TOON(TEATIME)

 期末テスト直前に事故に遭い、夏休みに補修を受けることになった望月祐(変更不可)。孤独なはずの補修。しかし、泳げない瀬野まなえとコーチ役の星川千夏も学校にやってきていたのだ。祐に密かな想いを寄せるまなえとそれを応援する千夏。人気のない学校で起こることは。

 トゥーンレンダリング技術を採用してのTEATIME第1弾。3Dでありながらキャラデザに村上水軍氏を採用するなど発売前にかなり話題になりました。そのデザインセンスを気に入って購入を決意。
 初回特典はスペシャルコンテンツディスク。製作過程や設定資料、それに歴代作品のムービーなどが収録されてます。

 システムはキャラクターを2Dから3Dに置き換えたアドベンチャー。アドベンチャーシーンは特筆することはありません。いつものソレです。
 Hシーンに入ると少しばかり様相が変わります。各脱衣段階ごとに選択の回数が限られていて、視点変更と体位変更が同じ選択枠に入っていたりして悩んだりも。
 足回りはあまり心配りがされていません。メッセージスキップは既読未読を判別せずに強制のみ。
 メッセージの巻き戻しは搭載されていません。典型的なアドベンチャー以外のジャンルのゲームに多く見られる仕様です。自作は改善を望みたいところ。
 今作はプレイしたルートを50個までセーブする機能が設けられています。いわゆるカスタマイズ可能な回想シーンということになります。選択の幅はかなり広いので3Dアニメが気に入れば、ありがたい機能かと。ちなみに選択肢を選ぶ形での回想シーンはありません。ムービーを個別に閲覧することは可能。

 シナリオはまさにあってなきが如し。そもそも1ルートが30分ではまともなものを期待しろというのが無理な話です。しかもHシーンを終えた後、エンディングらしいエンディングもなくいきなり終了ではフォローすら出来ません。多くの手描きアニメーションと同様、評価できる内容ではないかと。

 CGはこのゲームの一番の売りな訳ですが、正直なところ微妙な仕上がり具合。
 このゲームにも他作品で言うところのイベントCG(一枚絵)があります。これの出来は問題なく、美しいといって差し支えありません。
 問題はムービーにあります。イベントCGを綺麗に仕上げたために、見栄えに大きな差が生まれてしまっています。これではせっかく導入した新技術に対してあまりにもマイナスなのではないでしょうか。
 そこに目をつぶるとしても、人体の動きの再現がもう一歩に感じます。派手に動いても太さの全く変わることのない太ももや、上半身の動きに対応することのない下半身、ボイスが喘いでいるのに表情が変わらないこともある、など問題は山積み。結果として半脱ぎの方がましに見えるというか、見えてしまいます。服を着ていることで体のラインがよく見えないから不自然さが目立たないんですね。
 立ちCGも動きそうなものが動かないといった感じなのでどこか不自然。ポーズ変化を動画にすることはできなかったんでしょうか。見た目としてもイベントCGレベルでないのはツライところ。

 音楽はなんだか全体的に懐かしさを感じさせる旋律が多いです。昔のゲームではよくこんな曲を聞いていたような。あまりレベルは高くないように思います。

 まとめ。ゲームではなくデモとして見るべき。ゲームとしての面白さは皆無。それで良しとするには画質や動きなど全体的なレベルアップが必要。結局、手描きアニメーションと同じ長所短所を抱えているのも難しいところ。ただ、方向性は間違っていないので今後に期待したいです。
 お気に入り:特になし
 評点:30

 このキャラ設定ではキャラ別感想で書くこともありません。