よろずゲーム考(各論)

マジックカーペットDX 落ちモノ・ラッシュ シューティング 大型筐体モノ NIGHTS

■マジックカーペットDX(DOS/V)

ゲームの画面を誉めるのに、「これ、箱庭感があるね!」と言ったりすること がある。単にリアルであるというのでもなく、存在感があるね、という意味だけ を表わしているのでもない。 ところで、「現実」は意外とボヤッとしてる。景色も動きも滑らかだ。 一方、ジオラマのような箱庭は、現実を小さく凝縮し、デフォルメし、 現実よりももっとハッキリした鮮やかさを持っていると思う。 実写に対するアニメ絵のように、「写実感」に対して「箱庭感」という言葉が あるようにも思う。 箱庭感のあるゲームとは、ゲームの中に再現された「世界の写実性」に、 デフォルメによるスパイスが効いているものなんではなかろうか。

「マジックカーペットDX」は、島や海の上を魔法の絨毯で自由に飛び回り、 魔法を駆使して敵を倒したりアイテムを集めたりするゲームだ。 三次元グラフィックの描像が確かであるのは当然として、空気遠近法を 用いた奥行きの出し方とか、海面のうねりの表現とか、その海面にすべての 物体がイチイチ映り込んでいるところなど、映像に対するこだわりはすごい。 それでいながら、魔法効果や、ギラギラと光る剛体球などは、 ゲームと割り切って、リアルというよりも派手な色使いをしている。 ゲームに重要なアイテムが、リアルな世界からはちゃんと浮かび上がって 見えるのである。
いくつもの剛体球が地形に合わせて転がり落ちたりしていく様は、 ほんとうに良く計算してあるなぁなどと思うのだが、そういったまじめな作りが 世界に対して存在感を与えている。3次元空間のまじめな再現の上に、 ちゃんとゲームとしてのスパイスが効いている。
「マジックカーペットDX」は、やり始めてみると、特にゲーム性が面白いとか、 遊ばせてくれるゲームバランスだとか、とっつきが良いとかいう印象はない。 どちらかというと、 「特上の箱庭を用意しました。あとは自由に飛び回ってください。」 という突き放した感じがある。 それでいて、後半の世界を見てみたい、 いろんな魔法を使えるようになりたい、という衝動を覚えさせる。
主人公とほぼ同じ特性のライバルキャラクターが同じ箱庭の中を 飛び回ったりしているのも、世界の存在感をより強くするのに 一役買っているようだ。
まだそれほどやり込んでいないのだが、肩肘張らず、あと1週間でクリアしよう とかいうのでもなく、気が向いた時に箱庭に飛び込んでみたくなる、 そんな「箱庭感」が素敵なゲームである。

■落ちモノ・ラッシュ

操作が単純だと、ゲームへのとっつきが良い。落ちモノは、基本的には左右二 方向のレバーがあれば成立する。下方向にレバーを入れるとブロックが速く 落ちるのは、上級者に対するサービスで、無くてもゲームは続行できる。 落ちてくるブロックの形状を変えるために、1つ以上のボタン等があっても いい。単に落ちる場所を操作するだけでは奥が浅くなるし、2つ以上ボタン があるとゲームは複雑になり、とっつきが悪くなる。
フィールドの大きさ、邪魔ルールなど、落ちもののゲームバランスを決める 要素はいくつもあるが、もっとも重要なのは、「どうしたら消えるか」という ルールそのものである。「テトリス」は横一列が揃うことで消えた。単純な 【充填型】だ。「コラムズ」は部分的に縦横斜めに同色セルが3つ以上揃え ば消えた。「ぷよぷよ」は、直角方向に4つ以上セルが連結すれば良い。 【同種接続型】とでも呼ぼうか。「コスモギャング・ザ・パズル」 のように、落下ブロックの中に動き出すセルがあって、大量にセルを 消せる場合もある。【アクティブセル型】としておく。これらの 複合型も考えられる。現に、「コスモギャング・ザ・パズル」は、 コンテナが横一列に並ぶと消える【充填型】のルールも含んでいる。

いろいろな副作用や邪魔ルールの複雑化でオリジナリティーを出そうと しても、落ちモノのアイディア自体は出尽くした感がある。ゲームセンター に行くと、これでもかとばかりに落ちモノゲームが出ているが、その大半 は【同種接続型】である。落ちる量と消せる量が拮抗していれば、どんな 消すルールでも落ちモノは成立するのだから、もっといろいろな アイディアが出ても良いのではないかと思う。オリジナリティーを出すために ルールを複雑化する傾向が強いが、私は、消えるルール自体は斬新で、 それ以外は何もつけ足さないような落ちもので、簡単で面白いものも、 まだ可能性的にはいくらでもありそうな気がするのだ。
数字の和が一定になると消える落ちモノがあった。アルファベットが 落ちてきて単語が出来ると消える落ちモノでも、罫線キャラクタが 落ちてきてループが出来ると消える、でもいい。同種でなくとも、 男セルと女セルが隣接するとくっついて消えてもいい。こういうのを 【パターン完成型】と呼ぼう。完成するべきパターンがゲームで 決まっているのではなく、パターン自体をプレイヤーが変えていく ことでゲームが進行するようなゲームも考えられないだろうかなどと 思うが、これは落ちモノの範囲を超える。
比較的手薄な【アクティブセル型】にはまだ色々な可能性がありそうだ。 火と木と空き地のブロックが落ちてきて、たまに水のブロックが落ちて くるなら、燃え広がる森林火災と消火活動よろしく、連続して燃えている セルを一気に消すと快感なゲームにしても良い。この 場合には「水」がアクティブセルになる。火を燃え広がらせて色々なモノ を燃え尽くして消して行く破壊的なゲームの方が単純でウケるだろうか? その場合には「火」がアクティブセルになる。

最近、ゲームセンターには色々落ちモノライクなパズルゲームもある。 しかし、その中でも、「ねらってチュー」や「まほうじゅく」のように、 カーソルを動かしてフィールドの任意のブロックに作用できるような ものは、4方向レバーでプレイするのがちょっともどかしい。 マウスでやるゲームとしては、今後発展していく可能性はあると思うが。

とっつきのよさに定評のある落ちモノ。「スーパーパズルファイターIIX] のように、いろんな要素を詰め込んで色物に走るのも良いが、 「どうしたら消えるか」というルールそのもの自体が斬新で、 そしてゲームそれ自体はシンプルであるような落ちモノを、私は望んでいる。

■シューティング

縦スクロールシューティングというと、キャラクターが上から眺めた 図になるので、「高さ」が表現しづらい。キャラクターの巨大さや、 重力に従った動きを表現するにも適してはいない。 そのためか、平面内での「撃つこと」、「避けること」の快感を 純粋に追求していくようなストイックさを感じる。 どうも私には、縦スクロールというと「硬派」で、横スクロールというと「色物」、 というイメージがある。そんな先入観のせいで、私は、ゲームセンターで 一気に燃えてプレイするには縦スクロールシューティングを、 家でじっくりパターンを覚えたり仕掛けを楽しんだりするのに 横スクロールシューティングをチョイスするようになった。 まぁ、横長のモニタを縦にできるのはゲームセンターだけだから、というのも 理由にはあるだろう。

色物横スクロールの中でも「ダライアス外伝」は名作だと思う。セガサターンの おかげで、家でゲームセンターと同じクオリティのゲームを楽しむことができる。 「ダライアスII」は、ゲームセンターでは「ダライアス外伝」よりもずいぶん前の ゲームなんだが、セガサターンでは後に出た。ゲームセンターでは2画面筐体で あったので、家庭用に移植するにあたっては、自由に拡大縮小できるように してある。2画面全部が収まるまで縮小すると、キャラクターがちっこくて 弾避けもやりづらい。逆に、「ここぞ」という時に拡大して微妙な弾避けをする ようなプレイが出来るようになってくると楽しい。
そう考えると、縦スクロールシューティングでも、拡大縮小システムを導入する ことで、同じような楽しみが出来るのではないだろうか。 でも、単純明解にスカッと遊べる縦シューに、拡大縮小なんてボタンを2つも 余計につけ足すのは忍びない。だから、ゲームシーンごとに自動的にカメラを 思いっきり引いたり近づけたりする、という演出をしてみると良いのでは、 と思う。狭い通路を微妙な弾避けしながら進むときは思い切り拡大する。 自機も大きく映るし、動きも画面上では速くなる。 逆に、宇宙空間で遠方の巨大戦艦と戦う時にはカメラを思いっきり引く。 格闘ゲームなんかだと、2人のキャラが丁度画面に収まるように カメラアングルを調整するけど、シューティングでもそのような 演出を自由に使ったら面白いんじゃないだろうか。 邪魔なだけかな?
シューティングは、単純に遊びたい。だから、演出に期待しちゃうんだよね。

■大型筐体モノ

格闘ゲームに乗り遅れて、リサのパンチラ見たさに(爆笑)「ラストブロンクス」 をやる以外にはバーチャファイターも鉄拳もやらない私にとって、 ゲームセンターに行ってプレイするものといえば、なんといっても 大型筐体モノ、特にドライブゲームである。ところが先日、妙な筐体を 見かけた。

namcoの「プロップサイクル」は、筐体が自転車という馴染みやすさ、 風船を割っていくだけ、というシンプルなルールで、期待させるものがあった。 フライトシミュレーターとか好きな人には、あの飛行感覚は 結構良いんじゃないかなぁとも思った。でも、ゲーム自体がもつとっつきの 良さに比べて、遊ばせ方が今ひとつ、という感じがする。 一番易しいビギナークラスのプレイを見ていると、慣性をうまく操れない 人が多いのはまぁ仕方ないとして、どこに風船があるのかわかんなくなって、 後半広場をうろうろして終わっちゃうという人が結構多いのだ。
「ちくしょう、目の前に風船があったのに、間に合わなかった!」 とかいうなら、もう1コイン入れる気も起こるが、道に迷って何して よいのかわからないままにタイムオーバーを迎えた人は、 二度とコインを入れないんじゃなかろうか。
おいらは、取りあえず我慢して数回やってビギナークラスのクリアに 漕ぎ着けた。感想としては、地形とか風船の場所とかを覚えなくても、 ドライブゲームよろしく人力飛行の楽しさと操縦技術を純粋に楽しめれば良い、 というゲームに仕上げてくれれば良かったのに、と思う。 しかし、人によっては、一本道でなく、 自由に空間を漕ぎ回れるように仕向けてあるこのゲームバランスを 評価するのかもしれない。 飛行感覚は結構面白いので、おいらも、1ゲーム100円になったら もうちょっとやってもいいかな、などと思っている。
でも、いまはまだ1ゲーム200円なので、結局今日もセガラリーかデイトナを やるんであった。 プロップサイクル(c)namco (archade)

■NIGHTS(SegaSaturn)

良いゲームだ。しかし、ボス戦で比較的何をしていいかわからないという 状態に陥る。通常面は、意地悪もなく、本当に好き放題、飛行感覚を 楽しませてくれる。やっと最終フェーズを除く6面全部を見たが、 全ての面で最低でランクCに到達していないと最終フェーズに入れないのに、 おいらはほとんどランクDかE。修業が足りなすぎるっすね。 もう少しやり込んでから、きっちりレビューしたいと思う。 初心者を引き込んでいくゲームバランスなど、 分析する価値がある点も多数あるから。
何面だかの'soft museum'で、背景が主人公の飛行風圧でふわっと凹んだり するのは、なんだか凄いぞ。SegaSaturnのスプライト(ポリゴン)は 曲面状に変形させる機能もあるんだ、とかいう記事を何かの雑誌で 読んだけど、こーゆーことかぁ、と納得しました。はぁ、すごいね。
ゲームとしての完成度がここまで高いと、逆に画面の粗さが気になる。 ドット丸見えのボツボツって感じ。NINTENDO64なんかは手前のテクスチャを ぼかしたりできるし、綺麗だよね。
NIGHTSは、基本的には単純なゲームで、3D効果を全部とっぱらって 2Dゲーム(横スクロールアクション)にしてもだいたい成立するルール なんだけど、こういう単純さが好きだなぁ。3D空間の中を本当に 自由に飛び回れるゲームだと、なんかフィーチャーが散漫になって、 エキサイティングなゲームにならない。より単純な操作で遊ばせてくれて、 演出はすごい。スピード感もあるし。3Dはこうでなくちゃね。
ま、ちゃんとした評価はクリアしてからってことで………。
NIGHTS(c)SEGA (SegaSaturn)