イクミンから新創刊

時代が生んだ問題・歪みを徹底的に暴く 
第三回

変形玩具塾 男塾

5月某日、すしバー氏から変形を教えてる塾がある

「その名も男塾」と聞き

早速調査に行った

 

しかしそこで私が見たものは......

 

5月某日

海辺に位置するその塾の周りには、パトカーが止まっていた。

その中から、手錠をかけられた男が不適な笑みを浮かべ警官に連れられて出てきた。

「塾長!!」懇願するような声を出しながら泣き叫ぶ若者たち

私は困惑した。

取りあえず出直すことにした。

 

6月某日

再度、塾へと向かった。

こないだの様な喧騒は嘘のように静まり返っている。

ビルの中へ入り、一階の奥にある男塾という看板が立つ扉を開けた。

扉を開けた瞬間、ものすごい汗の臭いとウッ ハッ グァ という声にならない音が

耳をくすぐった。

 

奥の方から男が出てきた

「塾長は何も悪くないんだ帰ってくれ!!」

なるほど、いきなりそうきたか

私はまだ自分の身分、何しに来たかを

相手に言っていなかったので出方を考えた。

 

「塾に入りたくて来たんですけど」

「おー なんだそうでしたか これは失礼しました。」

「さぁ どうぞ中に入って見学でもして下さい」

「有り難うございます。」

「色々と塾の事をお教え願えませんか? 噂でしか聞いたことが無く何も知らないので」

「はいはい、いいですよ 私はここの中で三号生チーフをやっています」

「変形段位は三段です」

「そうなんですか」

チーフ「三年前に男塾は設立されまして今にいたるわけですが」

「あの...先程 塾長がなんとかとか...」

チーフ「あー 酷いんですよ ちょっとしたことなんですけどね」

「塾生がちょっとした事故で死んでしまったんですよ」

「フォートレスマキシマスってご存知ですか?」

「はいトランスフォーマーのですね」

チーフ「はいそうです。 あれの変形中にですね 恥部を挟まれて切断してしまって...」

「それは災難でしたね」

チーフ「ええ それで塾長が警察につれてかれて色々聞かれているんですが」

「なかなか帰ってこないんですよ」

「そうですか ただの事故にしてはおかしいですよね」

チーフ「そうなんですよ マスコミもうるさいし大変なんですよ」

「しかし みんな一生懸命変形させてますね」

チーフ「ええ みんな早く有段者になりたいんですよ」

「私、これからちょっと○○支部のほうへ行かなきゃいけないんで」

「あっそうですか」

チーフ「どうぞ ゆっくり見学していってください」

「有り難うございます。」

 

ガシャカチャカシャカシャ 静まり返る塾内に響く変形音

 

「あのー」

「はい」

「あなた...ほんとはマスコミの方じゃないんですか?」

「違いますよ」

「そうですか...」

「どうかしたんですか?」

「わたし知ってるんです....」

「何をですか?」

「塾長が...」

「ちょっとまって...あとで電話くれるかな? これ ここに電話して」

「はい 私、アルテミスって言います」

「じゃ 今夜にでも電話くれるかな?」

アルテス「はい」

私は、塾を後にしてオフィスに戻った

 

その夜、約束どおり電話がかかってきた

アルテミス「あの...塾長がムーンを殺したんです。」

「えっ? ムーンって言うのはフォートレスマキシマスに恥部を挟まれたっていう?」

アルテミス「はい そうです」

「ムーンは塾長の大事にしてたメガトロンを壊してしまったんです。」

「前からあの子 塾長のメガトロンをいじくりたおしたいムーン」

「って言ってたんです」

「ある時、塾長がメガトロンを出しっぱなしにしたまま 他の支部へ出かけたんです」

「みんなは、あれは有段者でも難しいんだぞ こわしたらどうするんだ やめとけよ」

「って止めたんですけど...」

「ムーンは変形させちゃったのか」

アルテミス「はいそうです ロボットに変形させて銃に戻すときに...」

「塾長が戻ってきて焦ったムーンは...」

「そうか」

ムーン「それでおこった塾長はスタースクリームを投げつけて気絶したムーンを」

「シザーボーイのハサミで恥部を...」

「なんて事だ...」

ムーン「あの子のことは私から聞いたって言わないで下さいね」

「ああ 有り難う」

 

電話を切り 一服して 私は筆を取った

○○警察宛てに....

今回、私が求めていた情報ではなく思わぬ結果になってしまった。

変形、それは未知との恋

変形に恋して変形に死ぬ

変形に焦がれた若者の道標たる塾長がおかしたこの罪

はたしてどう波紋を呼ぶのか

私が思うのはただ一つである

死ぬのが恐けりゃ変形に手を出すな

君は変形中に現れる悪魔を見た事があるだろうか?


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