炎の孕ませ”わんぱく”おっぱいお嬢さま学園~”昔の姿”になって女湯フリーパス!スカートめくり放題!いたずら中出し・孕ませ天国!~(SQUEEZ)

 湯川(変更可能)零乙奈(変更不可)には憧れの人がいる。右京静音、通称しず姉に告白しようとしたら背が高い人が好きと言われてしまった。零乙奈は持ち前の科学力で超成熟促進ドリンク「セノビタンZ」を完成させる。早速、試すも飲み合わせが悪かったせいか、背が伸びるどころか逆に小学生のように小さくなってしまった。しかし、へこたれない零乙奈は元に戻る際にわずかに身長が伸びることに着目。ならば、これを繰り返せばいずれは目標に到達するはず! と前向きに考えた。ちなみに薬の効果が効いた零乙奈は勃起するだけで小さく、超童体化して射精することで元に戻る。つまり……、孕ませ征服の開始である。超童体化を利用して母性本能を刺激して甘えまくるのだ!

 SQUEEZのわずか6ヶ月ぶりの新作はなんと連続で「炎の孕ませ」シリーズ最新作。これまでは年単位で間を空けることが多かっただけに珍しいです。
 購入動機は前作「炎の孕ませおっぱい乳同級生」が信頼を取り戻す出来であったから。しかし、今回は気合のDVD2枚組ではないということで少しばかりの不安も。
 初回特典は特になし。

 ジャンルはいつものように孕ませアドベンチャー。当然、孕ませるまで、が基本です。それ以降はエンディングとなります。
 このシリーズと言えば新システムはもはや当たり前。本作でも新しい試みがされています。
 「甘エロモード&わんぱくモード」。これは選択肢によって2パターンのHシーンを楽しめるというもの。……なんですけど、2つの中身に大きな差がないことがほとんどで名前を冠するほどの意味を感じられません。基本、CG差分における差別化なので。
 「お嬢さまたちに甘えナイト」は「周」(シリーズにおける基本単位。周に3回の行動が可能)の終わりにひとりだけお嬢さまを選んで甘えることができます、というもの。予想以上にパターンが少なく、すぐに既読状態となってしまうので結局は全ヒロインを選ぶような形になります。中身もそれほど甘えている様子はありません。Hシーンも用意されていますが、どういう訳か右京静音と姉ヶ原凛の2人にしかありません。
 恒例の孕ませブーストメーターはかなり存在意義が薄くなりました。各イベント終わりにしか見ることができません。実のところ、名前がなんであるかもわかりません。次回作あたりにはひょっとしたら消えてしまうかも。
 手帳は「ハレンチ手帳」と名を買えました。様々なデータを見られるのは変わりません。エンディングの確認がとても便利です。プチ立ちCG鑑賞になっているのも相変わらずです。
 排卵日予報は「孕ませお嬢さま排卵日カレンダー」となりました。「周」始めにはやっぱり、これがまず表示されます。しかし、本作ではそれほど重要でもありません。確変が起きればあまり意味がなくなってしまうので。ヒロイン選択画面の各ヒロインにカーソルを合わせた時の情報の方がより重要になっています。

 足回りはやっぱり進歩していません。メッセージスキップは既読未読を判別して高速ですが、(攻略の進捗次第ですが)使用機会が多いため相対的にはやや遅いくらい。選択肢後にスキップ継続などコンフィグの調整は必須になります。
 バックログは別画面にて行います。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能です。ただし、選択肢が表示されている時はホイールからの起動は出来ません(一部の選択肢では一切バックログが使えません)。また、起動時に発声中のボイスがカットされてしまうのが残念。ロード直後にも使用できます。
 メッセージ速度の変更にも複数の手順が必要で、ノーウェイトにしようとしても最速に合わせただけでは地の文しか反映されず、初期状態でチェックの入っている「音声と文章を同期」を外す必要があります。
 クイックセーブしたデータはゲームを終了すると消滅してしまいます。当然、タイトル画面からのクイックロードもできません。

 シナリオは残念ながら再び弱体化してしまいました。キャラがあまり立っておらず、設定通りの掛け合いさえもかなり怪しいです。お嬢さまたちが揃う学園のはずがあまりそうは見えず、普通の学園に見えることが珍しくありません。ヒロインの人数が減っているにもかかわらず、会話はかなり寂しくなっています。およそ盛り上がるということがなく、常に空騒ぎをしている印象です。主人公もIQ256という設定のせいか、いつでも堅苦しく強引なネタ描写が多くテンポを悪くしています。
 テキストによるヒロイン表現がとても弱いです。魅力を高めるどころかCGとボイスにおんぶに抱っこ状態になっています。中途半端に萌えゲーのような描写を入れるのも成功しているようには思えません。「Hシーンのないイベント」というものがあって嬉しいとならなければ、こうした手法は失敗だと思います。
 やたらと同じ表現を目にするのも困りものです。さっき読んだなぁ、というリアクションをプレイ中に何度もしていました。
 ヒロインたちは全員、最初から主人公が好きであるため(主人公だけが気付いていない)緊張がないだけでなく、孕ませ征服を開始する、という言葉がどこか虚しく響きます。どれだけご都合主義であっても主人公の手で好きにさせるから征服に意味があるのではないでしょうか。弱気な主人公像というのも影響しているように感じます。ハッキリ言えば孕ませゲームに向いていないのではないでしょうか。
 もちろん、惹かれ合う過程はありません。
 ゲームの難易度は今回もなかなか高いです。適当にプレイするだけなら簡単ですが、フルコンプを自力で目指すのはかなり根性が必要だと思います。2周目以降はゲーム開始時にヒントが見られるようになります。
 Hシーンは主人公の超童体化が露見するタイミングをヒロインごとにずらすことでうまくメリハリをつけられています。飽きさせないような配慮を感じました。しかし、上述した「甘エロモード&わんぱくモード」が代わり映えしないため、せっかくの配慮も空回り気味です。また、フラグによる矛盾もあちこちで散見されます。前作「炎の孕ませおっぱい乳同級生」のように前半戦と後半戦に分けてしまった方が良かったのではないでしょうか。尺は比較的長めです。エロ度はもうひとつですがシチュエーション構築はなかなかです。

 CGは本作最大の売りです。多くの弱点を懸命にカバーしています。あらいぐま氏の描くヒロインたちは率直に言ってエロいです。昔の姿に戻ってHという要素をしっかりとした構図でやらしく表現しています。差分も豊富でかなりのパターンが用意されています。久しぶりにサムネイル表示がこれまでの1枠1差分から変わりました。
 立ちCGはイベントCGに比べるとややクオリティで劣るものの、表情は実に多彩です。
 テックフルアニメーションS1024はもちろん搭載されています。1024×768の高解像度で滑らかにエロくアニメーションします。数は各ヒロイン1つくらい。やはり、あまり多くは用意できないのか、効果が高いだけに残念です。

 音楽は何と言っても主題歌が一際、目立っています。他のブランドでは思いついても採用しないような馬鹿おっぱいソングに仕上がってます。今まではあってもなぜか本編には収録されてこなかっただけにシリーズファンには喜びもひとしおではないでしょうか。通常の曲はやはり、少なめですが飽きにくいような曲作りがされているように感じます。馬鹿ゲーにはもったいないような曲があるのも相変わらずです。
 ボイスはヒロイン以外にはほぼありません。主人公は名字をデフォルトネームにしてもボイスのフォローはありません。キャラ立ちの弱さのせいか、声優のキャスティング、演技ともにもう一歩に感じることが多かったです。

 まとめ。やはり早すぎたのではないかと思わせる作品。さすがに腐ってやがる、とまではなりませんでしたが、前作が良かっただけに惜しまれます。ヒロイン7名というのもシリーズコンセプトからすると微妙なように思います。キャラが「炎の孕ませおっぱい乳同級生」の方が立っていたことを考えると余計に。次はどうなるのか、また不安になってしまいました。
 お気に入り:桜木戸絵夢
 評点:65

 以下はキャラ別感想。ネタバレ要注意。







1、右京静音(K:96)
 しず姉が憧れの存在。これが最初の躓きのような気がします。桜川未央さんの演技もあってか、どうも設定通りのお姉さんに見えません。全体的に存在が軽すぎるんでしょうねぇ。すごさみたいなものが感じられないので。普通の隣のお姉さんという感じでした。
 テニスコートでいたずらイベントの2枚目のCGの彩色が変です。肩ひもが青でないといけないのに片方が肌色になってます。なんか漫画家のベタ指定ミスみたいですね。

2、姉ヶ原凛(G:88)
 唯一、最初から童体化のことを知っている人物、ということでイベントがうまく組めていたと思います。そこにツンデレキャラというのも相性が良かったように思います。
 Gカップと本作ではそれほど大きくないんですけど、正直なところみんなあんまり変わりませんねぇ。Qカップの絵夢とそれほど差を感じません。

3、セレン・マリアベル・ロックハート(P:120)
 SQUEEZお得意の外人キャラですがあんまり出来は良くない感じです。ひたすらに馬鹿っぽいというのが足を引っ張っているように思います。魅力に繋がらずただ、マイナス印象なだけなのが問題でしょう。

4、伊万莉要(M:104)
 ゴテゴテとついた設定にほとんど意味を感じられず、都子さんが最大の特徴と言ってもいいくらい。水着と部屋着が大差ないのも地味に悲しいです。風紀委員に見えないあたりも悲しい。公園の遊具イベントは本作のコンセプトらしくて良かったです。

5、鳳飛鳥(O:114)
 他のヒロインのキャラが薄いので目立って見えますが、それもリバイアさんと祥子さんのおかげという感じ。やる気のなさがいい方向に作用しているとはとても言えず、設定の幾つかが無駄になってます。要と同じく虫取りイベントはいい感じ。

6、四扇ひいな(AA:67)
 唯一のロリキャラですが、巨乳化イベントがあってせっかくの取り柄を半分潰しています。SQUEEZがわざわざロリキャラを出したのだから、それを消してどうするのでしょう。本人的にも悲しいだけですよ。他のイベントちゃんとエロいじゃないですか。認めてあげましょうよ。

7、桜木戸絵夢(Q:124)
 やっぱり強い最大級のバストの持ち主。人気投票1位獲得。名前からわかる通りドMであることが最大の売りです。下級生なのに最大のバストサイズというのもいじられるためのネタです。やたらと地元を推す姿勢はあんまり気分がいいものではありませんでした。絵夢ひとりだけだものなぁ。セレンなんてむしろ逆なところもあるくらいなのに。