人間同士の議論を、より有意義なものとするために |
限られた人生の時間を泥沼議論で無駄にしないように。 議論のための議論を繰り返さないように。 僅かな自尊心を保持するために価値ある結論を捨てないように。 |
見方を変えれば、以上の項目の全部「逆」をやれば、 簡単に議論を泥沼化させることが出来る。………時々見掛けますね、コンナヒト………
- 何か答えを言う人に片っ端から反論のみをぶつける。 相手の意見のコンテキストは故意に軽視、無視し、 自分の意見だけを繰り返し強調して、 相手の意見など取るに足りないと言わんばかりの態度を取る。
- 客観的内容より主観的感情を重視する。 「そんなことを言うような程度の人間なら、お前という人間は 一生大したことも出来ないまま死ぬだろう。」などと、 人格自体を徹底的に貶(けな)しまくる。 相手の些細な間違いをしつこく繰り返し指摘し、 相手が誠実に客観的内容を重視して非を認めても、 その間違いを犯した原因をしつこく繰り返し追究し、 感情を逆撫でることに専念する。
- 自分の実生活と結びつかない抽象論で、 具体的な答えも出そうになく、 古来から諸説紛々としている問題を混入させる。 自分の素性は決して明かさず、いつでも煙に巻けるようにする。 いかなる決着も得られないよう、周到に用意する。
ネットの特性 対策 文字だけの議論であり、行き違いが多発する 用語を、なるべく標準的、辞書的な意味で使う。 (「自分独自の単語の定義」を説明し続けるのは時間の無駄。) 文章表現は丁寧に、適切な敬意を含むように。 感情や表情を伝えづらい 先ず、共感を示す。(共感できる部分を示してから、 自分の立場を述べる。いかなる意味でも共感できないなら、 コメントを返さない方が良い。 しかし、力強い反論を述べようとしている時でさえ、 どこかで共感したからこそ、コメントを返そうと思っているものである。) 情報は質より量 100の情報流のうち、1でも自分にとって価値がある情報が得られたら、 それで十分である、と考える。(99の無駄に腹を立てない。) 匿名性のためにモラルを破る心理障壁が非常に低い 非礼なコメントには絶対に応答しない(スルーする)。 共通の目的や背景を持たない、さまざまな人が参加する 発言者の立場や人格などには触れず、発言内容の論理性のみに集中する。 テーマが曖昧 テーマを提示する者はそのスコープを明確に示すよう心掛ける、 コメントをする者は定義されたスコープを逸脱しないよう心掛ける。 情報が簡単に削除される 議論の過程や自分の発言に、今後振り返って参照する価値があると思ったら、 内容を自衛的にバックアップしておいた方が良い。
言葉の表面的な意味と真意は一致しないものです(笑)
決まり文句 意味 真意 「ここだけの話」 知っている人の少ない、価値の高い情報を、これから話しますよ。 あっちこっちで同じ話をしているんですけどね。 「絶対です」 間違いありません、信じてください。 論理的に説明できないほど曖昧なんです。 「逆に言うとね」 同じことを反対側からも見て、より多角的に分かりやすく説明します。 逆でも何でもないんだけど、もう一回聞いてくれ。 「3つの観点から回答します」 分かりやすく整理して言いますので最後まで聞いてください。 2つめを言い終わるまでに3つ目を考え付くから、最後まで聞いてくれ。 「要するに」 これまでの議論の本質を簡単に説明します。 今まで以上に長くなるかも知れないけど、オレの話を聞け。 「基本的には」
「原則的には」より本質的な、核心を捉えた言い方をしますよ。 自分の好みをまくし立てますよ。 「だから」 既に言っていると思いますが、念には念を入れて繰り返します。 お前は頭が悪いんだから、黙ってオレの話を聞け。 「分かりました」 あなたの言うことを理解しました。 あなたの言うことはこれ以上聞きたくありません。 「なるほど」 真意を理解しました。 真意を理解するか、反論を構築するまでの、時間稼ぎをさせてください。 「ぶっちゃけた話」 秘密で、かつ、付加価値の高い話を今からします。 自分でも良くわかっていないが、オレの言うことを聞け。 「善処します」「前向きに取り組みます」 可能な限りの努力をしてみます。 理屈としては分かりましたが実行に移すつもりはありません。 「遺憾です」 残念なことだと思います。 責任を取るつもりはありません。
◎参加者の基本的心得
◎ジャッジの基本的心得
『7つの習慣 〜成功には原則があった!』
スティーブン・R・コヴィー著 キング・ベアー出版
7つの習慣の構造: (1)第一〜第三の習慣:「私的成功」 まず自分をしっかりさせる。 (2)第四〜第六の習慣:「公的成功」 その上で、他者と発展的な関係を築き上げる。 (3)第七の習慣: 第一〜第六の習慣を支える基礎力を普段から養う。議論をする前に、自分をしっかり持とう。 そして、多数の人間同士が関わり合う社会の中で、 何のために議論をするのか、目的意識を明確に持とう。
この本に書かれている内容が成立する条件や社会的背景には多少の注意を要する。 例えば、キリスト教的契約社会の色が濃く、 『あらゆる人間は、同じ良心を持つ』という 根源的公理を仮定しているように思われる。 よって、誠意は必ず伝わり、人々は一致団結できる、と結論される。 恋愛や友人関係といった卑近な話題にも役立つ面はあるが、 理性より感情が優位にならざるを得ない領域への適用には限界がありそうだ。 一方、「良識ある人々が集まっていると仮定される」 ビジネスのような世界では、 この考え方は最大の威力を発揮すると思われる。 特に、良識があり、経済的にある程度満たされており、 社会的にそれなりの地位のある人には、 この本はインパクトがあるに違いない。 何故なら、そういう人々は、この本に書かれているような理想的な習慣を 「実施する余裕があると自認し」、 かつ「怠けてそれをしていない」と思うに違いないからだ。