耐え難いものになってきていた。それというのも日数が重なるほどネルの帰宅の道程が長くなるので、ヘラの圧力が高まってきたことがある。
これが成人なら自分の始末は自分でつけると啖呵の一つも切れるものだが、少年でなおかつ両親に無断で飛び出してきたネルにはヘラの帰宅を勧める言葉を躱す術がなかった。
「うきゅー、あんなにいじめられて、ネルくんが可哀想ですぅ。ゼニアさん、なんとかなりませんか」
 ゼニア共々露払いをつとめているレノラが嘆いた。エルウィンたちは馬を引きながら遥か後ろをついてきている。
「しっかし、こればっかりはあたしも立場があるからねぇ。ヘラの言い分も建て前上は筋が通っている以上、感情論で可哀想とか言ってもなんの助けにもなんないしね」
 ゼニアとレノラは今夜の宿泊予定地であるクカモンガ目指して飛行中だった。
クカモンガは都邑アフラから西へ向かう街道沿いの宿場町で、陸路西方への玄関口に当たる。だがそれ以上に、この近辺一の温泉保養地として知られていた。
(関東在住の方は小田原箱根近辺を御想像下さい)
 宿屋の格もピンきりでいろいろあり、安い宿では農閑期にアフラ近辺の農夫達が自炊の道具一式を積んだ牛馬を引いて湯治に来たりもする。値段の張る宿では当然三食食事付きで、裕福な家の病人が長逗留したり、西方から長旅をしてきた商隊がアフラへ入る前に長旅の垢を落としたりもする。
 いまは農繁期(シーズン・オフ)ということもあってクカモンガもさほど人出は多くない。交渉次第では比較的安い値段で上宿に泊まれるはずである。宿が予約できたらゼニアたちは反転して後から来るエルウィン一行に合流することになっていた。
「その建て前のことですぅ。あのひと、口ではアタシにも離脱を迫りながら、毎晩身の回りの世話をさせて厚かましいったらないですぅ」
 レノラはぷりぷりしている。
「うーん、あれには困ったもんだ。ま、あたしにも責任があるんだから、何とも言えないけど。気持ちイイって言うんなら適当に付きあってあげてれば。そうすりゃ同行を許してれるようになるかも」
 身の回りの世話とは、この前の一件でゼニアの大ボケによって膨腹破裂させられたヘラが、予後の医療行為と称してレノラに爆腹のマッサージを強要するようになったことである。ただし、ヘラは前回レノラに丸め込まれたことを警戒しているらしく、彼女が命じる以上のことをしようとすれば大目玉をくらう。
 そのためレノラにしてみればネルのところへ忍んでいく時間はなくなるし、彼女自身はちっとも気持ち良くないし、やたらと気を使って疲れるしで良いことは少しもない。そのため気分を害しているのである。
「ゼニアさんはお勤めを迫られないから気楽にしてられるんですぅ。どうせ天使なんか禁欲を標榜にしてるんですから、他人に見えないところで勝手に自慰でもしてればいいんです。それをお腹が大きすぎて手が回りきらないんでマッサージしろなんて。アタシはマゴの手じゃないですぅ」
「まあねぇ」
 クカモンガ向けて降下しながらゼニアが等閑な返事をした。
 ヘラの無愛想な態度は着装している鎧同様に彼女の体型コンプレックスを隠すための表層的な行為である。ゼニアとレノラはそのことを察しているが、エルウィンとネルはそのことを知らず、ヘラの方でも自分の“通常体型”を隠そうとしている。だが冷静に考えれば、長途の旅の間にこのような秘密が隠し通せるわけはない。その食い違いがヘラ自身への心理的圧力になってネルやレノラと接する態度に表れているのではないかと考えられた。
『こういうことは正面向かって話し合っても何も解決しないのよね。戦術的には敵を油断させたうえで予想外の方向から攻撃を加えるということになるんだけど・・・・この場合には、その役目はやはり人間(エルウィンとネル)か』
 人間が相手ならヘラも警戒心が緩むし、よほどのことがないかぎり怒ったりしない。
これが魔族なら冷静に話し合う前の段階で先ず感情的に物別れに終わってしまう。
『ネルは当事者だからまずい。やはりこのパーティーの主宰者はエルウィンなんだから彼女の出方次第で・・・でも彼女もネル君と一緒に行きたいのと、旅の危険との板挟みで悩んでるみたいだし、賛成意見という援護射撃を求めるのは酷というもんだわ。
・・・・! ・・・と、そうか 。意表をついた攻撃というのは誰も予測できないから、“敵を騙すには先ず味方から”という公式が成り立つんだ。予測できないのは自然体のエルウィンであって、彼女をこっちの味方に引き込んで枠に押し込めることじゃない・・・となると・・・・・・・・・・ん? ! 」
 ゼニアがふと背後の気配に振り返ると、愚痴を聞いてもらないレノラが恨めしそうにしていた。
「ゼニアさん、冷たいですぅ」
 着地したレノラが翼をたたみながら言う。
「怒らないでよ。少し考え事してただけなんだから。それもあんたとネル君のためを思って」
 レノラにマントを羽織らせながら、御機嫌取りのついでに軽く接吻してやる。
「あっ・・・これくらいじゃ騙されないですぅ」
「そう?」
 ゼニアはレノラの巨乳をわしづかみにすると揉みしだいた。
「あんっ、道端でこんなことしちゃダメですぅ」
 レノラがゼニアの腕の中で身を捩った。
「いいじゃない。わき道だし人通りもないし、レノラの乳首もたってるし」
 策といえるほどのものではないにせよ考えは何となくまとまった。だが実行の前にレノラを説得しなければならない。それには少しばかり気持ち良くしてやることが必要だとゼニアは承知している。
「あうっ・・・ん・・・アタシとネル君のためって?」
 久しぶりのゼニアの愛撫に流されまいと堪えるレノラにゼニアは話を切り出した。
こういうときのレノラは言いくるめやすい。
「そう。そこで相談だけど・・・・こらっ ! ほんとに雰囲気出して喘ぐな。人の話しを聞けっ ! 」
 この二人はいいコンビなのだが大事なときには息が合わないのだった。


 クカモンガにおいて上宿と順位付けされる宿屋は何件かあるが、その中でも〈萬緑荘〉という山の手の宿屋はちょっとしたものである。
 この大陸東部の諸国が自治都市へと移行してく以前、アフラからこの一円を支配していた王がいた。〈萬緑荘〉はクカモンガが地理的にも政治的にもアフラの西口に当たった時代の諸侯の居城の跡地に建てられていて、現在でも「本陣」とか「ヒューム卿の城」という名前で呼び慣わされている。
 昔からこの地を通過し、あるいは訪れてきた有力者を歓待してきたに相応しく、この城の縄張りは城本来の機能に加えて来客用の快適な宿舎が建っていた広壮な敷地があった。
 〈萬緑荘〉はこの敷地に建てられていて、宿泊客のプライバシーを確保するために大小五つの宿棟が本館と渡り廊下でつながっていた。無論温泉保養地に相応しく、大浴場のほかに各棟には個別の小浴場が設えられている。
 ゼニアとレノラは交渉の末、比較的安い値段でこの一棟を借り切ることができた。食事や各寝室の豪華さもさることながら、このプライバシーの確保された隔絶した空間こそ“ヘラ説得工作”に必要な舞台であると二人は判断したのである。
「へえ〜〜、なかなか良い宿じゃない」
 宿に着いた一行は嘆声をあげた。
かつて「ヒューム卿の城」があった高台の白壁二階建ての本館は、広い前庭から夕景のクカモンガが一望できる。これで温泉を引き込んだり、水に困ったりしないのは、やはり城としての立地を考えられた場所だからであろう。
「けっこう張り込んだんじゃない?」
 エルウィンが尋ねた。ネルは引っ張ってきた馬を柵に繋いでいる。
「客が少ないし、こっちの素性もほのめかしたら安くしてくれたの」
「それにこの先、旅もきつくなりそうだし、ちょっとぐらい贅沢しても罰は当たらないですぅ」
 ゼニアもレノラも愛想よくこたえた。
「みんな一部屋ずつ借りられたし、これがまた広いしキレイなんです。お風呂も棟付きのを貸し切りにしましたから、結界を張っとけば警備のほうも万全ですぅ」
 まだ旅も家の玄関にさしかかった程度でしかないのだが、旅塵を払い落とす機会があれば多少の楽しむのは悪いことではない。
「急な宿泊でまかないの人手が足りないんで、足を洗ったら食事を先にすませてくれって。部屋にはアタシが案内しますぅ」
 レノラのガイドのもと、保養客気分で一行はいそいそと荷解きをはじめた。」


「ごちそうさま」
「ごちそうさまでしたぁ」
 食事を終えた五人は大食堂の席を立った。
 卓の上の皿はきれいに片付いてしまっていた。
料理は質量ともに上宿に相応しいもだった。育ち盛りとはいえまだまだ子供のエルウィンやネル、それに人間ほど食事を必要としないゼニアやレノラでは、大人五人分の料理というのは少し多すぎるような気がしないでもないが、それらは全てヘラの腹の中におさまってしまっていた。
「食事中も鎧を外さないの?」
 エルウィンが素朴な質問をした。
「不意のことに備えるのが仕事だから」
 言葉少なに答えながらヘラはゼニアとレノラを目線で牽制した。
 鎧を外せばヘラは“通常体型”に戻ってしまう。この極秘事項を守秘するように、ヘラは二人にかたく言い渡していた。
「へーぇ、警護も大変なのね。でもあたし、仰々しいのはあんまり好きじゃないんだけどな。周りのお客さんも気にするし」
 鎧よりもヘラの堅物的な態度のほうが一行の雰囲気を重くしている。エルウィンにしてみればネルの同道の件も気にかかっているし、もう少しヘラには軟化してほしいと思う。
 クカモンガを出れば、黒竜河を渡ってデステインまで旅程は二週間近く、大きな町はない。
ネルに引き返してもらうならこの辺りまでが安全圏である。エルウィンにしてみればネルの同行は嬉しいことながら、先の道程を考えると自分からネルを誘うことはできなかった。それだけにネルの同行に渋い態度を取り続けているヘラには、どう話しを持っていったものか彼女なりに気を回さざるを得なかった。


「ヘラ、ちょっといい?」
 食堂を出て貸し切りの宿泊棟へ戻ろうとしているヘラをゼニアが呼び止めた。
「なに?」
 少し身構えてヘラが立ち止まる。
「いやね、お風呂のことなんだけど・・・」
「わ、わたしは入らなくてもいいのよ」
 自分の“通常体型”を人目にさらすのが嫌なヘラは表情を強張らせた。
「そうくると思った。だからもう一つ余分に浴室を借りといたのよ」
「へ?」
「ここって建物の造りもそうだけど、客のプライバシーにけっこう気を使ってて、棟付きの浴室の方にも家族風呂とかあるのよ。それで貴女のことを思いだして、浴室を二つ借りといたの。エルウィンとネルくんにはもう一つのほうに時間をずらせて交代で入ってもらえばいいから」
「・・・・・・」
 案外なゼニアの配慮に、礼こそ言わないがヘラも心を動かされたらしい。少しだけ表情が和らいだ。
 ゼニアが借り上げた浴場の場所を説明して立ち去ろうとすると、ヘラが呼び止めた。
「なに?」
「あの・・・一人で使うのは勿体ないから、一緒に入らない?」
 ヘラが喉につかえたような物言いでゼニアを誘う。ゼニアが巨腹好きであることを承知の上で不器用なモーションをかけているのである。毎晩レノラに爆腹を“マッサージ”させているだけあって、ヘラも自分の肉体を好意的に見てくれる者には悪い気はしないらしい。
「いいのよ。あたしはエルウィンについてるから。
戦闘要員が二人して個人的な楽しみに耽るのはよくないでしょう?」
 そう言ってゼニアは目配せした。
「そうね」
 少し残念そうなヘラ。
「また機会があれば、ね?」
 ゼニアは踵を返すとその場をあとにした。ヘラに背を向けて廊下を歩きながら、彼女はニヤッと悪戯っぽい笑いを浮かべた。


数十分後・・・
 腹掛の上から宿屋で一番大きな浴衣を羽織ったヘラは、部屋の扉を少しだけ開けて廊下の様子を窺うと息を潜めて指定の家族風呂へ向かった。
農繁期の季節外れで客足が少ない上に、建物の廊下の配置で客同士が顔を合わせることがないようになってる。
そうでなくとも警備上の都合と称して湯治場で一番隔絶した部屋と温泉を借りているのである。
 これではヘラと出会うのは同道の四人しか有り得ないのだが、その四人のうち彼女の“通常体型”を知らないエルウィンやネルに見られるのを避けたかったためである。
だが少年少女を足止めするようにゼニアやレノラに言い渡したこともあって廊下には人の気配はない。それでもヘラは人目をはばかるように急いで部屋割り当ての風呂場へ向かった。
 見る人こそいないものの、たしかに浴衣姿の彼女は人目をひく格好をしていた。腹囲を半分以下に押さえる魔法の腹掛を身に付けてさえ、盛大に迫り出した超絶的臨月状態の爆腹によって浴衣の前襟がはだけかけている。そのために胸元が大きく開いてしまっていて、腹掛の圧縮場に包まれていない頭二つ分はありそうな爆乳の谷間が挑発的に見えていた。
 辛うじて浴衣をまとめている共布の帯は二本つなぎあわせてあるのだが、そうしてさえ彼女の腹を辛うじて一周している有り様である。無理やり引き絞って結ばれた帯はヘラの柔らかな腹部に食い込み、彼女の歩みに合わせてユサユサと揺れる腹の動きで今にも引き千切れてしまいそうだった。
 
 ヘラはゼニアと打ち合わせした借り上げの二つの家族風呂のうちの片方の脱衣場に身を落ち着け、プライバシーが確保されてはじめてホッと安堵した。
 水の属性を属性を持つヘラは決して入浴が嫌いではないのだが、どうしてもこの自分の“通常体型”を人目に晒す気にはなれなかった。旅の道程が過酷になってくればこのような贅沢は言っていられないのだろうが、そうなる前はやはり自分のコンプレックスを優先させてしまう。
 ヘラが帯を解くと縛り上げられて窮屈そうにしていた腹がまとわりつく浴衣を振り切って飛び出してきた。
完全にはだけてしまった浴衣を脱ぐと帯と一緒に脱衣籠に放り込む。次いで腹掛をはずすと、彼女の長い腕でも辛うじて抱えきれるかどうかという九つ子の臨月相当の爆腹がさらに倍近くに膨れ上がり、妊娠三十ヶ月の九つ子とでも言うべき大きさになる。
「あっ、しまった」
 ヘラは首の後ろで結んだ腹掛の紐を解こうとした拍子にタオルを取り落としてしまった。
「うーん、よっ、いしょっと」
 魔法の腹掛のない完全な“通常体型”では屈み込むのは大変なのである。それに屈み込んだとしても、大きすぎる胸と腹のせいで足元近くに落ちているものを拾い上げるのがこれまたやはり大変なのだ。
 両股を広げてしゃがみ、視界を遮る胸と腹を軽く押さえて下方を覗き込もうとすると下腹部が床に届いてしまう。(相撲取りの仕切りを御想像下さい)「やっぱり、これじゃあねぇ」
 しゃがんだまま手を伸ばすと盛大に迫り出した下腹部が床に触れる。ひんやりとした木の床の感触を下腹に感じながら、四苦八苦してタオルを拾い上げたヘラは溜め息をついた。
 弱みは見せたくないのだが、こういうときにゼニアかレノラがいてくれたら大いに助かる。些細なことだが、アフラでの百二十年に及ぶ年月は私生活の面での結構苦労が多かったのだ。
 この二三日、エルウィンとネルが寝静まったあとで彼女達に腹のマッサージをしてもらっているが、それはあくまでも予後(第三回の膨服破裂)の治療である。
あまりに大きすぎて自分では手の届かない部分が多すぎる腹や胸を他人の手で撫でてもらうのはそれなりに心地よいのだが、やはり本質を結合させたときの快感にはかなわない。
『わたしったら何を考えているの。よりによって夢魔なんかと結合してしまったときのことを思い出しているなんて』
 レノラと結合したときのことを思い出すと膨らんだ胎内に蓄えられた大量の生命エネルギーが波立ちはじめる。
「ダメよ。駄目」
 我知らずヘラは声を出し、本当の妊婦が腹の中で暴れる子供たちをなだめるように腹を撫でさすった。
『風呂を出たらまた少しマッサージでもしてもらわなきゃ・・・』
 脱衣場の敷き居をまたぐとヘラは浴場へ入っていった。


「いいですか。先日の件でも分かるように何者かが貴女を狙っていることは明らかです」
 ゼニアはいかにももっともらしい表情を作ってエルウィンに話しかけた。
「この辺りはまだまだ分水嶺の東側ですからさほど危険なことはありませんが、私たちとしては貴女の身辺の安全を確保する責任があります」
「それで?」
 いささか面食らった表情でエルウィンはゼニアを見つめ返した。たかが貸し切りの風呂に入りに行くのに、なぜゼニアが大仰な物言いをするのか分からないからであった。
「浴場は家族用のものを二つ借りてあります。一方は男性用ということでネル君に。
もう一方は女性用ということです。中にはすでにヘラがいて、浴場内の安全の確保に当たっています」
「あなたやレノラさんは入らないの?」
「え、ええ。その・・・あんまり大人数で入ると狭いですし、わたしは外の見回りをしなければいけませんから」
 さほど鋭いとも思えないエルウィンの質問にゼニアは少し慌てる。この際ヘラの“通常体型”を暴露してしまおうという陰謀(?)を悟られてはならない。
「あたしは別にみんなと一緒でもいいのよ。その方が楽しいし、ネル君だって一人じゃ寂しいでしょ?」
 せっかくみんなが仲良くなりはじめたのに、という表情でエルウィンがゼニアを見つめ返す。エルウィンにしてみれば御役目よりもスキンシップの方が大事なのである。
 しかしネルと混浴になってもいいというのはなかなか大胆な発言だった。
「まあ、そうだけど・・・ここはひとつ、私たちの顔を立てて・・・」
 御願いしますよ、と言わんばかりのゼニア。そもそも勘の鋭いエルウィンを騙してヘラの秘密を白日の下にさらそうなどという企みに無理がある。
「ま、いいわ。でも、天使と一緒にお風呂に入るのが嫌だって言うんなら・・・」
 ハイ・エルフの血を引く瑠璃色の瞳でエルウィンが脅迫するようにゼニアを睨む。
お互いに仲良くしようとしない魔族と天使に業を煮やしているらしい。
「そんなことないわ。ほんと。できたらあたしも一緒に入りたいぐらい」
 少女とは思えないエルウィンの迫力に、ゼニアはふるふると首を横に振った。
 偽らざる気持ちとしては、ゼニアにしてもヘラの豊満な肉体やほっそりとしたエルウィンの姿態を眺めながら入浴はしたいのだか、ヘラが嵌められたと知れば浴場内が修羅場と化すことは目に見えている。その点、エルウィンだけならヘラも怒りようがない。
「いいわ。中でヘラさんも待ってるってことだし、とりあえずここはゼニアさんの顔を立てましょ。でも周囲の安全が確認できたらゼニアさんも来てよね」
 エルウィンがにっこりとゼニアに笑いかける。
 アルマンドに襲われた一件以来、エルウィンもゼニアを信頼するようになってきている。とはいっても、彼女自身を助けてくれたことより、ネルを助けてくれたことに感謝しているらしい。
「は、はい」
 天衣無縫のエルウィンの笑顔に、後ろ暗いところのあるゼニアは硬くなって返事した。モーションをかけられたわけでもないのだが、妙にドギマギしてゼニアは赤くなってしまう。それだけエルウィンの笑顔は魅力的で邪心がない。
「じゃあね ! 」
 エルウィンは赤くなったゼニアを置いて浴場へ歩いていった。


「はぁー、極楽極楽」
 湯船にどっぷりと身を浸したヘラは思いきり手足を伸ばして寛いでいた。
 この宿の家族風呂というのは、元はむき出しの岩場に堀のように穿たれた水路を石組みでいくつかに区切ったもので、そこに湯元から温泉を引き込んでいるらしい。その上にあずま屋を建て、板塀や生け垣をめぐらせて空間を確保した半露天形式のものだった。
 浴槽は巧みな石組みによる岩風呂で、家族風呂とは言いながら六七人が一度に浸かれる広さがあり、洗い場には簀の子が敷かれていた。さらに贅沢なことには備え付けの石鹸(作者注 この世界では石鹸は贅沢品のひとつです)まである。さすがは保養地の高級宿、奮発した甲斐がある。
 湯元は硫黄泉らしく、少し匂いがあるが溶存物による濁りは少ない。それを渓流から引き込んだ水でうめて入浴できる温度にしていた。
 ヘラが湯船に浸かると巨大な乳房と腹が浮子(ウキ)の役目をしてしまう。これでは自由な姿勢で入浴できないし、コンプレックスの種である爆乳爆腹を意識してしまうので、水中では身体と温泉水の比重が一対一になるように質量を操作していた。
『やっぱりどっちか(ゼニアorレノラ)誘った方が良かったかなぁ』 ヘラは身体をひっくり返すと湯舟の底に手をつき、足を伸ばして軽くバタ足をしてみた。
ただし彼女の場合は手で支えなくても腹が湯船の底に届いている。
「ん・・・ん・・・」
 ヘラは四つんばいになると爆腹を湯船の底に押し付けてみる。
『駄目よ、こんなことしちゃ』
 “通常体型”では股間に手の届かない彼女にとっては自慰に近い行為である。
 最近、ふとしたことで妙に切ない気分になってしまう。
心の奥ではゼニアとレノラの関係を羨ましく思っているのだろうと自分でも分かっている。
それがレノラに離脱を迫ったり、ネルに帰宅をすすめたりする言動に結びついていた。
『わたしだって、いいヒトの一人ぐらい・・・』
 片手を爆乳に伸ばして乳輪の辺りをまさぐると乳首が硬く勃起していた。
『もうやめないと・・・』
 本当に収拾がつかなくなってしまう。
 ヘラが湯が出ようとしたとき、脱衣場の扉が開き・・・
「ヘラさん、いるぅ?」
『えっ? えっ! ?』
 エルウィンの声に慌ててヘラは湯船に身を沈めた。
「わたしはいるけど・・・ちょ、ちょっと、ここは・・・」
 ヘラが大声で返事を返す。
「女性用なんでしょ」
 くぐもったエルウィンの声がする。気配からしてすでに服を脱ぎはじめているらしい。
 ヘラは狼狽えた。どこでどう話が食い違ったのか、エルウィンはヘラがいることを承知でこちら側の浴室に来たらしい。
 一瞬ヘラは逃げ出そうかと考えた。隠身の術を使うか、力任せにあずま屋の板塀をぶち破って飛び出すか。しかし、全裸で姿をくらませて、そのあと一帯どうしたら良いのか、パニクった頭では考えがまとまらない。
「失礼しまぁーす ! ! 」
 元気な声と同時に浴室の戸がガラッと開くと一糸まとわぬエルウィンが入ってきた。
肩からタオルを引っかけ、女性同士なので気にしていないのか胸も股間も隠そうとせず、立ちこめる熱気と湯気をくぐってヘラがいる湯舟の方へやって来た。
『ど、どうしたら・・・』
 ヘラは狼狽えた。温泉の湯は透明度が高くて彼女の身体を隠してくれない。ヘラは少しでも小さく見せようと、両手のまわりきらない爆腹をギュッと掻き抱いた。
 自分の身体を見たらエルウィンはなんと言うか。
 驚くか、好奇の目で見られるか。はたまたみっともないとか気持ち悪いとか言われるかもしれない。
 何を言われても我慢しよう。そしてそのあと暇乞いをしてアフラへでも帰ろうかとヘラは思った。
「?・・・ヘラさん・・・?」
 湯船の縁に立ってヘラを見下ろしたエルウィンは、一瞬自分の瞳にうつっているものが認識できなくて口籠った。あるいは湯の中に怪しげな生き物がいると思ったのかもしれない。
 そらきた、とヘラは思った。次に何を言われるか、覚悟する。あくまで平静を装い、湯船の中で寛いでいる振りをしてヘラは目をつぶった。エルウィンがどのような表情をしているか見るのが怖かったからである。
「へえぇぇ」
 エルウィンが溜め息をもらした。
 彼女の声に賛嘆と好意的な響きがあるように聞こえるのは、自分自身の未練がましい希望的御都合主義的観測ではないかとヘラは思った。
 続いてエルウィンが手桶で二三杯湯を浴びて身体を流すと、ザブンッと湯船に飛び込んできた。そしてそのままヘラの方へザブザブと湯を掻き分けてくる。
 いつまでもエルウィンを無視しているわけにもいかず、ヘラは身を硬くしたまま目を開けて彼女の様子を窺う。
「おとなり、失礼しますね」
 そう言って近寄ってきたエルウィンの顔を見ると・・・
 エルフの血を引く彫像のような美しい顔立ちに、値千万金の笑顔を浮かべたエルウィンがいた。
「あなた達って、細かいとこまで気をつかって大変ですねぇ」
 エルウィンがヘラの横に回り込みながら言う。後ろで束ねたつややかな金髪の先が、動物の尻尾のように湯の中に垂れている。
「?」
「ゼニアさんが言ってましたよ。この間みたいなことがあったらいけないから、お風呂の中でも警護が必要なんだって」
 さてはあの悪魔の策略か?
 思わずカッとなったヘラは湯の中から飛び出そうとした。
 だがそれより素早くエルウィンがヘラの横に回り込むと身を持たせ掛けてきた。これではエルウィンを押しのけて立ち上がることなどできない。
「でも良いですよね。こうやって二人でお風呂に入るのって。ゼニアさんも外回りなんかしてないで一緒に来ればよかったのに」
 この一言でヘラの怒気は一瞬にして冷めた。
 どんなに自分を卑下してみても、エルウィンがヘラに示す好感は否定しようがない。
とどのつまり、ヘラはエルウィンの目を気にしているわけではなくて、彼女自身のコンプレックスに悩まされているだけである。
「でもステキですよねー、ヘラさんて」
「え?」
 エルウィンが爆腹を抱え込んだヘラの腕に自分の手を回してくる。
 脇腹にエルウィンの肘がかすめると思わずヘラはビクッとした。
「あたしなんか胸小さいし、痩せてるから。パパやママはもう二三年したら、もっと奇麗になるよって言うんだけど。でもね、これでも去年よりは大きくなってるんですよ」
 もっとこう、ドーンと大きくなんないかな、などといいながらやたらと湯の中で手を動かして胸や腰を形作って見せる。ヘラと腕を絡めあっていることなどまるでお構い無しである。
「でも、わたしは腕が太いし、他の部分だって・・・」
 たしかに絡めあったヘラの上腕は筋肉質で逞しく、優にエルウィンの三倍ぐらいは太さがある。ムッチリとした太股などエルウィンの胴回りほどもありそうだった。
「背の高い人が大柄なのは当然ですよ。均整とれててイイじゃないの。その身長であたしみたいに痩せっぽちだったら、まるで案山子(かかし)よ」
 でも乳房や腹はやっぱり大きすぎると思う。
 ヘラは自分の身体を見下ろした。エルウィンもその視線を追う。
「あー、半分コできたらいいのにね。もしもああだったらいいとか、ないものねだりしても仕様がないけど。でもやっぱり、あたしはヘラさんが羨ましいなぁ」
 ヘラの気持ちを察したのかエルウィンがくすくす笑う。
 ヘラは自分の耳が赤くなるのを感じた。エルウィンが自分のような体型になることなど想像もできない。
「西大陸までいくのって、ヘラさんが道案内してくれたって二年ぐらいかかるんでしょ。
この旅から帰ってきたら少なくとも十五六? 七歳にはなってるから、立派な結婚適齢期ってわけ。あたし、いーっぱい子供が欲しいんです。五人? 十人? 夫になってくれる人が望むんなら二十人だって産んであげますよ。その代わり、あたしは家事が全然駄目だから、子供育てるのは旦那任せになっちゃうかも知れませんけどね」
 エルウィンの玉を転がすような笑い声がヘラの耳に心地よい。
「だから望み通りになったら、あたしもずーっとヘラさんみたいな体型なんですよ。羨ましいわけ分かるでしょ?
 それにヘラさん、自分が逞しすぎるのを気にしてるみたいだけど、そうだからあたしの警護に選ばれたわけでしょ? あたしが傍にいてもらって心強いって安心できるんだから、もっと自分に自信持っていいよ」
 こわばった表情でエルウィンを横目に見ていたヘラは言葉もない。
 エルウィンなりにヘラの心中を察しての部分もあるのだろうが、彼女の声には慰めや励ましの響きなど一切ない。むしろ思いついたことをそのまま偽らざる気持ちで口に出しているように聞こえる。
「それにしても、ゼニアさんホントに来ないのかなー。一緒に入ろうって誘ったのに」
 あんなヤツ、来なくてもいいよ、とヘラは思う。
 さっきまではゼニアに嵌められたという恨めしさが先に立っていたが、今ではエルウィンを独占していたいという気持ちが強い。しかもその独占欲の底には、エルウィンの好意に対する愛情の萌芽が見え隠れしている。
「ねえねえ、少し茹だってきちゃった。背中流してあげるから出ない?」
 エルウィンはヘラの返事を待たずに腕を引っ張った。
「う、うん」
 恥ずかしいが、エルウィンの笑顔を見ると断りきれない。ヘラはエルウィンに手を取られて立ち上がった。


「はやくはやく。レノラが背中流してあげますぅ」
「ちょ、ちょっと待ってよ。まだパンツ脱いでないよ」
 もう一方の家族風呂では全裸姿のレノラがネルの手を引っ張って急かしていた。手を引っ張られたネルは片足にパンツを引っかけたままたたらを踏む。
「でも、こっちは男性用っていうんで借りたんじゃなかったの?」
「それは方便ですぅ。ネル君はレノラと二人でお風呂入れて嬉しくないんですかぁ?」
 レノラが悲しそうな表情を作る。
「そ、そんなことはないけど・・・」
 ネルは真面目に否定する。
「でしょ? でしょ? でしょ?」
 はしゃぐレノラ。毎度の密会ではあるものの、旅先の温泉というはじめてのシチュエーション、それも貸し切りの浴場という周囲から隔絶した広くて自由な空間でネルと一緒にいられるのが嬉しいらしい。
 ネルにしてもこの先の展開は読めているし、それが嫌ではないのだが、エルウィンやヘラの目を盗んで自分たちだけが不謹慎な行為に及び、いい思いをするので気が咎めていた。
「でも、こっちが男性用じゃないとしたら、エルウィンたちが来ちゃうんじゃない?  それに声が聞こえちゃったりしたら」
「それは大丈夫。お姉さまが二人をもう一方のお風呂へ誘導してくれてますぅ それにお風呂の周りには防音結界を張っておいたから」
「ふーん」
 こういうことに術力を費やすあたりがいかにも夢魔らしい。ネルは呆れたのか感心したのか分からないような反応をした。
「ほら、早くぅ」
 ヘラの“通常体型”を知らないネルは隣がどのようなことになっているか、想像のしようもない。したがって、ゼニアとレノラが仕掛けたささやかな悪戯がどのような方向に向かっているかなど知りようもなかった。


「あはっ、大きなお腹って素敵だけど、こんなに大きいといろいろ大変でしょ。お風呂入ったって、この辺り手届かないから自分で洗えないでしょ。あ ! そうか、いつもはそんなことないんだよね。どうやって小さくしてるの? いや、あたしでも出来る方法があるんだったら、妊娠したとき便利でしょ。え? まだそんなこと考えるのは早い? そんなことないよ。ヘラさんみたいな天使と違って、人間の人生は短いんだから、先のことは考えてなきゃ」
「その・・・お腹・・・」
 一方的に喋り続けるエルウィンに腰掛けに座らされ、ヘラは二抱え以上ある腹を洗われていた。恥ずかしいやら気持ちいいやらで、ヘラは完全にエルウィンのペースに巻き込まれていた。
 エルウィンは背中を流してあげると言っていたが、それはどうやら方便だったらしい。いくらエルウィンが家事が苦手で子育てに自信がなくとも、背と腹を間違えるはずがない。あるいは背も腹も身体の一部である以上、彼女はあまり区別する必要がないと思っているのかもしれない。
 とにかくエルウィンは一目見たときからヘラの爆腹に御執心だったらしい。タオルに石鹸をつけるといきなり自分の触りたかったところから洗いはじめたのだった。
「きゃは、お腹ふかふかして柔らかーい。お肌もしっとりしてて手に吸い付いてくるみたい」
「あぅ・・・その・・・ええっと・・・」
 ヘラは何か気の利いた返事をしたいのだが、喉から出てくるのは変な喘ぎや意味のない言葉ばかりである。ヘラはなんだか自分が馬鹿になったような気がした。
「でもこんなにお腹の肉は柔らかいのに、その下はパンパンに張ってるんだ。ホントの妊婦さんもやっぱりこんな感じなのかな?」
「あぁ・・・お、お腹・・・」
 石鹸のついたタオルで腹を垢擦りされると、エルウィンの手の動きに合わせてたっぷりとした腹の肉がユサユサと波打つ。ヘラはそれが恥ずかしくて堪らない。
「あ、ごめん。痛かった? 少し強くやり過ぎたかしら? でもヘラさんて戦士だよね。
これぐらいで痛いっていってちゃ、あたしを守れないよ」
「そうじゃなくって・・・」
「あ ! ? まさかホントに妊娠してるわけじゃないよね? でも最近、不倫して隠し子出産とか未婚の母とか流行ってるからなー。天使ってそういうの、ないの?」
「・・・ありません」
 お腹が痛いのではなく、気持ち良すぎるのを我慢しているから妙な表情をしているだけである。だがそんなことは正直に口に出すわけにはいかない。
「ふーん。じゃあ、お腹デリケートなんだ? でもさ、ヘラさん本当に妊娠してるんだったらいいのにね。そしたらもう臨月なわけでしょ。子供生まれるまで旅の方は待ってあげるよ。あたしも妊婦さんてどういうのかよく知らないから興味あるんだ」
 エルウィンはもう勝手にヘラを妊婦扱いしている。お腹の赤ちゃん元気ですかぁー、などと言いながら石鹸を塗りたくられた爆腹をペンペンと軽く叩いたり、赤ちゃんて頭が下なんだって、と言ったりして下腹部を撫で回したりする。
 腹をもてあそばれるヘラは堪ったものではない。今の彼女の胸中を例えるなら、十本の理性の系のうち、六七本(過半数)ぐらいはぷっつり切れた状態である。
「あ、そうだ。ほかのとこも洗わなきゃね。胸とか背中とかお尻とか。足なんか手が届かないでしょ? ごめんね。気悪くしないでね」
 どうやらエルウィンはヘラの表情を誤って解釈したらしい。湯を汲んでザブザブとヘラの腹を流すと今度はヘラの右腕を取って指の一本一本から肩口まで丁寧に擦る。
「はい、脇の下洗うから手を上げて」
 脇の下から首筋、そして乳房へとタオルをつかんだエルウィンの手がヘラの身体をなぞる。
 ヘラは無心に右の乳房を洗うエルウィンを見下ろしながら、自分の乳首が勃起したりしないよう必死に神に祈った。
「ううん、うまく洗えないや。ヘラさん、手貸して」
 なるほど、頭二つ分はある超乳寸前のヘラの爆乳はエルウィンの小振りな両手に余るらしい。大きいだけでなく、重くて柔らかいうえに肌が滑らかなので、石鹸を塗るとつかみ所がない。
 エルウィンは胸の谷間から乳房の下側を洗おうとしているのだが、彼女が乳房を持ち上げるたびに、巨大な爆乳は迫り出した腹の上にこぼれ落ちてしまうのだった。
「ね、はやくオッパイ持ち上げて」
「う、うん」
 ヘラが慌てて両手で右の乳房を持ち上げると、エルウィンが乳房と爆腹の接する谷間を洗う。
「はい、同じように左のオッパイもね」
 ヘラが素直に自分の指示にしたがってくれるのでエルウィンはニコニコしている。
「お乳の出が悪くなるから、乳頭も奇麗にしましょうね」
 またしても妊婦扱いである。乳首の先を摘むようチョンチョンと洗われると、またしてもヘラの理性の系がプチッと切れる。これで乳首が立たないのは、ヘラの自制心以上に神の恩顧があるせいかも知れない。
「背中流したから、今度は下の方も洗ってあげるね。立ち上がってくれる?」
 たしかに太股は腹の下になっているから、立ち上がらないと洗えない。
ヘラはエルウィンの手を借りてヨイショっと立ち上がった。
「はい、そのまま少し足を開いて」
「え?」
「だって足開かないとお尻が洗えないでしょ?」
 そういいながらエルウィンは軽くヘラの腹に触れる。
「は、はい」
 ヘラが言われた通りに少し足を開き気味にして立つ。馬のくつわ、牛の鼻輪の類いではないのだか、エルウィンに腹部を触られるとヘラは反射的に彼女の指示に従ってしまうようだった。
「そうそう。くすぐったいかもしれないけど我慢してねー」
 エルウィンはヘラの背後にしゃがむと、どっしりと幅広いヘラの臀部を洗う。
 両方の臀部を洗うとその間へも手を差し込んできた。
「ひゃっ ! 」
「やっぱ、くすぐったい? でも我慢しなきゃダメよ」
 エルウィンの指はお尻の辺りからさらに前へ、秘部をくすぐる。
「あの・・・そこは・・・」
「女の子同士なんだから恥ずかしがらないで。身体は隅々まで磨き上げて、奇麗にお手入れしないとダメだってママが言ってたわ」
 エルウィンは前に回り込むと下腹部から恥毛の生えた秘部、両太股と言葉通り隅々までヘラの身体を洗う。最後に爪先まで行って、身体を流されてからヘラはようやく解放された。
「一丁あがり ! はい、キレイになりましたっと。それじゃあお湯に浸かって暖まってて。あたしも身体洗うから」
「・・・ありがとう」
 もはやヘラは陶然としてエルウィンの言うがままに動いている。
 もしやエルウィンももっと前向きな関係を望んでいるのでは、とヘラは一瞬期待したのだが、エルウィンの方にはその気はないらしい。
湯をかぶるとおもむろに自分の身体を洗いはじめた。
「うー」
 湯船の中からヘラは湯気に包まれたエルウィンの裸体を眺める。
 濃い薄いの違いはあるもののヘラと同じブロンド系の頭髪、ハイエルフの血を引く異国風の美しい顔立ちは、上級天使たちの神々しさに勝るとも劣らない。
ほっそりとした体つきは小鹿のようで、わずかに腰つきが女性らしく豊かな丸みを帯びはじめている。
膨らみはじめたばかりの小振りな乳房にぽつっと桜色の乳首、股間にはうっすらと恥毛が生えかけていた。長命なエルフの血のせいか、同年齢の女の子に比べて身体の成熟度がやや遅いようだった。
 エルウィンが身体についた石鹸を洗い流すと、玉のように白い肌がその下から現われる。
ヘラはその様子をポーっと見つめていた。
「さてあたしも身体洗ったし、これで二丁あがり ! 」
 エルウィンは再び湯船に飛び込むとヘラの方へツーッと身体を寄せてきた。
「さっきからあたしのカラダ、じーっと見てたでしょ」
「えっ? あ、う・・・それは・・・」
「そんなに痩せてるのがいいの? ヘラさん、ちょっとコンプレックス持ってるんじゃない?」
 エルウィンはヘラの豊満な腹の肉をちょっと摘んでみる。
「うぅ・・・」
 腹に触られるとまたしてもヘラの舌が回らなくなる。
「あたしは絶ぇーっ対、ヘラさんみたいな女の人の方が素敵だと思うんだけどな。
でもたしかにヘラさんのお腹、すこしムニムニしすぎてるみたい。こりゃー、体重減らさんといかんかなー、なんちゃって」
「・・・・」
「ごめんごめん、つまんないオヤジギャグかまして。傷ついた?」
「い、いや・・・そのぅ・・・」
 もはやヘラの心中はエルウィンのギャグに反応する余裕などなくなっていた。理性の減衰に反比例して愛しさと独占欲が募り、エルウィンが祭司でなければ、臨月妊婦十人前の超巨大爆腹で彼女を組み敷いているところだった。
「じゃあさ、あたしはヘラさんにあやかりたくて、ヘラさんはあたしにあやかりたいわけだから・・・えいっ ! ! 」
 エルウィンは湯を蹴立てていきなりヘラに飛びつき、首筋に腕を回すと、ヘラの超爆腹に自分の身体を重ね合わせた。
「え、エルウィン、何を??」
 エルウィンの身体が柔軟性に富んだヘラの爆腹に半ばめり込む。
ギュッと抱きつかれたヘラは茫然自失、硬直してしまって動けない。
「きゃは、ヘラさんのお腹、ポヨポヨして気持ちイイ ! ・・・でね、こうやってね、お互い相手みたいな身体になれますよーにってお祈りするのよ」
 耳元でささやくエルウィンの吐息がヘラの首筋をくすぐった。
 もはやヘラの理性をつなぎ止めている系は九割がた切れている。
『嗚呼、万能なる主よ。今この瞬間、愚かな天使が誘惑に流され、愛欲に溺れることをお見逃し下さい』
 ヘラはその長い腕を伸ばして少女の身体を抱きしめようとした。そして抱きしめてしまえば自分が一線を越えてしまうことをヘラは承知していた。
 そのとき・・・
「・・・・いでしょ」
 エルウィンが耳元でささやいた。
「え?」
 エルウィンを抱きしめようとしたヘラの手がぴたりと止まる。はじめの言葉がよく聞こえなかったのだが、何か彼女が大事なことを言おうとしたのを感じたからである。
「寂しくないでしょ。こうやって、一緒にいると」
 もう一度エルウィンが言う。
「エルウィン・・・」
「あたしも寂しくないよ。でも・・・それは・・・」
『お互いの心の隙間を満たしてくれる人がいるからなのね、エルウィン』
 ヘラはエルウィンが抱けなかった。少女が、その歳よりもさらに幼くか弱く見えて、手に触れると今にも壊れそうだったから。
 たかが腹を撫でられたぐらいで彼女を抱こうなどとおこがましい。鉄壁を誇る我が身体は何の為にあるのか? エルウィンを守るため?  では彼女の心は? 警護しているだけで心の隙間が埋められるのだろうか? 『友達か・・・』
 ヘラは彼女に帰宅を奨められて困惑した表情を浮かべていた少年を思い浮かべる。
『レノラはともかく、年端も行かぬ人間二人を警護しながら旅を続けることは困難だろう。だが・・・』
 大事なものはその人によって違うのだ。任務と引き換えに人の心を傷つけることは天使のすることではない。今までの私は仕事の陰に隠れ、本当に弱き者を助けるのを忘れていたのかもしれない。
「・・・エルウィン?」
「あは、ボーッとしてきちゃった。あたし、長湯って苦手なんだ」
 エルウィンは不意に顔を上げると、スルリとヘラの腹の上から滑り降りた。にこっと笑うといつもの闊達なエルウィンの顔に戻る。
「ね、お風呂出ようよ。
身体拭いてあげるから」
 エルウィンは先刻と同じようにヘラの手を取って引っ張る。
「うん」
 ヘラもにこっとほほ笑み返すと立ち上がった。


「はっ・・はっ・・はっ・・はっ・・ぼく、もうっ・・はっ・・レノラさん・・はあっ・・いきそうっ! ! 」
「んっ ! あんっ・・ネルくん、アタシも・・・きて・・・」
 湯船の中で胡座をかいたネルの上でレノラが激しく腰を使う。双子を孕んだ妊婦のような爆腹と爆乳がザブッザブッと上下に揺れ、湯を掻き分けて波打つ。
「くっ ! いくっ ! 」
 その瞬間、ネルの臀部の筋肉が緊張し、レノラの胎内を貫かんばかりに彼の熱い精が激しく注ぎ込まれた。
「ああぁっ・・いいっ ! ! ・・膨らんじゃうゥ・・・」
 二度、三度、ネルが長大な男性自身を突き込みながら射精する。
それを呑み込んだレノラの身体が爆発的な勢いで膨らんでいく・・・・
「・・・はぁぁ・・・レノラさん、お腹大丈夫?」
 ようやく人心地ついたネルが萎えかけたものをレノラの胎内から引きだす。あまり長く放置しているとまたレノラの中で回復してしまうので、引き際だけは彼自身でしっかり計らなければいけない。そうでないとネルとすることに関しては無節操(一途)なレノラが破裂寸前まで腹を膨らませてしまうからだった。
「・・・うん・・・とっても・・・」
 ネルの膝の上で抱かれたレノラが身体の向きを変え、トロンとした眼差しでネルの頬に接吻した。
膨らんだ腹のおかげで浮力が増しているので重くはない。
「お風呂の中でしちゃったね」
「貸し切りだからいいんですぅ。それに少しぐらいお漏らししてもわからないでしょ」
「うーん、やっぱりレノラさんて大胆・・・」
 そう言いながらネルは八つ子を孕んだ妊娠十五ヶ月の妊婦のようなレノラの腹に手をやる。レノラの爆腹の半分は浮き島のように水面から突き出ていて、温泉の成分で殻を剥いたゆで卵のようにツルツルしていた。
「やだ、エッチなのはアタシだけじゃないですぅ。ネルくんだって初めてだって言って、萌えてたですぅ」
 パンパンに張った腹をネルに撫でてもらいながら、レノラは少し恥ずかしそうに身をよじった。
惚れた弱みか、この道にかけては百戦錬磨のはずのレノラも、ネルを相手にしては初心な娘のような反応をしてしまう。
「・・・ん・・オナカ、もっとナデナデして・・・」
 レノラが頬を赤らめてネルにおねだりした。
 節制するようにゼニアから言い渡されているのだが、レノラにしてみればネルにしてもらうと逆に体調がよくなるような気がする。
 それは気のせいだとしても、してもらったあとで腹をマッサージしてもらうと、パンパンに膨らまされた腹部の張りがとれるのは事実だった。
おそらく胎内に注がれた精気が、それを与えた者の愛撫によって彼女の身体に馴染みやすくなるのだろう。
 だがそうでなくとも、レノラはネルが自分の腹に愛着をもってくれるのがひどく嬉しかった。
「ね、もう一回?」
 腹の張りがとれてきたレノラがネルを誘う。
彼女なりに(いささかだらしないが)体調管理はしているつもりなのだが、少し余裕が出来たと思い込むとネルが欲しくなってしまうのである。
「ダメだよ。回数を抑えるように言われてるでしょ。お腹、本当にパンパンに張っちゃうと大変だよ」
 そう言いながらネルはマッサージを続ける。
「ふみぃ」
 ネルにこういわれると、腹八分目のレノラも引き下がらざるを得ない。そうでなくともネルに腹を撫でられる気持ち良さに、横に振りたい首も縦に首肯いてしまうのだった。撫で続けてくれるなら、中出しは諦めてもかまわない。
「それにお風呂の中でしたから息があがっちゃった。ヘラさんとこにも話をしに行くって言ってたじゃない。あんまり遅くなるとまずいでしょ。それにその身体じゃ、なんて言われるか・・・」
 レノラとヘラの関係を知らないネルは首を傾げた。
「でもその前に・・・」
 ネルは物足りなさそうにしてるレノラにいきなり接吻すると、彼女の膨れ上がった下腹部を一層濃厚に愛撫し始めた。
「あんっ・・・ネルくん?・・・」
「気分出して収まらないんでしょ。お腹だけでいかせてあげる」
 喘ぐレノラの耳元でネルが囁いた。
「・・・うぅぅん・・・ネルくん・・・オナカいいですぅ・・・」
 どうも最近レノラに手ほどきされたネルの進歩が著しい。特に大きなお腹はネル好みで力が入るためか、局部には毛先ほども触れない“爆腹マッサージ”でレノラは軽い絶頂に達してしまう。
 夢魔にあらざるべきことなのだが、その拍子に股間の筋肉が緩んで、せっかく注いでもらった精液(精気と違い、物質の同化は時間がかかるので“中”に残ってる)を洩らしてしまうこともある。
「あぁ・・・いっちゃうぅぅ・・・」
 ホントに骨抜きにされちゃうなぁ、と思いながらもレノラは喜んでネルの愛撫に果てた。


「エルウィン・・・」
 自室に戻ったヘラはベッドに腰掛けてぼんやりしていた。魔法の腹掛を身に付け、浴衣を羽織った腹部にそっと手をやる。この腹をさっきエルウィンがバスタオルで丁寧に拭いてくれたのだ。
 股間を拭かれたときは、濡れているのが気付かれるのではないかとヘラは冷や冷やした。
「はい、よく我慢できました。お腹の赤ちゃんもよく我慢しましたねー。ほら、いい子いい子」
 エルウィンはそういいながらヘラの爆腹を丁寧に拭き上げ、腹掛と浴衣を着るのまで手伝ってくれたのだった・・・ いままで私はアフラの治安に協力するという形で、不特定多数の人々を守ってきた。
だが、少数の、特定の、わたしが好きになりかけている人をこの旅の間、守り抜くことが出来るのだろうか?  あの少女が言っていた。
 わたしはわたしの能力ゆえに、この身体ゆえに警護役に選ばれたのだと。
「あたしが傍にいてもらって心強いって安心できるんだから、もっと自分に自信持っていいよ」
 だが先日のマルチスキャン&アルマンド襲撃事件(第三回参照)では、私的感情に流されて完全に後れを取ってしまった。
『いつまでも自分の殻に閉じこもりすぎたせいだわ』
 明日の朝一番にでもエルウィンを交えてネルと話し合ってみようと思う。
形だけでいいから、少年の同行の意志を確認すればよいのだ。警護についてはゼニアと相談し、レノラの身の振り方についても寛大な態度を示そう。
 べつに魔族の連中に媚びを売ろうというわけではない。だが、どうせ旅の道連れとあれば、変に尖った態度を取り続けるより多少は歩み寄ったほうが良い。意地の張り合いでこの間のような恥をかくのは御免だった。
 こう結論付けるとすこし気が楽になる。
 改めて周囲のことに気が向くと、キングサイズのベッドの広さが引っ掛かった。
この宿では五人とも各自立派な個室を借りている。
ヘラは自分の体格もあって夫婦用のダブルベッドを設えた寝室を割り当ててもらったのだが、こうして一人になってみると改めて二人用のベッドの広さが空虚に感じられた。
 このベッドはこの部屋に泊まる夫婦や恋人同士の愛を確かめあう場である。
「寂しくないでしょ。こうやって、一緒にいると」
 ヘラはエルウィンの言葉を思いだす。
 誰かに隙間を埋めてもらわないことには、このベッドは一人で寝るには広すぎる。
「やだなぁ・・・二百年前はこんなみっともないくらい胸や腹が大きくなかったのに・・・・」
 自分が内省的で仕事一本やりになったのは、その頃からだったろうか。
「だけど・・・」
 風呂場でのことを思い出すと妙に身体が火照ってくる。ヘラは手の回りきらない巨大な爆腹をギュッと抱えた。
 エルウィンにその気はなかったのだろうが、ヘラにはいささか刺激の強すぎる出来事だった。
 レノラか、ゼニアにでも。
 一瞬そう思ったが、ここ二三日彼女達には一方的な関係を強要してきたので気が引けた。
そうでなくとも同衾を頼むことなど恥ずかしいのに。
 魔族とはいえ、相手を見下して無下に接していると、結局損をするのは自分のようである。
『・・・その・・・なにも・・・エッチなことしなくてもいいから・・・』
 せめて添い寝してくれる人でもいればいいのにとヘラは思う。
『こう、そっとわたしのお腹に手を添えて・・・』
 両手で自分の腹をギュッと抱きしめてみる。
『ヘラさんのお腹、気持ちいいって言ってくれる人・・・』
 知らぬ間にヘラの手は浴衣の帯を解いている。浴衣の前がはだけると、魔法の腹掛に包まれた腹と乳房が重々しく転がり出てきた。その腹掛の紐も・・・ 一糸まとわぬ“通常体型”になったヘラはベッドの上で四つん這いになった。だが腕や膝よりも、半ば押しつぶされて変形した腹で体重のほとんどを支えているといっても過言ではない。重そうに垂れた乳房はベッドに届き、硬くなった乳首がシーツに擦れていた。
「どう? 重くない?」
 妄想に浸るヘラ。
「ん・・・そう、いいのよ・・・もっとオッパイ触って・・・」
 そういいながら片手で乳房を揉みしだく。
 身体を前後に動かし、巨大な爆腹をベッドに押し付ける。
「気持ちいいでしょ? わたしのお腹・・・もっと・・・もっとしてあげる」
 より一層激しく身体を揺すると、ベッドがギシギシと軋んだ。
「あぁ・・・お腹・・いい・・・」
 股間から蜜がひとすじ、丸みをおびた下腹部を伝う。
「ん・・・ふぁっ・・・わたしもいきそう・・・最後は一緒に・・・ね」
 自慰が絶頂を迎えようとした瞬間・・・
 トントン
 誰かが扉をノックした。
「あわわっ、だ、だれ?」
 今夜は心の安まる暇が無い。
 一瞬に現実に引き戻され慌てるヘラ。
「レノラですぅ。ひょっとして、もう寝てましたぁ?」
 扉の向こうからくぐもった返事が聞こえた。
「え、や、い、いや・・・」
 寝ていたと言えばいいのに、動転しているヘラは否定しない。
「そうですか。良かった。お話したいことがあるんですけど、ちょっといいですか?」
「ま、待って ! 」
 浴衣や腹掛を羽織りなおす暇はない。ヘラは慌てて起き直るとベッドに潜り込んだ。
丁度人恋しかったところである。エルウィンのおかげで優しい気持ちになっているので、いまの痴態を悟られず仕切り直しが出来れば楽しい晩になるかもしれない。
「いいよ。入って」
「失礼しますぅ」
 扉が少しだけ開き、レノラが猛獣の巣穴を探るように覗き込む。部屋中をキョロキョロ見回し、動物のように室内の空気を嗅いだ。
「遠慮しないで入ってきなよ」
 ヘラはベッドの中で汗をかいた。他のことはともかく、あっちの方面だけは感覚の鋭いレノラに室内の雰囲気を探られると、自慰していたのがバレそうで冷や冷やする。
 レノラの視線は、ヘラが潜り込んで山のように盛り上がった掛け布団と、ベッドの下に無造作に脱ぎ捨てられた浴衣の間を往復する。
 ヘラはしまったと思った。布団の盛り上がりかたを見れば彼女が腹掛を付けていないのは一目瞭然、浴衣を脱いでいるということは裸であると言うことを意味する。
寒い季節ではないから裸で寝るのは個人の勝手だが、ヘラが着物を床に脱ぎ捨てるようなだらしない性格ではないことはレノラも承知しているはずである。
 ヘラがわざとらしく寝ぼけ眼でレノラを見つめると、レノラは全て心得ていますと言わんばかりに口元を緩めた。
「お邪魔しまーす」
 頭だけを室内に突っ込んでいたレノラが扉を開けて入ってきた。
「?・・・! ! ! 」
 驚いたことに普段着(レオタード姿)の腹は臨月の三つ子(注 着衣によって圧縮されています)を孕んだように大きく膨らんでいた。
「レノラ、そのお・・・えっ ! ! ね、ネル君? ! 」
 膨らんだレノラの身体の陰に隠れるように、パジャマ姿の小柄なネルが続いて部屋に入ってきた。
「と・・・言うことは、そ、その・・・レノラのお腹 ! ! ?」
 二度仰天するヘラ。この状況から察すれば、レノラが如何にして精気を得たのか明らかである。
『こんないたいけな少年をもてあそぶなんて。此奴もやっぱり・・・』
 二人の関係を知らぬヘラは、眉間に深い縦皺を刻んだ。
「こんばんは・・・」
 ネルがレノラの陰から挨拶した。そしてヘラをちらりと見た途端に立ち止まってレノラの手をつかむ。
 ネルの顔が見る見るうちに赤くなった。
「まずいよ、レノラさん」
 ネルがレノラの耳元に顔を寄せる。囁いているつもりなのだろうが、上ずった声はヘラの耳にも届いた。
「えっ?」
「だって掛け布団の下に誰か隠れているみたいだよ。その・・・邪魔しちゃ悪いよ。
ほら、ヘラさんも怒ってる」
 やましいことをしていた者は自分の影におびえる。
 どうやらネルは、山のように盛り上がった布団とヘラの渋い表情を誤って解釈したらしい。つまり自分とレノラの関係をヘラに当てはめて見たのである。
 これを聞いたレノラは吹き出しそうになるし、ヘラはますます渋い顔をした。
 レノラが何やらゴニョゴニョとネルに説明するのを見たヘラは恥辱で顔が真っ赤になった。
『レノラといいゼニアといい、よっぽどわたしに恥をかかせたいんだな』
 先程までの寛大な気持ちもどこへやら。今すぐレノラの首筋を引っこ抜いてやりたい気分になる。ベッドを飛び出さないのは一糸まとわぬ“通常体型”をネルに見られたくないためだった。
『都合よく一晩に二人も理解者が現れるわけなんてないよね』
 またしてもコンプレックスが顔をのぞかせ、がっくり来てしまうヘラ。
『もしもネルに変な目で見られたら・・・それにしてもこんなに魔族の連中が酷いヤツばかりだとは思わなかった』
「・・・でね。
・・・のお腹・・・」
「え? ・・・ほんと? でも今まで・・・・・」
「・・・・から・・・・しちゃだ・・・・」
「・・・・たら?」
 レノラの説明を聞いていたネルがただでさえ赤らんだ顔をさらに熟柿のように赤くした。
 この辺りは二人とも声をひそめているので内容が良く聞き取れないが、どのようなことを話しているのかおおよその予測はつく。
ネルの手前、怒るに怒れず起きるに起きれぬヘラは胸元で掛け布団を掻き寄せ、二人のやり取りを不安そうに見ているしかない。
 やがて説明がすんだのか、レノラとネルは振り返った。
ネルはヘラ同様に平静を装うとして苦労しているようだった。
「あの・・・あんまり時間は取りませんから、少しお話してもいいですか?」
「ああ」
 ブスッとして首を立てに振るヘラ。
「立って話すのもなんだから、ネル君は椅子に座るといいです」
 無愛想なヘラに代わってレノラが勝手に椅子をすすめた。短い話しなら立ったままでもすませられるだろうとヘラは思うのだが、それでは出ていけと言うのと同じになってしまうので、辛うじて出かかった言葉を喉の奥に呑み込んだ。
 備え付けの籐製の椅子の端に腰を下ろしたネルはモジモジしながらヘラを見る。怒った彼女と目を合わせるのが辛いのか、時々視線を外すのだが、その視線は大抵ヘラの腹部の辺りをさまよっていた。
 一方のレノラはヘラの怒気などどこ吹く風というのほほんとした様子で、ベッドの端に腰をおろした。悪びれた様子のないレノラの態度にムッとして、ヘラは彼女を睨みつけた。
「で、話しって?」
 視線を転じたヘラは、問わずもがなのことを訊く。
「貴女が毎日のようにおっしゃっている警備上の問題のことです」
 意を決したようにネルが口を開いた。
「と言うと?」
「僕とレノラさんのことです。何か危険なことが起こったとき、エルウィン一人ならともかく、僕らの身の安全まで保証は出来ない。だから、危険な地域へ足を踏み入れる前に返ったほうがいいって言ってましたよね」
「それで結論は出たの?」
「結論は二人じゃ出せないんです・・・」
 顔を赤らめたまま、ネルはきっぱりと言う。
「?」
「たしかに僕は足手まといです。レノラさんだって戦闘は苦手だそうですし。もし怪我したり、もっと酷いことになったら困りますよね?」
「そうだな」
「:怪我ぐらいならアタシが直してあげますよぅ」
 レノラが少し掻き回す。
 あんたは黙っていろと言わんばかりにヘラがレノラを睨んだ。
「でも僕は本当にみんなと一緒に西へ行きたいんです・・・」
 みんなと一緒に・・・「寂しくないでしょ。こうやって、一緒にいると」
「どうしてもヘラさんの迷惑になるっていうのなら考え直します。・・・でも僕自身の気持ちは・・・」
 ネルは語尾を濁した。
「すでに決心しているの?」
 少し優しい口調でヘラは尋ねた。
 それには応えずネルは見つめ返した。その視線の意味にヘラはハタと気付く。
『責任とか迷惑とかいうのは、全てわたしの気持ちだということなの?』
 ネルは何もヘラにエルウィン同様の保護を求めていない。ヘラ自身が勝手にネルやレノラの安全を自分の仕事の範疇に組み入れて騒いでいるだけのことなのである。
『あくまでも祭司の安全が最優先。でも、それを疎かにしなければ少しばかり他のことに余力を割いても・・・・だめよ。わたしですら消耗要員。如何なる状況でも・・・』
 状況によってはヘラも命を捨てなければならない。
 なら、そのあとの結果については、未来については、ヘラの責任の範疇外ということになる。
 要は、できる限りのことを精一杯するだけで、結末を保証できるほどヘラ自身は万能の存在ではないのだ。
『主以外の全てのものは不完全であることを前提にひたすら前に進み続けるしかない。
何も始まらぬうちから、わたしのごとき未熟な天使が万全の結果を得る算段をするなどおこがましい』
 要するにネル自身の意志は決まっている。だがそれゆえにヘラを不快にさせたり、傷つけるのを避けるために相談の場を持ってるのである。
『それをネル君やレノラに決断を迫るなど、わたし自身が自分の気持ちに対する責任を放棄しているに等しい。そもそも、そんなわたしが彼らの身の安全などと口にするのは馬鹿げている』
 ヘラとネルの、ネルとレノラの、レノラとヘラの、三人の視線と気持ちがひとつになる。
「大事なのは・・・」
 ネルが訥々と話す。
「どんなに短い時間でも、一緒にいられるっていうことだと思うんです」
 旅先でどのような危険が待っているのか分からぬ以上、結果を語ることは無益である。だが、全員がそれを承知の上で、納得ずくで、わずかな時間でも何かを共有し真に理解しあえるのなら・・・
「寂しくはないよね」
 ネルがヘラの考えを察したようにポツリと言った。
 そう、みんなが一つになれるなら、別れることも傷つくことも恐れる必要はない。
恐ろしいのはそういった大事なことを何一つ知らずに生きていくことだ。
「ネル君・・・」
 ヘラが起き上がって両手を差し出した。
 エルウィン同様、わたしに大事なことを教えてくれたこの少年が愛しい。
「ヘラさん」
 ネルも腰を浮かせて椅子から立ち上がりかける。
 ヘラと握手をするつもりで・・・
 だが、ヘラが起き上がって身を乗り出した拍子に、 彼女の身体を覆っていた掛け布団がハラリと捲れ、
 ・・・ネルは股間が突っ張って前へ進めなくなった。


「は、恥ずかしいよ、レノラさん」
「いいから、いいから。
ほら、ヘラさんもネル君の見たいですよねぇ」
「へ? は? ん? う、うん」
 不意に話しを振られて戸惑ったヘラは、肯定だか否定だか分からない返事をした。
 ベッドの上では、ネルの下履きを脱がそうとしているレノラと恥ずかしそうにそれを拒んでいるネルのやりとりを、ヘラがどうしたらよいものかと雲行きを見守っていた。
 拒んでいるとはいっても、ネルも少しその気になっているらしく、顔を赤らめながらもレノラに任せてパジャマを脱がされていた。
「でも、本当にこんなことしていいの?」
 いまは身を隠すものも無くなったヘラがおずおずと尋ねた。年齢以上に幼く見える少年と夢魔と天使が三人で性的な行為に及ぼうなど、どう見ても淫らで不道徳な行為としか思えない。
「じゃあ、止めます?」
 パジャマを脱がされ下着一枚になったネルが、半ばホッとしたように、半ばは残念そうにヘラを見上げた。
どのみちこうなってしまってはネルも収まりがつかない。
ヘラにその気がないのなら、場所を変えてレノラと二人ですることになる。
「え? いや・・・その・・・それは、ちなみに・・・」
 自分でも何を喋っているのかわけが分からない。
 真面目に尋ね返されるとヘラはしどろもどろになってしまう。
彼女とてエルウィンとの入浴で性欲が刺激されているし、コンプレックスの元である自分の体に反応してくれた初めての人間の男性自身を見たくないわけではない。
 それにここで遠慮してしまっては、逆にネルを傷つけることになってしまうかもしれないとヘラは思った。
「・・・・・見たい」
 赤くなっているネルよりもさらに真っ赤に顔を紅潮させてヘラはボソリと言った。
二人が並ぶと七面鳥が鶏冠(トサカ)の色を競べあっているのかと思うくらいである。
「ほらほら、二人とも。せっかくいい雰囲気なんだから、縄張り争いしてる猫みたいに睨みあってちゃダメですぅ」
 ネルのパンツに手を掛けたままのレノラが背後からネルに抱きつくと、軽く羽交い締めにするようにして自分の身体にもたれさせた。
「レノラさん、何を?」
 レノラの爆腹に半身を預けたネルが首をひねって彼女を見る。両手を股間から引きはがされ、突っ張ったパンツが丸見えになった。
「ヘラさんに脱がせてもらうんですぅ」
「えっ? ! 」
 同時に声をあげるネルとヘラ。
「そんなの恥ずかしいよ」
 思わずネルがレノラの手を振りほどこうとする。
「だーめ。大っきなお腹を見てオチンチンを立てちゃってるのに、今さら恥ずかしいはないですぅ」
 そう言ってレノラはネルを引き戻し膝枕ならぬ腹枕をしてやる。
そして左手でネルの頭を抱えながら右手で彼の目を覆った。
「あんまり見るから恥ずかしいんですぅ。ほら、ヘラさん・・・」
「う、うん」
 レノラに抱かれて大人しくなったネルにヘラが近寄る。
「ネル君、ごめんね」
 ヘラがパンツに手を掛けると、ネルが軽く腰を浮かせた。
 自分の腹が邪魔になって両手で作業できないヘラが右手だけを使ってパンツを脱がせる。
パンツは勃起したネルのものに引っ掛かりながらも、なんとか足首まで引き下ろされた。
「ごめんね。痛かった?」
 ヘラが心配そうに聞く。
なにしろ、人間の男性のものなど触ったことはおろか見たこともないのだ。
「ううん、大丈夫だよ」
 目隠しされたままのネルが首を振った。
「これがネル君の・・・」
 ヘラはあらわになったネルの股間を見た。
 まだレノラの“刺激”を受けていないネルの男性は、寒そうに皮を被ったままで、その年齢を考慮しても小振りであった。
 だが、それでも自分の姿態に反応して勃起した性器を初めて見たヘラは大いに感動した。胸元まで赤くなってジッと横たわったネルの身体を眺める。
「そんなに穴があくほど見つめてるとネル君のが元気なくなっちゃいますよ」
「え? そ、それは困るわ」
 レノラの指摘にヘラは狼狽えた。
この後、どうしたらよいのか分からないのだ。
救いを求め、目でレノラにリードしてくれるように訴える。
「こんなときは手かお口で元気にしてあげるんです。でも、ヘラさんは慣れてないみたいですから、手でしてあげるといいですぅ」
 ヘラはレノラの指示に従い、そっとネルのものを手に包み込むようにして握った。
ネルのものに触れた瞬間、その熱さに驚いて手を引きそうになる。
「怖がっちゃダメですぅ」
 レノラに励まされ、ヘラは再びネルのものを握る。
そしてゆっくりと少年のものをしごきはじめた。
「う・・・ん・・・ヘラさん・・・いいよ・・・」
 ネルが時々身体をピクッとさせる。もともと持続力は今一つなので、射精を我慢しているのだろう。
「ん・・・出ちゃいそう。
ねぇ・・・レノラさん、あれして・・・ヘラさんにも見せてあげたい・・・」
 ネルがレノラに頼む。
「?」
 ヘラはなんのことか分からないが一心にネルのものを触り続けている。よほどの少年趣味でもなければ物足りないようなネルのものだが、彼女にとっては初めての人間の男性である。恥ずかしさに顔を紅潮させながらも、興味津々でネルの様子をうかがいながら彼のものを玩弄していた。
「うきゅー、あれはネルくんとアタシだけのお楽しみですぅ。
・・・ぅぅ・・ネルくんの頼みだからきいてあげるけど、カラダは許してもココロは許しちゃイヤですぅ」
 なんだかよく分からない釘を刺す。
 少しレノラは妬いているらしいが、それでもネルの頼みを聞き入れてやる。
「ネル君の、皮を剥いてあげるですぅ」
「へ? そんなことして大丈夫なの?」
 いままで手の中に収まってしまうネルの小振りなものをしごき、包皮を軽くつまんだりしていたヘラが目を丸くする。
初めてのものだけに、これの皮が剥けるなどと思っていなかったらしい。
「ゆっくりと根本の方に引き下ろすんですぅ。ヘラさん、きっと驚きますよ」
 レノラが悪戯っぽくクスクス笑う。完全に気を呑まれているヘラは言う通りにネルのものをつかむと包皮を剥きにかかった。
「こう?・・・大丈夫?・・・痛くない?・・・」
 ヘラは加減が分からず恐る恐るネルの皮を剥いていく。大きなヘラの手の中で、いささか頼りないネルのものが皮を剥かれ、恥ずかしそうにピンク色の頭を覗かせた。
 それに合わせてレノラがネルを“刺激”した。
「え??・・なにっ? !・・やだ っ・・・いやぁ・・・・」
 包皮を引き下ろしたまま添えていたヘラの手の中でネルのものが怒張する。見る見るうちに雨後のタケノコのようにそそり立つ。
 ヘラは熱いものに触れたかのように手を引き、驚きのあまり口を開いた彼女の顎は腹によって押し上げられている爆乳の上に落ちた。
「わっ・・・わっ・・・れっ、れのら・・・レノラ、これってあんたが?・・・」
 またしてもレノラの悪戯(術)かとヘラは疑ったらしい。
「これはネルくんの潜在能力というか、将来性の発現ですぅ。普通の殿方だと大きくなっても二三割ぐらいなんですぅ」
「この子が?」
 いままでヘラの掌中に収まるようなものだったのが、数年後(成年時)にはこのようになるとは彼女には信じられない。
 無論、ここまで成長しきるという可能性はないが、この半分でも十二分にすぎる大きさである。
「ヘラさん、続きをしてあげるですぅ」
「え?・・・でも・・・でも・・・わたし、こんなの・・・」
 ヘラはそそり立つネルのものの周囲に目に見えない障壁でもあるかのごとく、モジモジして手を付けかねている。
いかに自分のためとはいえ、その道に疎い彼女にとっては、ネルの“伝家の宝刀”はまさに手に取ってしげしげと観賞するには貴すぎた。
そのまばゆさに目がくらんだと言っても過言ではない。
「ねぇ、ヘラさん、僕の見て・・・」
 ヘラが手を付けかねているのを見たネルが起き上がり、彼女の目の前で自分のものをしごき始める。
「ね、ネルくん、なにを・・・」
 いきなり目の前で手淫を始めたネルを見てヘラが今まで以上に真っ赤になる。火照った顔を両手で隠すのだが、指の間からネルの行為をチラチラと見てしまう。
「ん・・・んぅ・・ヘラさんのお腹が・・ん・・素敵だから・・・」
 そう言いながらネルは右手で自慰を続けながら、左手を伸ばしヘラの爆腹に触れた。
ヘラはビクッと身を竦ませるのだが、ネルは構わず右手の動きに合わせて左手でヘラの腹を撫で続ける。
「ね・・もう、いきそう。・・・ヘラさんのお腹に出していい?」
「う、うん?」
 何を言われてるかも分からずにヘラはうなずく。
「ああっ・・・くぅ・・・」
 ヘラの答えも待たずに達したネルが射精した。
 白濁した大量の熱い液がヘラの爆乳と言わず爆腹と言わず降りかかる。
 ヘラはそれを茫然と見ていた。
「あぁーーん! ! やっぱりダメですぅぅぅぅ! ! ! 」
 ヘラの魂が何処かへ消し飛び、ネルが射精後の余韻に浸っているとき、レノラがいきなりネルに飛びついて抱き寄せた。
「わっ?・・っと、レノラさん、何を?」
 いきなり背後から抱きつかれて態勢を崩したネルが驚く。
「うきゅ〜〜〜っ、アタシというものがありながら、こんな〔 部分省略 〕な大女の〔 上に同じ〕なお腹を見ていっちゃうなんて、ぜぇーーーったい許せないですぅ! ! ! 」
「??」
 レノラの剣幕に茫然としていたヘラも我を取り戻す。普段ならもろにコンプレックスを抉るようなレノラの罵倒にヘラも怒り心頭に達するところだが、いまはネルの射精を浴びた爆腹を抱えて腰を抜かしているので為す術が無い。
「ちょっと、レノラさん、落ち着いてよ」
 ギュッと抱かれたままのネルが妬心を燃やすレノラをなだめる。
「落ち着いてなんかいられないですぅ。ネルくんてば、アタシのお腹見てるだけでいっちゃうなんてこと、一度も無かったですぅ。
嗚呼、それなのに・・それなのにこんな〔 想像の限界に挑戦 〕な〔 各自でカッコの中を埋めてね 〕を見てオナニーするなんてあんまりですぅ。そんなにレノラのオナカは魅力がないのですぅ?」
 さめざめと泣かんばかりにレノラが掻き口説く。
 ネルは眉間に皺を寄せてぼそっと一言。
「・・・だって、レノラさんとしてるときはいつも中に出してるじゃない・・・」
「 ! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 (ハタと気付いて下る冷や汗) たしかにレノラはネルが自慰する暇など与えず、(吸収効率の良い)膣内射精で精気を頂いている。
 いまはレノラもネルもヘラと“仲良くなる”ために同衾しているのであり、それゆえに手を出しかねているヘラのためにネルは自慰して見せたのである。
今まで見たことのないネルのプレイに、嫉妬に駆られたレノラはそのことを完全に失念していた。
「・・・ええっと・・・」
 しばしの沈黙の後、あまりに酷すぎるヘラへの罵詈雑言にレノラはフォローの言葉を探した。
「・・・・・ごめんなさい。
いまのは忘れて欲しいのですぅ」
 レノラは腹につかえない範囲でできるだけ頭を下げて誤った。
「まったく、もう」
 ネルがヘラの様子をうかがう。
 だが案に相違してヘラは怒っていなかった。
「二人ともよっぽど仲がいいのね」
 そう言ってヘラは少し羨ましそうに微笑んだ。
「そうですぅ。レノラとネルくんはかたーいかたーい絆で結ばれているのですぅ」
 ヘラが怒っていないと知ったレノラが調子に乗って再びネルに抱きついた。
「もぅ、レノラさんてばぁ」
 ネルも少し安心する。
「でも今日はお姉さまにいい思いをさせてあげますぅ」
 レノラが口中で呪文を唱えるとレオタードの腹部がパックリと開いて、パンパンに張った白い肌のぼて腹が転がり出てきた。
 これぞイスマスの長老から授かった強化版魔法のレオタードの変形自在機能である。
これによってレオタードは露出度や着衣の外見を変え、その場の状況(プレイ)に応じた雰囲気を作ることができる。
しかも一見露出しているように見える部分も、効率こそ落ちるものの圧縮力場(フォース・フィールド)で包まれているので、膨腹破裂の危険なしに生の肌の感触が楽しめるという優れ物であった。
「せっかくネルくんが出してくれたのに、そのままにしてちゃ勿体ないですぅ。そんなときは、ほらぁ」
 そう言うとレノラは自分の爆腹を精液まみれのヘラのさらに巨大な爆腹に押し付けた。
「ほーら、こうやってヌリヌリするんですぅ」
 レノラは腹を揺すりあげて精液を塗り広げていく。
前回(第三回)同様、レノラ得意の腹責めである。
「ひゃ・・・わっ、わっ・・・ん・・んふっ・・・」
 戸惑いと羞恥と快感が綯い交ぜになった吐息がヘラの口から漏れた。
「まったくぅ、お姉さまは人間の風習に疎いんですからぁ。妊婦さんとか大っきなお腹の女の人が腹上射精してもらったときは、こうするのが礼儀なんですぅ」
(↑? 個人的嗜好であって、一般論ではないと思う)
「そっ、そうなの・・・か?」
 暴力には滅法強いが快感には目茶苦茶弱い腹を責められて、ヘラが助けを求めるようにネルに聞く。
前回のようにレノラに言いくるめられるのを警戒しているのかもしれない。
 だがネルはそんな質問に答える余裕はなくなっていた。
「そんなことより、僕もう堪んないや。ね、僕もいれて」
 ヘラが目を向けると、再び回復し始めて半立ち状態のものを握ったネルが迫ってきた。眼前でユサユサと竜虎相撃つ二大爆腹(この場合は一方的に責められているというのが正解かもしれないが)を見て、自分も我慢できなくなったらしい。
「あは、ネルくん元気ですぅ。ね、ここに来て。アタシとヘラさんのとで挟んであげますぅ」
 レノラがネルを誘い、怒張しはじめた長大な彼のものを二人の爆腹の間に挟み込む。
「くふっ、お腹柔らかくって、気持ちいい・・・」
 始めての3P、しかも二人合わせて臨月妊婦二十人前の爆腹である。俄然ネルも萌えている。
「ネルくん、自分の出したのでヌルヌルしてるから気持ちいいんですぅ」
「やだなぁ、レノラさん、言わないでよ」
 そう言いながら、ネルもレノラの腹の揺れに合わせて自分で腰を使う。先程自慰して見せたので羞恥心も消えて積極的になっているらしい。
「その・・ちょっと、二人とも・・・やめ・・・いい・・・」
 すっかりヘラは舞い上がってしまっている。
 レノラと腹を接して揺すりあげられるだけでもだけでも我慢するのが難しいのに、その上二人の間に挟まれたネルのものが秒刻みで熱さと硬さを増して、右から左へ、左から右へ、ヌルッ、ヌルッ、と豊かなヘラの腹の肉を抉るように行き来するのである。このような複雑な動きで性感帯である腹を責められては堪ったものではない。
「・・ネルくん、そんなにビクビクしちゃだめぇ・・・」
 これだけ激しくレノラに腹を揺すられているのに、ネルのものが脈打つのがはっきりと感じられる。ヘラ自身も自分が恥ずかしいことを口走っているのか分かっていない。
「んっ・・くっ・・だって、ヘラさんのお腹気持ちいいんだもの・・・また・・いきそう」
「うきゅーー、またそんなこと言ってぇ。こっち半分はレノラのオナカですぅ。ネルくんはあたしのオナカでいくんですぅ」
 レノラはさらに激しく爆腹をつかう。腹の上では爆乳がブルンブルンと激しく振り回され、その動きがヘラの身体にも伝わる。
「きひっ・・いいっ・・・お腹が・・お腹、イイっ・・・そんなの・・・」
 ネルよりも先にヘラがいってしまいそうだった。
「こうなれば二人まとめていかせちゃいますぅ」
 三人の接した部分から生じるエネルギーを頂いて、レノラの腹が大きさを増す。レオタードの圧縮率を下げたこともあってその大きさはヘラの爆腹を凌ぎつつあった。
「そぉれぇっ ! 最初にいっちいっちゃた人は罰ゲームですぅ」
 フィニッシュとばかりにレノラが腹を突き出した。
「くうぅ・・・いくぅ・・・」
 レノラに爆腹を押され、ヘラが反り返ると背後に倒れ込んだ。
 いつの間にか全身にしとどに汗をかいていた。
「んふふふふ、最初にいっちゃったのはお姉さまでしたぁ」
 レノラがふざけて高らかに宣言する。
 ネルはあと一歩というところで踏みとどまったらしく、少し物足りなさそうにしていた。
 二人の横では上気したヘラが喘ぎながら小山のような爆腹を上下にさせていた。
普段のヘラならレノラが百人がかりでも押し倒すことなど出来ない。
「それでは罰を言い渡しますぅ。お姉さまは今夜の受け役に決っ定ぃぃ ! 何をされても文句を言っちゃダメですぅ」
「ちょっと、レノラずるい。そんなこと最初に言ってなかったわよ」
 仰向けになったままのヘラが抗議する。
 レノラは横たわったままのヘラの肉体を一瞥すると、目の前で上下する爆腹を掌でペンッと叩いた。
「ひっ ! 」
 軽く叩かれただけなのにヘラが慌てて抱えきれない腹を庇う。
「ほーら。そんなに感じやすくなってるのに、最初に言っといたからって我慢出来ましたぁ?」
 レノラが盛大に盛り上がった腹部に手を置いたまま、少し力を込めて押したり引いたりすると、驚くほど柔軟性に富んだ豊かな腹の肉がヘラの両手からこぼれ落ちんばかりにユサユサと揺れた。
「お、お腹そんなにしないで」
 両手で押さえようとしているのに、巨大な腹が波打つの恥ずかしい。
だが、レノラの手を振り払うことも出来ずに、ヘラは困惑の表情を浮かべた。
「お姉さま、抗おうともせずに文句いってもダメですよぉ。お腹でされるのが好きって認めたらどうです?」
「もう、・・・やだ・・・」
 レノラの手から逃れようとヘラが手足を縮こめて横臥する。レノラぐらいの体格ならならこういう仕草も艶があるが、ヘラのように大柄だとあまり様にならない。
それに逃げた方向にはネルがいた。
「ヘラさんてば、結構感じやすいんだ。僕ももう少しでいきそうだったんだよ。ね、またお腹でいかせて」
 そう言いながらネル自身も横臥すると正面からヘラに身体を寄せてきた。だが、二人の身体が重なり合うよりも先に、射精する寸前で我慢しているネルの怒張しきったものがヘラの爆腹に突き付けられる形になってしまう。
「ネルくん、その・・・お腹突っつかないで。・・ん・・・そんなにされたら、は、破裂しちゃう」
 再び腹上射精したいのか、ネルはぐいぐい押し付けてくる。幾分お肉があまり気味の豊満なヘラの腹に亀頭が半分埋もれる。
「まーたまたぁ。お姉さまってば冗談いって」
 背後からレノラがピタッと腹を押し付けてきた。
「そ、そんな・・冗談じゃないってばぁ・・・」
 前門の虎後門の狼に、ヘラが泣き出しそうな声をあげた。
 実際、ゼニアにフランベルジェで斬りつけられ、魔法攻撃で焼かれても傷ひとつつかなかった爆腹が、ネルのもので突かれたぐらいで破裂するとも思えない。しかし、その気になりかけて防御結界を解いているヘラは普通の女性の肉体とさほど大差はない。その意味では“通常体型”でパンパンに膨らんでいるヘラの腹は、(脂肪の下の筋肉量は戦士に相応しいものの)臨月の孕み腹と同様の状態で、いまのネルの行為は少し酷かもしれなかった。
「もう、仕様がないですねぇ」
 レノラがつと身体を離した。レノラは前回の経験から、こういうときのヘラは先ずその気にさせることが大事だと承知している。やみくもにしようとするよりヘラの方からおねだりするように仕向けるのである。
「ねぇねぇ、ネルくん、お姉さまは少し緊張しちゃってるみたいだからあんまり無理しちゃ、・・・ね。射精したいんだったらアタシが」
「でも・・・」
 ネルは躊躇した。二人で楽しむ前にいってしまうほど切羽つまった状態だし、一見レオタードに支持されていない爆腹丸出しのレノラとしたものかどうか。
「心配しないで。この形態でもあたしのお腹はレオタードに支えられてるの。
それにまだまだお腹余裕あるし、ネルくんのだったら一杯いっぱい欲しいの。
だから、ね」
「う、うん。いいよ」
 射精してしまわないように自分の根本のあたりを握っているネルが頷いた。
 ヘラの向こう側へ回り込むため立ち上がるレノラ。横たわったままのネルとヘラが見上げると、妊娠二十ヶ月の臨月のような爆腹の下に、早くもレオタードの股間を開いて濡れそぼっているレノラの女性が見え隠れした。
「アタシが上になるから、ネルくんはそのままで・・・」
 騎乗位の姿勢である。 仰向けになって構えているネルの身体の上にレノラがゆっくり腰を降ろしていく。万事心得たレノラにとって、大きすぎる腹が邪魔になって狙いが定まらないなどということはない。
 レノラが中腰になったところで硬直したネルの先端が彼女の入り口にあてがわれた。
「んぅっ、ぼく・・」
 ネルが片手でレノラの腹を支えながら呻いた。
「いっちゃいそうだったら我慢しなくていいのよ。でも、できたら中で」
 ネルが恥ずかしそうに横目でヘラの表情を窺う。
 ヘラは横たわったまま、いまにも繋がろうとしている二人のそこから目が離せない。
「だいしょうぶ? 我慢できそう?」
 自分の腹が邪魔でネルの様子が分からないレノラが尋ねた。なるだけ中出ししてほしい彼女としては、もしネルが射精してしまいそうなら彼の長大な男性に貫かれる痛みに耐えて一気に腰を降ろしてしまうつもりだった。
「ん、うん」
 どっちともつかない生返事ながら、ネルは気をそらせるためにレノラを支えている片手で膨れ上がって重そうな下腹部を撫で回した。
なるだけレノラを楽しませてあげようという彼の配慮に、彼女もネルが我慢できそうなことを確認した。
「それじゃ、いただきますぅ・・・」
 レノラが腰を降ろしはじめた。
 いかに房中術に長けたレノラでも、並外れたネルのものは馴染ませながらでないと彼女の女性が耐えられない。
股間の素晴らしすぎる充実感に膝の力が抜けそうになりながらも、レノラはなるだけゆっくりとネルのものを奥へ奥へと導いていく。
「ああ。あんなの・・・すごい・・・」
 ヘラの眼がレノラの股間に釘付けになる。
 挿入に連れて二抱えはあるレノラの爆腹がさらに膨らみ、迫り出した下腹部が邪魔になって繋がっている部分は良く見えない。
 しかし、レノラが背を弓なりに反らせて膨らみ続けるお腹を抱え、額に汗を浮かべて呼吸を整えながらネルのものを徐々に胎内に呑み込んでいく様子は、見えない部分の想像力を一層刺激してヘラの心にその細部を描き出した。
「い、いい・・・奥までとどいてる・・・」
 最後の駄目押しとばかりにレノラが子宮口を開いてネルのものを子宮内に誘った。
「レノラさん・・・もう・・・」
 張ち切れんばかりに膨らんだレノラの腹はネルの顔の上に覆いかぶさるまでになっている。ネルはそれにギュッと顔を埋めて達しそうになった。
「あぁっ、うっ、・・いいわ・・・きて・・・」
 レノラが全体重をネルにあずけると、狭い子宮口を怒張した亀頭が押し割るようにくぐり抜けて子宮内まで貫通した。ネルのものは根元までレノラの中におさまり、二人は完全に一つになった。
「うぅっ・・出、ちゃう・・ぅ」
 上半身が完全にレノラの腹の下敷きになったネルが、両手で膨張しきった下腹部を抱きしめ、両の太股の筋肉を硬直させて絶頂に達した。
「いいっ・・ネルくんの、いっぱい出てるぅ・・・」
 レノラも背をのけ反らせてネルの放つ精を受け止めた。我慢していただけに大量の熱い液が二度三度と子宮の内壁を抉るように叩いた。
「すごっ、いっぱい・・・」
 ネルのものが萎えると、レノラが崩れるように横に離れた。
騎乗位のままの姿勢では加速度的に膨らむ腹にネルが押しつぶされてしまうからである。
「あぁん、膨らんじゃうぅぅ」
 ネルの精をたっぷり注ぎ込まれたレノラの腹がぷぅ〜〜っと膨らんでいく。一見レオタードに包まれていないレノラの腹は、これでも圧縮フィールドの働きで膨腹を最小限に抑えられているのだ。本当の全裸なら、膨腹体質のレノラの腹はネルもヘラもキングサイズのダブルベッドの上から追い落として爆発しているはずである。
 さすがは十二使徒たる長老派の改良版レオタード。レノラの膨腹は一ダースの子供を孕んだ妊娠三十ヶ月の妊婦とか双子の子牛を孕んでいるとでも例えるべき大きさで止まった。“通常体型”のヘラより一回り大きい超腹寸前の堂々たる爆腹である。
 ネルを挟んでこのようなレノラとヘラが横たわり、ベッドの上は急に狭くなった。
「レノラさん、ほんとにお腹だいじょうぶ?」
 息を整えたネルが起き直ると心配そうに尋ねた。
「んー、アタシのお腹パーンパンッ、もう大満足ですぅ」
 レノラも後ろに手をついて大儀そうに起き上がった。
腹がつかえてしまうので、足はできるだけ両側に開かねばならない。
 片手を後ろについたまま、もう一方の手でレノラは自慢そうにパツンパツンに張りつめている白い肌の巨大な風船腹をポンポンと軽く叩いた。
「すこし張っちゃってるみたい、ね?」
 期待している眼でレノラが腹の向こうからネルを見る。本当に腹が張っているというより、行為後の“腹部マッサージ”をネルにねだっているのである。
「もう、だから無理しちゃダメって言ったじゃない」
 ネルは苦笑しながらも小山のようなレノラの腹に手を伸ばした。
 巨腹愛好家としての少年の性からか、主客たるヘラのことはすっかり忘れて一回り大きなレノラの腹に執心している。
 ネルに爆腹をマッサージされながら、半ば陶然とした表情でレノラは横目にチラリとヘラを見た。
 その眼差しは、ネルの関心を一身に奪い、明らかに『女性として勝った』という勝利の快哉を叫んでいた。
 レノラの眼差しにヘラは衝撃を受けた。今まで腹の大きさが女性としての魅力(しかし、読者の皆さんはAlわーるど第一原則を知っていますね)などと思ったことは一度もなかったからである。
 だがレノラの眼差し以上にヘラに衝撃を与えたのは、いま目の前で繰り広げられている光景だった。
 身体全体でレノラの腹に抱きつくようにして愛撫するネルと、腹を隅々まで撫で回され愛されて幸せそうにしているレノラ。
 だが二人の間に挟まれて破裂寸前に見える巨大な肉の球体は、レノラの身体の一部などではなくて、なにか二人の大事な宝物のように見えた。それをレノラとネルが共有しあっている・・・「寂しくないでしょ・・・」
 エルウィンの声が再び聞こえたような気がした。
 所詮、人間と夢魔の人生のペースは違う。人間はせいぜい百年も生きないし、肉体の衰えはずっと早い。
夢魔は千年たってもいまと変わることはないだろう。
 だが決して完全に重なり合うことのない人生も、一瞬だけ交錯することがある。その瞬間を共有できることこそ、恋とか愛とかいう名の幸福であろう。そしてその実例がこの瞬間にヘラの目の前にあった。
『もし・・・私にもあの瞬間が得られるなら』
 ヘラは身体を起こすと二人の方へにじり寄った。
「やだぁ、ネルくん、また硬くなってますぅ。そんなに突っついたら、アタシのオナカぱぁんっ破裂しちゃいますぅ」
「だって、パンパンに膨れた大きなお腹素敵なんだもの。ね、今度はレノラさんのお腹に出していい?」
「したいんだったら、あたしが手伝ってあげますぅ。でも、ネルくんのオナニーを見るっていうのもいいかもしれないし・・・ああ、あたしも迷っちゃいますぅ・・あ、ネルくん、するんだったらもう少しお腹の横。そう、あたしの見えるとこで・・・・・わっ、わぁ、すごい。ネルくんてば大っきなオチンチン両手でしごいて・・・ああ、もう見てるだけでアタシもいっちゃいそう・・・ね、先っちょでレノラのお腹ツンツンして・・・あんっ、んんっ・・・こういうのもなかなか・・・あっ、もういきそうなの? ヌルヌルが出てる・・・・・ん? だれ?」
 二人で戯れあっているところへ水を差されてレノラが振り向くと切なそうな表情のヘラがいた。
「ね、わたしも・・・仲間に入れて」
 今さらながらも参加希望にどう対応したものかネルは困惑した。レノラの方は内心作戦の成功に喜びながらも、表面上はそっけない。
「ダメですぅ。ヘラさんは罰ゲームを嫌がって抜けちゃったから、仲間に入れてあげません」
 それを聞いた途端、ヘラはレノラが発言を後悔したほど悲しそうな表情をした。
「じょ、冗談だよね。ね、ね、レノラさん」
 ネルが慌てて取りなした。怒張した股間が少し委縮してうな垂れる。
「そ、そうです。そうですぅ。アタシがお姉さまをのけものにするはずがないですぅ」
 目に見えてヘラが安堵とした。こうして向こう気の強さや二メートル余の巨体や天使であることを差し引いてみると、ヘラも友達と遊んでほしくて寂しがっている女の子にしか見えない。
「あの・・・本当になんでも言うこときくから・・・」
 ヘラがうつむき加減で爆乳の谷間に顎を埋め、上目遣いに消え入りそうな声で言う。
もじもじして両手が自分の爆腹をまさぐっている。無意識にこんな慎みのないことをしているのは、よほど二人にしてほしいからであろう。
「じゃあ、ひとつ質問。これから先、ネルくんとアタシが西へついていってもホントに文句言わない?」
「うん・・・祭司優先っていうことに変わりはないけど・・・できるかぎりあなた達も守ってあげる・・・」
 レノラとネルは視線を交わす。色仕掛けでヘラを屈服させたみたいで、少し気がとがめないでもない。
「じゃあ、もう一つ質問。いまからお姉さまはどんなことをしてほしいですか?」
「ど、どんなって・・・その・・・おなか・・・・」
 レノラの質問にヘラは顔を真っ赤にしてもごもごと口籠った。やはり性交に関することを口にするのははばかりがあるらしい。
「うーん、どうしてほしいのか言ってくれないと分かりませんねぇ。やっぱりやめて解散しますぅ? アタシもオナカいっぱいで満足したし眠いんですけど」
 またレノラが調子に乗って悪戯モードに入っている。
「そ、そんな・・・ま、待ってよ。本当にどう言ったらいいのか・・・」
 本気にしたヘラが狼狽えた。
「なら、アタシが代わりに教えてあげますから、その通りに言って下さいね。そしたらいいことしてあげますから」
「・・・う、うん」
 ヘラがよく考えもせずに生返事をした。
 レノラがヘラに教示を垂れるべくコホンとわざとらしい咳をした。
「では。オ○○コにネルくんの大っきなチ○○入れて欲しい。で、たーっぷり中に射精してもらって、そのボテボテしたみっともないほど大きい太鼓腹をアタシのお腹でにムニムニして欲しいってお願いするんですぅ」
「えっ、あっ、おっ、オ、オ○・・○・・・?? そ、そんなこと言えないよ・・・」
 ヘラが目を白黒させる。
「お願いできないんなら帰っちゃいますぅ」
 レノラが巨大な腹を抱え、ネルの手をとってベッドから降りようとした。無論レノラの演技であるが、素直になっているヘラは冗談を受け入れる余裕がない。
「ま、待って。言う。言うから待って」
 はんぶん哀願口調で必死になってヘラは引き止めた。
「お願いだから待って下さい、ですぅ」
 ゼニアとの共謀の下、ヘラを“躾ける”べく策動しているレノラは容赦ない。というより、この悪戯を楽しんでいた。
「お願いですから待って下さい」
「 (この部分はヘラの名誉のために割愛させていただきます。物足りない方は御自由に屈辱的な言葉を挿入してお楽しみ下さい) 」
 結局ヘラは恥ずかしい言葉を口にした。
「もぉ、そんなにいじめちゃヘラさんがかわいそうだよ」
 横で見ていたネルがヘラを庇う。
 ヘラはといえば半べそ状態というか、主人に叱られた飼い犬のような情けない表情をしていた。ナニして欲しさに屈辱感を堪えているが、不思議と怒気を発しないのは結局レノラのペースに巻き込まれているからだろう。
「いいのいいの。こういうのは最初の躾けが肝心なんですぅ」
 レノラはネルの抗議を軽くいなしながら、超巨大爆腹をレオタードに包み込んだ。
いわば戦闘態勢ならぬ“戦闘体型”をとるわけで、少しサイズダウンしないと自由な体位でヘラを責められないからである。
「だめだよ。女の人には優しくしなくちゃ。あんまり悪戯するとレノラさんにもしてあげないよ」
 どうやらネルはレノラが腹を圧縮してしまったので、相対的に巨腹になったヘラに同情しているらしい。女性として扱われたヘラは温かい気持ちになる。
「あぅ、それは困りますぅ」
 レノラが困った振りをして頭を掻くのをしり目に、ネルはヘラの脇に寄り添って赤らんだ頬に接吻した。
「あ・・・ネルくん?」
「ヘラさんのお腹とオッパイ素敵だよ」
「・・・・うん」
 ヘラはネルが愛おしくてたまらなくなる。
 このあたりはヘラとネルを自然体で結びつけようとするレノラの演出が心憎いほど的中していた。
 ヘラは小柄なネルを抱き上げると自分の爆腹にまたがるように座らせた。ネルの長大な男性は頭二つ分はありそうなヘラの爆乳の谷間に挟まれるのだが、頭の部分だけはしっかり顔をのぞかせている。
「あ・・ヘラさん。こんなことして大丈夫なの?」
「平気よ。その気になれば、わたしの肉体は如何なる攻撃も効かないほど丈夫にできてるの。このお腹と胸もあなたを守る盾になるのよ。
それよりもネルくん、わたしのお腹気持ちいい?」
 ヘラは返事を期待して腹の上のネルを見上げた。もっとも返事を聞かずとも、爆乳に挟まれたネルの男性が一層熱さと硬さを増したことで答えは了然である。
「うん。とっても」
 ヘラはパイズリもフェラもできないが、彼女の呼気が亀頭に感じられるだけでもネルはいってしまいそうになる。
「うきゅ〜〜〜、二人だけでいい雰囲気になって許せないですぅ」
 そんなレノラの演出された妬気も女性としての優越感をくすぐられるヘラには耳に快く響く。
 だが単に妬心をあらわにするだけではなく、レノラは更なる演出もキチンと考えていた。(作者注 夢魔はお客様の御要望に応えるために、様々なプレイに通暁しているようです。ただし要予約)
「ふぅ〜〜ん。そんなに自慢のお腹なら、アタシがテストしてあげますぅ」
 四つ子の臨月妊婦ぐらいの身軽(?)な体型になったレノラが、ネルの身体で視界の遮られてるヘラの爆腹の正面に回り込んだ。そしてやにわに両の拳を構えると、
「あたたたたたたたたっ」
 と奇声を発して正拳突きを何発もヘラの腹に叩き込んだ。
 パフッ、ポフッ、ペシッ。ペンペンッ。
「うぐっ、レノラ、な、なにを?」
 ヘラは驚いた。
 無論レノラの冗談である。
しかも寸止めだから締まりのない音がしてヘラの腹の肉がタプッタプンと波打っただけでダメージなどは一切ない。
「ふっ、これでお姉さまのオナカはただ大っきいだけのお肉の塊にすぎないのですぅ」
 レノラが格好をつけて髪をかき上げた。
「レノラさん、変なことしちゃだめだよ」
 水を差されたネルが振り返って注意した。
「うふふ、イスマスの貸し本屋さんにあった拳闘ものの絵草紙の真似なのですぅ。一度やってみたかったのですぅ」
 レノラがニヤニヤする。
「ッ ! ! レノラ、何を?」
 不意に下腹部に熱いものを感じたヘラが戸惑った。
「あわわっ。ま、まさか結合を?」
 地鳴りがするように巨大な腹が唸りだした。
 ヘラは慌ててレノラに触られた辺りをまさぐろうとする。だが妊娠三十ヶ月の九つ子を孕んだようなヘラの通常体型では、レノラの拳に嬲られた腹の中心線のあたりに手は届かない。
「御名答。そしてこれでフィニッシュですぅ。あたぁっ! ! 」
 またもやレノラが奇声を発し、ヘラのヘソの穴に人差し指を突き立てた。
「はうっ ! ?」
 ネルを爆腹の上に乗せたままヘラが身をよじった。ヘソは豊満な肉に防御されたヘラの腹部で唯一の弱点である。
「いまやお姉さまの本質の制御はあたしの手の内、しかもさっきネルくんから貰った精気をたーっぷり分けてあげましたぁ」
 そう言いながらレノラは人差し指を動かしてヘラのヘソの穴を玩弄する。
「いまからお姉さまの“エッチしたい度数”を計ってあげますぅ。この指を抜いて三つ数えたら、お姉さまのお腹はその性欲に比例して大っきく膨らむのです。もしお腹が大きくなりすぎて破裂しちゃってもそれはアタシのせいではないのですぅ」
 まだ絵草紙の真似をしているレノラが口からでまかせを並べ立てる。この後の展開を予想したヘラはゾクリと爆腹(普通の人は背筋)に寒けを覚えた。
「ま、ま、待って。ゆ、指抜かないで・・・おねがい」
「ダメですぅ。三つ数える間に、己の性欲の大きさを後悔しなさい」
 ヘラの哀願も空しく、レノラが人差し指を引き抜いた。
「ひぁっ、お腹、わたしのお腹が・・・お腹が膨らむ、膨らむぅ・・・」
ネルの跨がった爆腹がムクッと膨らんで彼の体を持ち上げる。
 自分の意志と関係なく膨らむ腹部を抑えようとヘラが両手で抱えた。
ネルも慌てて爆腹の上から滑り降りた。
 ただでさえ巨大なヘラの腹がゆっくりと、しかし確実に膨らんでいく。それにつれてヘラの身体は反り返り、両足は下腹部に押し広げられて両側へ開いていった。腹に持ち上げられた乳房もそれにつられて膨らみ、ヘラの口元を圧迫して苦しそうである。
「むぐぅ・・・レノラ、おねがい。・・・お腹・・お腹止めてぇ」
  ヘラの腹が妊娠四十ヶ月、四十五ヶ月、五十ヶ月と眼を見張る大きさに膨れ上がっていく。三抱えはありそうな腹はヘラの腕力をもってしても膨張を止めることはできず、また無理に締めつければ破裂してしまいそうなほどパンパンに張っていた。
「ちょっと・・むむぅ・・ほんとに・・・は、は、破裂しちゃうぅ」
「レノラさん、いいの?」
 ネルが心配そうにきく。
「いいのいいの、これくらい。それにネルくんだってピンピンに元気にしちゃって。心配なら支えてあげれば?」
 レノラは言葉とは裏腹にヘラの膨腹に目を奪われているネルを唆した。
 ネルとて本当に破裂してしまう危険がないなら、ヘラの腹に触れてみたくないはずはない。
「う、うん」
 ネルがそうっと膨らみ続ける腹部に手をやると、巨大に膨れ上がった下腹部が熱をもってびくっびくっと脈打っていた。
「んっ、むむっ、そ、そんなに触っちゃ・・・いいっ・・・」
 軽く触られただけなのに、ヘラはベッドに倒れ込み背を弓なりに引き絞ると快感を訴えた。
「あぁ・・はぁ・・はぁ・・はあ・・レノラ、いったい何を?・・・いっ、・・ぐっ・・・ね、ネルくん、そんなに・・あぅ・・・触っちゃ・・・んむっ・・・」
 ネルの手が爆腹に触れるたびに、ヘラの子宮が強烈に疼き痙攣して絶頂に達しそうになる。閉じられなくなった両股の間からは止めどなく蜜が溢れ出してきた。
「ふふふ、さっきアタシが送り込んだネルくんの精気をもとに、お姉さまが胎内に溜め込んでいるエネルギー特性を調整し直したのですぅ。だからネルくんがお腹に触ると、ネルくんの生命エネルギーに共鳴してお腹がとーっても気持ち良くなるんですぅ。
さぁ、ネルくん、いつもアタシにしてくれるみたいに、お姉さまのお腹をマッサージしてあげるんですぅ」
 レノラがヘラを指さすと、ネルもそれまでの遠慮も吹き飛んでプルプルと痙攣して膨らみ続けているいる超巨大爆腹にむしゃぶりついていった。
「ひゃうっ ! ・・あんっ・・・やっ、ん・・・やめっ、ネルくん・・やめて・・・ああっ・・いっ・・いいっ・・んっ・・むっ・・ま、また、いくぅ ! ・・・」
 ネルがキュッと下腹部にしがみついて腹の肉を揉むと、溜め込んだエネルギーが胎内にひしめき合って腹がはち切れそうになる。ヘラは背を弓なりに引き絞り、ネルの座高よりも高く膨れ上がった腹を突き上げて、立て続けに絶頂に達した。連続して絶頂に襲われる身体を汗でしとどに濡らし、太股を痙攣させて股間から潮を吹いた。
「いいっ! ぐっ! !・・えっ、げほっ、げほっ・・ングッ、うぇっ! !」
 呼吸の乱れたヘラが身体を痙攣させながら激しく咽せた。こんなときの呼吸困難は人間なら命に関わりりかねない。
 いまやヘラの腹は九つ子の妊娠六十ヶ月とでも例えるべきか、小柄なネルなら二人分は余裕、爆腹状態のレノラでも収まってしまいそうな腹を上下にさせて全身を痙攣させている。ベッドの上は黄河を掻き回し泰山をひっくり返すような有り様である。
 超巨大な腹に抱きついているネルは猛牛の背から振り落とされそうなロデオ騎手に見える。それでもネルが激動する巨腹から飛び降りないのは、ヘラのよがる様があまりにも凄まじいので、愛撫を続けるべきかどうか判断に戸惑っているからである。
(作者蘊蓄 ちなみに行き掛かり上、途中で止めにくいことを“騎虎の勢い”と言います。これは一度虎の背にのったら、途中で降りると食べられてしまうからです。ヘラの場合は飢えた雌虎?)
「あぅぅ、大変なことになってますぅ」
 こんなことになってはさすがにヘラがかわいそうである。
レノラは慌てて激しく上下する山のようなヘラの腹にタッチすると、胎内の本質を調整してやった。
「・・はぁっ・・はぁっ・・はぁ・・はぁ・・あ、ありがとう、レノラ」
 ヘラが喘ぎながら感謝した。
 たしかにヘラを助けたのはレノラだが、悪戯したのも彼女である。
有り難がられるような筋合いではないのだが、あるいはよほど気持ち良かったのかもしれない。
その証拠に、ヘラは動くのが億劫なのか、前戯のあとの本番を期待しているのか、両足が閉じられなくなった股間を隠そうともしていない。
「お姉さま、こんなにお腹を膨らませて。やっぱりエッチですぅ。ネルくん、お姉さまがこれ以上お漏らししないように栓をしてあげましょう」
「あ・・・そんなこと言わないで」
 ヘラが腹を揺すって恥ずかしがるが、ここまでしてしまえばためらいはない。
 ネルは首肯くと、彼自身の胴回りほどもありそうなムッチリとしたヘラの太股の間に陣取った。
「でも・・・」
 ネルは心配そうにレノラを見た。その目は「僕の入るかな?」という疑念を訴えていた。
たしかに勃起しきったネルのものは、拳を握って肘まで突っ込まれるのと大差ない代物(!)である。レノラのように房中術に長けた者でなければ、挿入という行為そのものが過失傷害(! !)にでも問われかねない。
「あんなに欲しがってるんだから、大丈夫ですぅ」
 レノラがヘラに聞こえないように励ました。
 レノラの見立てでは、ヘラの女性自身はその体格に合わせたつもりでもないだろうが少々間取りが広く設計されているようである。この事実は、ヘラ自身にとっても標準サイズの持ち合わせしかない大半の殿方にとっても物足りない結果を招きかねないが、相手がネルとなると逆に安全に行為に励むことができる。
 それどころかネルのものでは、ヘラでも最初は相当痛い思いをしなければならないだろうし、我慢の峠を越えて身体が馴染めば極楽往生すること間違い無しである。
「うまくいくはずだけど、焦っちゃだめよ。ヘラさんが慣れるまで、なるだけゆっくりと、ゲームでもするみたいに。我慢できなくなったら途中でも思いっきり出してあげて。むしろすこし萎えたほうがうまく入るかもしれないから」
 山のような腹越しにヘラに聞こえないように、レノラはヒソヒソとアドバイスした。
ネルは合点すると山越しにヘラに呼びかけた。
「いい? ヘラさん。いくよ」
「・・・うん」
 首肯く代わりに腹が揺れる。
 ネルは入り口に男性をあてがうと、ゆっくりと腰を沈めていった。
「あ・・・んっ・・痛ッ・・・あっ、い・・・ダメ」
 ただでさえ張ち切れそうな巨大膨満超腹にネルの男性がメリメリと押し入っていくと、慣れない行為と上昇する内圧に怯んでヘラが苦しがる。
「お姉さま、我慢して」
 レノラが喘いで上下する巨大な腹の向こうに回り込むとヘラの頭の上に屈み込んだ。
「うっ・・む・・うむぅ・・・」
 いまや頭三つ分はありそうな乳房を揉みしだきながらレノラが唇を重ね合わせてきた。
半ば強引に舌を差し入れ、ヘラの気を逸らしてやろうとする。
「むぐぅ・・レノラぁ・・・」
 レノラは片手で乳首を摘みながら、もう一方の手で届くかぎりヘラの腹を撫で回してやった。
レノラの巧みな愛撫でトロンとなったヘラは、緩慢に体内に進入してくるネルのものの苦痛を快感と感じられるまで余裕を取り戻した。
「・・あ・・・なにか・・・よくなってきた・・みたい」
 まだ少し痛いのだが、レノラをぐっと抱擁してそれを我慢する。
「うー、そんなにチカラ入れると苦しいですぅ」
 魔法のレオタードで身体を支持しているとはいえレノラも爆腹体型である。
あまり力任せに抱き寄せられると腹や胸が圧迫されて苦しい。
「すご・・・奥まで・・届きそう・・・んっ・・・・あっ・・・・ひぐっ! !」
 抱きしめたレノラの耳元にヘラが囁いた。
 ネルの男性が奥まで届き、子宮口を突くとヘラは一瞬身を硬くした。
レノラのように子宮口を開いて胎内までネルのものを受け入れることはできないが、それでも七割がたは収まったようである。
これが普通の女性だとネルのものは半分ぐらいしか入らない。
「ふぅ、・・ヘラさんの大きなお腹大好き」
 腰をヘラの腹に預けきったネルが再び彼女の下腹部に両手をまわして撫で摩る。
自然に巨大な肉風船の下半分はネル、上半分はレノラと担当が決まったかたちである。
「お姉さまのエッチなカラダはとても一人じゃカバーしきれないですぅ。
この大っきななオナカとオッパイは複数でのプレイにむいてますぅ」
「あんっ・・・そ、そう?」
 いつもなら大きいとか重いという言葉はヘラにとっては禁句だが、いまの彼女はそんなことで気分を害したりしない。
むしろ二人がかりで自分の肉体を愛されることに喜びを感じているようだった。
「あ・・・ヘラさんの・・きつくて、すごく締まる・・・ゆっくり動いてみるから・・んんっ・・痛かったらいってね」
 ヘラが馴染んできたと察するとネルは奥まで挿入されたままの男性を今度はゆっくりと引き抜きはじめた。
その長さを活かして出口ギリギリまで抜くとふたたび奥まで挿入する。
その度にえらの張った亀頭によって肉襞の一枚一枚がこそぎ落とされそうに捲れあがり、花弁の間に溜まった蜜が搾り出される。
「うぁ・・あん・・あっ・・うぅん・・こ、こんなの・・ああっ・・はじめて・・」
「大っきなお山の向こうで湧き水の音がしますねぇー。
しかもお山に雨が降ったから、いーっぱい湧き出ているみたいですぅ」
 レノラがしとどに汗をかいたヘラの腹を撫で回した。
山のように膨れ上がった腹は、ネルの緩慢な抽挿にあわせてタップンッタップンッと重々しく揺れ、その度にネルの男性に掻き出される愛液が股間でいやらしい水音を立てている。
「ひぁッ・・くふぅ・・も、すこし・・ゆっくりして・・・ふあぁ・・じゃないと・・いっちゃうぅ・・・」
「こ・・これ以上ゆっくりなんて・・ん・・できないよ」
 ネルもいってしまいそうなのか、声が切迫している。腰の動きも心持ちはやくなって、その分力強さを増してきた。
「ネルくん、手加減なんてしちゃダメですよぉ。お姉さまのオナカは宝の山なのですぅ。
だけどネルくんが坑道からお水を掻い出してあげないと、中で働いているネルくんの息子さんが溺れてしまいますぅ」
「あぁ・・ん・・そんなこと・・いわないでぇ・・あふぅ・・・」
 耳元で囁かれるレノラの恥ずかしい言葉が一層ヘラの感覚を刺激する。
「あっ・・あぁん・・そ、そんなにされたらまた・・お腹が変になっちゃう・・・」
 ヘラが胎内の違和感を感じるまもなく、腹がふたたび膨らみはじめた。
「あぅっ・・れ、レノラ・・あんた、また変なことを・・・わわっ・・」
「してないですよぉ。お姉さまのオナカの中のエネルギーがネルくんの陽の気に反応してるんですぅ」
 ヘラは夢魔であるレノラと違って、精気の吸収効率は決してよくない。(良くないけど吸収しないわけではない。後述) しかしもともと胎内に溜め込んでいる防御結界用のエネルギーがネルの精気に反応して過剰に活性化し圧力を上昇させているのだった。
「お姉さまったら、あたしのせいにしてもダメですよ。勝手にオナカ膨らませちゃって、やっぱりエッチですぅ」
「ふあぁ・・そんなこと、ないってばぁ・・あぁ・・レノラ、お腹なんとかしてぇ」
 腹が大きくなると快感が増すらしい。ヘラが超膨満腹を抱えて身悶えた。
「ハイハイ、分かってますって。ネルくんがアタシにしてくれたように、パンパンになったオナカにはマッサージが効くのですぅ。ほーら、お姉さまのお腹もナデナデしてあげますぅ」
「あぁぁん、違うってばぁ・・そ、そんなにしたら、また・・んんっ・・でも・・・いい・・・」
 いまやヘラの両手もレノラと一緒に臨月の鯨か象から拝借したような腹を愛撫していた。
「うぅぅん・・・僕、もう、もういっちゃいそう・・・」
 風船腹の向こう側ではネルも切迫を訴えた。ヘラの下腹部にギュッと抱きついて顔を埋め、辛うじて射精を堪えている。
「わ、わたし・・も・・も、もうダメェ・・・あっ、ああぁぁ・・・」
 追い上げられたヘラがネルの腰に両足を巻き付けてきた。ネルはより深く、奥へ奥へといざなわれ、一層親密にヘラと一つになった。
「ネルくん、お姉さまも限界ですぅ」
「いく・・いく・・いくぅぅ・・・」


「はぁ・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・・・あぁ、ネルくん、すごい・・・・・ねぇ、おねがい。もう一度・・・」
「ふぅぅ、もうダメ。お腹が大きくなりすぎて届かないよ」
 ネルが一息つくためにヘラから離れた。
「まったくぅ。四回もしといてまだ足りないんですかぁ? 太股閉じられないぐらいオナカ膨らませて、精○流れ出てるの丸見えですよ」
「わわっ、そんな露骨な表現・・・」
 ヘラがむくりと起き上がった。ネルの精気に触発されて膨張した腹は、股を広げて座り込んだ彼女自身より頭一つ分以上高くそびえ立ち、いまにも破裂してしまいそうなほどパンパンに張りつめている。ヘソの穴にレノラが人差し指を差し込めるほどムッチリと分厚かったお腹の肉も引き伸ばされて、ヘソが摘めるほど飛び出してしまっていた。
 ネルとレノラはいささかヘラの性欲に呆れながらも、張ち切れそうに膨らんだ超腹をマッサージしてやっていた。
「・・・だって、こんなに気持ちいいの初めてなんだもの。お腹が大きくなるほど具合も良くなってくるみたいだし・・・んんっ・・ネルくんもまだまだいけるんでしょ・・・ね、もう一回おねがい。あっ・・・そこ・・もう少し下・・そう、そこ・・・あんっ、おヘソは敏感だからあんまり触らないで・・・」
 ヘラは鼻を鳴らし、大きな腹を恥ずかしげもなく揺すって二人にせがんだ。
腹の巨大化に比例して羞恥心が薄れ、逆に色気が出てきたようである。二人のマッサージに合わせて腹を揺する仕草にネルの股間が回復してきた。
「僕はいいんだけど、レノラさん、どうする?」
「しようがないですねぇ。ネルくんも元気になったみたいだし。でもこのお腹じゃあ、正面からは無理みたい。後ろからするしかないわね」
 レノラがヘソを玩弄しながら状況分析をした。ヘラはヘソを弄られるのを嫌がる仕草を見せるのだが、実際には愛撫が直接子宮に伝わってなかなか気持ちが良いらしい。
「やった ! ありがとう。でも、どうやって後ろからするの? このお腹じゃあ四つん這いにはなれないわよ」
 ヘラがレノラに指南を求めた。
「座位しかないですねぇ。
アタシもお腹が大きくなりすぎるとよくするんですけど、ネルくんの膝の上に腰を下ろすんですぅ。でもその場合、飛空術で体重を軽くしないとだめですよ」
「そのくらいの術なら私だってつかえるわ。でも上になって自分が動くんでしょ? できるかな?」
「最初は大変ですけど、深さとか動くペースとか自分で調節できていいのですぅ。それに自分が主導権を握って相方を攻めるような感じになって、エッチな気分も盛り上がりますぅ」
「そ、そう」
 ヘラは熱心に腹を撫で回してくれているネルをちらっと見た。自分が上になって巨根の美少年を犯すという淫らな夢想が刺激される。
「ネルくんはいいの?」
 ヘラはドキドキしながら尋ねた。
「ぼくはいいよ。
お風呂場でも一回したし」
「ふみっ、それはばらしちゃだめですぅ」
「ゆっくり、ゆっくりもう少し後ろ。そう、その辺りで腰を降ろして」
 レノラに誘導されてヘラがネルの膝の上に腰を降ろそうとしている。
「ほ、本当にこの辺でいいの? もっと後ろじゃない? わたし、お尻でするのはいやよ」
 巨大な腹を抱え中腰で足場の柔らかいベッドの上に踏ん張っているヘラは、慣れない体位になかなか焦点が定まらないようだった。ヘラの超巨大爆腹を中心とした三人の共同作業は巨石を組み上げる土木工事にどことなく似ていた。
「少しはアタシの言うことも信用してほしいですぅ」
 嵌められっぱなしのヘラが不信感を露呈すると介添えを務めるレノラがふくれてみせた。
「僕も手伝ってるから信用して」
 ネルがどっしりと幅広い安産型のヘラの腰に両手を添えて狙いを定めてやる。股間のものは回復し、ふたたびヘラと一つになるのを待ち望んでいるかのように硬直して上を見上げている。(発射台のロケットを想像してしてみましょう。・・・某国産ロケットのように頻繁に暴走事故を引き起こすようです)「あ・・・・」
 入り口に頭をあてがわれたヘラの逞しい太股がピクッと痙攣した。
「そうそう、そのままお腹の力を抜いて、ゆっくり腰を沈めるのですぅ」
 パンパンに張った腹でどう力を抜いたらいいのか。よく分からないレノラの指導に従って、ヘラがネルのものをどん欲に呑み込もうと・・・・
「ああぁ・・・・」
 ネルのものが入ってくる快感に愉悦の吐息を漏らすヘラ。
 その瞬間、悲喜劇とでもいうべき珍事が発生した。
 挿入の快感に惑乱されたヘラが自制心を失い、足腰が萎えてしまって一気にネルの上に腰を落としてしまったのである。
「ひぐっ! ! 」
 術を使って体重を軽減してあるとはいえ、全体重を股間に集中して一気にネルのものを挿入するのである。先程までネルのものを受け入れていたとはいえ、それは時間をかけて馴染ませながら優しく挿入されてのこと。いかにヘラの女性の間取りが広かろうと、この場合の救いにはならない。
 そもそも、いくらヘラが淫らな妄想ばかり先行させようと、場数の少ない彼女がネルをリードしようなどと考えるのが僭越至極である。
「ぐはぁぁぁ! ! 」
 メリメリと柔肉を押し割られる感覚にヘラが息を詰まらせた。内壁を抉るようにネルの長大なものが奥深くまで達すると、その余勢で子宮口を押し開き胎内まで貫入した。
「ああぁ、いっちゃうぅ! 」
 亀頭が子宮にすっぽりおさまり、首の部分が子宮口で締め上げられる。ネルが絶頂に達し、白濁した液を胎内に浴びせかけた。
「ぶひぃぃっ、いいっ! !」
 苦痛とも絶頂ともつかない感覚にヘラは奇声をあげた。
「すごっ、すごいや・・ヘラさんの中・・・」
 根元まで完全に受け入れてしまったネルの男性が萎えるまもなく一層硬くなる。傘が開ききったネルの男性は子宮口を通過することができないくらい怒張しきった。
「あっ、はっ、ひっ・・だ、だめっ、ネルくん、抜いて・・」
 凄まじい感覚に圧倒されながらヘラは訴えた。
 しかし、ネルの膝の上に腰を降ろしているのは彼女の方である。
体格差で大きく劣っているネルがヘラを持ち上げて腰が退けるわけがない。
「ヘラさん、無理だよ」
「わ、わたしも・・・」
 ネルに貫かれているヘラも足腰が萎えてしまって腰をあげることができない。しかも膨らみすぎた腹がつっかえて、重心を前に移動することができないからますますネルに体重を預ける形になってしまう。
 少しでも足腰に力をいれようものなら、踏ん張るよりも先にネルのものを食い締めてしまい、また足の力が抜けてネルの膝に腰を降ろしてしまう。これでは具合よろしく上下運動を繰り返していることにしかならない。
また万一ヘラが立ち上がれたとしても、子宮に根を張ったネルのものが簡単に引き抜くことができるかどうかも疑問である。
「あわわっ、これはヘラさんのオナカが大変なことになりますぅ」
 ループ状態の二人を見守っていたレノラが焦りだした。
 特にネルは痙攣的に射精を繰り返しているらしい。これはレノラが“災難”に見舞われたときに酷似している。(第一話参照)
「ああっ・・んっ・・何か・・・」
 ヘラは表裏一体の快感と苦痛に苛まれながらも機械的に腰を動かし続けた。
 胎内に違和感を覚え、離れなければと思いながらも、その思いとは裏腹に離れたくない気持ちもある。
 深く。より深く、ネルのものをいっぱい・・・・ ヘラは背を弓なりに反らせ、股間の一点に体重と感覚を預けて・・・ だが、ヘラが背を反らせているのは彼女の神経が背筋に命じているからだけではない。今までにも増してはやいペースでヘラの腹が膨らみはじめ、彼女の身体をのけ反らせているのだった。
「ふっ、膨らむ、膨らむ・・・お腹が膨らむの・・が・・いいっ・・・」
 膨らむ腹を抱えてヘラが身悶えた。
 子宮口が開いて精気の流入する効率がよくなったうえに、子宮内に直接射精されるのである。ヘラの腹はレノラも顔負けの爆発的な勢いでグングン大きくなっていった。
 それにつれて今までヘラが心の奥底にしまい込んでいた何かも大きくなって抑えようがなくなっていく。
「ああっ・・すごい・・また・・・」
 ヘラの腹筋がミシミシ軋んだ。
「ヘラさん、んんっ・・お腹大丈夫なの?」
 いまや膝の上で積極的に腰を使うヘラをネルが気遣う。
 ネルは枕元の壁際に押し付けられているのだが、その狭苦しく空間から上を見上げると、のけ反って喘ぐヘラの頭の向こうに見る見る高さを増していく肌色の巨大な球体がいまにも張ち切れそうになってユサユサと揺れていた。
「ふうっ・・ふうっ・・ふうっ・・お、お腹が大きすぎて動けない。あぁ・・レノラ、手伝って・・・」
 いまやヘラの腹はキングサイズのベッド一杯に膨れ上がっている。
 前はベッドの足側まで、横幅もベッド一杯になって腹がはみ出しかけている。上の方も天井までの余裕はわずかで、ベッドの上にいられなくなったレノラは床に下りて、ひたすらヘラの腹が破裂してしまわないように治癒術で皮下組織のそこここを補強してやっていた。
「これ以上すると、ヘラさんのオナカ、ぱぁぁんっていっちゃいますぅ」
 レノラが危惧する。
「ほ、ほんと?」
 膨らみ続ける肉体の下でネルが慌てた。
「あふっ・・・大丈夫よ。ねぇ・・んむっ・・もっと、もっと。レノラもおねがい、お腹・・・して。わたしだけじゃ動けない」
 ヘラが虚勢をはって貪欲にせがんだ。
 しかし、実際ヘラの腹は大丈夫どころの状態ではない。その大きさを「超腹」とか「とてつもなく巨大」とかいう簡便な言葉で表現するのは、諸国の王も頭を下げるような大富豪を例えて「お金持ち」というのと同じである。
「ねぇ、オナカしてぇ」
 普段は肉厚で如何なる衝撃も吸収できる弾力に富んだ腹も、限界まで膨らまされ引き伸ばされ、髪一筋ほどの愛撫にも耐えられそうにない。その腹を揺すってヘラはレノラに助勢を頼んだ。
「もう、どうなっても知らないですぅ」
 レノラは床に腰を降ろすと、レオタードの圧縮率を下げて自分の胸と腹を膨らませた。
その丸みと弾力に富んだ三点支持でベッドの端から迫り出してくる超膨満腹を受け止めると、ヘラの動きに合わせて揺すりあげてやった。
「ああぁっ、いいっ・・またっ・・また、いきそう !」
 膨らめば膨らむほど、大きさを増せば増すほど、甘美でより深い快感の波がネルとの接合点、その巨大な腹を中心にしてヘラの全身を包み込む。
 これ以上の絶頂はないと思って達しつつも、腹が大きくなれば更なる高みが見えてくる。このまま行為を続けていれば、あと一度か二度もネルに射精されたら膨腹も限界に達して腹が破裂してしまうであろうことはヘラ自身快感に蕩けた思考の中にもはっきりと承知している。だがどこが絶頂の限界かを知らずにこの行為をやめることなどいまの彼女にはできない。そしていまやヘラはその限界に到達することができるなら、後のことはどうなってしまってもいいと思っていた。
 たとえレノラの治癒術の厄介になろうとも。
「へ、ヘラさん・・僕、もう・・また出ちゃう・・・」
 ネルが悲鳴に近い声をあげた。いくらヘラが隠していても、彼女の肉体の限界が近いのははっきりと分かる。
 後ろは壁、前はヘラの身体に挟まれた狭苦しい空間の中で、ネルが射精を堪えつつ左右に視線を向ければ両側ともパンパンに膨らんでベッドからはみ出したヘラの脇腹(?)が地平線のように丸みを帯びて彼の視界を遮っていた。上の方では腹が天井に押し付けられているのか、天井板がギシギシと軋んでいる音が聞こえてくる。
もしかしたらその音の半分は限界に達したヘラの肉体の音かもしれない。
「いいわ・・まだ・・うっ・・だいじょうぶ・・・きて・・・」
 もはや腹を揺すって腰を上下にするような余裕は一寸もない。身動きすれば破裂してしまいそうな超巨大な腹を抱え、それでもヘラはネルを欲した。
「いいのぉ・・あぁぁっ・・・中にぃ・・・! !」
「だめぇ・・・ヘラさん、んんぅっ・・・」
 ヘラの太股の下でネルの膝が痙攣した。絶倫体質が半ば暴走しているネルはついに暖かな締めつけに屈してしまった。
 ヘラの胎内にとどめの一撃とばかりに熱い奔流が流れ込んだ。
「あひぃぃぃ・・・も、限・い・・は、破裂するぅ! !」
 ヘラの頭の中が白熱化し・・・
ぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん ! ! ! ・・・・ん??
「あ・・・? お腹・・・・?」
 何かが弾け飛んだのはヘラの頭の中だけだった。
 正気に返ったヘラが目を開けると、視界をふさぐように破裂寸前まで膨らんだ自分の腹が・・・・「・・・どうして?」
 訝るヘラの遥か向こう側、超巨大な腹の正面にレオタード地の弾力に富んだ球体がキュッと押し付けられた。
「あふぅっ」
 そのサラサラした肌触りの心地よさに喘いでしまうヘラ。
「レノラ、あなたなの?」
「そうですぅ」
 山のような腹の向こうから返事が返ってきた。
「まったく。ヘラさんはエッチで世話が焼けますぅ。でも、ヘラさんがアタシとネルくんを守ってくれるっていうなら、アタシもヘラさんのお腹が破裂したりしないように守ってあげますぅ」
 ヘラが絶頂を極め、彼女の腹が大爆発する一瞬前、ギリギリのところでレノラがヘラの胎内から余剰のエネルギーを抜き取ってくれたのだった。
 ヘラもネルもレノラの姿は見えないが、レオタードに支持され圧縮された彼女の腹はヘラの腹部に比べると格段に小振りなものの、先程までの二倍ほどの大きさに膨らんでいた。(作者注 小振りといっても、ヘラと比較してのこと。レノラのお腹も軽く直径一メートル以上はあるはず)
「レノラ、ありがと・・・」
 ネルが見上げるとヘラの肩が小刻みに震えていた。
「ヘラさん、泣いてるの?」
「ち、違うわよ。これは汗よ。汗」
 背後のネルにヘラの顔など見えるはずがないのに声を強めて弁解する。
「いいんですぅ。今夜はヘラさんのためにあるんですから。それしても、パンパンに膨らんだオナカってなかなかいいもんでしょ? 二人とも余裕があるんだったらもう一回どうですぅ?」
「う、うん」
 返事よりも先にネルのものが再びヘラの中で硬くなりはじめた。
「あっ・・・んっ・・・ま、また、ネルくん。レノラ、早くはやくぅ。お腹破裂しちゃうぅ・・・」
 ヘラは慌てて催促した。安全にこの快感を楽しめると知ると、急に限界寸前の膨満感が怖くなってきたらしい。
「はいはい。分かってますって。でもギリギリ目一杯がいいんでしょ? もう少し我慢して」
「ああっ・・・はっ、は、はれつするぅ〜〜〜」
 (×十数回)


 翌朝・・・
 朝食の席にはエルウィンとゼニアしかいない。
「おかしいわネー? みんなどうしたのかしら? ヘラさんやレノラさんのことはともかく、ネルくんは絶対寝坊なんかしないんだけど・・・」
 目の前で徐々に冷めゆくスープ皿を眺めながらエルウィンが首をかしげた。
『やばいなぁ・・・レノラを唆したのがまずかったかしら?』
 素知らぬ振りをしながらゼニアも三人が来るのを待っていた。
「ネルくん呼んでこようかな」
「あ ! いや・・あたしが呼んでくるから待ってて」
 エルウィンが席を立とうとするのをゼニアが引き止めた。どういうことになっているのか結末こそ分からぬものの、昨晩の経過は想像できるだけに、エルウィンに見られてはまずいことが多いはずである。
『まさかレノラのやつ、またネル君が足腰立たなくなるまで絞り取ったんじゃないかしら』


「ヘラ、いい? 入るわよ」
 ゼニアがヘラの部屋をノックした。レノラの寝室は昨晩から人の寝た気配がない。
それゆえ昨晩の“現場”はヘラの部屋と推測できた。
「あ、ちょ、ちょっと・・・」
「ゼニアさん、待つですぅ」
 部屋の中で二人がハモるがゼニアは構わず扉を開けた。
「やっぱし・・・・」
 室内を一瞥したゼニアが頭痛を抑えるようにこめかみを揉んだ。
 ゼニアの目の前、キングサイズのベッドと絨毯を敷いた床の上にそれぞれ、肌色と紫色の巨大な球体が・・・もとい人型をとどめなくなる寸前まで膨らんだ腹を抱えたヘラとレノラがいた。床の上とベッドの上というと二人が離れているように受け取る向きもあるかもしれないが、天井に届くまでにパンパンに膨れ上がった二人の腹はムニッと押し付けあっていた。(ちなみに床の上のレノラの腹はヘラのより二回りは大きいはず)「や、やあ」
「おはようございますぅ」
「何を白々しい挨拶してんのよ。それよかネル君は? エルウィンにばれたら大目玉くらうわよ」
 もしや二人の超絶的巨大風船腹の下敷きになっているのではと、ゼニアは部屋の隅々まで視線を走らせる。
「ネルくんなら明け方自分の部屋に戻っていきましたよ」
 レノラが腹の向こうから返事した。レノラもヘラも腹を軸にずりずりと身体を回転させてなんとかゼニアと顔を会わせて会話できるようにする。
「ならいいけど、起きてこないからエルウィンが心配してるのよ。そっちの様子も見てこなくちゃ。それにしても・・・」
 ゼニアは改めて二人の身体を眺めた。
「そのお腹で起きられるの? 飯食って勘定すませたら出発だよ」
「だからもう少し吸ってくれってレノラに頼んでるのよ。これじゃあ腹掛け羽織っても鎧を付けようとしても圧縮フィールド内にお腹がおさまりきらないのよ」
 まるでレノラが悪いと言わんばかりにヘラが訴えた。
 ヘラは両手で腹を支えるとフムゥッと力んだ。どうやら腹筋で力任せに腹を縮めようとしているらしい。
「だからぁ、さっきからこっちも限界だって言ってますぅ」
「そのレオタード、もっと圧縮率上げられるって言ってたじゃない。ケチケチしないでもっと吸ってよ。
これじゃあ人前に出られない」
 そう言いながらヘラは真っ赤になるほど力んでいる。
 なるほどヘラの身体は並外れて頑丈であるらしく、なんとか三分の一ぐらい風船腹が小さくなった。しかしそれでも立ち上がれば、下腹部が床につかえて歩けないだろう。
「あたしだって恥ずかしいですぅ。エルウィンに見られたら絶対怒られますぅ」
 何やら険悪な空気が二人の間に漂っているが、喧嘩してる場合ではない。ゼニアはレノラの腹に掌を触れてみた。
  ムチッとしているどころが硬くパンパンに張りつめていて、しかも少し熱を持っていた。
「何倍に圧縮してるの?」
 ゼニアが眉を顰めて尋ねた。
「二十倍ですぅ。
でも三十六倍まで安全に使用可能って長老様から貰った説明書にはありましたけど・・・」
「ほら見ろ、余裕あるじゃない。
ゼニアも言ってやってよ・・・んっ・・・ぐぐっ・・・ぶっ、ぷはぁーーー」
 ヘラが突っかかった拍子に腹の力を抜いてしまい、せっかく自力で押し縮めた巨大膨満超腹が爆発的な勢いで元の大きさに戻ってしまう。本人は大変なのだろうが、横で見ていると壮観かつ滑稽な眺めだった。
「ちょっと待って。
あんたら、ネル君と何回したの?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
 二人ともゼニアの問いに黙り込む。
「レノラ ! 」
 ゼニアが少しドスのきいた声で叱責した。
「ふみぃ〜〜・・・」
 レノラが渋々といった感じで左での指を二本、右手の五本の指を開いて見せた。
「七回もやったの? いくらネル君でも、相手はまだ子供よ・・・」
「・・・二十五回ですぅ(アタシがしてもらった分は抜きにして)」
 レノラがぼそっと遮った。
「・・・・・・・・・・・・・」
 (ゼニア、しばしの沈黙)「・・・鬼畜」
 辛うじてゼニアはそれだけの言葉を歯の間から搾り出した。
「う〜〜、ほとんどヘラさんがしたんですぅ。あたしはオナカが破裂しないように、余った精気を吸ってあげてただけですぅ。鬼畜なのはヘラさんですぅ」
 レノラが恨めしそうに弁解する。どうやらヘラが美味しいところを持っていってしまったので、やっかみ半分で責任を押し付けているらしい。一晩ネルを譲ったとはいえ、ヘラがここまでやるとは思っていなかったのだろう。
「あんたもじゅうぶん鬼畜だよ」
「ふみぃ〜〜」
 ゼニアに一蹴されてレノラも返す言葉がない。
「ごめん・・・その・・あんまり良かったし・・レノラも助けてくれるから、つい度を過ごしちゃって・・・・次はこんなにならないように気を付けるから・・・」
 ヘラは真っ赤になって弁解やら次回への期待表明やら分からない言葉を口にした。
禁欲的で実直な天使のイメージが完全に崩壊してしまっていた。恥じ入って穴があれば入りたいところなのだろうが、この巨大な腹では天地の何処にも身を隠すところなどありはしない。
「とにかくあたしはネル君の様子を見てくるから。あんた達は針で突っついて破裂するなりナンなりして、出発までにそのお腹をなんとかしなさいよ。そんなになるまでしてたって露見したら、ぜぇーったいエルウィンに同行を断わられるよ」
「は〜〜い」
 ゼニアが後ろ手に扉を閉めて廊下へ出た途端、向こうから眉間に暗雲を漂わせたエルウィンがやってきた。
「ちょっと ! ゼニアさん、二人は ! ! 」
「えっ?」
「えっ、じゃないわよっ ! ! !」
 しらばっくれるなと言わんばかりの剣幕である。思わず後ろにさがったゼニアの背が閉めたばかりの扉にくっつく。
「いまネル君の部屋へ行ったら、眼を真っ赤にしてぐったりしちゃって起きるどころじゃないのよ。いったい昨日の晩、なにがあったのよ?」
 部屋の中ではエルウィンの声が聞こえたらしく、二人が大騒ぎしている。吸えの、いやだの言う声が板壁を通してかすかに聞こえてきた。
「んっ ! ? 二人はここにいるの?」
 エルウィンにも聞こえたらしい。
「そ、それは・・・」
「そこ、どいて。事情を訊くから」
「ま、待って・・・その・・二人とも着替えてる最中だから・・・」
 ゼニアが扉の前に立ちふさがったままエルウィンを止めようとした。共犯者としての立場上、二人を庇わなければいけない。
「女同士だからいいじゃない」
 エルウィンは怪訝な表情をした。どうやら陰謀の存在を嗅ぎ取ったらしい。
「それともなにか見られちゃまずいものでもあるの?」
 詰め寄られてゼニアはタジタジになる。ゼニアより頭一つ以上低い少女なのに、まなじりを釣り上げたエルウィンは魔族の総裁たちより恐ろしく見えた。
「いや、そんなことはないけど・・・ ! ! ・・いっ! ! !」
 言葉に詰まりながらも扉の前を退こうとしないゼニアに業を煮やしたエルウィンが不意に緊箍呪を唱えた。
「いたたたッ、痛いいたい、痛いってば ! ! 止めてやめてっ ! 」
「じゃ、そこどいて」
 額の角を締めつけられるゼニアには、エルウィンの口調は実際より冷酷非情に聞こえた。
「くくっ、分かったわよ、分かりました。痛いいたい。分かったから、呪文を唱えるのはやめてぇ ! ! 」
 レノラとヘラには悪いと思いながら、金箍に角を締め上げられる苦痛には勝てない。
ゼニアは後ろめたく思いながらも渋々エルウィンに道を譲った。
「いい? 入るわよ」
 エルウィンは、それでもマナーを守ってノックをしたあと、ヘラの部屋の扉を開けた。
「??・・・! ! ! 」
 部屋の中を覗いたエルウィンは絶句した。
『??・・・! ! ! 』
 続いてエルウィンの背後から部屋を覗き込んだゼニアも少し驚いた。
 部屋の中の二人が臨月の妊婦顔負けの爆腹を抱えているという事実は先程とかわりはないが、随分とサイズダウンして、エルウィンの度肝は抜いても魂魄を消し飛ばすほどまで大きくはなかった。
 レノラはレオタードの圧縮率を安全限界ギリギリまで引き上げたのだろう。天井触れそうだった超腹は双子を孕んだ臨月妊婦ぐらいになっている。
ただし、この状態では迫り出した腹が岩のように硬くなっているらしく、後ろ手に手をついたまま立ち上がることも出来ずに床に座り込んでいる姿勢に変わりはない。
 レノラほど便利なアイテムを持っていないヘラは、さらに涙ぐましい努力をしていた。
先程、ゼニアの前でしたように無理やり腹筋で押し縮めたのだろう。真っ赤な顔で“通常体型”より二回りくらい大きな腹を両手で隠そうとしていた。
「あっ ! ? ご、ごめんなさい」
 ヘラの全裸姿を見たエルウィンが謝った。昨夜、薄暗い浴場の中で湯気に包まれて見たヘラの体型と区別がつかなかったらしい。それにヘラが力んで顔を紅潮させているのを恥ずかしがっていると勘違いしたのだろう。
『二人とも、やればできるじゃない・・・』
 ゼニアは痛む眉間を揉みながら、心中拍手を送った。
「しようがないなぁ」
 エルウィンが誰にともなく呟いた。二人の姿を見て急に怒気が冷めたらしい。
 昨晩何があったかおおよそは知られてしまったが、レノラとヘラの努力によってそのナニがいかに激しい(エルウィンの想像を超越した)ものであったかは辛うじてカムフラージュできた。
「まぁ、しちゃったことは仕方がないわね。ネル君も寝込んじゃってるし、もう一日宿泊を延期しましょう」
 こういうときのエルウィンは気持ちの切り替えが早く、じつにあっけらかんとしていた。彼女なりに思うところはあるのだろうが、口を開けば後々気まずくなるのを承知しているのだ。
この深夜の宴にネルも参加していたことは間違いないのだが、そのことについてもエルウィンは改めて追及しなかった。
「でもヘラさんとレノラさんは朝御飯抜きでお昼まで謹慎ね。ゼニアさんはわたしと一緒にネル君の看病をすること」
 エルウィンの目付きは「あんたたち、あたしの足を引っ張るためにいるの?」という皮肉の色を隠そうとしていない。
「はーい」
 とりあえずの台風一過に、レノラとゼニアがホッとして気の抜けたような返事をする。ヘラも赤くなったまま歯を食いしばって頷いた。
 レノラとヘラは謹慎処分で安堵した。この腹で部屋を出ようとしても出られないのは明らかだったからである。
「それじゃ、あとでネル君の部屋へ来てね」
 ゼニアの腕をつかんで部屋を出ようとしたエルウィンが振り返った。
「ヘーラさんっ、お昼すぎたらまた一緒にお風呂入ろうね。いい子いい子してあげるから」
 エルウィンは昨晩の値万金の笑顔で目配せした。
「んむっ! ?」
 目を丸くしているヘラの前で扉が閉まった。


「ぷはぁぁぁーーーーーー」
「ああ、お腹が苦しかったですぅ」
 エルウィンとゼニアが出ていったあとで再び元の大きさに戻って一息つく二人。レノラもヘラも上は天井まで、前方は互いの超腹を押し付けあうまで盛大に膨らんでいた。予想外にもエルウィン台風が未上陸に終わったので安堵としたせいもあって、二人とも妙に弛緩して膨らみまくっていた。
「ね、ね、ヘラさんヘラさん、いい子いい子って何なんです?」
 レノラが興味津々で尋ねてきた。
「教えないよ。なあ、それよりももっと吸ってよ。大事な用事ができたんだ。この腹じゃ部屋から出られないよ」
「いやですぅ。ヘラさん、なんかいいこと隠してます。アタシも仲間に入れてくれなきゃいやですぅ」
 レノラが口をとがらせた。夢魔の能力とも言うべきか、その手のことには食指が動くのである。
「こっちだっていやだよ」
 ヘラはそっけない。こういうことは彼女に限らず独り占めしたいものである。
「あぁーあ、昨日はアタシがあんなにしてあげたのにぃ。そんなイジワルするんなら、ヘラさんから預かった分(エネルギー)はみんなお返ししちゃいますぅ」
 レノラがぐいぐい腹を押し付けて“結合”しようとしてきた。
「お、おい、冗談よせよ。は、破裂しちゃうよ。それよりも、ね、ね、頼むよ。何も訊かずに吸って。一生恩に着るから・・・・・な、吸え。吸えったら吸えっ ! 」
「ふぬぅ〜〜〜ぅ、やっぱり天使ってのは横暴ですぅ」


『あたしだけ、損な役回りが板についてきたなぁ』 (某魔戦士談)
『レノラって魔族のわりにいいヤツだと思うんだ』 (匿名希望の天使)
『あうぅ、脅迫に屈してしまいましたですぅ』 (日暮になっても部屋から出られず)


 翌日、一行は温泉保養地をあとにした。
(了)



後書き
 遅れに遅れてしまって申し訳ありません。第四回いかがだったでしょうか?
 御感想はいろいろあると思いますが、今回は少しヘラを中心に弄ってみようと思ってだらだらと書いてみました。
 でも3Pって難しい。
  ところで今回イイ思いをしたヘラ。彼女はかつて試験的に執筆してみた妊婦小説の登場人物を再アレンジしたもので、作者としてはそれなりの思い入れがあります。
まあ、今後これだけ中心になってナニする機会も滅多にないでしょうから、思いっきりサービスしてあげることにしました。
 前回も述べたように、旅が進めば戦闘シーンの比重が増しますので、全話やりまくり膨らみまくり、という回ばかりも書いてはいられませんから。
 ゼニアについては今のところこれといった濡れ場がありませんが、敏感体質で膨らめない彼女を強制膨腹という線で。戦闘場面でのかなめだけに、なかなかベッドの上での活躍の場が訪れないのがかわいそうでありますな。
 エルウィンについては今回はじめての健全な絡み(?)でデビューしていただきましたがいかがでしたか。ネルの嗜好やヘラ、レノラなどの膨腹体質を知ってしまった彼女。それなりの複雑な思いがあったり、西方への旅を引き受けた動機などもまだまだ語られていませんが、それなりの設定はしてあったりします。動機あればこそ、今回の濡れ場を見逃すことにしたわけでして。
 それは話が進めばおのずと明らかになっていくでありましょう。
 この連載(?)小説、次回で一区切りします。といっても休筆するとかいうはなしじゃなくて、作者は構想上第五回までを勝手に“旅の仲間”編としているからです。
これでレギュラーメンバーはひとまず勢ぞろいとなります。
 さて次回、第五回では第二回以来行方不明の天女蒲公英が名誉挽回とパーティー復帰をかけて活躍しますれば、如何なるはなしに相成るか。お楽しみを。
 それではまた次の機会にお会いしましょう。