AQUABLUE(戯画)

 「Ripple~ブルーシールへようこそっ~」の物語から数年、経営が苦しくなった常夏の地は史上最大のミスコン「AQUABLUE」を行うことでなんとか息を繋いでいた。それでも苦しさは変わることなく、有力なスポンサーが降りてしまった。
 そして翌年。新しいスポンサーであるスパイラルリボン社によって「AQUABLUE」は変わろうとしていた。勝てばアイドルデビューの裏に隠されたものとは。

 アリスソフトを皮切りに始まった低価格路線の波は戯画にも及んだのか、当該タイトルが登場。とはいえ価格は5800円だし、その上でさらにからくりがある訳で。ちなみに大概の低価格ソフトを発売したメーカーはパッケージを小型化していましたが、マイウェイを突き進む戯画のパッケージはいつも通り。そろそろ内容の伴わない大型パッケージは改善を願いたいところ。
 初回特典は主題歌「げっちゅきっちゅSummer」のマキシシングル。低価格の割にはゲームディスクともどもフルカラーピクチャーレーベルであるのは不思議なところ。

 システムはいつもの通りのアドベンチャー。とは言っても1プレイにおける選択肢は3つしかないのであまりいつも通りではないかも。
 足回りは「Ripple」ユーザーの声が届いたのか改善されています。メッセージスキップはキチンと既読未読を判別してくれるようになりました。速度も問題ありません。
 メッセージの巻き戻し機能も搭載されました。あまり読み返すタイプのシナリオではない、とはこの際言わないでおきましょう。

 シナリオはないものと考えた方が無難。ミスコンとは言っても実態は「ドキッ! 丸ごと水着 女だらけの水泳大会」のノリな訳で(ただし、参加者は6人)。それでボリュームが小さいとあっては内容は推して知るべし。各ヒロインの背景がもう少しくらい書かれていれば少しは重みも出たと思うんですけども。
 ゲームを始めるとプロローグ後にプレイヤーになるヒロインを選択。つまりヒロインの人数分だけやり直す必要があります。
 競技内容は3ラウンド全てが借り物競争。その最中にライバルと遭遇したら「水上チャンバラ対決」、「宝探し対決」、「ゲロゲロシューター対決」、「ボールキャッチ対決」の中からいずれかの種目で対決。しかし、その様子はテキストで説明されるのみでプレイヤーが介入できる余地はありません。CG表現も負ける側(つまりプレイヤーでない方)に1枚あるのみで、どうしたって寂しさは拭えません。
 負けたヒロインはいわゆるポロリの罰ゲーム→テレビ非公開の凌辱シーンという流れで退場していきます。この一連のシーンは対象ヒロインが誰に負けたものであっても内容は同じ。つまりコンプリートまでに各ヒロインのこうしたシーンを3回ずつ見ることに。

 CGは見所を絞っているのでなかなか視覚効果に優れたものが揃っているかと。部分違いなしで69枚は価格にしては頑張っているというべきなのか微妙なところですが。
 ヒロイン6人で原画家4人というのは少しもったいないような気がします。特に「Ripple」及び今作で一番人気のキャラを担当した方が1人しか描いていないというのは残念なところ。
 立ちCGはポーズ変化なく表情のみ。代わりという訳でもないでしょうが、ヒロイン対決時にはカットインが入ります。と言っても立ちCGのアップに過ぎないのですが。
 背景はわざわざブルーシールを舞台に選んでいるくらいですから堂々と使い回してます。何となく安心してしまう人は戯画の術中にはまっているということなんでしょうか。

 音楽は背景同様に「Ripple」からの使い回し。明らかに他メーカーとは低価格の意味する理由が違うような。さすがに新曲も含まれてはいますが、その数は少なめ。主題歌、デモ共に「Ripple」のノリを受け継いだような内容。個人的には先代を上回るインパクトは感じられませんでした。
 ボイスはヒロインのみフルボイス。演技は可もなく不可もなくを地で行く感じ。正直なところ、どれも似通ったような声に聞こえました。

 まとめ。アクションシーンのない対戦格闘。コンプリートまで3時間弱。誰が見てもお手軽ゲーに違いなし。気になる方はしっかりと見極めて購入に望む必要あり。
 お気に入り:加藤なごみ、あおい(お約束)
 評点:58

 嫌いではないんですけど、この薄い内容では特に思うところもないんでキャラ別感想はなし。