イクミンから新創刊

時代が生んだ問題・歪みを徹底的に暴く


第一回

玩具ジャンキーの実体

最近、新聞でも話題の玩具ジャンキー

しかしその実体は把握できていないようだ

我が編集部ではこの度 一人の玩具ジャンキーに接触を試みた

玩具ジャンキー その実体は はかり知れない物だった....

 

5月1日午前 横浜

我々が知る情報は、極度の玩具ジャンキーは寂れた玩具屋に出没するという

我々は横浜市の某玩具ジャンキーがよく出入りしている玩具屋に向かった

寂れた商店街にその玩具屋はあった

店内に入る ほこりが凄い

私は早速情報を得ようと店主に取材を試みようとした時

彼はいた...

箱を出しては、その奥からまた箱を取り出し

何かに取り付かれたように物色をしている男がいた

手は真っ黒で汚いジャージを着ている

「トランスフォーマー」と小声で呟いてる

私は彼に接触を試みた

ikumin(以下i)「何をしているんですか?」

「探してるんだよ」

i「何をですか?」

「最高の物さ そいつがあれば天国が見れる」

間違いない...

私は彼に事情を説明し 松屋でのインタビューを承諾してもらった

 

5月1日午後 横浜松屋

(以下 R氏)は、5年前にこの世界に入ったそうだ

R「今年の頭までは超合金で、ぶっとんでたよ 冷たくてキモチイんだよ」

カレー牛に手を付けながら語る

「高い物ほど やっぱ すげぇーんだよ 合体系なんて 3日は寝ないでも とびっぱなし」

i「最近話題のSPAWNはどうなんですか?」

R「あー なんかすげぇー粗悪品の合法物? あれで若者が一気に増えたよ」

「試したけど 全然駄目だよ やっぱ合法物は駄目だな」

「SPAWNでもナマモノだとすげぇー 熱いんだけどな 心臓にくるよ」

「ホントに合法か? ってぐらいすげぇーぜ もうすぐ規制が入るんじゃねぇーか?」

i「そういった物は何処で手に入れるんですか?」

R「まぁー 色々だけど」

「一番多いのはイベントかな」

i「イベント?」

R「あー すげぇー 好き者の集まりがあるのよ」

「そこで買うのが多いよ 売ってる奴もみんなジャンキー」

「あとは玩具屋だな」

「探しに行くのよ 口コミとか飛び込みでさ」

「最近なんて、冷たいのやりすぎて 仕事やんなっちゃって」

「旅ばっか打っててさ」

i「今年の頭まで超合金と言ってましたが 今は何を?」

R「いまぁ? トランスフォーマーとかマシンロボだよ」

「むちゃくちゃすげぇーんだよ もー打ちっ放しだよ」

「打ちながら変形とかするのよ」

「時間たつの忘れるよ あれは」

「でも、辛いんだよトランスフォーマーって」

「ものすごい数あってさ 把握さえ出来ない」

「まぁー 打ってる間は悩みなんて忘れちまうけどな」

「最近アジア産のチャイニーズホワイトにも心奪われてるよ」

i「チャイニーズホワイト?」

R「まぁー 世間で言うパチ物 混合物が多くて命に関わるけど たまんねぇーんだよ」

i「この先も玩具は止めないんですか?」

R「止めないね 止める執拗なんてないだろ?」

彼はそう言ってにっこり笑い

お冷やを飲み干し出ていった

 

今回の取材で私は、玩具がこれ程

人を狂わしてしまうことに驚きを覚えた

彼が言った言葉がまだ頭にこびりついている

「生半可な奴はどうせ届かない世界だから 心配することはないよ」

果たして今流行で玩具に飛びついている若者の中から

一体何人が廃人の世界へ招かれるのだろう...


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