巨乳魔女(Waffle)

 辺出トモル(変更不可)は学園卒業と同時に天摩家へ使用人として働きに出ることが決まっていた。まともな人間として扱ってもらえない環境。加えて命さえ狙われていた。しかし、そこには運命の出会いが待っていた。

 Waffleの新作は「巨乳ファンタジー」と同コンセプトの第2弾、というだけでなく続編ものでもあります。もちろん、シナリオライター鏡裕之氏と原画家Q-GAKU氏のコンビです。
 購入動機は前作が面白くかつエロかったので。信用買い。
 初回特典は特になし。

 ジャンルは今回もごく普通のアドベンチャー。
 足回りはやや貧弱。コピー&ペーストでいけるくらいに一緒です。メッセージスキップは既読未読を判別して高速です。
 バックログはウインドウ単位で行います。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能ですが、あまり戻ることはできません。ロード直後でも使用できます。バックログ開始時は最新のメッセージの色が変わるだけで、ひとつ前に戻るには2クリック(ホイール)せねばならずやや面倒です。

 シナリオは偉大なるマンネリ風味。悪く言えば前作から進歩がなく、良く言えば前作で評価された作風を踏襲しています。基本は成り上がりものでエロ重視の作品であっても物語にも力を注いでいます。
 続編でもあるので前作をプレイしていた方がより楽しめるでしょう。プレイしていなくても深刻な影響はありませんが、微妙にわかりにくい部分もあるかと思います。
 舞台が現代となったことで成り上がり度は下がっており、カタルシスも同様にあまり感じられません。作中の舞台も変化がほとんどなく、展開としても物語としてもスケールダウンした格好です。やはり、中世から現代にしたことで制約がかかり、自由度が下がってしまったように見えます。それに対応するだけの十分な工夫も感じられません。
 日常の掛け合いは特殊です。主人公がおおよそ負の感情を持たない人物として描写されているので会話の様子が他の作品とは大きく異なります。主人公がどんな人間であるかを伝えるためにテキストがあると言っても間違いではないです。色々と手応えがない人格なので人によっては物足りないかも。
 惹かれ合う過程は苦しいです。主人公が大物である、ということがヒロインに伝わることがそれなのでどうにも恋愛描写とは感じにくいです。主人公の方もヒロインの胸を見て恋をするという半ば条件反射のため求めようがありません。
 Hシーンはやはり本作の肝です。鏡裕之氏の情熱が迸っているのがまざまざと感じられます。言うまでもなくおっぱい重視。他の全ては飾りである、もしくは引き立て役であると言わんばかり。性癖が受け入れられない人にはとても困ったことになるでしょう。そこが気にならない人には驚くほどのエロさが保証されています。まさに売りとするに相応しいレベルです。ただし、シチュエーションの面では幅が狭まったように感じます。似たようなHシーンが多いです。

 CGは差分抜きで80枚と前作よりも悲しいことに減少しています。単体で見てもフルプライスでこの枚数はちょっと寂しいように感じます。いくら解像度が上がったとはいえ……。それとも前作は10周年記念作品だったからなのでしょうか。
 構図は安心の(?)乳重視。見せ方にこだわっているのがひしひしと伝わってきます。タイトル通りに巨乳揃いなヒロインたちのおっぱい攻勢は圧巻です。下半身が映っている方が珍しいくらい。本番なのに申し訳程度に画面端に描かれているなんてものも。
 原画家が2人となったわりにヒロインは減少して4人になりました。満遍なく用意されているかと思えばさにあらず。天摩聖詩流が22枚と圧倒的で姉の優里亜が18枚、久我野静女が13枚、朝霧豊絵が14枚と続きます。後ろ2人はほとんどサブの域です。
 意外なことに複数人プレイはあっても全員登場のハーレムルート(Hシーン)はありません。いずれも4Pが最高です。

 音楽は今回も意外なことにしっかりと聞かせてくれる曲が揃っています。中でもシリアス系の曲は本作のコンセプトではもったいないと感じさせるほど引き締まった良曲が揃っています。
 ボイスは主人公を除いてフルボイス。今回も複数の男性キャラが登場しますが全て用意されています。演技は非常にノリが良く安心して聞くことができます。

 まとめ。前作の良さが際立つ作品。通常の作品に比べれば十分に良い作品なのですが、続編(第2弾)ということでハードルが上がってしまった感があります。それでも、パワーダウンしているのは確かでちょいと残念。
 お気に入り:朝霧豊絵、黒服
 評点:70

 以下はキャラ別感想。ネタバレ要注意。







1、天摩聖詩流
 まぁ、サキュバスということで前作に引き続いて特別なんでしょうけど、それ以外に理由が見当たらないのが一番のメインとしてはツライところ。けして悪いキャラではないんですけれど。パイズられ奴隷なんて珍語も披露してくれましたし。一人だけバストサイズが変わるのもなんだかイカサマっぽく見えてしまうなぁ。

2、天摩優里亜
 この人、恐ろしいことにルートが違うと完璧なまでに出てこない。不在ルートでも残った3人で4Pとかあったりするんですけど、その頃の優里亜さんはと考えるとだいぶ切ない。石像のまま死亡ですよ。

3、久我野静女
 人間ですがかなりいいところを持っていきます。Hシーンもバイクでトライとか(前戯だけですけど)本作ではとてもアグレッシブです。個人的にメガネは苦手なんですけど、とにかく巨乳が、という作風のためかあまり気になりませんでした。

4、朝霧豊絵
 原画家が異なるせいかエロさの質が違う感じです。1人だけ混ざっているので基本Q-GAKU氏の世界にあってとても新鮮。相乗効果なのかとてもエロく感じました。枚数の少なさを補うほどに。エロ水着も良かったです。