− 第1部 −



第4話 発射準備完了



「んぐ、千奈さん、近頃見かけないですぅ〜・・・」
片手にホットドッグをつかんだままのユーリが、
相変わらずもぐもぐ言いながらつぶやいた

「ん〜・・・ダメ、いちおーCNCに行ってるって事まではつかんだんだけど
 それ以後は、まったくだわ・・・」
初香がハンドヘルドマシンを突付きながらぼやいた

「まぁ・・・千奈の事だから、あんまし心配は無いと思うんだけど・・・」
ミアも頬杖をつきながらひとりごちた



「いい?オナカが大きくなってくる前に覚えるのよ!」

ダンスのコーチの激が飛ぶ
検査により千奈の胎内の安定が確認されると、早々にレッスンが始まった。
千奈には元から運動音痴の傾向があるのだったりするが、不器用なりとも少しずつ形になりつつある。
もっとも、千奈本人も体を動かすことは嫌いではなかった
(コレを“下手の横好き”ともいうが・・・)

社運を賭けたプロジェクトだけあって、管理は綿密だった
千奈には専門の栄養士や医師等が付き、計算され尽くしたトレーニング&レッスンのスケジュールが消化されていく



「わぁ、ずいぶん食べていいんだ、ダイエットとかしなくていいの?」

「発育が最優先よ、しっかり食べて中身育てないと、内圧足りなくなってオナカ垂れるわよ」



「あれ?筋力トレーニングって、腹筋は鍛えないんですか?」

「何を言う、そんな事したら、子宮を圧迫してしまうぞ、腹の形も悪くなるし」



レッスンが始まって3ヶ月ほどが過ぎた

千奈の体は、以前にも増して丸みを帯び始めてきた
元から巨乳だった胸は、ソフトボール大からハンドボール大に発育し、
元から出っ張り気味の下腹部は、風船のように膨らみ続け、
さながら妊娠7ヶ月はあろうかと見紛うばかりの大きさにまで膨れ上がった

もちろん、胎内の胎児がそんなに早く成長するはずが無い
実際、千奈の子宮の中の胎児の発育量は普通と変わらない。
むしろ、ゆっくりしているくらいだ。
では何が千奈の腹を膨らませているのだろうか、答えは羊水である
普通胎児がまだ小さい時は羊水量もそれなりに少ないものなのであるが、千奈の場合その量が人並外れて多い
通常子宮内で生成される羊水は、胎児が吸収し母体へと回収されるのだが、胎児の吸収料が少ない場合、もしくは生成量が多過ぎる場合は羊水過多となる
普通は前者のように胎児が弱った場合等に起きる病気の一種なのだが、千奈の場合はいたって健康、後者の生成過多による現象なのだ
実を言うとこれが千奈の、母親から譲り受け、なおかつ母親を超える体質であったりする
千奈の腹は羊水という“水”で膨らんだ、いわば天然の水風船なのである

当然、乳房や下腹部の多大な膨張にともない、千奈の体重は加速度的に増加した
普通なら、千奈も母親同様に動力ギプスのお世話になるはずなのだが、そこは、日頃からのトレーニングの成果で、日常生活をおくるのには不自由しないだけの足腰が鍛えられていた。
もちろん、アイドルという立場上、筋肉モリモリになるわけにもいかない
千奈の足腰は鍛えられた筋肉の隙間を脂肪が埋め、外見上はあくまでもふわふわとした“非力そうな”シルエットを保ったままであった。
ひとえに計算され尽くしたトレーニングメニューのなせるわざであった。



さらに少し時が経った

レッスンの中も、千奈は発育を続け、
今や臨月の妊婦さんも驚いて破裂してしまうのでは?といった爆腹アイドルに成長した

今、千奈は、CNCの応接室にいる
仕上がりをお披露目すべく、水着姿でプロデューサーの前に立っているのだった。

片方だけでも自分の頭よりも大きな胸、両腕でも抱えきれないくらい巨大に膨らんだ腹、
どちらも、ただ大きいだけではない
生き生きとした瑞々しさ、生命力に満ちており、滑らかに丸く、柔らかく弾力に富みながらも
いまにもはちきれそうにパンパンに張りつめていた。
まさに生命力で膨らまされた天然の風船娘だった。


「よ・・・予想以上じゃないか・・・・」
プロデューサーは、驚いたような、眩しいものを見るような赴きで言った

千奈は、何度も練習したステップターンでくるりと回って見せる
爆乳・爆腹のせいで100kg近い体重があるとは思えない、軽い動きだ

しかし、物理法則が無視できるはずも無くターン終了時には、振り回された乳房が大きくタプンと揺れた
重量をサポートするタイプの水着が弾けてしまいそうになりながらも胸の揺れに追従する。

「よし、デビューの準備にかかろう」

身を乗り出すようにプロデューサーがGOサインをだした。

「はい!至急手配します」
マネージャーが嬉々として一礼した
「ありがとうございます!」
千奈も一礼して、応接室を後にした。

ところが何故かプロデューサーは、身を乗り出した姿勢のまま体を起こそうとはしなかった・・・(笑)



第4話 後書き

さて、残す所あと1話。
千奈もしっかり発育しました。あとはデビューへ向けて一直線です。
さて、今回の話ですが、書く前から「どないしよ〜」って思ってました。
何処の本でもテレビでも、アイドルの類の下積みレッスンの風景なんてオモテに出しませんからね
その上、このAlは“超”が付くほどの芸能オンチ。
現存の芸能人に関しては、ほとんど名前も言えません。
(よくもこんなんで、アイドル小説書いたもんだ・・・)
結果、今回も“つなぎ”みたくなってしまいましたね・・・反省・・・
でも勘弁してね、この話がないと最終話とつながらないから

閑話休題・・・
しかしまぁ、ちょいと未来のお話で、いろんな技術によるサポートがあるとはいえ、妊娠初期の女の子にダンスレッスンってのは、医学的に見てかなり危ない行為ですよね。
フツー流産確定ですよこりゃ・・・ひょっとして子宮頚管(子宮口の所)縛って固定しちゃってるのかな?
(鬼畜に思われるかもしれませんが切迫流産の対処として使用される手法です)
でも、この処置しちゃうと、絶対安静の運動禁止のはず。なんたって、オナカに衝撃や圧力かかったら子宮が破裂しちゃうから・・・(ホントよ)
まぁ、『未来の医療技術は何でもできる』という事にしておいてください(笑)
まぁ“Alわーるど”ですから、
「女の子は、みんな丈夫でよく膨らむ」
「膨らみ過ぎか、針ででも突付かれない限りパンクはしない」
・・・って事で・・・

では、泣いても笑っても次話で最後、第5話でお会いしましょう