アルキメデスのわすれもの(サーカス)

 「水夏」がそれなりに気に入ったというのが購入動機でしょうか。あまり深く考えてはいませんね。

 一発目はドンブリ付きだったというサーカスのアミューズメントディスク第二弾。今度はどんな曰く付きのものが、と思っていましたが意外にもオルゴールというおとなしいものでした。

 コンテンツは大きく分けて6つ。水夏4章ヒロイン「ちとせ」のボイスパッチ、ゲスト壁紙、水夏0章と超外伝、春の新作「ダ・カーポ」先行ストーリー、ユーザー投稿及び他社ゲーム紹介、デスクトップアクセサリというラインナップ。

 水夏4章ヒロイン「ちとせ」ボイスパッチ。ユーザーの要望に応えてという、ある意味でこのディスクで最も意義のあるコンテンツ。アルキメデスにもあるとなお良かったですが。
 無論、「水夏」本編がインストールされている必要があります。
 聞いてみた感じ、少し無理して幼い声を出しているような印象がありますが、まずまず悪くないのではないかと。個人的にはもう少し落ち着いた声のキャラとしてイメージしていたのでやや意外でしたが。

 ゲスト壁紙。他メーカーの原画家やイラストレーターが1枚ずつ描いてます。その内容は見事なまでに名無しとさやか先輩ばかりです。キャラデザとシナリオを鑑みると止むを得ないのかも知れません。
 
 水夏0章と超外伝。
 システムは基本的に本編と共通。0章はビジュアルノベル形式、超外伝はアドベンチャー形式になってます。
 足回りも同様。欠点も含めて。
 シナリオは……、どうなんでしょうね、これは。0章に限ってですが、本編のテイストを継承してはいます。しかし、本編の設定を借りただけのアドベンチャーという印象が拭えません。なぜこれが0章なのか、本編とどう繋がるのか、など疑問が残ります。
 超外伝はお遊び的な内容なので、特に触れる必要もないかと。ボリュームもありませんしね。
 CGはボリュームに見合った枚数か、それよりやや少ないと言ったところ。ぶっちゃけた話し、もう一人の名無し関連のものしかありません。ちと手抜きの匂いがしないでもありません。それと、テキストが表示される際、画面が暗くなり過ぎてCGがよく見えません。本編ではそんなこともなかったように思うのですが。
 音楽は本編のものに新曲が数曲追加されています。本編とは異なるイメージの名無しを表現することに成功しているかと。

 「ダ・カーポ」先行ストーリー。
 システムは「水夏」本編と共通。ただし、アドベンチャー形式のみ。足回りもやはり同様。
 シナリオは先行ストーリーだけに、本当に顔見せといった印象が強いです。ゲーム内時間もほぼ一日ですし。なにより本編前の物語であり、(恐らくは)プレイしなくとも本編に支障はないので薄味になるのは避けられません。おまけにオチまでつけようとしているのですから。
 ゲーム中に紹介されるヒロインは4人プラス隠し扱いが1人。この5人が全ヒロインであるかは不明。
 ヒロインは主人公の妹を除いてほとんど出番がありません。感想を書くのも厳しいレベルです。
 舞台は現代のようですが、主人公の能力など、ちょっとファンタジー色が入っている模様。
 CGはほぼ「水夏」の雰囲気を引き継いでいる感じです。キャラデザの方向性も。枚数は多くもなく少なくもなく、と言ったところ。
 音楽は「水夏」のイメージが強いせいか、あまり耳に残りません。先行ストーリーであるからか、ボーカル曲はなし。
 ボイスのキャスティングも水夏を引き継ぎ、さらにパワーアップ。完全に「とらハ」色に染まりました。
 ダ・カーポとしてのまとめ。製品版を買わせるための前振りとしてはパンチ力不足かと。ここが魅力だ! というものが感じられないのがツライところ。

 ユーザー投稿及び他社ゲーム紹介。どうも応募したものは全て掲載されているようです。残念ながら「歌月十夜」のように、アドベンチャー化されている訳ではありません。
 他社ゲームの紹介はなんのためにあるんですかね? これを見て買い物に走るユーザーがいるとも思えない。そんな情報量です。

 デスクトップアクセサリ。メデス☆クロックなど。例のタイトルにあるやつですな。個人的にはいつも音速でスキップしてました。

 まとめ。アミューズメントディスクとしては悪くはないものの、ファンディスクとしては不満。
 パッケージを見ると「水夏」のファンディスクのように思えます。パッケージに描かれている名無し、さやか先輩、アルキメデスのうち、出番があるのはアルキメデスのみ。それもほんのわずか。ユーザーが望むであろうサービスが不足気味。
 「水夏」をプレイしていなくとも楽しめるのはいいですが、プレイした人間がより楽しめる要素がほとんどないのはキツイです。
 お気に入り:朝倉音夢(鳥居さんの声に助けられるところが大きいですが)
 評点:40

 ソフトの性質上、キャラ別感想はなしということで。