旅日記「2009年9月3日〜5日 上海」

ここ最近はすっかり上海ばかりに行くようになっている。
理由は物価が安くて食べ物が美味いから。さらに玩具屋が一カ所に集中しており、その中心部に宿を取るため、半日もあれば玩具屋をまわりきれてしまうという便利さもある。
僕自身に子供ができたことで長く家を空けられなくなったため、台湾を1週間以上かけて楽しむことができなくなったのも理由の1つだ。
そんなわけで今回の上海遠征も2泊3日の短い旅程になった。

3日(初日)
18時半ごろ定宿に到着。
チェックインを済ませ、部屋に荷物を置いてすぐに外出。
定宿は玩具屋や玩具問屋の密集している場所なのだが、その手の店は17時に閉店になるため今日のところは玩具欲は我慢(デパートなどをまわれば玩具は買えるのだが)、それよりも酒と飯への欲求を満たすことにする。
ホテルからしばらく歩き、馴染みの酒屋で紹興酒「雕王(デャオワン)」を購入。店のオヤジが笑顔で「蟹に合うよ」と言ってきた。そういえばそろそろ蟹がうまいシーズンだ。
馴染みの酒屋の近く、同じく馴染みの飲屋街に到着。
行きつけだった「沈永和紹興酒店」が先月閉店してしまったとを飲み友達である友人から聞いていたのだが、実際に別の店になっているところをみると感傷的な気分になってしまう(その友人も先月上海から撤退してしまった)。


在りし日の「沈永和紹興酒店」


現在は麻辛湯屋になっている

「沈永和〜」のかわりになる店が見つかるとも思えないが、立ち並ぶ飲み屋をのぞきながらとおりをぶらつく。
途中屋台のDVD屋で中国製特撮番組『鎧甲勇士』や中国製アニメ『百変机獣』の第2シーズンが収録されたDVDを発見したので購入。ついでに、某有名変形ロボット作品の劇場版2作目や、某フィギュアの劇場作品のDVDも買ってみた。


『鎧甲勇士』は戦隊ヒーローやライダーを意識した特撮作品
『百変机獣』は正義と悪の2派に分かれた変形ロボットが戦うCGアニメ
どちらも日本作品の影響を強く受けているが、質が高く面白い

結局食いものの方は、店頭で気になったシャコを丸茹でしたものと、回鍋肉、炒飯を帯走(テイクアウト)してホテルで食うことにした。
ホテルにもどり、テーブルをセッティングしてDVDを眺めつつ紹興酒を飲みシャコなどをぱくつく。
シャコはけっこう美味かったのだが、身が小さく殻を剥く手間と比べてワリに合わない感じ。さらに丸のままの姿は昆虫の様で見た目で拒絶反応な人も居るかもしれない。僕自身も食べているうちに「何を食っているんだろう?」という気分にさせられた。


ペットボトルの黒い液体が紹興酒
酸味と甘味が強くて美味い

シャコ
味付けは塩ゆでの塩味だけだった


4日
今回は日程的に短いため、丸一日使えるのは本日のみ。
6時頃に起き7時にはホテルを出た。
朝食は昨夜行った飲屋街。
朝になると朝食系の屋台がならんでいるので毎回それ利用しているのだ。
いつもの定番は おこわ と炒飯の中間のような「三鮮豆皮」なる料理だったのだが、いつも利用していた屋台が無くなっていた。すぐ近くに同様の屋台がオープンしていたのだが、見た目は似ているものの味は格段に悪く非常にガッカリだった。
食後は近くの寺で参拝した後、玩具探索を開始。
上海の玩具屋は閉店が早い反面、開店時間も早く7時すぎにはどの店も(コレクターショップ系以外)オープンしている。
僕がはじめて上海に来て以来、馴染みにしている玩具屋に行くと店のあった場所がガランとしていた。
「馴染みの呑み友達、馴染みの飲み屋、馴染みの朝食屋台につづいて馴染みの玩具屋まで消えた!」
と、一瞬呆然となったが、よく見るとノートの切れ端のような紙に殴り書きで「10メートル先に移動しました」と書いたものが張られていた。
紙に書いてある矢印の方向を見ると、すぐに玩具屋を発見。
店主や顔なじみの店員も健在だった。
この店ではサングラスから変形するロボット、腕時計から変形するロボット(TF「ミーンタイム」のリデコ)、4輪バイクから変形する電動玩具などを購入。模型コーナーではイグルーカラーのドムやクリア版ストライクルージュなど、日本でイベント限定だったガンプラを見つけた。バンダイ製の正規商品で値段も日本での定価とおなじ(問屋価格なのでさらに値引き)だったのだが、個人的に興味が無いのでスルーした。
会計をしているとレジ奥にある携帯ゲームの棚にサイバトロンエンブレムとデストロンエンブレムを模した玩具を見つけた。どうやら『たまごっち』ふうのゲームになっているらしい。


時計ロボとメガネロボは同シリーズらしい
時計ロボは胸の形状が画像の四角の他に、円形と楕円が存在する
カラーバリエーションも豊富でパーツごとにランダムの組み合わせになっている
メガネロボの頭部デザインは以前入手したアメリカ版と異なっていた
カラーリングは画像の赤の他、黒と青が存在する


『たまごっち』ふうのゲーム
未プレイな為、内容は不明

別の店ではミッキーTFの拡大判、ムービー2デバステイターを意識した合体ロボが数種類、そして何故か中国では流行している『ダンガンレーサー』が変形するロボの玩具を見つけた。
先月くらいまではどの店でもロボットに変形や合体する『きかんしゃトーマス』が並べられていたが、どうやらブームは終了したらしく在庫的な物が残っている店があるだけで、新ネタとしては後述するチープ・プラモと、縮小版(以前発見したものよりもさらに小さい)があった程度。


ミッキーTFいろいろ(中央がオリジナル)
拡大判はピンク色のバリエーションも存在する


ムービー版デバステイターを意識した商品
ムービーカラーのG1デバステイターは自分用にも1個しか入手できなかった


ダンガンレーサーから変形するロボ
デザインと変形パターンの違う4種類が存在し、
カラーバリエーションは無数に存在する。


変形後
赤い方は中国版のダンガンレーサー


ダンガンレーサーのアニメ

また、食玩や駄玩具などのチープトイを扱う店では、ミッキーTFの食玩風プラモを発見。数個セットのアソート売りで、中には顔をドナルドにリデコしてあるものも含まれていた(変形はミッキーと同じ)。他に『百変机獣』の縮小版や、『バイオロイド』のチープ・プラモ、合体トーマスのチープ・プラモも発見した。


ドナルドはどうやらデストロンらしい
中身は食玩風のキット


トーマスとバイオロイドのチーププラモ
現在未開封なので中身は不明

玩具屋といえば最近馴染みになった玩具屋があるのだが、なぜかそこの奥さんがコカコーラをやたらとくれる。午前中に店で買い物をしていると3本渡され、午後にもう一度行くと今度は2本くれた(笑)。
じつはそんな事になるとは夢にも思わず、僕自身も到着してすぐにコンビニでコーラを2本(バニラコーラとペプシMAX)を買っていたのだ。
飲んでも飲んでも冷蔵庫にたまって行くコーラ。
しかもくれるのはミニペットサイズなのだが、中国のミニペットは日本より多めの600ml。しかも中国コーラは甘味が強く、平坦な味なので飲んでいて飽きてしまうのだ(社会評論社刊「コーラ白書」からの受け売り)。
正味1日半で自分で買ったものも含め7本ものコーラは飲みきれるわけも無く、日本に持ち帰る事になり飛行機のオーバーチャージ要因になってしまった(捨てれば良かったんだが)。


日本国内や海外のマイナーコーラが紹介されており
コカコーラやペプシの国ごとの味の違いが語られているマニアックな本
かなり面白い、いい意味でのバカ本

玩具屋まわりを一区切りつけ、自転車タクシーで上海の繁華街・南京路へ移動。
普段から履いていたニューバランスのスニーカーが、いいかげんペタンコになってきたのであたらしいスニーカーを買うことにした。
以前から気になっていたスポーツブランドの店が南京路にあったので、その店に向かう。

波線のようなマークが特徴的なこのブランド、名前は「アンタ・スポーツ(安踏体育)」。
中国のスポーツチームなども採用しているらしく、カッコいいスポーツウェアやスポーツシューズを発売しており、店の作りも非常にオシャレだ。
気に入ったデザインのランニングシューズを購入。
購入するともらえる紙袋にも、もちろん「かっこいいマーク」が入っていた。


南京路の路地にある蘇州式拉麺の店で蟹拉麺を昼食に食べた後は、デパートの玩具屋巡り。
南京路で玩具売り場のあるデパートは4軒。
今回僕が買おうと思っているのは、TFムービ−2の日本未発売レジェンドクラス(EZサイズ)。
前回来た時には、ほとんどのデパートで全種類が売られていたのだが、今回最初に入ったデパートで売られていた日本未発売ものはグラインダーのみ(なんとも微妙だ)、他のデパートをまわってもそろいがまばらで4軒まわってなんとかフォールン以外をそろえることができた。
その後、南京路から2ブロックほど離れたところにある大型書店「上海書城」へ移動。
DVDコーナーが目的だったのだが、玩具売り場をのぞいてみるとEZフォールンが1つだけ残っていた!(ラッキー!)
しかし目的だったDVDはとくに買うものがなかった……。


中国版のレジェンドクラスは、
裏面のほぼ全面に中文シールが貼られているため
変形説明書などが見えない
フォールンのような「正解がわからない」形状のものは苦労する

いったんホテルに戻り休憩(大量のコーラを1本地味に消費)した後、再度玩具屋巡り。
午前中に行かなかった玩具屋をのぞいてみる。
この店はケチなオバさん店員が基本的にボるが、品揃えだけは良いためニガニガしく思いながらも買ってしまう店。
他の店を全部まわって、欲しいものを適価で買った後で行くというのが毎回の作戦だ。
やはり今回も他所では見かけなかった『鎧甲勇士』の新戦士「帝皇侠」のフィギュアが入荷していた。


番組後半に登場する新戦士(パワーアップ姿?)


鎧甲勇士は5人の戦士に五行(木火土金水)が割り振られており、
帝皇侠は五行の中央に存在するという設定らしい


他にも午前中にまわらなかった小さな玩具屋や、フィギュア屋などをまわりチマチマ購入。ついでにカバン屋でスーツケースを値切り倒して購入したり、レインコート屋でなぜか「ピンクレディー」のレインコートを買ったりした。
行きつけのマッサージ屋で、歩き疲れを揉み解してもらいホテルへ帰還。
現地の友人と合流して飲屋街へ繰り出した。

5日(最終日)
帰国の飛行機は午後なので半日以上遊んでいられるのだが、まずは早起きして荷造り開始。
今回はそれほどドカンと買った覚えは無いのだが、なぜか帰りの荷物が過去最高の量になってしまった。
捨てて帰る予定だった古いスーツケースを利用し、それでもカバンひとつ分溢れている状況だ。
気付くともう10時だったので、宿の近所で肉まんを2つ買って軽めの朝食。
ついでに、カバン問屋まで出かけ簡易カバンを買ってくる。
簡易カバン(別名:浮浪者カバン)はペラっペラ激安のカバン。ビニールシートや不織布のような素材で日本でも雑誌コレクターの浮浪者がよく利用している。
中国では約150円ほど。念のため2枚購入した。
安いだけあって、荷造りを再会した途端にファスナーが弾けとんだ。
速攻で壊れたカバンを持ってカバン屋に返品しに行く。
この後に及んで、途中の玩具屋で玩具を買い込んでしまう。
玩具も増えたことだし、壊れたカバンは返品ではなく交換にしておく。
ホテルに戻り壊れなかったカバンに詰め直すと、概ね玩具をしまうことができたがカバンの強度が心配になってきたので、さらに交換したカバンを重ね2重に詰めることにした。
詰めた途端にまたファスナーが弾ける。
荷造りも終わったところで寺にお礼参拝した後、新しくできた小さな韓国料理食堂で昼食にする。
メニューは冷麺が「韓国式(汁なし)」と「朝鮮式(日本でおなじみの汁あり)」、他にビビンパやキムチラーメン、焼肉飯、トッポギなどがあった。
朝鮮式冷麺を注文し、調理場を見ていると石焼ビビンパを作りはじめていた。
石焼の器にビビンパの具材を入れ、そのままガスコンロにかけている。
そのまま見ていると、今度は冷蔵庫から目玉焼き(堅焼きの)を取り出して上に乗せている。
……なにかが違う。
冷麺は一応「ソレっぽい」ものが出てきたが、大量の香菜が乗っていたのがガッカリ。
香菜を避けて食べてみると、酸味が強いがあじはなかなかイケている。
半分ぐらいまで食べたところで、
「中国で火の通っていない冷たい食べ物を食べると食中毒になる」
という基本的なルールを忘れていたことに気がつく。
しかし、ここまで食べてしまってはしかたがないので完食。
その後、体調に変化が無かったのは寺にお参りしたおかげかもしれない。
でも美味かった。

で、なんやかんやしつつ帰国。
今回はいつにも増して荷物が多いため、(日本の)税関で揉めることを覚悟していたのだが、気味が悪いくらいに税関スタッフがフレンドリーだった。

職員「荷物が多いですけど中身は?」
僕 「玩具です。あのマニアなんで…」
職員「ハイハイ。なるほど、値段はいくらぐらい?」
僕 「中国のものだから凄く安いんですよ」
職員「なるほど、ちなみにどんな玩具ですか?フィギュアとか?」
僕 「変形するロボットとかです。」
職員「超合金とか金属製のヤツ?」
僕 「いえ、プラスチック製で……、なにか関係あるんですか?」
職員「いや(笑)、どんなのか興味があって(笑)」
僕 「びっくりしましたよ(笑)」
職員「あれですか?部屋とかも玩具でいっぱいなんですか?」
僕 「もう、僕の家に玩具があると言うよりも玩具の家に間借りしているような状況ですよ(笑)」
職員「(爆笑)そうですか。はいOKですよ〜。荷物が多くて大変でしょうから、出口のところまで運ぶのを手伝わせますよ(と言って、若いスタッフに手伝うように伝える)」

その後も、別の職員がニコニコしながら「お車ですか?宅急便だとここを出て左の奥ですよ」と話しかけてきたり、運ぶのを手伝ってくれた職員が「申し訳ありません、宅急便のところまではお手伝いできません」と恐縮したりと、なんだかウラがあるんじゃないかと逆に心配になってしまうほどだった。

というわけで、今回の中国遠征は無事終了。
トーマスロボのような突飛なネタは少なかったが、それでも実りのある玩具探索だった。