6話(最終話) 終焉もとーとつに・・・人類は終わらない
「あんっ、ドクター・・・くすぐったいよぉ・・・」
「おいこら、とか言いながらぷぅぷぅと膨らむでないっ」
「だってぇ・・・マッサージしてもらうとラクなんだもん・・・」
「あたりまえじゃ、成長ホルモン入りの柔軟性&伸縮性増強のクリームじゃ」
ここは、人工重力を弱めてあるミーサの部屋
既に着る物がなくなってしまったミーサにDrがマッサージをしている。
サポータースーツが破けてしまい、代わりを作る材料も無くなった今、ミーサの腹を「押さえて膨らませない」方向性を諦め、「膨らむモンは仕方ないので、破けない様に補強」という方針に切り替えたのであった(笑)
「あ〜あ・・・今日も居住可能な惑星は見つからなかった・・・っと・・・」
ルーラがコンソールパネルに頬杖をついた。
「まぁ、あんま肩肘はらんと、気楽にいこ!」
「あDr、おかえりー・・・で、順調?」
「ああ、一段と発育しよって、もーじき部屋から出られんよーになるわな。つっかえてまう」
そんな時だった、
ピー・ピー・ピー・・・・
コンソールのランプが点灯した。通信のようである。 ミーサを除く一同がコンソールの周りに駆け寄った。
「・・・こちら地球・・・ステーションVERSUS応答せよ・・・・」
一同は抱き合って飛び上がった。地球は滅亡していなかったのである。
音信不通の経緯を要約するとこうなる
原因はFTL通信を中継する無人ステーションの老朽化による故障、ところが、補助用の別経路の中継ステーションの方が、現用の物より先に故障していたのだった。
まさか、使用していなかった補助システムが先に故障していたとは誰も気づかず、現在の状況を招いたのであった。
「地球コントロール、この対応の後れはどうしてですか?」
ミラがインカムをもぎ取ると息せき切って質問をぶつける。
「・・・実は、地球でも惑星規模で大変なことがあって・・・」
「何なんです?!こちらではコードFまで発動の事態でしたのに」
「・・・それは・・・・」
インカムを耳に当てたミラの眉が寄る・・・
そして、呆れ返ったように一同の方へ向き直った。
「ただ今をもって、当艦の『コードF』は中止、続いて『コードG』を発動する」
「コードG?!」一同の声がハモッた・・・
『コードG』とは、『コードF』のブレイクダウン版である。
居住可能惑星等の捜索部分を割愛した「人類繁殖計画」・・・「ジェネレーション」のGである。
「地球本土では、極度な老齢化社会のしっぺ返しで、現在人口が激減しているんだそうだ・・・」
ミラは、しかめっ面のまま、言い放った
「『コードF』の繁殖担当員はリミッター解除、残ったクルーは繁殖に努めよ、 解除コードは送信済み、本土からは連絡船を送る・・・だとさ」
「ねーねー、それって、どんどん作れって事ぉ?」
キャウが能天気に聞く。
「かーんちょ、そげな深刻にならんと、ウチらの遺伝子が地球を埋め尽くすって考えたらええのんとちゃうか?それに、既に作ってもーたミーサの中身も、ムダにならんと済むよーなったし」
ここは空調完備、微重力状態に保たれたホール改造の大部屋。
その部屋の中央に鎮座している薄いベージュの巨大な風船・・・
リミッターの解除によって、発育の一段と加速したミーサである。
もう「ダルマさん」とか「カエルと牛」などという可愛らしいレベルではない。イソップ童話のカエルではなく、牛の方がミーサの真似をしたとしても、牛が大爆発するのは確定であろう。
そんな状態であるから、自重で破裂してしまうのを防止するために、人工重力を弱めてあるのだが球体3つ(腹と乳房)がプルプル揺れている姿は、大道芸用の巨大風船(人間が入るヤツ)かアドバルーン以外の何者でもない。(既に「ゴム風船」のレベルではなくなっていた)
「そっかぁ、もう4つんばいのポーズもムリなんだぁ・・・」
「だってぇ・・・手、届かないんだもん・・・床に・・・」
ミーサの存在感のため目立たなかったが、部屋にはキャウもいた。両者とも下着以外身に着けていない。
「ミーサ、胸、また増えてなぁい?アタシの10倍、いや50倍はあるわよぉ」
キャウは艦内の最年少であると共に、一番の貧乳でもある・・・一方ミーサの方は、既に自分の乳首まですら手が届かないくらいの超乳にまで膨らんでいる。
キャウには悪いが、乳の標高ではなく体積で比較したら、50倍どころか100倍以上違う
「オッパイちょっと分けてよ、・・・しっかし、一度突っついてみたくなるオナカだわねぇ」
「だ・・ダメぇ! 今が一番パンパンなんだからぁ!」
そう、ルーラのフライング(笑)の最初の受胎から約半年、強化子宮は、通常のほぼ倍の速度を持つため、ちょうど最初の子供が臨月に相当した段階だ。
普通の妊婦さんですら臨月ともなると爆腹具合はかなりのはず、ましてや多重に多重妊娠を重ねたミーサが臨月を迎えたのである、片方だけで普通の臨月妊婦さんのオナカすら凌駕するほど巨大化した乳房は、日々内部に分泌されるミルクの圧力に必死になって耐えている。
腹は腹で、数え切れないほどの命をその中に孕み、その圧力で臍が飛び出してしまっている。
ぱっつんぱっつんに張り詰めた皮膚が「これが限界、これ以上脹らませたら破裂しちゃいますよと言わんばかりであった・・・腹囲は既に3m近い、実際、人間の限界をとっくに超えた腹なのである、
もし、通常の1G重力下に出たのなら自分の重量で張り裂けてしまう状態なのである。
「あん・・・オッパイいじらないでぇ! 破裂しちゃうよぉ!!」
「いーぢゃない、ちょっとあやかろーってだけなんだしぃ」 ちょうどそこに、Drが入ってきた。旅行用のトランクのようなカバンを持っている。
「ミーサ、今日の往診やで」
「Dr、早く早くぅ〜! ミーサ、ぱぁんっていっちゃうよぉ」
「あんまし、急(せ)かさんとき」
Drはトランクからチューブを2本引き出すと、その先端に付いている漏斗状の部分をミーサの乳房の先にそれぞれあてた。トランク内のモーターが作動し、チューブは胸に吸い付いた。
このトランクは、Drがモニカに作らせた「搾乳機」なのである。
トランクの2/3を占めるガラス容器の中に見る見るうちに白い液体が溜まって行く。搾乳の間に、例のクリームによるマッサージだ。
張り詰めていた腹の皮膚が少しだけ柔軟性を取り戻し、その分サイズを増した。
「ね、ね、Drぁ それ塗ったらアタイのムネもふくらむかなぁ?」
キャウがモノ欲しそうにDrの手元を見つめる。
「皮が余るだけじゃと思うぞ・・・」
マッサージの手を止めずに、しれっと言う。
「あ〜ぁ、アタイも妊娠したいな〜っ」
「不可能じゃないが、やめとき! お主じゃ早々にパンクしてまうのが関の山じゃ」
搾乳も終わり、数十リットルのミルクを運び出しながら、Drは一人ごちた
「臨月ともなるのに膨乳も膨腹も日に日に増すばかりじゃな、往診回数も増やさんとあかん・・・」
「さぁ〜ってと、往診も済んだから、ゆとりできたでしょ!? 今日はアタイの順番だからね」
コードG発令後は、無節操に作りすぎない様にと、ミーサの相手をするローテーションが決められているのだ。
あっ、はぁっ・・・ひっ・・・も、もぅゆるしてぇ・・・
まだまだぁ!アタイの子供、い〜っぱい作るんだぁ!
あんっ、また膨らんじゃう〜・・・あ、あ、あ・・・は、張ち切れるぅ〜〜〜〜っ
地球本土じゃ一時的に激減したらしいけど、どっこい人類は終わらないっ!!
これからも、どんどん増えていくらしいね。でもそれは、別のお話で。
See you again! 銀河の果てVERSUSより、数え切れない「愛」をこめて・・・
P.S
でも、ミーサが破裂しちゃうのは、時間の問題の様な気がする・・・
※後書き −いちお−完結させて− (読みたい人だけどうぞ)
あるみねこ(以後“Al”)の小説初挑戦、“VERSUS番外編「コードF」”、いかがでしたでしょうか?
第6話、終わらせるのに苦労しました。収集付かなくなったところを無理矢理切った感じも「無きにしもあらず」ですが・・・(^_^;)
この小説のあるHPを見て頂ければ御判りの通り、Alは妊婦フェチです。
ところが、実の所「妊娠フェチ」ではなく「妊婦体型フェチ」なのです。
これが、どーゆー意味を持っているかと言うと、「腹の中身は何でもいい」&「出産シーンには興味ナシ」と、いうことです。
つまりは、「オナカが(あと胸も)大きければイイ」なのです。
あと、Alは膨らんだ」オナカが好きですが、もっと好きなのが「膨らんでいくオナカです。
ゴム風船のように、どんどん膨らんで行く女の娘の下腹部と胸・・・想像だけでも萌え萌えです。
Alって、「風船フェチ」なのかもしれませんね。(「フーセン娘」と勝手に呼んでいます)
風船と言えば「膨らむ」と「割れる」ですが、(浮かぶ」は、今回却下)
Alは「割れた後のフーセン(の破片)」には興味ありません。(既に風船ではないよね)
でも、破裂寸前の状態で「きゃ〜っ、割れちゃう〜っ(泣)」ってパニクってるのが好きなのです。
限界まで張り詰めて、一触即発の状態。それでも膨張を続ける下腹部・・・爆発までの秒読み段階・・・Alにとっての最高のシチュエーションです。
・・・とまぁ、こんなAlですから、この小説、「破裂寸前」のオンパレード(笑)
主人公のミーサちゃん、その度にレベルアップしちゃって、巨大化するする・・・(爆)
ボテ腹のインフレ起こしちゃってますね、ドラゴンボール現象ってヤツですか・・・(こらこら)
実を言うと、この小説のラスト、「P.S」の後に
“ ぱぁんっ! ・・・・・ほら割れた ”
・・・って、入れようかって思ってたんですよ。
でもやめました。あの後、破裂するかしないかは、読んでくださった方の想像に御任せしようと思ったもので・・・。ひょっとしたら、あの後もず〜〜〜っと膨らみ続けてるのかもしれませんね。
(もっとも、そうなると、Alの表現能力を超越してしまい、描写は不可能ですが・・・)
閑話休題
さて、タイトルにある「VERSUS」ですけど、これは一同が生活している宇宙ステーションの名前です。また、「番外編」とあるように、それに対する「本編のタイトルでもあります。
では、その本編「VERSUS」について、少し語りましょう。 「VERSUS」はかなり昔に考え出された、同人ソフトのアドベンチャーゲームのシナリオです。
銀河系辺境部で調査を続けるステーションにエイリアンが潜入するといったストーリーを核に添えた「おやくそくSF・コメディタッチ18禁あどべんちゃー」となる予定でした。
え゛?「おやくそくSF」は判るが、何故「コメディタッチ 18禁」なんだ、ですって?
良いところに気付きましたね、そうです「VERSUS」は、その生い立ち自体がパロディだったのです。
その、「元ネタ」となったのが、まだ8Bit機が主流だった当時のE●IX(当時は、パソゲーメーカー)から発売されたアドベンチャーゲーム「JESUS」なのです(知らない人は古株のパソゲーマニアに聞こう!)
「じーざす」に対して「ばーざす」なのです。 (「ばーさす」ではなく「ばーざす」と読むのだった・・・ってムリくさいかにゃ?)
シナリオを作っていくうちに、元ネタからはどんどん離れ、オリジナルになってしまいました。
デザインコンセプトは、こうだったのです
ジーザスのキャラを全員女の子にして、エイリアン探しがメインストーリー。エイリアンは人間に取り付くが、見分ける方法として「Hする」という手法を用いる。全員、女の子だから、何とか旨くやらないと「ヘンタイ」のレッテルはられてしまう。暗い話にしたくないから、オバカなギャグをあちこち入れとこう・・・
・・・と、こんなもんです。5話でルーラが髪飾りとして着けていたAI端末、これがプレイヤーの合方(説明役)となります。(ジーザスのFOJYに相当)
なお、今回の「コードF」の原典となったのは、このVERSUS(本編)のバッドエンドの1つ
ルーラがミーサを買収(?)すべく、「ダイエット薬」をくすねてくる所を、間違えて「単性生殖薬」を手渡してしまったことによるGAME−OVERのエピソードです。
本編では遺伝子改造」「インプラント」「強化子宮」といった設定はありませんでした。
ですが、「地球滅亡時の人類種の保存」というネタは、本編時に既にあったのでした。
Alはプログラムのウデもヒマもないけど、いつかこの「VERSUS本編」完成させてみたいですね・・・
(現時点状況:シナリオ:100%・原画:80%・音楽:FM音源で11曲・プログラム:手付かず(^_^;)
)
・・・さて、長々と駄文を書き連ねてしまいました。これでおしまいです。
ここまでお付き合い頂き、誠にありがとうございました。m(_ _)m
これからも当HPをよろしくお願いいたします。