児童虐待による悲惨な事件が続いています。
昨年、児童虐待防止法が成立施行されたのも関わらず、虐待による
死亡は年々増加しています。児童相談所に寄せられる相談も激増し
ています。
児童虐待防止法は対処法であり、防止法自体で児童虐待を未然に
防止することは困難です。虐待の根本的な原因の究明と、その解決
策が求められています。
以下は2001年11月19日に開催された、共生社会に関する調査会での
質問の抜粋です。
○平田健二君 民主党・新緑風会の平田健二です。どうぞよろしくお願いし
ます。
まず、児童虐待というようなことを議題にしてこういう議論をしなきゃならぬ
ということをとても残念に思っておりますし、また児童虐待防止法なんという
法律をつくらなければならないというこの世の中のことを大変私は嘆いてお
ります。
これは質問通告にございませんけれども、南野副大臣にお尋ねしたいん
です。
私たちが小さいころ、近所の餓鬼大将が集まったり子供が全部集まって、
広場に集まってみんなで遊ぶ、そこにはもちろん身体的な障害のある子も知
的な障害のある子もみんな一緒になって遊んでいた。また、障害を持ってい
る子を持つ親御さんたちも、そこの広場に行って遊んでおれば、あそこに行
っているから安心だということで家業ができたりいろんな仕事ができた。そう
いう時代だったと思うんですね、私たちが育った時代は。
今どうしてこんな児童虐待とかいう時代になってしまったのか。私たちの子
供の時代というのは、私は田舎ですからそうだったのかもしれませんが、友
達みんなで集まって遊んで、そしてちょっと体が悪かったり知的障害があっ
た子はみんなで守って遊んであげたという時代でした。
今どうしてこんな世の中になったのか、大臣、どうお考えなのか。質問通告
にございませんけれども、感じで結構ですのでお答えいただければと思いま
す。
○副大臣(南野知惠子君) 大変難しい質問でございますが、やっぱりそ
れぞれの生い立ちというのがあったのかなと。
私たち、兄弟げんかもしましたし、戦時中でございますので、食べ物なども、
ようかんなどもそんなに食べたことはございませんが、親からお土産でいた
だくと、物差しではかりながら兄弟で分けたりしたようなこともございました。
それから、けんかするときにはぶつかり合ってやりましたので、そういうスキ
ンシップ、痛みということも覚えることができたのかなと思っております。
私は引き揚げてきておりますので、引き揚げてきた当時は多少いじめがあ
ったのかなと自分自身思いますが、それは国が違うところで、今までの生い
立ちの中からともに生活し合うという段階では価値観の相違ということも中
にはあっただろうと思いますが、それはそれで相手を認めていけるというと
ころが子供心にあれば、それはけんかとかいじめとかということには感じなく
て済んだのかな、そのようなことを思っております。
そういう意味では、子供がどんどんと相手に対してお話をしながら自分の
価値観というものを認めていただく、そういう場面というのがないのかなと。
何でもかんでも同じであったらいいという、今の教育と言ったら悪いですけれ
ども、育ち方というのがもう一つ、競争心、調和心、融合心というものを植え
つけていないのかなと。運動会でも手をつないで渡りましょうでは、これはお
互いをいいとして認めることができない。クラスの中でも、あの人はいい、こ
の人はよくできるという、そういったところも、やはり他者を認める、いい部分
と悪い部分をみんな人間は持っておりますので、そういう価値観を認め合え
る環境というものを大人がつくっていかなきゃいけないというふうに思ってお
ります。
○平田健二君 確かにそう思いますね。
法律ではありませんので質問が重複すると思いますけれども、ぜひまたお
答えいただければと思っております。
まず、先日、先ほども質問がございましたけれども、報道もされました。児
童相談所に相談があったにもかかわらず十数名の児童が虐待で亡くなった
ということが報道されておりました。これは報道ですので事実はわかりませ
んが、厚生労働省がコメントを出しておるんですね、三点ほど。通報後の初
期対応が不適切だった、あるいは複数の機関が関係しておって責任の所在
が明らかでなかった、適切な援助計画が立てられなかったというようなことを
発表されているようですが、印象としては、所管をする省としては何となく第
三者的な評論家のようなコメントを発表されておるわけですね。
先ほどちょっと報告がありましたけれども、適切な保護を行わなければなら
ない、関係機関との連携強化をしっかりするんだというようなことも言ってお
りますし、そう言いながら、コメントは、実はそうじゃないんだよということを発
表されているような気がしたんですが、いかがでしょうか。
○副大臣(南野知惠子君) それは、そのようにもしお受けとめなされたん
だったらまことに申しわけございませんが、我々といたしましては一つの件
数件数が自分たちのものとして受けとめなければいけないというふうに思っ
ております。そういう意味では、物事の軽重というものはない、その先に見え
るのは人の命であろうというふうに思っております。
そういう意味では、さらにまたそういった分野については心して受けとめさ
せていただく体制を取り直さなければならないのかなというふうにも思ってお
ります。
○平田健二君 確かにそうですけれども、これだけ世間ではマスコミを通じ
て児童虐待がもうほとんど連日のように報道され、新聞に載り、国民、私ど
ももそうですけれども、テレビを見るのをこの問題になったら消すんです。ほ
とんど避けて通ります。
そういった状況の中で、今ちょっと言いましたように、これは子育ての問題
ですから国がとか自治体がということじゃありませんが、そういった法律をつ
くって児童虐待を防止しようとする主管省庁がこのような対応で果たしてどう
だったのかなということは、私は国民がそう思っていると思いますよ。何かご
ざいましたら。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 先生が今取り上げておられる死亡事件
十一件でございますが、これは十二年度に児童相談所が何らかの形でかか
わったにもかかわらずお子さんが亡くなったケースでございまして、南野副
大臣がきょうも何回も言われましたように、本当にその一件一件、お子さん
の命が救えなかったということは本当に残念で、申しわけないという気持ち
でいっぱいでございまして、その経験をすべての自治体でどういうふうに生
かしていただくか、そのことについての役割が厚生労働省にはあるのでは
ないかというふうに思っております。
したがいまして、こういう重大な事案が発生しましたときは、自治体とよく
協議をしまして、自治体の児童相談所の関与の仕方、関係する行政機関と
の連携のあり方も含めてですが、どこが改善の余地があったかというのをケ
ースごとに非常に丁寧に見ております。そして、その中から得られる教訓を
さまざまな機会に全国の自治体にまたフィードバックする、こういうことを日
常的にやっているわけでございます。
先生の目からごらんになると、新聞の記事は第三者的というふうにおっし
ゃいましたけれども、これは厚生労働省がコメントを公表したというよりも、
新聞記者の取材に対して担当者が答えた中身でございまして、答えた中身
は非常に適切で、この十一件の事案から私どもが何を学ぶべきなのか、そ
れをどういうふうにすべての自治体に還元すべきなのかというような観点か
らコメントしたんだというふうに思います。
この裏には、私たちも本当に心を痛めて、何とかしたいという気持ちはいっ
ぱいでございまして、そこが文字にならなかったのは残念でございますけれ
ども、南野副大臣がおっしゃった気持ちのとおりです。
○平田健二君 内閣府にお尋ねをいたします。
先ほど、厚生労働省の調査での児童相談所への相談件数が一万七千七
百何がしでしたけれども、その他の関係省庁、関係機関全体で、平成十二
年度といいますか、相談件数はどのくらいあったんでしょうか、お尋ねをいた
します。
○政府参考人(江崎芳雄君) 児童虐待の防止等に関する法律の規定に
よりまして、先生御質問のような数字は、児童相談所、ここで最終的に保護
を要する児童虐待の件数は集約されるという仕組みになっておると承知をし
ております。したがいまして、先ほど、厚生労働省の発表によりますと、平成
十二年度中の相談件数一万七千七百二十五件という話がございましたが、
これが全体の数字であるというぐあいに考えてよろしいのかと考えておりま
す。
○平田健二君 児童虐待の相談というのは児童相談所だけですか。例え
ば、端的に言えば、学校なり幼稚園なり警察なりそれぞれの福祉事務所なり、
いろんなところに相談があるんじゃないでしょうか。
例えば、警察庁のまとめでは、昨年、虐待による死亡事故は四十四人とな
っておるわけですね。厚生労働省、児童相談所が把握したのは十一名。も
ちろんその集計の仕方のずれがあると思いますけれども、ちょっと数字が違
いますね。いかがですか。
○政府参考人(江崎芳雄君) 今御指摘の数字でございます。
一つは、厚生労働省の数字は十二年度、年度で御集計をされておられま
す。これに対しまして警察庁の数字は平成十二年と、一月―十二月で集計
をされておる、そういうところが一つあるんだろうと推測をしております。もう
一つは、非常に不幸にして子供さんが亡くなった場合でございますけれども、
こういうときには児童虐待の防止等に関する法律、これは対象といたしまし
て保護を要する児童ということになっておりますので、そのあたりの通告が
なされていないのかなということも考えられようかと思います。
ただ、いずれにいたしましても、先生御指摘のように、きちっと全体として
どういう数字になっておるのかというのがかかる悲惨な事件、事象を解明い
たしますには大変重要でございますので、内閣府といたしましては、青少年
育成推進会議でございますとかほかの協議会を持ってございます、こうした
場を通じまして関係各省に働きかけをしてまいりたいと考えてございます。
○平田健二君 いや、警察庁調べで児童虐待による死亡件数が四十四人、
児童相談所の調査した死亡件数が十一名。年度と年と違うと言いますけれ
ども、数カ月じゃないですか。ですから、もっと実態は違うんじゃないか、もっ
と相談件数はいろんなところを含めたら多いんじゃないか、一万七千七百二
十五件じゃなくて、児童相談所の件数じゃなくて、もっとほかにたくさんあっ
たんじゃないんだろうか、そういったことは掌握していませんかということを
聞きたいんです。
○政府参考人(江崎芳雄君) 相談件数でございますけれども、これは先
ほど御説明いたしましたように、法律の規定によりまして児童相談所に最終
的には集約されるということになっておりますので、そういう仕組みで動いて
おるんだろうと思います。
ただ、実際問題、途中で例えば何らかの行き違いで数字が集約されない、
そういうことがございますれば、そこは確実に数字がきちっと集約されるとい
うぐあいにするべき必要があるのは言うまでもございません。
内閣府としましては、推進会議等の場で関係各省に先生から御指摘のあ
りましたような事象、説明をいたしまして、きちっとした数字が集約されると
いう方向に向けて働きかけをしてまいりたいと、かように考えてございます。
○平田健二君 数がどうだこうだということじゃなくて、そういった児童虐待
による死亡事故等含めて、すべての機関と言いませんが、関係省庁がしっ
かり掌握をしているかな、数字が違うじゃないですかということですよね。そ
のことをちょっと聞きたかったんで、もうこれ以上言いませんが、ぜひ一度し
っかりその辺を調べていただかないと、四十四と十一の差は何なんだという
ことになりますのでね。いかがですか。
○副大臣(松下忠洋君) 平田先生のおっしゃっていることはあると思いま
す。
法律の相談所、法律に従って通告できて集計するということだけではなく
て、いろんな身近な人に相談していたり、あるいは学校の先輩に相談してい
たり、あるいは学校に行ったり、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんのとこ
ろに行ったり、いろんなことでの話はもっとたくさんあると思います。
これはまた、おっしゃっている意味はよくわかりますので、よく相談しながら
正しい数字が集まるようなことはしなきゃいかぬ、こう思います。
○平田健二君 数字は正しいと思いますけれども、ぜひひとつよろしくお願
いします。
それから、もう一点厚生労働省にお聞きしたいんですが、平成二年から平
成十二年までの相談件数、先ほどお聞きしましたら十六倍になったというふ
うに報告がございました。そこでお聞きしたいんですけれども、相談件数は
平成二年から十二年までの間に十六倍に膨れた。じゃ、それに対応する養
護施設ですとか、あるいは児童相談所の相談員だとか児童福祉司とか心
理担当の職員とか、どのようにふえたんですか、ふえていったかどうかをお
尋ねします。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 先生が今列挙されたすべての職種につ
いての数字は手元にございませんが、一番関係が深いのは児童相談所に
置かれております児童福祉司でございますので、児童福祉司を例に御報告
させていただきたいと思います。
平成二年度には全国で千六十八人でございました。これが平成十一年度
には千二百三十人となり、そしてこのころから、虐待防止法の施行を控え、
あるいは施行のタイミングに合わせてさまざまな政府広報、周知のための
活動も行われましたけれども、そういう中で、平成十二年度には急増する相
談件数に対応するために千三百十三人となり、十三年度には千四百八十
二人と増強されております。
平成二年度との比較でいいますと、平成十三年度には約一・四倍というこ
とでございまして、件数の倍数にはほど遠いものがございますけれども、各
自治体、大変行財政状況の厳しい中でそれなりに増員の努力はしていただ
いたというふうに思っておりますし、またさらなる体制の充実について私ども
も自治体にお願いをしてまいりたいというふうに思っております。
○平田健二君 これはちょっと質問通告していないんですが、こういった専
門職ですよね、この専門職の皆さんをやっぱり養成しなきゃいかぬわけです
ね。養成する機関というのはあるんですか、この福祉司。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 福祉司は児童福祉法で任用資格が決ま
っておりまして、どういう資格を持っている方、あるいはどういう職務経験、
実務経験のある方が委嘱されるかということで、まず任用の資格がござい
ます。それに加えまして、配置をされた後、その資質の向上を図るためにさ
まざまな研修が基本的には各都道府県の責任で行われているところでござ
います。
これでは不十分な面も多々ございますので、十三年度の予算で虐待・思春
期問題情報研修センターを設置するための予算を措置していただきまして、
今、横浜市に建設中でございますが、これが十四年度から事業が開始でき
ると思います。この中で児童相談所などの専門職に対してまたさらに専門的
な研修をするというのがこのセンターの事業の中核になろうかというふうに
思いますので、ここを中心に研修がこれから展開されていくというふうに期
待をいたしております。
○平田健二君 養成機関というのは特に国としてつくっておるということじゃ
ないんですね。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 現在、養成機関と言えるようなものはご
ざいません。ただ、通信教育を受けて児童福祉司として任用される資格を取
得するための講座が今年度から初めて、これは全国社会福祉協議会という
ところでその講座を開始したところでございます。
○平田健二君 どうしてしつこくお聞きしたかといいますと、相談件数が非
常に急激にふえているのに、それに対応する職員の皆さんが非常に、少な
いという言い方はおかしいですけれども、相談件数に比較すると伸びが少な
い、それはやはりそういう特殊な技能を持っている方たちなので養成に時間
がかかる、そういったことかと思って聞きました。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 一点、先生、修正させていただきます。
先ほどの私の答弁で、養成機関はなく、今年度から初めて全国社会福祉
協議会で講習が始まったというふうに申し上げましたけれども、養成機関は
ございまして、全国に三校指定をされております。国立秩父学園附属保護
指導職員養成所というところと、そして国立武蔵野学院附属教護事業職員
養成所、さらに上智大学の中にもそういうコースがございます。
○平田健二君 南野副大臣、虐待防止法ができた途端に急にがっと相談
件数がふえているんですね。これはどういうふうにお考えですか、この現象
は。
○副大臣(南野知惠子君) 急に件数が法律ができた途端に出たというこ
とよりも、今までのたまっていた部分が表に出てきたというふうに私は解釈
いたします。今までは水面下で、余り表に出てこの人は虐待を、これはこうじ
ゃない、いやそうかなというような段階だったのが、やっぱりそうだったねと。
では、こういうふうな形でこの法律ができたんだからその中で救われていこう
かというような気持ちの方たちも出てきたのではないかな、そのように解釈
いたします。
○平田健二君 これも先ほど報告がございました。子供を虐待した親に対
するアフターケア、面接指導等で七六・五%の人に面接指導をしておるとい
うふうに報告がなされましたけれども、具体的にはその虐待をした親に対す
る面接指導というのはどういった内容でアフターケアしておるんでしょうか。
それともう一つは、養護施設へ子供を入れますね、親から隔離して。入所
期間は大体平均するとどのくらいの期間入っておるんでしょうか。問題は、
親が七六・五%、面接した親が、自分が虐待をしているという認識がなけれ
ば幾らケアしてもこれはケアにならないんです。本人が虐待した、子供を虐
待したという意識があって初めて、ケアを受けたらああそうかということにな
ると思います。ちょっとその辺が気になるものですから。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 虐待を行った親への指導は児童相談所
の方で行っておりますが、児童相談所の児童福祉司あるいは心理療法を専
門に行う専門職もございますが、こういう職員が対応いたしております。親に
対する指導計画を策定いたしまして、家庭訪問をしたり逆に親に児童相談
所まで来所してもらって面接を重ねるということをやっておるわけでございま
す。
先生御指摘のように、親にその自覚がなければ改善するということもない
わけでございますし、改善の目標を親も理解できる、認識できる、ここまで直
そう、こういうふうにしようというその改善の目標も、親と児童相談所が一緒
になって目標を立てて、それに向かってさっき申し上げましたような専門職
の方が回数を重ねながら指導しているということでございます。
○平田健二君 平均的な入所期間。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 失礼いたしました。児童養護施設に入っ
ております児童の平均入所期間でございますけれども、平成十年の養護施
設入所児童等調査がございますが、その結果によりますと、平均在所期間
が四・八年ということになっております。
○平田健二君 四・八年。一時保護や、今平均四・八年の養護施設への入
所がございましたけれども、入所はいいんです。退所、一時保護から親元へ
戻す、養護施設から退所する。いろんな判断があると思います、親御さんの
ケアの問題を含めて。どういった判断基準で退所させるのか、そういった基
準があるのかどうか。もちろん個々のケースで一人一人違うと思いますから、
虐待の種類が。ですから、ある一定の基準があるのかないのか。
例えば、先ほども御質問がありましたように、兵庫のケースでは、本来なら
ば退所させたらいけないのにもかかわらず両親が強引に退所させて悲惨な
事件が起きた。これは、見方によると、養護施設の方の判断基準が甘かっ
たというふうに判断できるわけです、ある見方をしますと。
ですから、そういった基準があるのかどうか。親御さんがここまで改善でき
たとか、それは数字で出るわけはありませんけれども、そういった判断基準
は、例えば何人かのそういう専門家がこの親御さんはもう大丈夫だというふ
うなことの判断をして出すのか。そこらをちょっと、あればお聞かせいただき
たいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 施設入所をさせるときの判断は、都道府
県、具体的には児童相談所がやるわけでございますが、同じく施設入所が
もう必要ないというその判断も最終的には児童相談所でやるわけでござい
ます。
その際に具体的な統一的な基準はございませんけれども、児童の回復の
状況、そして児童の回復の状況は児童養護施設が一番よくわかるわけでご
ざいます。また、親に対する指導をしておりますのは児童相談所でございま
すから、親がどのくらい変わってきたかということは児童相談所が一番よく
わかるわけでございますので、必ず児童養護施設と児童相談所が協議しな
がら、個別のケースごとに慎重に判断をしているということでございます。
また、先生が今おっしゃいました一時帰宅、兵庫県のケースは一時帰宅で
ございましたけれども、これはまだ最終的に施設から出すという判断をした
わけではないんですけれども、親子関係をなるべく回復するために面接を、
親子の面接をさせたり外出を許したりということはその過程で有効である場
合もございます。しかしながら、同時に危険を伴うということもありますので、
児童養護施設の方が児童相談所と協議しながら具体的に慎重に判断する
ということにいたしております。
そのために、そういう画一的な基準はございませんけれども、どういうケー
スについて一時保護をするかとか、どういうケースについて入所させるとか、
どういう場合について面会や一時外泊といいましょうか、一時家庭に戻すと
いうことを認めるかということについては、厚生労働省としてもマニュアルと
いいましょうか、「子ども虐待対応の手引き」というものを専門家のお知恵を
かりながらつくっておりまして、それを参考にしていただいて児童相談所や
児童養護施設で対処していただいているということでございます。
○平田健二君 終わります。