− 第1部 −

1話 プロローグ


“Alわーるど”である・・・
こう説明すれば、全て終わってしまうのだが、あえて説明しよう

美人の概念なぞ、その時代時々の文化や風潮に大きく左右されるのが当然である。
古代日本画の「引き目鉤鼻」比較的近年の「8頭身美人」そーいや「ろりこんブーム」なんてのもありましたっけ・・(笑)
そして、この時代・・・人類が月くらいまでは手中に収めた今、20世紀末とはまた違った「美人像」が主流となっていた。



「おい、見ろよ、すげぇぜ」本邦初公開!ぼて前の千奈
「おっ、は〜くりょくぅ」

教室の角で男子生徒が写真雑誌を回し読みしている。
どこにでもある、高校の1シーンであった。
もっともこの時代、核家族化、少子化が進んだためか、普段週の半分は自宅でのネットワークによる学習が主流となっており、集団性を学ぶ必要から、週に1・2日ほど生徒は学校に集まる。
今日は久しぶりの登校日なのであった。

「でもさ、コレってシリコンかエアバッグぢゃねーの?」
「いうなって、ホンモノなんて、まずいねーよ」

千奈は机の横をすり抜けながら、男子達のご執心の雑誌にちらりと視線を投げた。
そこには、新人らしいアイドルが水着姿で立っている写真・・・
全体的にスリムなアイドルのオナカだけがポッコリと丸く膨らんでいる。

『男子ってやっぱ、あーいうのがイイのかしら・・・』

千奈は、小声でつぶやくと教室中央にたむろってしゃべっている女子生徒たち、
友人達の輪の中に入っていった。

大谷千奈、日本人系の16歳、身長は155cm、ちょっと低い。
色白でやや癖のある黒髪を伸ばしている
発育状況は良好、やや太め、少々爆乳気味ではあるが、この時代ではさほど珍しいものでもない。(みんな発育良いのだ)
ケーキとスポーツとゲームが大好きで
この頃になって、ちょっとだけ男子の事も気になるようになってきたフツーの女子高生だ
(コギャルもどきはとっくに絶滅してます。Alもコギャル嫌いだし・・・)

国という壁が事実上消失し、文化も風俗も混沌としたこの時代、
美人の基準も過去とは大きく変わっていた。
昔は「つるぺた」がいいの「巨乳」が良いのと叫ばれていたが、今は「腹」なのだ
下腹部が大きく膨らんでいるほど「ナイスバティ」と呼ばれる事になる。
つまりは「妊婦さん体型」こそが美人なのである。
一部の歴史研究家は、ルノアール等に代表されるルネッサンス時代の再来と発表し、
とある人類研究家は、少子化、核家族化に対する反動と説いた。
心理学者は、生活様式の機械化、個人化に伴う、母性の追求が原因とのたまっているが、
深く考える者はほとんどいない。
流行なんて、概念なんて、そんなもんである。

「あ、千奈リン、わのわの〜」
「おひさ、ゲンキしてた?」
「むぐ・・・こんにちわです〜ぅ」
何気ない雑談が始まった

「千奈ぁ〜、アンタまた育ったんぢゃない〜?」
「ひょっとしてアイドル狙ってるとかぁ?」
「そんなぁ、単に家でゴロゴロしてただけだよぉ」
何処ででも見られるじゃれあいである。
「んぐ、千奈さん、羨ましいですぅ〜・・・」
片手にホットドッグをつかんだままの友人、ユーリが、もぐもぐ言いながら千奈をなでまわす
「こら、ユーリ!くすぐったいって」
千奈の親友のユーリは、やたら大食らいで、いつも何か食べている。
それでも体質なのか、ストーンとした体型が変化したことはない。
「・・・ま、ユーリは特別みたい・・・ね」
一同全員が点目になって、納得した
「ね、ね、しってる?今ネット局が動いてるって事」
沈黙を破ったのは初香、グループ内で一番小柄な眼鏡っ娘である。
ネット局というのは、テレビ局のようなものである。
この時代、全てのマスメディアはネットワークに統合、一本化されているのだ。
「するってーと、また、スカウトとか、大会とかコンテストとか・・・」
「うーん、ちょっと違うみたい・・・まだ極秘みたいなのよ・・・」
「初香、またやったの?侵入・・・捕まらない様にしてよ」
「だいじょぶ、詳しいトコまでつっこんじゃいないから」
「ま、ここは我が校のアイドル、大谷千奈センセにお任せしましょう・・・って」
「あーのーね!アタシはそーゆー事・・・・・」

き〜ん〜こ〜ん〜か〜ん〜こ〜〜ん〜〜〜

学校のチャイムってヤツは、いつの時代も変わらない
その音色だけでなく、話を遮るように鳴るタイミングですら・・・

「え〜っ、次の集団授業、なんだったっけ?」
「体育だよ、急ごっ」

教室の中から生徒達が飛び出していった。



某社、豪奢な会議室・・・
壁の一面は巨大なスクリーンになっている。
そのスクリーンを睨んでいる「いかにも”お偉いさん”」な面々
スクリーンに次々と映し出されるのはどれも10代の少女達・・・
「良い素材という物は、なかなか見つからぬものだな・・・」
「今回のプロジェクトには社運を賭けていますゆえ」
「素材は外見だけではダメなのだ、一番重要なのは体質・・・」
「はっ、解っております。既に調査を進めておりますゆえ・・・今しばしのご猶予を」




千奈が家に帰ると、母親がパタパタと出迎えてくれた。フライパンと菜箸を持ったまま・・・
「ママ、だいじょうぶなの?そんなに動いちゃって・・・」
「んふふ、平気よ、ちゃんとサポートしてあるからね」
母親の腰から足先にかけて、細い金属のフレームが走っている。動力ギプスというヤツだ。
本来は、怪我人や障害者が使用する医療器具なのだが、千奈の母親は至って健康である。
ただし、現在妊娠6ヶ月を向かえた妊婦なのである。
医者の話によると「腹の中身は四つ子」とのこと、しかしそれを十分加味したとしても、信じられないほど巨大な腹を抱えていた。
背が低いためなおさら腹が目立つ。まだ6ヶ月始めだというのに、普通の妊婦の臨月並みはありそうな爆腹の持ち主だった。
当然、日常生活に支障が出るため、動力ギプスを着用しているのであった。

夕食をつつきながらの親子の会話、どこにでもある風景
「今日ね、ママまたモデルのスカウトされそうになっちゃった」
母親、和奈があっけらかんと言った

千奈の母、和奈は、外見だけなら20代前半、ヘタをすれば10代に間違えられるほどの童顔であった。
背もあまり高くなく、千奈とほとんど変わらない。その上にすーぱーボディのこの体型である。
そのため、言い寄ってくる者は数知れないらしい。
もっとも和奈の方も、それをあしらう事を楽しんでいるみたいなのだが・・・

家の中という事もあり、和奈の服装は、スパッツにティーシャツといったラフな格好だ。
当然、パンパンに張り詰めて体型がくっきりと出ている。
千奈は、一度クラスの男子達に、今の母を見せてやろうかと思った。多分、鼻血でも出すかもしれない。
それほど母、和奈の体型は堂に入ったものであった。
『確かに、すごいわよね・・・』
千奈は、そんな母親を見る度にタメイキが漏れるのであった。

「ママ、あたしもママみたいになれるのかなぁ」

母親は箸を咥えたまま、しばし考える
「そーねぇ、千奈はママ似だから、なるんじゃない?ひょっとしたらママを越えるかも・・・」

確かに千奈は母親似である、母親の童顔も手伝って、姉妹と言っても双子と言っても通りそうであった。
「う〜ん・・・」
千奈は母親の“頭ほどありそうな”巨大に膨らんだ胸元に視線を向ける
テーブルで隠れてはいるが、その下にはビーチボール顔負けサイズの“妊娠6ヶ月”の腹がある
そもそも6ヶ月というのは、ようやく腹が目立ち始めるくらいである、
サイズの増加は、この辺りから急加速し始めるのだが・・・
母親の言葉に、千奈は自分の姿を重ねて想像してみる。
始めは“現在の”そして、“その後”の姿をイメージしようしとたが・・・
想像力の限界が来てしまった(笑)
「ママ、アタシ、ママを超えるのはちょっと・・・」

「あら?どーしてぇ? 千奈ならママを超えるスーパーグラマーさんになれそうなのに」

「遠慮したいってんじゃなくって、想像力の限界・・・
 だってママ、今妊娠6ヶ月なんでしょ? まだまだこれから大きくなるんじゃない、
 臨月のママなんて想像つかないよ・・・
 『カエルと牛』ってお話は、知ってるでしょ?
 もし、アタシがママを超えようとしたら、ぱぁんっ!って破裂しちゃうよぉ・・・フーセンみたいに・・」

「そーかなぁ・・・ぜぇ〜ったいにママより大きくなると思うんだけどなぁ」

 ・・・しかし、千奈が母親を超えるという話は、後になって、まんざら嘘でもなかったのである

 その頃 裏では、まったく別の者達がまったく別の動きを見せていた。
・・・もちろん、まだ千奈が知るはずも無かった・・・


第1話 後書き

後書き読んでいる人に言うのもなんですが、はじめに断っておきます。
この小説は「ぼて小説」ではありますが「エロ小説」では有りません。
「H」がなくても、微笑ましく見守ってくれる方、
もしくは「H」がなくても「ぼて」さえあれば萌え萌えできる方(そんなのAlくらいだって(笑))
それ以外の方は、このシリーズを読んでもつまらないと思いますので、ご容赦ください。

− さぁ、伝えるべき事は伝えたゾ! −

さて、今回この小説(5話完結)は、
『“Alわーるど”での、ごく普通(?)な日常』という実験です。
普通の(非ぼて)ワールドでの(マンガや小説として)ありがちなストーリーを
“Alわーるど”に持ちこんだらどーなるかという試みです。
ところで、この小説では、
当HPの看板娘、「大谷 千奈」ちゃんを主人公に据えています。
当HPをよく見てくださっている方ならば周知の事実なのですが、
千奈のモデル(正確には発想の元)は、ユナなのです。
(Alは、ユナの為“だけ”にPCエンジンDuo買ったクチです)
ユナの職業はアイドル歌手、
じゃあ、ウチの千奈にもアイドルなってもらいましょうってコトですが、
実際、ユナの方はGAMEの前置きであっさりとナレーションしてるだけなんですよね
アイドルなるまでの様子については・・・・
・・・と、言うわけで、この小説では千奈がアイドル(ぼてドル?)として
デビューするまでを描いていく予定です。

 2話 後書き に続く