もしもこんなショッピングモールがあったら!いきます☆(SQUEEZ)

 幻のショッピングモールとそこは言われていた。誰でも行ける訳ではない。選ばれた者だけがたどり着けるというその名はもしゅも~る。いままた選ばれし者が現れた。その名は西方直己(変更可能)。彼こそはもしゅも~るを制覇する男であった。

 SQUEEZの新作はタイトルからして馬鹿ゲーとわかる、いつもの路線を邁進するアドベンチャー。
 購入動機はほぼブランド買いですが、一応は企画自体も気に入ったので購入。馬鹿ゲーでしかありえない設定が良い感じに思えたので。
 初回特典は特になし。

 ジャンルはパッケージによるとショッピングモールアドベンチャーゲームとまさにそのまんま。システム的にはそれほど奇抜なことはしていません。お遊び的なものとして「激射真システム」、「名刺コレクション」、「メンバーズカード」の3つがあります。
 「激射真システム」はゲーム中の任意の画面をCG鑑賞モードのように保存するもの。立ちCGの表示されたアドベンチャー画面も保存できますが、アニメーション枠は除外されます。静止画としても残りません。36枚まで保存可能です。こんなものが用意されてなお立ちCGの鑑賞モードはありません。ままならないものです。
 「名刺コレクション」はクリアした店舗の担当者(ヒロインキャラ)の名刺が登録されるというもの。いかにも各店らしいメッセージが添えられています。
 「メンバーズカード」は要するにスタンプカードです。きりのいい数字ごとにイベントが起きたりするので攻略の目安になります。特定の店舗はスタンプに2回以上の来店が必要です。
 基本システムはマップ移動方式を採用しています。ショッピングモールは5つのエリアに分かれていて各エリアごとに店舗もヒロインも特色が分かれています。自由に選択可能ですが、各エリアには1店ずつ開店していない店舗があり、そのエリアを全て回ることで開店する仕組みです。

 足回りはいつものSQUEEZシステムとばかりに代わり映えしません。メッセージスキップは既読未読を判別して高速です。ただし、コンフィグ項目「選択肢後のスキップ継続」にマップ移動の選択が含まれないのでほとんど意味がありません。
 バックログは別画面で行います。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能ですが戻れる量はそれほど多くありません。
 メッセージ速度の変更も相変わらず複数の手順が必要で、ノーウェイトにしようとしても最速に合わせただけでは地の文しか反映されず、初期状態でチェックの入っている「音声と文章を同期」を外す必要があります。しかも、各設定はロードし直さないと反映されないことがしばしばです。
 やっぱり、タイトル画面からクイックロードすることはできません。

 シナリオは言わずとも想像できるようにあってないようなもの。むしろ、しっかりあったらおかしいでしょう。ボイスを全て聞いても1店あたり15分から20分と非常にコンパクトにまとまっています。
 通常の感覚であればありえない流れで各店ともHシーンに突入。プレイヤーはおろか主人公さえその展開についていけず、うろたえることがたびたびあります。考えるのではなく感じるのだ、という偉大な先人の教えが役に立つことでしょう。
 とにかく細かいことを気にしてはいけません。気にしたら間違いなく負けです。
 例えば各店とも2回以上の来店が可能ですが、その際のテキストは一言一句、同じです。処女の人もいたりするのですがやっぱり……です。気にしてはいけません。
 例えば主人公以外にもショッピングモールに客はいます。選ばれたのは主人公だけではないのです。ということは主人公以外とも可愛い店員さんたちはHしてしまうのでしょうか。描写は店舗ごとに曖昧です。それではまるで風俗店のよう……。気にしてはいけません。
 Hシーンは原則1店1回。上述した特定の店舗だけが複数回となります。また、決まった2店舗を終えることで発生するサブシナリオのHシーンなども。エロ度は和姦系としてはかなり高いです。シチュエーションも多彩なのでこれだけあれば幾つかは気に入るものがあるでしょう。

 CG。店舗数ゆえでしょうか、イメージとしてはアニメーションが減ったように感じます。テック@フルアニメーションSは使用されているキャラが後半に集中しているのでことさらそう感じました。アニメーション自体はより綺麗に滑らかになりエロ度のアップに貢献しています。
 膣内の断面図アニメーションは今回も搭載。少ないフルアニメーションの補足か、主に舌にポイントを置いた部分枠のアニメーションが用意されています。これはCG鑑賞には登録されません。
 イベントCGの基本は1店舗1CGです。拡大したり、縮小したり、差分を工夫したりしていますが1枚に変わりはありません。50店舗という制約ゆえとはいっても、この同じ節約パターンの繰り返しはやはり残念に感じます。また、原画家が1人で担当しているので被っているように見えるデザインがちらほらとありました。
 ごく一部のキャラ限定ですが立ちCGとHシーンで衣装が異なるケースがあります。本作においてはフェチ的な要素だけに、イベントCGが限られているだけに少し気になりました。

 音楽は数も少なく作品の雰囲気を重視した曲作りが窺えます。馬鹿ゲーとしては賑やかなくらいで企画ほどのパワーは感じられません。
 ボイスはヒロインキャラにのみ用意されています。演技の方は1人何役という形になっていますが、気になるほどの類似性やレベルの低さは感じませんでした。
 主人公がデフォルトネームの場合、ボイスによるフォローが微妙にあります。複数ライター制のためなのか、呼んでくれたりくれなかったりします。

 まとめ。エロ度と馬鹿さに特化した息抜き作品。あまり連続してプレイすると飽きてしまうので空き時間に少しずつ進めていくのが賢いプレイスタイルかと。何も考えずにプレイしたい時には最適の作品です。
 お気に入り:伊集院いずみ、梅田籐子、アスナ、白鳥静香
 評点:70

 さすがに50店舗は多すぎるのでキャラ別感想はありません。あまり書くほどの濃さがない、ということもありますけど。