ランス9-へルマン革命-(アリスソフト)

 カラーの村へ行って期せずして娘を持つおとーさんとなったランス。しかしながら、当初の目的である氷漬けのシィルを元に戻すことはできませんでした。そのためのアイテムがヘルマンにあると知ったランスは早速、向かいましたが、またやる気が減退してしまいランス城へと戻っていました。そんなところに現れたのがパットン。腐った祖国を救うために革命軍を組織した彼はランスの力を切り札に、と考えて勧誘に来たのでした。ランスにとってはまさに渡りに舟。どさくさに紛れてお宝を回収、前々から狙っていた王女シーラを筆頭にヘルマン美女を手に入れられる、と一挙両得の機会を逃すはずもなく。おまけに革命軍のリーダーの地位まで要求したランスは意気揚々と旅立ったのでした。

 アリスソフトの新作はいよいよクライマックスが近づいてきた看板タイトル、ランスシリーズ9作目。
 購入動機はランスシリーズだから、になるでしょうか。
 初回特典は特になし。

 修正ファイルが出ています。それほど重要なものはありませんが、中には気になるものもあるのでなるべくあてておきましょう。

 今回のジャンルはタクティカルRPG。章仕立てになっていて各イベントを選択していく形で進行していきます。その中に戦闘が含まれるイベントがある、という仕組み。事前にわかるようになっています。他にも自由戦闘と呼ばれるクリアせずとも問題ない特殊マップが存在します。経験値稼ぎにも使えて、基本的に物語の展開に関係なくいつでも入ることができます。最初は少ないですが段々と増えていきます。
 戦闘は前作と同じく、処理的には3Dですが、感覚的には2Dっぽいマップ上で行われます。さすがにジャンルがジャンルだからかアリスソフトであっても気力制ではありません。戦闘不能以外のリタイアはありません。勝利条件やアイテム獲得の条件は様々です。
 素早さの数値をもとに敵味方の各ユニットの行動順が決定されます。画面左端に目で見てわかるように行動順が表示されるので戦術が立てやすくなっています。あとはこれをクリアかゲームオーバーまでひたすら繰り返します。
 各ユニットには必殺技が設定されています。ゲージを溜めることで使うことができるようになりますが、変わっているのは部隊全体でゲージを共有していること。個人ごとに設定されているわけではないのです。必要なゲージの量も技によって異なるので意外と戦略が求められます。必殺技には派手な演出がありますが、コンフィグを介すことなく、これを省略することも可能です。
 戦闘には2種類が存在します。浮要塞というものを手に入れると侵攻戦と絶対防衛戦というものが起きるようになります。侵攻戦は相手に攻め込む戦闘……、ということになっていますが、感覚的にはこれも防衛戦です。なぜなら、敵は味方を攻撃するよりも浮要塞に侵入することを主目的としている上に、敵を逃してしまうとその敵がそのまま浮要塞の動力部にやってくるからです。そして、これが絶対防衛戦になります。初戦で討ち漏らした敵との戦闘で、味方も初戦に出ていないメンバーしか出撃できません。もし、動力部を破壊されてしまうとゲームオーバーになってしまいます。経験者は「ママトト」を思い出すとわかりやすいです。
 浮要塞には成長要素もあって攻撃したり、敵の侵攻を邪魔したり、といったことができるようになります。聖魔ポイントなるものが必要ですが、侵攻戦でも絶対防衛戦でも浮要塞の機能は使うことができます。逆に言えばそうでない戦闘では使用できません。各機能は回数制限があり、使うたびになくなってしまうので作り直す必要があります。
 戦闘で得た経験値やお金によってユニットを強く成長させます。経験値で熟練度を上昇させ、お金で武器や鎧をパワーアップさせます。今回はレベルの概念はありませんので才能限界もありません。よってレベル神のウィリスさんの出番は自動的にないです。
 敵味方ともユニットは3Dでデザインされていますが本作では女の子モンスターはほとんど登場しません。
 2周目以降はデータの引き継ぎが可能になります。もちろん、引き継がないことも可能です。後半加入するユニットも最初からいます。引き継ぎ要素はおおよそ全て。よって自由戦闘で得られる猿玉などの特殊アイテムは一度しか手に入らないので(その状態が続いているということで)、獲得しているならもう手に入りません。また、難易度を変更することも可能でかなり無茶なものも用意されているようです。
 タクティカルRPGパートはゲームのメインになります。単純ながら意外と考えるところもあってなかなか楽しめます。パッケージのあおりにもあるように敵の兵力は大きいため、慣れてくるとそれをなぎ倒していけるようになるので爽快感が感じられるようになります。ただし、周回プレイとなるとさすがに飽きやすくなるのではないかと思います。なので難易度変更を持ち込んだのは正解ではないでしょうか。恒例の強敵も用意されていますから。

 本作のもうひとつの特徴がランスモード。7人の新旧ヒロインを4~5段階を経て色々としてしまいます。複数のHシーンがあるのはこの7人だけ。一度エンディングを見たあとの各ヒロインルートに入るためのフラグにもなっています。ヒロインの人数分だけ周回プレイする必要はありません。フラグさえ立っていれば自動セーブの最終章から始められます。
 戦闘で得たアイテム、猿玉を3つ使うことで各シーンを見ることができます。ヒロインの段階は物語の進行にも絡んでいるので無制限に見られるわけではありません。シーンをこなすとヒロインは熟練度がもらえるので育成が楽になるというメリットがあります。他にも誰にでも投入可能な、一度だけ戦闘の熟練度が2倍になるアイテム、蟹玉がもらえます。
 ランスモードはシリーズには珍しくヒロインといちゃいちゃできるのが特徴で、昔からいるヒロインとは関係性の変化がハッキリと感じられます。これは最終作である次に繋がってきそうです。一方で各ヒロインには特定のテーマが設けられているフシがあって内容には偏りが感じられます。CG面で使い回しが目立つのも気になるところです。

 足回りは前作同様、タクティカルRPGにしては配慮が行き届いています。メッセージスキップは既読未読を判別して高速です。キーボードを使わないと止めにくいのが難点でしょうか。
 バックログは別画面にて行います。ホイールマウスに対応していますが、タクティカルRPGパートでは起動できません。それなりに戻ることができます。ロード直後にも使用できます。

 シナリオはサブタイトルにもあるようにヘルマン一国の革命を書いていることもあってなかなかのボリュームです。早く次が読みたいからタクティカルRPGパートをプレイする、という良い循環になっているように感じました。前作にはほとんど見られなかったスケールの大きさも魅力です。「ゼス崩壊」や「戦国ランス」とは切り口が異なっているので違った国取りを楽しめます。導入部は前作ラストと雰囲気がかなり異なるので戸惑いますが、本作からプレイする人間にはちょうどいいですし、なじみある人間にも序盤さえ越えれば違和感もなくなって良い按配になるのではないでしょうか。相変わらずのランス節が随所に炸裂しています。継続してプレイしている人はただ、読み進めるだけで面白く感じられる可能性が高いでしょう。
 ボリュームに比べると旧キャラの登場は控えめ。次のラストへの溜めではないかと勘繰るくらいおとなしいです。そういった意味でのサービスはもうひとつで、前作最大の人気キャラであろうリセットもほとんど出番はありません。

 CGは大作に相応しい120枚越えの枚数に納得です。象徴的なカットやここぞという場面で用意されているのを強く感じます。もちろん、エロ方向にもしっかりと用意されていますが、上述したように差分も活用した使い回しが目立つのも確かで残念なところ。アリスソフトにしては差分が多めに用意されています。
 立ちCGは実に表情豊かで、かつてないほど掛け合いを盛り上げてくれます。表情変化なしでフェイスウインドウのみだった前作から大きな進歩に感じられます。ただし、前作ではとても可愛らしかったSDカットが数量、可愛さとも半減してしまったのがもいったいないです。

 音楽はこの手のジャンルに重要な繰り返し聞いても飽きない、がしっかりと実現できています。今回はアドベンチャーパートが多めであったのでバリエーションも出しやすかったのだと思います。終わるまで数限りなく聞きましたが戦闘の曲は実にアリスソフトらしく、楽しんで聞けました。昔からの定番の曲ももちろん入っています。思わずホッとしたり和んでしまう効果があります。単純に曲数も多く、聞き応えがありました。
 ランスシリーズいつものお約束ということでボイスはありません。

 まとめ。看板タイトルに恥じない作品。これまでのシリーズが楽しめた人なら問題なく遊べるでしょう。新規のプレイヤーでも「まめ知識」が用意されているなど最低限のフォローはあります。アリスソフトには他にも色々と用意されているので十分ここからでも入れるでしょう。
 お気に入り:戦姫、見当かなみ、ミラクル・トー、クルックー・モフス
 評点:85

 以下はキャラ別感想。ネタバレ要注意。







1、ランス
 導入部、下手したら「RANCE QUEST~ランス・クエスト~」のスタート時以上にやる気がなくなっていて驚きました。あの引きからは想像もつかない温度の低さ。個人的にはその方がいいとはいえ、やはり戸惑いました。リアがまるで関与しないのも違和感がありました。ランスの精神がかかっているというのにねぇ。都合の問題もあるのでしょうけど、時たまランス君は健忘症なのでは? と疑うシーンがありますよ。特に今回は素でサチコのことを忘れていたりとか、ちょっと裏付けがとれちゃいそうなシーンもありましたから。結局、執着度によってラストの感触が変わりそうな気がします。まぁ、スタッフにも色々と意見がありそうですよね。今回の志津香の言動とか見てるとそんな気がします。
 さすがは主人公。いつもながら見事な能力です。使い勝手の良さはリックと並んでピカイチでした。ただ、必殺技はそうでもなかったですね。魔法使いたちが半端なかったこともあって。

2、見当かなみ
 正直ここまでランスにまいってしまう、という展開は予想外でした。ある意味で志津香以上にかたくなではないか、と思っていただけに。そうなるまでリアのことを気にしないのも不思議な感じでしたね。考えて好きになったように見えただけにね。予想はしてましたけど、鈴女の幽霊が出なくてショックでした。未だに「RANCE QUEST~ランス・クエスト~」の衝撃を引きずっていますよ。
 かなみはへっぽこ忍者と考えれば良い方なんでしょうけど、普通の目線で見るとなかなか厳しいです。敵をすり抜けるようにして動けるのはいいですけど、それを活かすには敵陣に孤立しても生き残れるくらい強くないといけないですからねぇ。結局、他におとりを使ったり、挑発することでこのスタイルを活用してました。

3、魔想志津香
 引っ張った割りにはナギとの決着はあっさりでした。あるいは引っ張りすぎたから、かもしれませんね。かなみと同様にランスになびく(?)のは強引な感じでした。個人的に志津香には特に感じ入るものがないため、微妙でありました。
 戦闘ではお世話になりまくりでした。白色破壊光線は何回使ったことやらわかりません。特に浮要塞戦では非常に高い効果を上げてくれました。彼女がいなければ特定の条件を果たせないこともあったのではないかと思います。

4、マリア・カスタード
 今回は完全に志津香のおまけというか、言い訳用に採用されたかのような存在感のなさでした。「RANCE QUEST~ランス・クエスト~」の逆になったような感じですね。フリーク相手にメカオタなところを出すのが精一杯という出番の少なさ。
 最近のシリーズでは弱体化してきたような気がするマリア。あまりに強くならないので途中から2周目最後まで優先的に出撃させたり、蟹玉を使ったり、熟練度で攻撃ばかり上げたりしましたが、まるで使えるようにならず。チューリップは弱くなったのでしょうか、というくらい。十字型に攻撃できるといっても真ん中以外は威力が下がるので旨味はほとんどありません。シーラのスーパーホークの方が遙かに強力で役立ってました。魔法使いの存在があるせいで余計に駄目さ加減が際立ってましたわ。

5、パットン・ミスナルジ
 なんか「3」が懐かしくなるくらい普通のいい人になっちゃいました。ちょっと毒があるくらいの方が面白い人物だったんですけども。まぁ、ヘルマン上層部とのバランス取りでこういう感じになった面もあるのでしょうね。間違ってもハンティが愛想を尽かす人間にはなれない訳ですし。
 見事なまでの盾役ですが、きっちり育てないとその役目も全うできない。なにせ死ぬほど魔法に弱いですし、アイテムで補強しないと体力もイメージほど多くありません。バックバグや守りドールを優先して装備させてました。やはり、挑発能力が良かったですが調子に乗りすぎて蜂の巣になったこともありましたよ。

6、ヒューバート・リプトン
 シナリオ的にはツッコミ担当。パットンが細かいことを気にしないため、代わりに頭を痛める苦労性。しかし、頭脳ではほとんど役に立たないのであまり同情されない。
 こちらも盾役。性能そのものはこちらの方が高いので使いやすい。ただし、挑発の範囲が狭いために役立てるのが難しい。楽馬がヒューバートに回せるくらい手に入ると一気に使えるように。

7、シーラ・ヘルマン
 今回のヒロインということでさすがとばかりに優遇されてます。デザインも2種類と言っていいくらいですからね。実際、リアが心配するのも納得の良キャラだと思います。ランスシリーズには珍しい正統派のヒロインです。まぁ、他の姫たちを見ていけばおのずとね。あるいは「鬼畜王ランス」のおかげで本編ではこのようになったのかも。そのへんも踏襲してしまうと「9」自体の勢いが陰ってしまいそうですからね。結果論的にとはいえ、奴隷を喜んでしまうあたりがツボになってます。シィルとは意味が違ってますからね。ところで、メイド服の色が変わったのはどういうこと?
 回復役としてすこぶる重宝します。しかも、それだけでなくスリング攻撃が予想をはるかに超えて強力になってくれます。終盤はいないと困るくらい頼もしく成長してくれました。

8、リック・アディスン
 やはり、見所はその素顔、なんでしょうかねぇ。なんか見ない方が良かった、みたいなオチになってますけど。やはり、仮面よりは見慣れたヘルムと鎧姿の方がいいですね。マイトレアのイベントがなんか良かったです。
 言うまでもなく超使えます。必殺技のバイ・ラ・ウェイもランス・アタックよりも使い勝手がいいです。しかし、なにより一番は受け流し成功時の反撃率が反則級に高いこと。攻撃力が高いからこそ威力を発揮しまくり。

9、チルディ・シャープ
 なぜか調教道一直線。SDカットは可愛いですけど、どうしてこんなことに。この設定、「10」でも生きてそうですからねぇ。スタッフに愛されているが上にこんなことになるってよくわからないですわ。
 「RANCE QUEST~ランス・クエスト~」では使える印象だったので期待したのですが、マリア同様、弱体化してしまった感じ。攻撃力が低いのに連続攻撃が必殺技って段階でねぇ。回避や受け流しも普通クラスで体力もソーサラーに毛が生えた程度。移動力が1つ多いくらいではほとんどメリットになっていません。「ママトト」のライセンのようなユニットであれば良かったんでしょうけどねぇ。優先的に鍛え上げるくらいしないとしんどいです。

10、クルックー・モフス
 先生は首になってしまったのでしょうか。前作でも終盤は影が薄かったし、もう出ないのかも。キャラとしては好きなんですが、今回は法王というポジションのためだけで呼ばれた感じがします。
 あまり活躍する機会はなかったですね。回復の雨2も量が少ないのであんまりでしたし。これに頼るなら自由戦闘で自軍全体を鍛える方が手っとり早いように感じます。シーラと違って遠距離攻撃はできないし、今回は投げ技が使えないため「RANCE QUEST~ランス・クエスト~」のようなお役立ちぶりは見せられませんでした。何もしないでターンを終えることが実に多かったです。

11、アルカネーゼ・ライズ
 正直まさかの登場でした。もう出ないんじゃないかなー、と思っていたので。ま、願望込みですけど、アルカネーゼを出すなら他のキャラを出そうよ、と。アームズ・アークとかサチコさんとかねぇ。
 そして、そこまでして(?)出たというのにあまりパッとしない能力値。クルックーの護衛としてはどうなんだ? と疑問に思うくらいでしたよ。以前は使えるイメージだったせいか、そのつもりで使ってよく死にました。攻撃力は低く、避けられない。必殺技もいまひとつ。一応は育ててましたが、彼女ひとりで挑むようなマップがあったらかなり苦しんだと思います。

12、ピッテン・チャオ
 まぁ、ゲストキャラなんでしょうね。いるだけの感が強かったです。橋ではぐれた時くらいでしょうか。
 完全無欠の名にはちょっと物足りなかったように思います。あまり重用しなかったということもありますけど、移動力が低く、回避も高くないということで直接攻撃を受けると弱いという挑発持ちとしては厳しい面がありました。魔法にだけは強いですがそれだけな感じでした。攻撃力もそれほどでもなく、必殺技も効果範囲が狭いとちょっと使いにくかったですね。壁役として十分な力を発揮するにはアイテムや熟練度を優先させる必要があります。

13、戦姫
 「RANCE QUEST~ランス・クエスト~」で見事にスカされただけに今回は嬉しくも期待が高かったです。恐らくはそのために上杉謙信が出ないという漠然とした予感もありましたし(外れてほしいとは思ってましたけど)。その期待は完全に満たされたとは言い難かったですが、それでも出てくれただけのことはあったと思います。ただ、Hシーンはなんとも残念でありました。各ヒロインにはテーマがあるのでしょうが、個人的には戦姫のそれはとても残念なテーマでした。あとオチもちょっとねー。独眼竜政宗が好きなだけにがっかりでした。
 戦姫は近接キャラで唯一、射程が2あったので優遇したこともありますけど、実に重宝しました。実際、誰かは壁役を育てないと厳しいので戦姫がそれを担うのは自然だったように思います。どのみち、特殊なマップ以外では3ターン目以降は挑発を使う機会は少ないですからね。うちは戦姫に愛を注ぎすぎたために結局、パットンやヒューバートが敵を引きつけてました。必殺技の三河乱舞が予想以上に使いやすいために突進させないともったいないんですよね。というか、完全にこっちがライセンの役回りでしたね。

14、ミラクル・トー
 事前の期待度が高くなかったせいもありますけど、とても気に入りました。誤解を恐れず言うなら女ランスみたいなところが良かったですね。リセットやパステルとの絡みが見たかったデスヨ。それはもう面白そうなのに。しかし、それだけにエンディングは色々とショックでした。執事ナールのイベントが良かっただけに余計に。まぁ、若返りの薬を開発したからそれでいいのか? でも、ハンティの心配があっさり当たってしまうあたりはなんとも残念すぎました。名前が泣きますよ、あれでは。
 志津香と同じかそれ以上に縦横無尽の活躍ぶりでした。回避が何気に高いのもポイントで雑魚の攻撃ではなかなか当たりません。そのくせ頻繁に攻撃範囲が広がったりするのですからタチ悪いです。いえ、助かりましたとも。必殺技もえげつないくらい強力でした。本当に今回は魔法使い無双でしたね。

15、真田透琳
 うーん。正直、人選が悲しすぎました。なんか完全にランス君への嫌がらせ要員になっちゃってますよ。軍師なら直江愛がいるじゃないですか! こちらも「RANCE QUEST~ランス・クエスト~」でフェイントをかけた人員だからちょうどいいのに。ホント、悲しい限りでありましたよ。軍師としてもあんまり活躍があったわけでもないしねぇ。大抵はランス君の通訳って感じのポジションでしたよ。主にヒューバートに対する。
 唯一の弓兵ということで貴重な存在ではあるんですけど、出番が遅いのもあってえこひいきするくらいでないとなかなか活躍できません。相手の弓兵や魔法使いからも狙われやすいですからね。そのあたり、危険を冒しても魔法使いほどのリターンがあるわけでもないですし。勢い後回しになりがちでした。

16、ピグ・ギリシアム
 ぷりょ人間ということですが、どうも地味さが拭えません。ヒロインとしてはかなり弱いように思います。分裂によるSDピグがいなければどうなっていたことか。Hシーンも手抜きっぽいですし、ここまで来て登場したヒロインとしてはパンチ力不足なように思います。
 頑張って鍛えましたが結局、最後までお荷物でした。装甲がないのは痛すぎますし、それ以上にアイテム装備不可能が重すぎる十字架です。分裂能力からしても回避が重要だと思うのですが、レンジャーにはまるで及ばず。ちょっと集中攻撃されるとあっさり昇天してしまいます。2周目のメインルートのボス戦で死んだのは彼女だけですよ。それも開始早々に。

17、フレイア・イズン
 デザイン的に味方ユニットになるとは思いませんでした。どう見ても敵な外見ですよ。レンジャーは前作でクレインという非常に良いキャラが出てしまっただけにどうしても比べてしまいますね。単に職業で見るならなぜ、クレインが出てくれないのだろう、とか思うくらいでした。
 ほとんど鍛えていないのにかなみが惨めになるほどに強い。攻撃力さえフォローしてやればかなりのお役立ちっぷりでしょう。ただ、瞬殺が嬉しいタイミングで出たことは一度もありません。大概は瀕死の相手に対して出ます。

18、ロレックス・ガドラス
 わざとらしいくらいに戦わないので味方になるのは早々にわかりました。ただ、合流が遅いせいなのかわかりませんが、シナリオ的にはあまり活躍しなかったように思います。驚いたのは軍を抜けるきっかけであったのにミネバ相手には以降、何事もないこと。全体的に絡み不足でもったいないです。
 さすがに最終盤に仲間になるだけあって強いです。魔抵と素早さがちょっと低いくらい。必殺技はまるで志津香の白色破壊光線です。最初から強いんでなんか逆にあまり使いませんでした。

19、オルオレ・ザ・サード
 どう見ても三世な人ですが、なぜ、どうしての意味となるとさっぱり。どこかに必然性があるんですかね? 意味なくもってくるには濃すぎるような気がします。そのこと自体がそんなに嬉しかったりするのでしょうか。
 ロレックスの強さを基準に考えてしまうとなんとも物足りない実力です。あとフレイアと比べられてしまうのもきついかな。熟練度が上がれば必殺技もそれなりに役に立つように。