2006年10月 4日 |
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| 内閣総理大臣の所信表明演説に対する代表質問 |
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| 【議員総会で激励を受けました】 |
【後ろが扇議長です】 | 【左が安部総理です】 | ||
代表質問は、雇用、年金等、国民生活を中心に組み立てました。また、前日に北朝鮮の核実験実施の声明があり、急遽、質問の冒頭に組み込みました。以下質問・答弁の全文です。ご高覧下さい。 ○議長(扇千景君) 平田健二君。 〔平田健二君登壇、拍手〕 ○平田健二君 民主党の平田健二です。昨日の伊藤基隆議員の質問に続き、民主党・新緑風会を代表して、安倍総理の所信表明演説に対し、質問をいたします。 【北朝鮮・核実験の声明について】 最初に、昨日、北朝鮮が今後核実験を行うことになると声明を出したことについてお伺いをいたします。 北朝鮮の核実験は、東アジアはもとより、核の不拡散を望んでいるすべての国際社会にとって脅威であり、とりわけ近隣の日本にとっては深刻な危機と受け止めざるを得ず、何としても阻止しなければなりません。 そこで、総理にお尋ねします。この声明を日本政府としてどのように受け止めているのか、北朝鮮の核実験について現実にどのような動きを把握しているのか、今後日本政府としてどのような対応を取るのか、近く総理が訪問される中国や韓国とどのように連携を図っていくのか、以上お尋ねをいたします。 【国民生活の厳しい現状】 安倍総理、あなたは所信表明の冒頭で、日本が厳しい時期を乗り越え、新世紀の出発点に立ったと述べられましたが、総理が前内閣の要職を務めたこの五年間で国民の痛みは増したのではないでしょうか。 小泉政権による構造改革は、道路公団や郵政の民営化、そして三位一体改革や規制緩和など耳触りの良いスローガンを打ち出しましたが、結果は看板の掛け替えと格差を拡大させたにすぎません。また、社会保障制度の改革や定率減税の廃止は、国民負担を増大させたばかりでなく、未曾有の財政赤字と相まって国民の将来に大きな不安をもたらしております。 さらに、企業リストラは高い失業率と臨時、パート、アルバイト等の非正規雇用者の増加を生み、所得格差は拡大し、外国資本の会社や一部の大企業の勝ち組が空前の利益を上げる一方、負け組は自己責任として切り捨てられ、社会不安を招く一因にもなっています。一部の大企業で新卒への雇用が拡大しているものの、いまだ二百七十二万人の方々が職に就けておりません。そして、生活困窮を動機とした刑法犯の検挙人員は年々増加をし、残念ながら自ら命を絶つ方々は毎年三万人を超え、そのうち、平成十六年では七千九百四十七名、昨年は七千七百五十六名の方々の自殺の動機が経済生活問題であると警察庁が公表しております。正に痛切の極みであります。 総理、あなたの所信表明には庶民の視点が全く感じられません。この厳しい現実を一体どのように認識されて厳しい時期を乗り越えたと言われるのか、最初にお伺いをいたします。 【深刻な雇用】 次に、雇用政策について伺います。 厚生労働省の調査では、この五年間で正社員は三百万人減少し、逆に臨時、パート、アルバイト等が三百万人増え、雇用者の三人に一人は非正規社員であると報告をしております。また、完全失業率がやや改善したとはいえ、そのほとんどは非正規社員の雇用であり、例えば今年の一―三月の雇用者数七十八万人のうち、七十一万人が非正規社員で占められています。とりわけ若年層の臨時やアルバイトの率は高まり、精一杯働いても生活に困窮するワーキングプアという問題も起こっております。そして、民間企業の平均給与は八年連続して減少をしております。 総理、再チャレンジ、格差是正と言う前に、再チャレンジしなければならない状況を招いたことに対してまず反省すべきではないでしょうか。 政府は様々な労働分野の規制緩和を行ってきましたが、例えば、二〇〇四年には製造業への派遣を可能にする労働者派遣法の改正を行い、二〇〇三年には労働基準法改正で有期雇用延長を認めています。結果として、契約社員が増加し正社員が減少したのではありませんか。深刻な雇用状況を招いた従来の方針は間違っていたと思いますが、総理の明快な答弁を求めます。 我が国には、終身雇用という海外でも評価された雇用慣行があります。こうした日本型の雇用スタイルこそが戦後の高度成長を生み出した要因の一つでもあります。 民主党は、働く意欲、働く能力のある人が年齢に関係なく生涯雇用を目指し、きめ細かい就労支援策を打ち出すとともに、臨時、パート、アルバイト等を正社員に転換することを推進しています。 そこで総理に伺いますが、総理は、内閣の重要政策として再チャレンジ支援策を掲げ、女性や高齢者、ニート、フリーターの積極的な活用を表明されました。総理大臣による表彰制度まで新設されるようですが、総理、具体的にどのような雇用対策を講じるおつもりなのか、明快にお示しください。 【労働契約法制、労働時間法制】 次に、労働契約法制についてお伺いします。 雇用や就業形態が多様化する中で、一律的規制だけでは労働者の権利を確保することが困難になってきています。そこで、個別に労働条件を決める必要があるわけですが、その決定に際しては、公正かつ透明なルールの制定が欠かせません。 民主党は、個別の労働条件の決定は、使用者と労働者が対等な立場で両者の合意に基づくこと、そして同一価値労働、同一賃金という原則の下に均等待遇を保障するものでなければならないと考えますが、労働契約法制の整備に対する総理の見解をお聞かせください。 あわせて、労働時間法制についてもお伺いをいたします。 長時間労働によるストレスや過労死、過労自殺などが問題になっています。また、仕事、育児、介護、家事あるいは地域活動などの時間を確保する、いわゆるワーク・ライフ・バランスも求められています。 しかし、政府は、こうした社会の要請に逆行するような残業代支払要件を大幅に緩和する自律的労働制度の導入を検討していますが、ますます長時間のサービス残業を招く危険があると考えられませんか。残業したら、総理、きっちり支払うのが当然ではありませんか。また、ワーク・ライフ・バランスを推進するためにどのような制度を整備するつもりなのか、総理の見解を伺います。 【現行年金制度の維持は可能か】 次に、年金について伺います。 私は、一生懸命に働いたら報われる社会であり、年を取ったら安心して暮らしていけるだけの社会保障が受けられる社会でなければならないと考えております。 総理、あなたの著書「美しい国へ」の中で、加入しているみんなが破綻させないという意思さえ持てば年金は破綻しないのだ、日本人の過半数がもう年金はやめようと言わない限り年金のシステムは継続すると語られております。しかし、世論調査によりますと、国民の四八%が年金、福祉の充実を望んでいる一方、残念ながら五九%の国民は近い将来、年金制度は破綻すると答えています。幾ら政府が百年続く制度だと力説しても、年金加入者の半分以上が破綻すると答えているわけですから、深刻な事態です。 総理、加入者の過半数の信頼を失った現行制度が維持できると本気でお考えなのか、伺います。また、負担と給付、さらには財源は今の制度のままでよいとお考えなのか、明快な答弁を求めます。 【国民年金改革と年金の一元化】 民主党は、全国民が加入する一元化された年金制度を主張してきました。前総理も、すべての年金を一元化することが望ましいと発言をしております。しかし、総理は所信で、厚生年金と共済年金の一元化を早急に実現し、官民の公平性を確保すると述べられております。これは、官が得だから民間並みにという損得論だけの被用者年金の一元化であり、年金制度そのものが危機的状況にあるという認識が欠如しているとしか思えません。 それでは、一元化から取り残された国民年金をどのようにしようと考えておられるのか。加入者の半分程度しか保険料が納付されていない、実質破綻状態にある国民年金をどのように再生させるのか、明快な答弁を求めます。また、民主党の一元化案に対してどのように考えておられるのか、総理の見解を求めます。 【社会保険庁解体】 次に、社会保険庁改革について伺いますが、その前に、一昨日の衆議院の本会議で、自民党議員から、社会保険庁の体質問題の根底は自治労に加盟している労働組合だとの発言がありました。社会保険庁の年金の無駄遣いや天下りを容認してきたのは政府・自民党ではありませんか。自らの責任を棚に上げ、他人を批判する姿勢は美しいとは言えません。総理の目指す美しい国をともにつくっていく資格はないのではありませんか。指摘をしておきます。 さて、社会保険庁をめぐる様々な不祥事は、社会保険庁への信頼を失墜させただけでなく、年金制度に対する公平性や公正性までも破壊しています。年金資金の無駄遣いや年金情報の不正な閲覧に始まり、全国規模の年金保険料の不正免除、また保険料を納付しているにもかかわらず未納扱いされた問題など、数え上げれば切りがありません。さらに、総務省の調査によると、厚生年金への加入漏れが七十万事業所に上り、将来、年金を受け取れない勤労者は約二百六十七万人と推計されています。 総理は、所信で社会保険庁は解体的出直しと明言されましたが、ずばり解体とはっきりさせた方がよいのではありませんか。民主党もさきの通常国会で、社会保険庁の看板の掛け替えにすぎないねんきん事業機構法案の廃案、再提出を求めました。総理の発言を率直に受け取れば、ここは法案をいったん取り下げ、出し直すのが当然であると考えますが、本法案の取扱いをどのようにするつもりなのか、総理、はっきりとお答えください。 そして、その上で、社会保険庁は廃止し、国民の利便性を高め、効率的かつ適切な徴収を行うために年金保険料と税金の徴収を一元化すべきだと考えますが、総理の見解を求めます。 【自立を阻害する障害者自立支援法】 次に、障害者自立支援法について伺います。 本年四月から一部施行され、十月から完全施行になりました。 私は、昨年の通常国会で、この場で前総理に質問いたしました。そのとき、自立支援ではなく自立阻害だと指摘した危惧が正に現実のものになっております。 応能負担から応益負担への転換は、政府のもくろみどおり財政的な成果は上げたでしょうが、元々収入を得る手段が少ない障害者にとっては非常に重い負担です。実際に、一部の施設から、四月以降一割以上の利用者が施設利用料や食費を滞納しているが、利用者の苦しい内情を知っているだけに督促もためらわれるとの悲鳴が上がっています。また、やむを得ず自らサービスの利用を制限するケースも目立っております。そして、利用率の低下はサービスを提供する施設の経営も圧迫しており、この窮状を見かねた自治体は独自に利用者負担の軽減策や施設への助成を決めていますが、自治体の財政事情によりばらつきがあるのも事実です。 総理、障害者施策の充実度は社会の本当の豊かさを示すバロメーターです。幾ら物質的に豊かな経済大国になっても、それは心の貧しい、きずなのもろい、美しくない国となってしまいます。三年後の見直しでは遅過ぎます。障害者が地域で自立できるように早急に障害者の負担軽減策を講じるべきだと考えますが、総理の見解を伺います。 【少子化問題】 次に、少子化問題について伺います。 年々低下を続けていた出生率は二〇〇五年には一・二五まで下がりました。今年はやや改善の兆しが見られるものの、人口減少社会に歯止めは掛かっていません。 民主党は、子育て世帯への経済的支援、働き方の見直し、子育て環境の整備を進め、子供の育ちを応援する政策を提案してきました。 総理は、所信で子育てフレンドリーな社会を構築すると述べられておりますが、子育てフレンドリーな社会とは一体どのような社会なのか、お尋ねいたします。そして、その実現のために具体的にどのような支援策を進めていかれるのか、説明を求めます。 【食料自給率の向上と食の安全・安心】 次に、食料自給率の向上について伺います。 世界的な食料不足が予測される中で、食料の自給率向上は国民に対する国家の重大な責務であります。ところが、政府が定めた食料自給率は四五%であり、六年前と同水準です。総理、最終的な食料自給率はどの程度必要とお考えなのか、見解を伺います。 政府は、農業補助金による過保護農政を進め、生産調整や各種レジャー施設の建設、土木工事等を農業関連予算によって賄ってきました。その結果、後継者は育たず、耕作面積は減少し、農村は荒廃の危機にあります。 そして、再び同じ過ちを繰り返そうとしているのが品目横断的経営安定対策です。役人が決めた要件で一部の農業者を担い手として峻別すれば、残されたやる気のある農家も営農を放棄せざるを得なくなります。農村に新たな格差を生むことになるのです。そして、自給率が大きく低下するだけでなく、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、文化の伝承、いわゆる農業の多面的機能までも失うことになります。 民主党は、食料自給率向上のため、今までの農業関連予算の範囲内で、意欲のある農家を幅広く対象とした個別所得補償制度を導入し、活気ある本来の農村を取り戻し、安全、安心な食料の供給基盤を確立しなければならないと考えておりますが、総理の見解を求めます。 また、政府は、アメリカ産牛肉の輸入を再開決定をいたしましたが、安全性確保が疑問視される中での輸入再開は、国民の安全と安心を無視するものであります。消費者の健康、安全を守るためには、食品がどこで生産され、どのような流通経路を通り、どのような加工がなされたかを証明するトレーサビリティーを義務化し、食の安全、安心を確立させることが急務であると考えますが、総理の見解を伺います。 【京都議定書の目標達成は】 次に、環境問題ですが、政府は、夏の間、クールビズを提唱いたしました。温暖化対策を国民に意識させた意義は認めますが、政治がやらなければならないことはこの程度では不十分であることは言うまでもありません。日本が京都議定書の目標を達成するためには、温室効果ガスを今より一三・四%削減しなければならず、小手先の対策では到底達成し得ない数字なのです。 総理は、所信で京都議定書目標達成計画を着実に推進すると述べられておりますが、どのような方法で着実に進めるおつもりなのか、説明を求めます。そして、この達成計画の内容で二〇一〇年までに目標を達成できるとお思いなのか、見解を伺います。 さらに、国の庁舎に対する太陽光発電や緑化、またバイオマスの利用の加速を唱えられておりますが、これらの対策でどの程度温室効果ガスが削減されると予測されているのか、お示しください。 また、京都議定書はロシアが批准したことで発効しましたが、排出大国のアメリカは、モントリオール行動計画には合意したものの、京都議定書からは離脱したままです。総理は京都議定書へのアメリカの復帰を働き掛けるおつもりがあるか、お尋ねをいたします。 【耐震偽装事件の徹底解明】 耐震偽装について伺います。 建築確認制度に対する国民の信頼を一挙に失わせたのが耐震強度偽装事件でした。現在、関係者の裁判が行われていますが、この事件に政治家が関与したのではないかという疑惑は完全に払拭されておりません。とりわけ、総理、あなた自身にも口利きや政治献金に絡む疑惑が一部のメディア等で指摘されました。さきの国会で取り上げられ、あなたは事実無根と否定されました。その後もあなたの後援会とされる安晋会との関連で偽装事件とのかかわり合いがあるやに報じられています。 前国会で、我が党の参考人や証人喚問の要求に対し、与党は極めて消極的でした。この事件についていまだ十分に解明されていない政治家の関与を徹底的に解明することが国民に対する責務であると考えますが、総理の決意を伺います。 終わりに当たって、戦後生まれの初めての総理大臣ですから、その若さを十二分に発揮され、逃げず、逃げ込まず、国民に対して率直に、明快に、具体的に答弁されることを期待いたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) 〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕 ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 平田健二議員にお答えをいたします。 北朝鮮による核実験についてお尋ねがありました。 本件声明は極めて遺憾であります。仮に北朝鮮が核実験を行うようなことがあれば、断じて容認できないのは当然であります。 北朝鮮による核開発に関連する活動を含め、平素より情報の収集、分析を行っておりますが、個々の具体的な情報の内容に関しては、今後の情報収集活動に与える影響にかんがみ、お答えすることは差し控えさせていただきます。 我が国としては、北朝鮮が先般の国連安保理決議を履行することを改めて強く求めます。国際社会としても本件を懸念しており、既に三日、国連安保理の非公式協議においても取り上げられました。我が国としては、本件に関し、米国を始め中国や韓国等との関係国との連携をしつつ、適切に対応していく考えであります。 国民生活の現状についてお尋ねがありました。 これまでの構造改革の取組と国民の絶えざる努力の結果、不良債権比率は正常化し、主要行の不良債権比率はピーク時の八・四%から一・八%に低下し、今回の景気回復は五年目を迎えており、いわゆるイザナギ景気に迫る息の長い回復を持続しています。完全失業率は、厳しさが残るものの、ピーク時の五・五%から四・一%に低下し、長い停滞のトンネルを抜け出し、デフレからの脱却が視野に入るなど、改革の成果が現れております。 一方で、勝ち組と負け組が固定化することの懸念、また家族の価値観、地域の温かさが失われたことによる痛ましい事件の発生、さらには高水準の自殺者数など、我が国の発展にとって解決すべき課題が存在をしております。 政府としては、再チャレンジ支援策、国民の安全の確保、総合的な自殺対策の実施等によってこうした課題にしっかりと対処してまいります。 雇用対策についてお尋ねがありました。 最近の非正規雇用の増加傾向は、経済・産業構造の変化や価値観の多様化などにより、企業や労働者が多様な働き方を求めるようになってきていることが背景と認識しております。なお、労働者派遣法等労働分野の規制改革も、こうした多様な働き方を可能にするための必要な改革であったと考えております。 政府としては、いわゆる勝ち組と負け組が固定化せず、だれでもチャレンジ可能な社会を構築するため、団塊世代などベテラン人材を始めとする高齢者や女性、ニート、フリーターの積極的な雇用を促進することとしております。 具体的には、フリーター二十五万人常用雇用化プラン等を推進し二〇一〇年までにフリーターをピーク時の八割に減らすとともに、だれもが意欲と能力を生かして働ける全員参加型社会の構築を図るため七十歳まで働ける企業の実現に向けた取組を推進し、正規・非正規労働者間の均衡処遇の実現に向け法的整備を含めた検討を進めるなど、実効性のある再チャレンジ支援策を推進してまいります。 労働契約法、労働時間法制についてのお尋ねがありました。 労働契約法制については、就業形態等が多様化する中で、使用者と労働者との対等な立場での合意の在り方や労働者の処遇の在り方について議論を深め、労働契約のルールを整備していくことが必要と考えております。 また、労働時間法制については、長時間労働を抑制するとともに、労働者が健康を確保しながら能力を十分に発揮できる働き方を可能とすることが重要であると考えております。 今後、こうした基本的な考え方に立って法的整備を含めた検討を進め、安心、納得した上で多様な働き方を実現し、仕事と生活の調和を図ることのできる労働環境を実現するための制度を整備してまいりたいと考えております。 年金制度についてのお尋ねがありました。 年金制度については、平成十六年の制度改正において、上限を固定した上での保険料の引上げ、保険料水準の範囲内で給付水準を自動的に調整する仕組みの導入、基礎年金国庫負担の二分の一への引上げ、積立金の活用等により制度を持続可能なものにするための見直しを行ったところであります。その意義や考え方について国民の方々に御理解いただけるよう、引き続き意を尽くして説明してまいりたいと思います。 また、年金制度の財源の在り方については、今後とも自立自助を基本とする我が国の経済社会にふさわしい社会保険方式を堅持すべきと考えております。 国民年金改革と年金の一元化についてのお尋ねがありました。 国民年金制度については、平成十六年の年金制度改正により持続可能な仕組みとすることができたと考えておりますが、引き続き国民年金の未納・未加入対策の強化に取り組んでいるところであります。 なお、被用者やその被扶養配偶者も含めた国民年金制度の加入者全体で見れば未納・未加入者は六%弱であることから、破綻状態にあるとの御指摘は当たらないと考えております。 また、公的年金の一元化については、民間サラリーマン、公務員を通じて、将来に向け、同一の報酬であれば同一の保険料を負担し同一の公的年金給付を受けるという公平性の確保などの観点から、まずは厚生年金と共済年金の一元化を速やかに実現してまいりたいと考えております。 民主党は、平成十六年の臨時国会に提出された法案や先月発表された小沢代表の案など様々な提案をされていますが、御指摘の国民年金を含めた一元化については、事業主負担をどうするか、所得の捕捉をどうするかといった様々な解決すべき課題があると考えています。また、民主党の各提案は、年金の給付水準や未納者の取扱い、財源に充てる消費税を含む財源の確保方策などが提案ごとに違っている面もあります。 まずは、何が民主党の提案なのか、具体的な内容を明確にしていただきたいと考えております。その上で、年金制度は長期的な視野に立って改革を進める必要があることから、与野党が胸襟を開いて協議を行うことが重要であると考えております。 社会保険庁改革についてのお尋ねがありました。 社会保険庁については、業務改革、職員の意識改革及び組織改革を強力に推進し、国民の信頼回復を一日も早く図ることができるよう徹底した改革を行い、解体的出直しを実現しなければならないと考えております。 現在、社会保険庁改革の関連法案を国会に提出をし、御審議をいただいているところであり、これが解体的出直しにふさわしいものであるかどうか、またすべて公務員でやらなければならないかどうかということも含めて国会で十分な御議論をいただいた上で、国民の信頼を得ることができる新組織を早期に実現してまいります。 障害者自立支援法についてのお尋ねがありました。 本制度は、障害者の方々に対するサービスの計画的な整備、就労支援の強化など、障害者の方々が安心して暮らすことができる地域社会の実現を目指すものであります。また、制度を皆で支えるため、国の負担を義務化する一方で利用者の方にも原則一割の負担をお願いしておりますが、その際、家計に与える影響を十分考慮した負担上限額の設定や個別の減免措置など既にきめ細やかな配慮を講じているところであり、引き続き制度の周知定着を図ってまいります。 子育てフレンドリーな社会についてのお尋ねがありました。 私の考える子育てフレンドリーな社会とは、子育てのすばらしさ、家族の価値が社会全体に共有される中で、子供を安心して産み、子供を育てやすい環境が整備され、また、子育てと仕事が両立できる社会であります。 子育てフレンドリーな社会の実現に向けた支援策のお尋ねがありました。 政府としては、出産前後や乳幼児期における経済的負担の軽減を含め、子育て家庭に対する子供の成長に応じた総合的な支援を行うとともに、子育てを応援する観点からの働き方の改革を進めてまいります。さらに、子育てのすばらしさ、家族の価値を社会全体で共有できるよう意識改革に取り組み、そうした価値を具現化する子育てフレンドリーな社会を構築してまいります。 食料自給率についてお尋ねがありました。 国民への食料を安定的に供給する観点から、食料自給率の向上を図ることは農政上重要な問題と認識しており、将来的には国民に供給される熱量の五割以上を国内生産で賄うことを目指すことが適当であると考えます。 これを前提に、政府としては、実現可能性を考慮して、平成二十七年度における食料自給率目標を四五%と設定したものであり、消費者、生産者、食品産業事業者など関係者と一体となって食料自給率の向上を図ってまいりたいと考えております。 品目横断的経営安定対策についてのお尋ねがありました。 農業が秘めている新世紀にふさわしい戦略産業としての可能性を引き出すために、政府としては、意欲と能力のある担い手に対し支援を集中化、重点化することにより構造改革を進め、生産性や品質の向上などの課題の解決を図ることが必要であると考えております。 このため、担い手に対象を絞った新たな経営安定対策を十九年度から導入すべく関係法律を整備したところであり、その他の施策と相まって食料の供給基盤の確立や農村の活性化が図られるものと考えております。 なお、すべての農家を対象に所得を補償することは、現状の農業構造を固定化させる問題があると考えています。 トレーサビリティーの義務化についてお尋ねがございました。 トレーサビリティーは、食についての消費者の信頼確保を図る上で極めて重要な課題、取組であると考えております。 国産牛肉に関しては、国内でのBSE発生を受けてトレーサビリティーを義務付けております。それ以外の食品については、食品事業者による自主的な取組を支援することを通じてその普及に努めてまいります。 京都議定書目標達成計画の着実な推進方法についてお尋ねがございました。 御指摘のとおり、目標を実現することは容易ではないと認識しております。このため、計画の確実な達成に向けて、施策の一層の強化など対策の加速化を図ってまいります。 また、来年度に行う目標達成計画の定量的な評価、見直しにおいては、対策、施策の進捗状況を厳格に評価し、削減目標を確実に達成できる内容にいたします。 京都議定書の目標を達成できるかどうかについてのお尋ねがありました。 京都議定書目標達成計画においては、削減目標を達成するために必要な約六十項目の対策を盛り込んでおり、これらの対策が確実に実施されれば目標の達成は可能であると考えております。 国の温暖化対策の効果についてお尋ねがありました。 政府としては、国の庁舎における太陽光発電や緑化については可能な限り導入を進めてまいります。また、バイオマス熱利用を進めることにより、二酸化炭素で約七百九十万トンの削減を見込んでおります。こうした取組により、京都議定書目標達成計画に位置付けられた新エネルギー導入による四千六百九十万トンの削減等を目指してまいります。 京都議定書に関する米国への働き掛けについてお尋ねがありました。 米国に対しては、これまでも様々な機会をとらえ京都議定書への参加を働き掛けてまいりました。また、地球温暖化対策への様々な取組を強化するよう促しております。 こうした我が国の立場に変わりはなく、今後も、昨年のモントリオールでの気候変動国際会議での決定に基づき開始された長期的協力のための行動に関する対話や、京都議定書を補完する取組であるクリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ、APPなどでの協力を含め、米国の地球温暖化対策への更なる取組を促してまいります。 耐震偽装事件に関する政治家の関与についてお尋ねがありました。 私につきましては、すべてさきの通常国会の予算委員会で申し上げたとおり、事実無根でございます。安晋会という会は親睦の会であります。この会は私の後援会とか政治団体といったものではなく、この会に関連して御指摘のような問題は生じ得ないものと考えております。(拍手) ○議長(扇千景君) このまましばらくお待ちください。 答弁の補足があります。安倍内閣総理大臣。 〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕 ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 年金保険料と国税の徴収を一元化することについては、年金保険料と国税とでは徴収の対象が大きく異なることや、年金保険料は長い期間にわたって一人一人の納付実績を管理していく必要があり、徴収業務の基本的な性格が異なることから、業務の効率化等につながりにくいことに留意する必要がございます。(拍手) ○議長(扇千景君) これにて午後一時まで休憩いたします 1 |
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