2001年4月10日

参議院 経済産業委員会質問

場 所  : 参議院第21委員会室

日 時  : 4月10日  午前10;30〜11;30

答弁者  : 経済産業大臣他

内容   :  @ 繊維セーフガードについて
         A 伝統的工芸品産業の振興に関する法律
            一部を改正する法律案について


 かって、集中豪雨のごとく輸出し、欧米の反感を買っていた日本が、今日のような状況になるとは隔世の感があります。
 3月10日には、農産物3品目に対する暫定セーフガードの発動が決定されましたし、監視対象品目、緊急監視対象品目も多数選定されており、発動要請を待っている状況です。
 また、繊維セーフガードにおいては、タオル工連からの発動要請に対して、調査開始が決定されました。アンチダンピング関税賦課申請のあったポリエステル短繊維につきましても、調査開始決定の期限がまもなくまいります。
 日本の景気が低迷する中で、特にこれらの産地においては、構造改善もままならず、輸入品の洪水的な増大によって産業自体の存立が脅かされる状況に至っており、地域経済や雇用面において深刻な影響を与えております。
 一方、労働集約型産業においては、より大規模な、労働コストの安い地域へ生産拠点を移転してゆくことも、自然の流れです。
 繊維におきましては、生産拠点の移転は早くから進んでおりますし、家電等においても同様です。
 農産物も、日本の商社が種子や資材を持ち込み、技術指導者を派遣する、いわゆる「開発輸入」が増えております。
 生産、出荷、輸入販売に多くの日本の会社が関係しており、これが、海外からの輸入増加の一因となっていることも事実です。
 もちろん、繊産連会長前田勝之助さんがおっしゃる「良い輸入、悪い輸入」などの区別は必要です。「良質で低価格の商品を選択できる権利」を消費者から奪うのは、妥当ではありません。
 セーフガードの発動については、「国内産業の保護、育成」と「消費者の利益」「自由貿易の推進」という対立する政策テーマがあります。また、国内における利害関係、相手国の輸出入のバランスなど、その決定には、さまざまな要因があります。
 しかし、その調整をはかることも、WTO協定の目的でもありますし、現在選択できる最良の手段でもあります。
 セーフガードの発動については、WTOの国際ルールに従い、厳正に、迅速に対応する必要があると考えます。

会議録についてはこちらをご覧下さい。


















暫定セーフガード

暫定セーフガードとは、1994年GATT(関税及び貿易に関する一般協定)で定められた、セーフガード協定に基づき、輸入急増による国内産業への重大な損害防止のために認められている一般セーフガードの中で規定されている緊急措置です。
一般セーフガードの対象品目は農産物を含むモノ全般で、
その発動要件は下記の通りです。
@外国における価格の低落その他予想されなかった事情の変化による輸入の増加があること。
A輸入の増加により国内産業に重大な損害またはその恐れが生じていること。
B国民経済上緊急に必要があること
措置の内容は関税の引き上げと輸入数量の制限があり、関税引き上げの場合は、内外の価格差を上限としています。輸入数量制限については直近3年間の平均輸入量の平均を超えた場合に制限できるとされています。
発動期間については、原則4年で、延長しても最大8年以内です。
今回とられた暫定セーフガードは、国民経済上特に緊急に必要があるときに発動できます。
措置の内容は関税の引き上げのみで、期間は200日以内です。
尚、今回の暫定措置は、過去3年間の輸入実績の平均を超えるものに対して、関税の引き上げを適用します。
最終的に一般セーフガードが発動されなかった場合は徴収した関税は、還付することになっています。










 





繊維セーフガード

WTO(世界貿易機関)繊維協定のなかで認められた緊急措置です。
特定の品目の繊維製品の輸入の増加が、本邦の産業に重大な損害を与え、又はその恐れがあり、国民経済上緊急に必要があると認める場合にとられる措置です。
手続きについてはまず、当該品目の生産業者から発動の要請がなされ、政府は2ヶ月以内に調査を開始するかどうかの決定をします。調査開始の決定がなされた場合は、6ヶ月以内に発動するかどうかの決定をします。その際、@輸入の急増A重大な損害B両者の因果関係C本邦の産業の維持・発展の中期見通しD雇用問題の回避E消費者への影響F通商政策上の影響などを勘案し決定します。
発動が決定されると当該輸出国と協議のうえ、に輸出規制を求めます。
規制の期間は3年間で延長はありません。
規制水準については、最初の一年間は、直近1年間の輸入実績以上。2年目以降は前年の106%以上とされています。












伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)

伝産法は昭和49年に議員立法で成立した法律です。
当時、法案提出者から「伝統的工芸品産業は、幾多の困難に直面し、後継者の確保難、原材料の入手難、さらには伝統的な技術、技法の消滅の恐れ等、その存立の基盤を喪失しかねない実情」であり、「伝統的工芸品産業の実情に即した特別の施策は皆無に等しい状態で推移」してきたが、「伝統的工芸品に対する国民の関心の高まりを踏まえ、かつ、伝統的工芸品産業の特質と実情に鑑み、その振興をはかるため、本案を提案した」と趣旨が述べられています。
この適用を受けている工芸品は、平成12年度で、194品目ありますが、伝統的工芸品産業を取り巻く環境は大変厳しく、長引く活性化計画景気低迷の影響や、生活様式の変化で、その生産額はピーク時の半分に落ち込み、企業数、従事者数共に激減しております。
こういった現状を踏まえ、また、伝統的工芸品産業審議会の答申を受け、今回の改正案が提案されました。
主な改正点は
@法人格を有する組合等が存在しない産地においても、任意の団体が認定を受けることができるようにする。
A伝統的工芸品を販売する個々の事業者とともに、共同振興計画を作成し、認定を受けることができるようにする。
B伝統的工芸品を製造する個々の事業者やそのグループが活性化計画を作成し、認定を受けることができるようにする。
C産地間で、連携活性化計画を作成し、認定を受けることができるようにする。