炎の孕ませ同級生(SQUEEZ)

 加我見和也(下の名前のみ変更可能)には意識せずにいられない従兄弟がいた。その男の名は田神辰也。世界征服の手始めとして女ばかりの一クラス制覇を成し遂げた男である。和也にはそんな大それた野望はなかったが、辰也の所業そのものには刺激を受けていた。そして、従兄弟に負けじとクラス制覇に乗り出すのだった。

 SQUEEZの新作は2年前に発売された「炎の孕ませ転校生」と同コンセプトを持つ続編。前作は2万本も売れたそうです。
 購入動機は前作がお気に入りであることと、今度の原画もなかなか良さそうに見えたので。
 初回特典は特になし。

 インストール時の不具合用の修正ファイルが出ています。該当する方は落としておきましょう。

 ジャンルはパッケージによるとクラス全員ν孕ませアドベンチャーゲーム。前作からの違いは「ν」がついただけ。ではどのへんがνなのか。順に書いていきましょう。基本はいつものアドベンチャースタイルなので心配する必要はありません。今回も「孕ませるまで」を重視したゲームなので初見の方は要注意。孕ませた時はエンディングです。
 新機能「νスカウターモード」が搭載されました。これは本編開始以降でヒロインの立ちCG表示時にνボタンを押すと起動します。目当てのヒロインの胸にカーソルを合わせることによって、おっぱいに対する各種データを入手することが可能です。また妄想で乳の揺れ具合を確認することもできます。ただし、イベントCG表示時には起動できません。
 デザインこそ変わりましたが「孕ませブーストメーターシステム」は本作でも健在。中出し量や孕ませる確率、それにエンディング条件を確認することが可能です。
 今回もマップ移動システムを採用しています。相変わらず他作では見られないほどのヒロインアイコンが画面上に一度に出現します。しかも、前作とは違って攻略後も画面から消えません。会話とH(後述)を楽しむことが可能です。
 手帳は「ν孕ませ手帳」と名を変えて残っています。本編でも語られないようなヒロインの各種データが詰まっていて、胸のデータは前述のνスカウターモードを使用することで得られるようになっています。攻略度や立ちCGを確認することも。相変わらずタイトル画面からは閲覧できませんし、表情変化も見ることはできません。残念です。

 足回りはあまり進歩していないように見えます。メッセージスキップは既読未読を判別して高速です。ただ、コンフィグ項目「選択肢後のスキップ継続」にマップ移動選択が含まれないのでほとんど意味がありません。
 バックログは別画面で行います。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能ですが戻れる量は2シーン程度でそれほど多くはありません。
 メッセージ速度の変更にも複数の手順が必要でノーウェイトにしようとしても最速に合わせただけでは地の文だけしか反映されず、初期状態でチェックの入っている「音声と文章を同期」を外す必要があります。しかも、各種設定はロードし直すなどしないと反映されないことがしばしば。
 クイックセーブした内容をタイトルからロードすることはやっぱりできません。

 シナリオは前作とは微妙な差異が生じています。名は体を表す、ではありませんが「転校生」から「同級生」になったことが本作の特徴となって顕著に現れている格好です。つまり、主人公は学園の2年生ですでに1年半程度の期間を過ごしているので、ヒロインとの親密度も例外はあれどかなり上がっています。わかりやすく言えばセクハラマシーンなのに驚くほどモテモテ。
 基本的にマップ移動で4~5回会うことでHシーンに入りますが、この間に交わされる会話は関係を深める描写というよりは、普段どんな言動を主人公がしているのか、それを知らしめるような内容になっています。平たく言えばどんなセクハラをしているのか、ということです。
 微妙な差異はあれども全体的にご都合主義であることは少しも変わっていません。恋愛なんてものはこのゲームに存在しないと言っても過言ではないでしょう。もちろん、惹かれあう過程なんて期待する方が間違ってます。
 日常会話はわりと淡白で意外と会話が繋がらないケースが多いです。また、ν孕ませ手帳の文面を読んでいることを前提にしてシナリオが書かれているので要注意。
 ゲームの期間は40日間。途中には臨海学校などの固定イベントも用意されています。相変わらず日曜日が存在しない世界観です。今回は最終日にならないとエンディングになりません。飛ばす機能ももちろん用意されています。
 ヒロインの攻略はさらに簡単になりました。いきなりヒントというか解答を教えてくれるのでほとんど悩むことはないと思います。ヒロイン攻略のゲーム性が下がってしまったのは残念です。
 ヒロインの攻略順序にはある程度の自由度がありますが、完全に固定されているヒロインもいます。中には攻略済み扱いなのにエンディングまでHシーンがないなんてことも。前作からある特別扱いにはやはり疑問を感じます。このヒロインは結局、エンディングまでHシーンがないことで複数人プレイが少なくなっていますので。また、このシステム的な特別扱いヒロインとテキストで特別扱いされているヒロインが分かれているあたりにも困惑します。特別扱いするのならそれに相応しいテキスト描写や素材が欲しいです。
 Hシーンは各ヒロイン基本的に1回。攻略後は会話かHかを選べます。会話はヒロインによって差があります。HシーンのCGはそのままでテキストもほとんど変化がないのであまり意味はありません。CGは仕方ないとしてもテキストはもう少し、矛盾しない程度のフォローが欲しいところです。ただでさえ、初めてならではというシーンが多いのですから。
 複数人プレイはグループ毎、カテゴリー毎などに用意されています。今回はエンディングにも振り分けられたので本編中ではやや少なく感じられるかもしれません。

 CGは各種アニメーションがふんだんに用意されています。膣内断面図アニメーションは引き続き採用。キャラの個性を引き出すSDアニメーションも良いアクセントとしての効果を果たしています。
 前作から歴史が始まったテックアニメーションは大きく綺麗に、そして滑らかになりました。特に今回は胸の動きにこだわっているようでかなりエロく感じます。それに付随するように用意されたのがクローズアップνアニメーション。イベントCGとは異なる角度からの胸の動きをしっかりと見せてくれます。
 イベントCGはそのほとんどがエロCGで占められています。著しくレベルの低いものもなく原画目当てに購入した場合も安心できる仕上がりです。エロの方も問題なく、アニメーションに負けまいとするような、固定画でも十分にエロいものが用意されていました。
 立ちCGは表情豊かではあるのですが、汗やハートマークなど記号的な表現が全キャラ同じなのでちょっとくどい面もあるかと。またイベントCGに比べると表情的にもやや弱いように感じました。

 音楽は馬鹿ゲーらしい作品内容からするとかなりおとなしい印象を受けました。前作と比較しても妙な迫力がなくなったようにも感じます。もうちょっと勢いを感じさせてくれるような曲が欲しかったです。
 ボイスは主人公を除いてフルボイス。名前を変更しなくともボイスによる恩恵は特にありません。ヒロインが呼ぶのは名字ばかりですので。20人からなるヒロイン陣は10人の声優が1~3人を担当しています。演技は標準以上で別キャラなのに明らかに同じ声に聞こえるということもありませんでした。あまり好きすぎると同じに聞こえてしまいそうですが。

 まとめ。より特化したこだわりコンセプト作品。作品全体からおっぱい重視と叫ぶ声が聞こえてくるような気がしてきます。クラス征服というまさに二次元だからこそ果たしたくなるような野望は今回もいい感じです。エロ重視のお手軽作品なので秋の夜長に少しずつ、大作の箸休め程度に進めるのも悪くありません。
 お気に入り:遠山明日香、ミーシャ=イヴァシュコワ、海老原舞、西園寺薫、江口のん
 評点:75

 以下はキャラ別感想。ネタバレはたぶんなし。20人もあるとやっぱり大変。せっかくだから胸の大きさ順で。







1、穂村なのは(A:77)
 どこかからさらってきたのではないか、というほど全てが幼い。体格もまるで違うのでひとりだけ完全に浮いています。プロポーション的には明らかに取りあえず出しましたという微乳キャラ。Hシーンのアニメーションでは随分と胸が大きく見えます。

2、忍野かすみ(B:78)
 なのはとのバスト差がわずか1センチ。身長が表示されない本作ではわかりませんが、なのはが意外と高いか、さもなくばかすみが低くないとおかしいですね。絵ならともかく設定の話ですから。
 いかにも過ぎるキャラでちとゲンナリ気味。奈月との芸のないやりとりはとても見ていられず。

3、宮前未亜(C:82)
 率直な感想としてはネコと恋愛する気はないなぁ、と(このゲームにそんなものありませんが)。しかも、孕ませるだけにどんな子供が生まれてしまうのかちょっとした恐怖も。一切、気にしないところが本作の主人公らしいというかテキトーというか。

4、瑞乃真綾(D:84)
 真綾に限ったことではありませんが、本作のグループ分けはおかしいですよね。特にグループリーダー。どうしてお前がリーダーなのかと首を傾げてしまう人選多数。まぁ、なのはやこずえは絶対に認めていないと思いますが。というか、このグループは問題児をひっくるめているだけか?
 ある意味、愉快なキャラではありますがどうにも絡みにくいのが問題。
 銃弾が効かない特殊体質。本作の内訳を考えると実は人間ではない疑いも出てきそう。つーか、この特殊能力のせいで勇美のキャラがほぼ殺されているところが恐ろしい。
 ところで「爆炎の魔術師」ってのはやっぱりギャグなんでしょうか。某漫画の。

5、習志野勇美(E:85)
 バストサイズでも洋子に並んでいるし、普段もよく近くにいるし、見た目も被っているのでは、というくらいに似ている。こんだけ髪の毛の色がたくさんあるのにわざわざ似た髪形で被らせなくてもねぇ。Hシーンへの導入までなんだか似ていますよ。
 名前通りのミリタリーキャラというよりはひたすらに真綾の被害者キャラという色合いの方が濃いような気がします。二重の意味で。

6、味方洋子(E:86)
 この手のゲームで料理キャラというのはたいてい傍迷惑な存在とされているのでなかなか不憫です。しかも、Hシーンに持ち込まれる理由もそこに起因していることが多いですからねぇ。
 彼女の叫び声は気合が感じられて好きでしたが、悲しいことにちっとも面白くないのが痛かったです。

7、奈々宮あかね(E:86)
 SDアニメーションはグッド。ただし、あかねではなく主人公が、ですけど。本人はいつでもどこでも金属バットを振り回す危険人物。前作でもあった変にもったいをつけているキャラゆえにイメージは悪くなりやすかったです。当然のようにグループHはエンディングまで持ち越しでしたし。せめて立ちCGの出来がもう少し良ければねぇ。メインヒロイン(?)たるには色々と足りないと思いました。

8、月芝愛(F:90)
 マップ移動で選択せずともランダムイベントで普通に出るので困ります。明らかな説明不足に陥ってましたよ。最初は一体なんのことやら。クラスメイトが事実を知っているのかどうかもかなり適当な感じでした。事実上の双子キャラということなんですかね。それ以外にはアンドロイドとその開発者らしいところはあまりなかったような。
 ネコといいアンドロイドといい、胸の大きさがなんとなく虚しくなるような設定ですな。
 Hシーンの膣内断面図はどう見ても人間そのもの(使い回しだからですが)。恐るべき月芝素子の超技術。

9、楠こずえ(F:91)
 ヴェスバーとか質量のある残像とかいうのは「はぴねす! りらっくす」でやったからいいとしてそれ以外の部分。
 んー、イマイチはっきりしないのがポイント。ミステリアスなキャラってことかもしれませんがすっかり真綾に止めを刺すだけの役割が板についてます。なのはとの仲の良さでさえあまりよくわからなかったくらいだからなぁ。

10、来栖川蘭子(G:96)
 ええとどこから突っ込んでいいのやらこのヒト。金髪縦ロールでお金持ちって前作のお嬢さまキャラと被ってますよ、思い切り。お供が2人ってのもそのまんま。リスペクトキャラではないかというほど。お供がヒロインでないのは進歩というべきなのかどうか。大金持ちで「来栖川」ってのもネタなんでしょうかね。
 Gカップだって絶対にゴージャスの頭文字だけで決まったのでしょう。のんのようにサイズが決まってから考えたような煽り文句とは違います。要するに全身これネタな訳ですか……。
 お供2人にνスカウターモードを使おうとして反応がなくてガッカリ。そう思っていたらHシーンでも2人は脱がなくてしょんぼり。蘭子はひとりでグループを構成しているようなものなのだからもうちょっと考えてもらいたかったです。前作からの退化にも見えるし、なによりHしたらしいテキストがあるだけに余計に。

11、北守千尋(H:95)
 もうひとりのメインヒロイン、らしいのですがどうにも存在感に欠けています。というか、純粋に出番も少ないような。もうちょっと個性というか、売りのようなものが欲しいです。どうやっても被ることができそうにないアクセサリーのような帽子だけではねぇ。せめてボケに対するおっとりツッコミ役くらいは期待したいところでしたが、不適格な上に周囲にボケがいないという切なさ。

12、水戸部奈月(I:97)
 仕方ないとしてもかすみだけにしか絡まないというのはなんだか不自然。ミーシャやなのはは戦闘キャラではないからなんでしょうか。そんな気遣いができるようには見えませんが(少なくとも主人公のことでは)。やっぱりグループリーダーらしくない。というか、なぜかすみと同じグループなのか。もしかして教師とかの目で区分けしたグループなのか。前作では確かに交流グループだったのだが。

13、江口のん(J:98)
 主人公のお気に入りなのか明日香以外で挨拶のようにセクハラするのはこの人だけ。無防備さという意味なら他にも候補者はいるだけに、やはり苛めて光線というものが出ているのでしょうか。
 どのあたりがジャスティスなのかはもちろんよく分からず。母乳が出るところでしょうか。家がアダルトショップという設定が活かされているような、そうでもないような。

14、ミーシャ=イヴァシュコワ(K:99)
 ある意味で謎の存在。エンディングはないけど特別扱いはされているという不思議なキャラ。正直イベントが発生している最中は何が起こったのかと思っていたくらい。
 アイススケートキャラという面はさすがに出しにくかったのか、あまり意味がなくて残念。
 発音的にはどうか知りませんがロシア語はなかなか良かったです。普通に可愛く感じられました。

15、西園寺薫(L:100)
 本作中では唯一まともにシナリオがあるキャラ。Hシーン前にも主人公がちゃんと断っているし、全編を見渡すと信じ難いほどまともな作りになっています。驚き。周囲も薫と仲良くしようとしているし、攻略後という前提ならばこのグループは西園寺がリーダーでもおかしくありません。あくまでも攻略後なら。
 甘えるという単語の隠語的な意味や明日香を意識する様子はなかなか可愛らしかったです。やはり、ちょっとでもシナリオにまともな面があると思い入れも深まりやすいかと。

16、姫川育代(M:104)
 果たして男っぽさのないボクっ娘キャラにどれだけ意味があるのでしょうか。別段、外見が男らしい必要はなく、どこかにちょっとでいいからそれらしさがあればねぇ。
 気絶しやすいところも面白さに繋がるでもなければ意味があるでもなし。主人公が大怪我して看護士も気絶して大惨事、というくらいのギャグにした方が良かったのでは。
 主人公のパンストの扱いに対するこだわりにはちょっと笑いました。

17、遠山明日香(N:108)
 前作とは段違いの輝きを見せる幼なじみキャラ。素材では少しも特別扱いされていませんが、テキストではかなり特別扱いされてます。おっぱいゲーに対して主人公が毎日揉み続けてきたヒロインとはまさにサラブレッドではないかと。
 生まれてから会わなかった日はない、という事実が地味にツボでした。そういう(裏)設定の幼なじみは多いのかもしれませんが、ここまでハッキリとその事実を繰り返している作品は珍しいのではないかと。毎日のように、ではなく欠けることもなく毎日ですからね。家族旅行やら学校関係のお泊まりイベントやら年末年始やら全て一緒ってことですからねぇ。バスや飛行機など乗り物の座席で意図的ではなく、自然に隣になりやすいというあたりも徹底されているなぁ、と。エンディングのくだりも良かったです。それだけに個人エンディングがないのが悔やまれます。
 こずえシナリオのクイズ大会の司会者ぶりが意外な一面でナイス。作中でまともに笑ったのってここだけかも。素直に面白かったです。

18、伊豆苗芽依理(O:112)
 えーとツンデレと称されていますが彼女の場合は明らかな故意なのでそれとは言い難いような。性格が変わるのがツンデレでしょうし、いわゆる「か、勘違いしないでよねっ。あんたのためじゃないんだから」というやつもその時点では本気でそう思っている訳で。例え傍目にはどう見えようとも。よって彼女はすでにデレ状態もしくはただの素直になれない人なだけです。まぁ、ちょっと迷惑な方ですな。

19、浅井莉梨(P:114)
 中身はない(失礼)んですが存在感は抜群。前作の水泳部キャラのリベンジではないかというくらいに頑張ってます。SDアニメーションもインパクトだけはありました。ただ頭突きキャラというのはあまりに意味不明。胸がそんなにあるからバランスが悪いのか、とも思いますが言及はないしねぇ。

20、海老原舞(Q:123)
 圧巻のQ極(古い表現)バストはまさに魔乳。まぁ、舞さんの場合は身長がかなりありそうですからその分のプラスも大きいとは思いますが。もしかしたら腋から背中の部分を差し引けば莉梨とかの方が大きいかも知れません。
 突っ込みチョップのSDアニメーションはなかなか。この時の口調がすごく楽しそうで声優も楽しんでいるような様子が窺えます。キャラ的にもこれはいいアクセントなのではないかと。
 明日香がいるとお姉ちゃん的なお世話をする余地がないから寮に明日香は立入禁止ー、とか言い出す姿が可愛らしいです。世話焼き対決とかして欲しかったなぁ。もちろんHシーン込みで。まぁ、舞さんに勝ち目はないでしょうが。