十二律
@日本では古くから、音階、及び12律を算出する方法がある。これを「順八逆六」(じゅんぱち
ぎゃくろく)といい、中国の「三分損益法」と同じものである。順八とは、高い方へ(12律の
順に高い方へ8律上がる)完全5度音程上がること、逆六とは(12律の順に低い方へ6律下がる)
完全4度音程下降することを意味する。つまり、ひとつの音から順八と逆六との両方を交互に
5度上行、4度下降を繰り返す方法である。(ドソレラミシ・・・)
A12律はこの順八逆六を11回繰り返すことによって作られた音律である。それを低い順に並び
替えをし、約半音程隔たった、12個の音をもつ8度音程を有する音律が出来る。
中国では16世紀末に12平均律の音名が唱えられたといわれ、日本には吉備真備が
735年に唐から持ち帰った「楽書要録」によって中国の音律や音名が紹介されたそうだ。後にこれらに基づき日本独特の音律名が用いられるようになり、下表の日本十二律音名を使用している。
中国の基音は黄鐘(こうしょう)日本の基音は壱越(いちこつ)、洋楽では
D(レ)の音に酷似する。(参考文献 筝三味線入門)