イクミンから新創刊

時代が生んだ問題・歪みを徹底的に暴く 
第四回

玩具怪談

初夏の太陽が照りつける

俺のデスクの電話が鳴った

 

「もしもしイクミンです」

「あのー すいません ちょっと面白い話があるんですよ」

「どんな話なんですか?」

「いやね、信じてもらえるかわからないんですが...」

 

以下の文はA氏が告白した内容である。

 

去年の夏なんですけどね

僕は友達と玩具屋周りをしていたんですよ

ふと とある寂れた玩具屋を見つけましてね

こりゃー なんかあると思って僕とB君は勇み足で中に入っていきました

ビックリしましたよ

いきなりジャンボマシンダーの

店頭ディスプレイ用のグレートマジンガーがあるんですから

まぁ中はそれ以外は何も残ってなくて

子供バザーに出したらしいんですけどね

僕は早速 店主にジャンボマシンダー店頭ディスプレイを

売ってくれと交渉しました

所が、100万出すって言ってるのに譲ってくれないんですよ

どうしても欲しいんだって言ってるのに全然ダメで

しかし、いいかげん店主も疲れたのか

わかりましたいいですよ

ただであげます その変わり何があっても責任は取れないよ

なんて言うんですよ

でも僕は嬉しくって

その時はなんにも気にしないで店主に何度もお礼を言って

その場を後にしました

で、横浜に戻り

僕はそのまま仕事にいかなければいけなかったので

友達の家にあずけておいたんですよ。

仕事場でねー 自慢したんですよ 凄いのが手に入ったって

そしたら同僚がこんな事いうんですよ

 

2年前にそれを手に入れた奴がいるんだが、変な電話がかかってきてそいつ死んだんだ

結局グレートマジンガーは店に戻ったって話だよ

 

ん?なんだそれ

変な電話ってなんだ?

 

私にグレートをxxxxxxxって言うらしいんだ

 

へっ? xxxって何?

 

なんか聞き取れないらしいんだよ

 

馬鹿馬鹿しい

 

仕事も終わり 友達の家にグレートを取りに行くために電話をする

 

おー それじゃ恵比寿で待ち合わしてモンジャバ寄って飯でも食べるか

 

そうだな そうしよう

 

そういえば変な電話があったんだよ

私にグレートをxxxxxxxって言うんだ よく最後の部分が聞き取れないんだよ

 

えっ?

まぁとにかく7時に恵比寿な

 

ああ..

 

所が友達は時間になってこない

しょうがないから家に帰ったんです

そしたら友達のお母さんから電話で

 

息子が交通事故で亡くなりました

 

背筋が凍ったよ

その後 B君の母がマジンガーを届けに来たんだ

 

そしてマジンガーが届いて3日後

仕事の関係で商談の為の電話を待っていた

トゥルル トゥルルル トゥルルル

ガチャ

はいもしもし

私にグレートをxxxxxxx

......

もしもし

私にグレートをxxxxxxx

とうとうきたか....

僕は何を言っているか聞き取ろうと必死になった

私にグレートをxxxxxxx

私にグレートをxxxxxxx

私にグレートをxxxxxxx

次第に意識が朦朧としてる中

私にグレートをかえxxxxx

えっ?

私にグレートをカエシテクレル

僕は答えた

ああ 返すよ

 

マジンガーは返しましたよ

でも、そのおかげで僕はここに入れるんですけどね

信じてくれないでしょ こんな話し それじゃ

 

出来れば信じたくない話しである

というのも 私は

トゥルル トゥルルル トゥルルル

電話番のバイトを雇わないとな...


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