ミミズとのであい


 幼少の頃より植物を育てることに興味がありました。
 大人になってからは仕事が忙しく庭いじりなどをする余裕もなく日々を過ごしていたのですが、結婚し、子供が産まれた頃から、子供の情操教育のためにもと再び植物を育てはじめたのです。
 植物を育てている人なら、誰でも考えることでしょうが、私も何とかして「良い土」を作りたいと考えていました。そんな時にインターネット(多々良さんのホームページ)でミミズコンポストと出会ったのです。1999年の初夏頃の事でした。
 ミミズのいる土壌が良いということは一般的な常識のレベルで知っていましたが、もっと積極的にミミズを活用して生ごみを処理している人がいると知ったとき、「これだっ!」と思いました。更に調べてみると、ミミズの糞やミミズコンポストから出る液肥が大変肥料効果が高いそうです。
 自分もやってみようと、私の生活環境の中でミミズを飼育する方法をあれこれと考えてみました。家族にも相談したのですが、細長い物が嫌いな妻からは当然の事ながら反対され、それでも、「良い土が出来るから」とか「絶対に迷惑かけないから」とか色々説明し、ほぼ強引にミミズを買ってきてしまったのです。
 1999年8月29日、3歳の娘と一緒に釣具屋さんに出掛け、そこで釣り餌用ミミズ「りんたろう」を1箱買ってきました。早速、身近にあった発泡スチロールに園芸用の腐葉土を入れ、そこに買ってきたミミズを入れてあげました。ミミズ箱1号の誕生です。こうして我が家のミミズコンポストは始まったのです。


その後の経過

 1999年11月3日
 ミミズコンポストを始めてから2ヶ月が過ぎたのに、なかなか思うように生ごみが減ってくれません。ミミズの卵らしき物はいくつか発見出来たものの、肝心のミミズの数が全く増えていない様子です。
 そこでミミズを追加することにしました。釣具屋さんからつり餌用ミミズを2箱(「りんたろう」と「熊太郎」を各1箱)買ってきました。試しにミミズの数を数えてみると、どちらの箱にも70〜80匹入っていました。ミミズの値段は「りんたろう」が1箱336円(税込)、「熊太郎」が1箱346円(税込)でした。当初購入したものと合わせると、これまでに約230匹を1018円で購入したことになり、計算すると1匹あたり約4円40銭になります。
 ミミズ箱も追加することにしました。ミミズ箱2号の誕生です。ホームセンターでボックスと網トレー3枚を購入し、網トレーに腐葉土とミミズを入れ、それをボックスに入れるタイプのミミズ箱にしました。いずれは網トレーを何段か重ねる予定でして、キャノワームの構造にヒントを得て作ってみました。
 この頃、積極的にミミズコンポストに取り組んでおられる方のホームページ(佐原さん)と出会いました。思っていたほど成果が上がっていない我が家のミミズ箱に対して感じていた疑問を、そこの掲示板で思い切って質問してみました。11月20日の事でした。
 それまでミミズ箱1号の蓋には空気穴を開けていたのですが、底には穴を開けておらず、雨水が空気穴から発泡スチロールに入り込みミミズ&腐葉土がどっぷりと水に浸かっている事もありました。今から考えると良くもまぁミミズが全滅しなかったものだと恐ろしくなります。

 1999年11月27日
 東京・霞ヶ関の国立教育会館で開催された「第2回ミミズシンポジウム」に参加。ここで、佐原さんのお話を聞かせていただき、相模浄化サービスの関野さんが持参されたキャノワームの現物を拝見させていただきました。
 この頃から徐々にミミズ道へのめり込んでいく自分を感じ始めていました。

 1999年11月28日
 また別のタイプのミミズ箱を作りました。ミミズ箱3号です。ミミズ箱から液肥を簡単に回収する方法を考えているときに、ホームセンターで生ごみ処理用のEMぼかしバケツを発見しました。これには底にスノコが敷いてあり、その下に生ごみから出た水が溜まるようになっています。更に、その水を抜くための蛇口(?)までついていて、これなら簡単に液肥が回収できるじゃないかと思ったのです。3つほど種類があったのですが、一番安いバケツを11月21日に買って保管してました。

 1999年12月31日
 ミミズの寒さ対策が心配になり、ホームセンターで棒温度計339円(税込)を買ってきました。
 家族に迷惑をかけないと言ってはじめたミミズコンポストなのですが、大晦日に年越しの準備もせずにこんな事をしているなんて、しっかり迷惑かけていますよね。この頃になると妻も呆れ返っておりましたです。はい。

 2000年1月
 ミミズ箱3号で異常事態発生。ある日のこと、久しぶりにミミズ箱を覗きに行くと、物置の戸を開けた途端、強烈な異臭が我が鼻を襲いました。
 異臭の元はミミズ箱3号でした。数日前に大量の大根っ葉を入れていたのですが、これが良くなかったようでして、ミミズ箱内部は完璧に嫌気状態となっていました。そして、堆肥液受けの部分を見ると、何やら液体のような物が…、蛇口をひねってみると中から出てきたのは、ドロドロに溶けたミミズ達でした。ヒェェ〜、思わず叫び声が出てしまいそうになりました。
 そのままバケツごとゴミに出してしまおうと思った程でしたが、何とか腐りきった大根っ葉と溶けたミミズを取り出しゴミ袋に詰めました。そして、バケツはきれいに洗ったのですが、さすがに受けたショックは大きく再びミミズ箱にする気力が出ませんでした。

 2000年4月22日
 冬の間、さぼっていたミミズのお世話を復活。
 ミミズ箱のリニューアルを試みました。ミミズ箱1号(発泡スチロール)の詰め物を新しい腐葉土と入れ替えました。作業工程はミミズ箱の中身を大きめの発泡スチロールの箱にあけ、原始的な方法(割り箸を使って)でミミズと腐葉土を分けたのです。ほぼ半日がかりの仕事になってしまいました。この時にミミズの数を数えてみたのですが、今となってはその数字をハッキリと覚えていません。だいたい300〜400匹ぐらいだったのではないかなと思います。一応増えている傾向に嬉しくなってしまいました。古い詰め物(腐葉土)はプランターなどの植物に献上いたしました。
 ミミズ箱2号の方は、これまで1段だったものを2段に増やしてみました。これまでの網トレーの上に、もう1段網トレーを乗せて、その中に詰め物としてヤシ繊維を入れて生ごみを入れ、その上に濡らした新聞紙をかぶせました。こうしておけばキャノワームと同じように、下のトレーにエサがなくなればミミズ達は上のトレーにお引っ越ししてくれて、下のトレーのをあけるときにミミズと腐葉土の選別をしなくて済むと思っていたのです。しかし、そんな人間の思惑とは裏腹に3ヶ月経った7月31日でも下のトレーにはしっかりとミミズが残っていました。

 2000年5月
 昨年の秋に生ごみと一緒に入れた柿の種が発芽しました。これをミミズ箱から出して鉢に植え替えてあげました。肥料はもちろんミミズの糞とミミズ箱の液肥を与えています。8年後が楽しみです。

 2000年6月
 これまでミミズ箱を設置していた物置を解体することになり、ミミズ箱を軒下に移動したのですが、ちょうど梅雨の季節と重なりまして、軒下とはいえ若干の雨水がミミズ箱に入ってしまう状況になってしまいました。併せて、この頃より季節物のスイカが出始めたのでミミズのエサも必然的にスイカの皮が増えました。こうした影響か、これまではほとんど出てこなかった液肥が頻繁に出てくるようになり何となく嬉しいです。液肥はもちろん植物にあげているのですが、何となく昨年より植物の生育が良いように感じます。

 2000年7月30日
 近頃、異様にミミズの数が増えているように感じます。割り箸で腐葉土をほじくると、以前は探さないと見つからなかったミミズが、今ではどこをほじくってもミミズが割り箸に絡まってくるようになりました。これでは人口密度?が高すぎてしまうと思い、そろそろ新しいミミズ箱をと考えているのですが、適当な容器が見つからないので、取り合えずの応急処置として詰め物を増やしてあげました。

 以上のようにして現在に至っているのですが、この後は、「経過報告」のページをご覧下さい。又、ミミズ日記では、リアルタイムに経過報告していますので、これも併せてご覧いただけると幸いに存じます。

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