154-参-経済産業委員会-2号 2002年03月19日



○平田健二君 民主党・新緑風会の平田健二です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今日は時間もそうございませんで、タオルのセーフガードについてのみお尋ねをいたしますので、どうぞひとつよろしくお願いします。
 先日、昨年二月に業界から発動の要請のありましたタオルのセーフガードについて、これは新聞の報道ですけれども、タオルの発動は見送ると、こういう報道がなされました。このことについて、事実かどうか、まずお尋ねをいたしたいと思います。

○国務大臣(平沼赳夫君) 御承知のように、タオルの繊維のセーフガードの発動ということは調査の段階でございまして、調査期限を御承知のように昨年の十月十五日と、こういうことにいたしておりました。昨年の十月の時点で直近の輸入動向を見ますと、輸入の急増というものが認められるか否か、この判断は直ちに非常に困難であったということから、引き続き輸入動向を見極めようと、こういう形で検討をすることといたしまして、さらに調査期間を六か月、本年四月十五日まで延長いたしました。
 そこで、お尋ねのもう見送るかどうかということは、全くそういう事実はございませんので、我々としては、やはり今データをしっかり見極めつつ四月十五日までしっかりと今検討していると、こういうことでございまして、そういう事実は今ございません。

○平田健二君 それですと、タオル業界が発動を要請したわけですから、多分相当な輸入があったと思いますので、平成十年以降の輸入量についてお教えいただきたいと思います。

○国務大臣(平沼赳夫君) それでは私からお答えします。
 調査対象であるタオル全体の輸入量につきましては、一九九八年が四万八千三百三十四トン、そして一九九九年が五万六千三百十一トンで対前年比、これは一六・五%の増加でございます。それから、二〇〇〇年が六万四千九百九十七トンで対前年比一五・四%の増加です。そして、二〇〇一年が六万九千百十トンで対前年比六・三%の増加、それから本年一月までの直近一年間では六万八千七百十三トンで対前年比四・二%の増加と、こういうことになっております。
 一方、タオル全体に係る輸入浸透率につきましては、政府調査の結果、九八年が四一・七%、九九年が四六・九%、二〇〇〇年が五二・八%となっておりまして、また二〇〇一年につきましては、これは繊維統計のデータを基にした推計でございますけれども、五七・〇%と、こういう数字になっております。

○平田健二君 今、大臣から数字の発表があったんですけれども、その数字でいくと、昨年の十月時点でセーフガードが発動をしてもいいという数字にはなっておりませんか。いかがでしょうか。

○国務大臣(平沼赳夫君) これは総合的に判断をいたしまして、私どもとしてはこのセーフガード発動ということは、これはWTO上認められているルールでありまして、その産業に壊滅的な打撃を与える、こういうことが実証された場合にWTO上のルールで認められている、こういうことでございまして、私どもは、今申し上げたような数字は、それは見方によっては、それは発動をする、そういう数字ということにも見えますし、しかし総合勘案をしたら、やっぱりもう少し調査をしてみる、そういう判断に立ちまして、調査、調査継続と、こういうことにいたしたわけであります。

○平田健二君 これはもう御承知だと思いますが、九四年、九五年、九六年、九七年、それで今回と、繊維の業界がTSGの発動要請を幾度かしたんですけれども、そのたびに技術的なといいますか、判断はまあいいと、ただまあ政策的な判断として見送らざるを得ないんだということでずっと見送ってきた経緯がありますね。
 実は、これは一九九四年、平成六年十一月十七日、衆議院の世界貿易機関設立協定等に関する特別委員会の中で、今ここにいらっしゃいます松田先生、松田先生が質問をしておるんですね、繊維の状況は大変だと、だからMFAのルールに従ってセーフガードを発動すべきじゃないかと。ところが、まだその当時、そのルールができていない、急いでルールをつくっておるんだと、こういう話でした。
 そのときにお答えになっておるのが橋本当時の通産大臣、いろんな面白いことを言っておるんですね。橋本さんはこう言っておるんですよ。カレンダーを三十年ほど返してみますと、大変皮肉なことだなと今思いました。私は当時紡績会社の社員でありまして、通産省の繊維担当部局に書類を届けるのによく行きました。通産省はとても怖い役所だったなと今改めて思っております云々ございまして、私は通産省にセーフガードの発動を何回かお願いをした経験があります。そのときにお答えになったのが江崎さんです。いろいろと技術的な問題もあるけれども、要は政策的な判断なんだと。特に、東南アジアを中心とした国々との貿易の関係、特に当時は貿易黒字が大変多くて問題であったと。だから、技術的な問題よりも、むしろそういう政策的な判断が優先をしてセーフガード発動は見送るんだと、こういう発言をされておるんですね。正にそのとおりです。
 ところが、これ十八日の新聞です。アメリカが鉄鋼のセーフガードを発動すると決めたという報道がされております。日本やEUは、あるいは韓国も含めて抗議をするという報道ですが、実はアメリカも分かっておるんですね、これ。発動すればいろんな問題がある、でもまずアメリカ政府は自分の国の産業をどう守るかということがまず大前提でこういうことを考えた。
 私は、日本の政府も経済産業省も、いろんな差し障りがあってもまず日本の繊維産業、タオル業界がどういう実態にあるのか、タオル業界どうするんだということを前提で考えなきゃいかぬ。全く逆ですね。何か経済産業省、特に繊維の問題見ますと、何かよその国の役所のような感じがします。できるだけ日本の国の繊維産業が競争力をそぐような形で政策を進めているような感じがしてなりません。
 今回のタオルのセーフガードについても、今、大臣は、まだあと一月ぐらいあるので発動見送ったわけじゃないというふうにおっしゃいましたけれども、でもこれはあながち私は全くでたらめを書いておるというふうには思いません。過去の日本の国の通産省、経済産業省が取ってきた繊維産業に対する政策を見れば、発動を見送るのは当然だというふうにだれが見ても分かる、こういうことを言っておるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(平沼赳夫君) 先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、私どもは六か月延長しまして、四月十五日までが調査期間に相なっています。そういう中で今、直近のデータというものを冷静に見ながら最終判断をしなければならないと思っています。
 私も、タオル業界の皆様方が経済産業省に来られて、その非常に厳しい状況、そして業界の皆様方が大変な構造改革にも積極的に取り組んでくだすっている、そういったこともよく承知をしておりますし、この件は慎重に私どもは四月十五日に向かって判断をしていきたいと、このように思っております。

○平田健二君 中国がWTOに加盟をいたしました。加盟したことによって、対中国の繊維のセーフガードが、いわゆる均てん条項が日本にも適用されるようになりました。これらの概要について御説明をいただきたいと思います。

○副大臣(大島慶久君) 今、内容についてのお尋ねがございましたのでお答えを申し上げたいと思います。
 対日、対中繊維セーフガードは、中国のWTO加盟に際しての条件を定めた作業部会報告書で規定をされているものでございます。
 その内容は、中国を原産地とする繊維、繊維製品の輸入により国内産業に市場の攪乱を起こした場合等に取られる数量制限措置でございまして、二〇〇八年末まで認められているということになっております。
 そして、繊維に関しましては、現在、WTO協定上繊維セーフガードがございます。輸出国側の措置を原則として、二国間協議が不成立の場合は輸入国側で輸入数量制限措置を取るということは共通でありますけれども、両制度の違いといたしましては、一つ、まず対中繊維セーフガードは中国のみを発動対象国としているということでございます。そして、二つ目には、繊維セーフガードは重大な損害を発動要件としているのに対して、対中繊維セーフガードは市場攪乱を発動要件としているところでございます。第三番目には、繊維セーフガードは最長三年間の措置であるのに対しまして、対中繊維セーフガードは原則中国へ協議要請をした年の十二月三十一日までの措置であるというようなところが違いでございます。
 対日、対中繊維セーフガードにかかわる国内法令の整備につきましては、現在、外為法に基づく告示の制定の作業を鋭意行っているところでございます。
 以上でございます。

○平田健二君 大臣、今回のこの均てん条項で中国に申し込む、申入れするあれはございませんか、用意は。

○国務大臣(平沼赳夫君) これは今、中国とは前のネギ等三品目、こういった形でセーフガードを発動し、その後両国首脳間で中国と日本というものは非常に相補完関係あるし、重要な関係があると。そういう意味で、やはり話合いを基調としてやっていこうということで、野菜の問題に関しては話合いという共通の場ができ、今それで協議をしております。
 そういう意味では、非常に日本と密接な関係のある、経済関係も非常に交流の深い中国に対しましては、私どもとしてはやはりせっかく築いたその話合いの路線というものをまずしっかりと守りながら、その中で中国と両方の共通の利害、そういうものをベースにしながら中国とは対処をしていく、そういう方針でございまして、今、対中繊維セーフガードを早急に発動するというようなことは今のところ私ども思っておりません。

○平田健二君 これは三月十二日に経済産業省が発表した数字なんですが、中国からの輸入量は、先ほど大臣がおっしゃいましたように、九九年が四万三千八百五十九トン、二〇〇〇年が五万一千トンちょっと、二〇〇一年が五万五千トン前後増加しております。
 国内の生産は、御承知のように、九九年がマイナス八・三%、二〇〇〇年がマイナス一三・四%、二〇〇一年、一・四半期ですけれども一二・九%の減少。そして雇用ですけれども、一九九九年は雇用者数が七・二%減少、二〇〇〇年が一〇・三%、二〇〇一年は、一・四半期ですけれども一〇・九%減少しておる。
 日本のタオルの業界は正にもう縮小均衡というよりも成り立っていかない、もうタオルは日本で作らないでいいじゃないかということですか。それならそれとはっきり言った方がいいんですよ。いつまでもこういう制度があるから、TSGの発動できる、こういったことをいつまでも幻想を抱かしておくことはむしろ酷ですよ、業界にとって。もう日本はこういったTSGなんて発動はしないんだと、何かそういうふうに決めてやらなければ、極端ですけれども、いつまでたってもだんだんだんだん縮小、縮小、縮小していく、こういう実態ですよね。やっぱりWTOのルールに従って、しっかりルールに従った形で発動をするということは私は当然だと思いますし、先ほどちょっと御紹介申し上げました。当時、橋本さんはこんなことを言っておるんですよ、そして更に。「私は、このMFAの準備が整うということは日本の繊維産業が一つ戦う武器を、堂々と戦う武器を一つ持つことになる、この点は大きく変わっていくと考えております。」。TSGを発動するルールを確立すれば大きな武器になる、WTOのルールに従って正々堂々と発動するということを日本が持つのだということを言っておるわけですね、平成六年。今日まで正に何にもなっていないと思うんです。(「懐かしいね、それは」と呼ぶ者あり)懐かしいですね。当時、そういうふうに発言しておるわけですよね。
 通産省、経済産業省は今日まで、分かりますよ、対中国との交渉の難しさというのは。でも、繊維業界としては、もうとにかく何でもいいからやってほしいんだということだと思いますね。是非ひとつ、四月十五日までありますので、お考えをいただきたいと思います。
 それから、今お聞きしましたら、新しいその対中国繊維セーフガードのガイドラインを作成中だというふうにお伺いしましたけれども、進展、進行状況はどうでしょう、どのくらい進んでいるんでしょうか。

○副大臣(大島慶久君) 正に先生のお尋ねの内容でございますけれども、現在、その法案が国会で審議をされているところでございまして、これは関税暫定措置法の改正が必要であるということがベースにございまして、この国会で今審議をされている、こういうふうにお答えをさせていただきたいと思います。審議中ということでございます。

○平田健二君 いつごろまでに。

○副大臣(大島慶久君) できるだけ早くそれが決着を急ぐようにやらせていただきたい。そして、できるだけ早いうち、この法律が通れば国内のいわゆる制度の整備に向けて努力をしていかなければいけない、こういうことが関連してまいると思います。

○国務大臣(平沼赳夫君) ちょっとその補足を。
 これに関しましては今、大島副大臣から御答弁をさせていただきましたけれども、中国のWTO加盟に際しましては、対中繊維セーフガード以外に、中国を原産地とするすべての品目の貨物を対象とする対中経過的セーフガードがあります。これについては関税措置もあることから、関税暫定措置法の改正が必要であり、このことは現在、その法案が国会で審議されています。
 お尋ねの対中繊維セーフガードにつきましては、発動要件であります市場攪乱の規定の仕方など対中経過的セーフガードと類似の点もございまして、これと平仄を合わせる必要があることなどから、その国内制度整備も踏まえて作業を行っておりまして、できるだけ早くその体制を取る必要があると、こういうふうに思っております。

○平田健二君 これは、現在のいわゆるTSG発動のガイドラインですよね。これ見ますと、とにかく発動できないというそのことが書いてあるんですね。
 特に、政策的な判断の部分では、この判断に当たっては、我が国の置かれている国際経済情勢や輸入促進の重要性にかんがみ、極力厳格に対処するものとすると、こういういろんなくだりがありますが、こういう難しいものを作らないようにしてほしいんですよ、ガイドラインは。これはTSGが発動できない、しないためのガイドラインですよ、はっきり言っておきますが。させないためのガイドライン。今度は発動できるためのガイドラインを是非作ってほしい、このことを要望しておきます。
 それから最後に、農産品のセーフガード暫定措置に対して中国は対抗措置を取ってまいりました。中国はWTOに加盟した後もこれ対抗措置をずっと続けました、確かに時間は短かったですけれども。WTOのルールでは、したがって、従えばWTOに加盟した瞬間に対抗措置はなくなるはずですが、中国という国はそういう国なんですよ、極端に言えば。ルールを守らないということなんです。ルールを守らない国にどう守らせるかということをしっかりやらなきゃいかぬ。もっとしっかりした外交交渉、中国との交渉を是非お願いをして、質問を終わります。

○本田良一君 同じく民主党・新緑風会の本田良一です。
 今日は、私は、小さく政策の追及をするということでなくて、今、日本が置かれました、世界の中でどのようにこの経済再建をやっていくかという大きな観点からひとつ質問をさせていただきます。
 私、先般、学生のころは世界史も取っておりますから、世界の歴史は大体のみ込んでおりますが、この間テレビを見ておりましたら、陸奥外相の特命を受けた牧野さんが列強五か国の中で会議を、臨んでいる姿を拝見をいたしました。このときに思いましたのが、ああなるほど、今、日本はサミット七か国の一員であるけれども、結局、日本という国は戦前からも世界の列強の中で五か国の中にちゃんと位置付けられていたんだなと。戦前、戦後を通じて日本は世界の列強の中で先進国として位置、存在をしてきた、このことを思い起こすことができました。認識をしました。
 そこで、それはなぜであったかといえば、やはりこの日本人の持つ工業生産力の優位と日本人の優れた先見性、それからちゃんと国家像を持って着々と目標に向かって進んでいる。それから、これに携わる人間が大変先見性を持って、あるときは毅然として事を、国際間の中で諸問題を片付け、日本として問題を片付け、日本がちゃんと毅然として存在をするようにしっかりとしてやってきた、そういう面がちゃんとあったんではないかと。ところが、今はサミット七か国に入っているけれども、今この戦前、戦後を通じて日本が本当に今が私は一番目標を失って、何かこの世界の潮流の中でひょうひょうとさまよっていると、そういう状況にあるんではないかと。
 だから、戦前は貧しかったから比較にならないということでなくて、あのときも五か国に入っておったわけですから、今も今日までそうしてきたんだけれども、本当に日本の歴史は今が一番悪い存在をしているのではないかと、こういうふうに今私は思いまして、これからのずっと以下、質問をしたいと思いますが、平沼大臣は祖父は首相でもあったということで、その歴史的な経過も踏まえて、この日本の存在を今、今日の状況をどのように思っておられるか。憂えておられるまではいかないでしょうけれども、大臣のことですから誇りを持っておられると思いますし、いろいろサミットやあるいはASEANの会議の中でもちゃんとした毅然とした姿でこの国際会議に臨んでおられるという姿も拝見をしておりますから、そういうことも含めてこの現状、日本についてどうお考えか、お聞きします。