構成吟

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前奏 : 海軍ラッパ

『構成吟 江田島讃歌』

[書軸] No.1「盆踊り」

『牽牛・織女の伝説に似て、年に一度、夏の逢瀬の大饗宴。
涼風夜月、光と影のその中で、隊員・町民入り交じり、歌い踊って夜幾更。』
カウン サンじ ツクす カイシュウジョー
火雲 散じ 尽す 絵洲城
 
デンショクの モードー ヤエイに ウカぶ
電燭の 艨艟 夜瀛に 浮ぶ
 
シンドー サンポー コウゲツの カゲ
真道 山峯 鉤月の 影
 
カンミン コーコー トウカの コエ
官民 好々 踏歌の 聲

[民謡]

『秋の江田島大空染めて、ゆれる蜜柑の花盛り
黄金色付きや摘む娘(こ)の唄が、蜜柑山から洩れて来る
ソーレササヨイヨイ、洩れて来る』

[書軸] No.2「卒業を祝す」

『広島県下江田島に、明日の日本のバロメーター。
昔、海軍兵学校、今に伝統受け継いで、海上自衛隊教育の場。
日本の海防と、世界の平和を念じつつ、文武両道を修得し、
二十一世紀に羽ばたくは、海の若鷹。』
シントウ コンハン シサイの コウ
晨棹 昏繙 四載の 功
 
フルタカ サンカ シュンプウに アう
古鷹 山下 春風に 値う
 
ホウヒ コウセツ デントウを ツぎ
芳菲 香雪 伝統を 継ぎ
 
コウキョウの セイネン カイクウに マう
紅頬の 青年 海空に 舞う

[書軸] No.3「江田島を讃う」

『風光明媚、山紫水明、歴史と伝統、燦々と輝き、山海の珍味も、又、豊富。
護国の英霊弔うて、今日の幸せ感謝しつつ、明日の希望へ向かいましょう。』
シュンカシュウトウ チョウボウ ナガく
春夏秋冬 眺望 長く
 
トウザイナンボク スイウンの キョウ
東西南北 水雲の 饗
 
チカく キく オンド シュウロウの ウタ
近く聞く 御塔 舟郎の 唄
 
トオく ミる ゲンシュウ シュエイロウ
遠く見る 厳洲 朱影廊
 
ヘキカイ シュウを メグりて カキの ビなるを シり
碧海 周を 繞りて 蛎の 美なるを 知り
 
コウトウ オカを オオうて カンの カンバしきを オボゆ
黄橙 阜を 蔽うて 柑の 香しきを 覚ゆ
 
トウゲン カクの ゴトし ホネを ウズむ ベく
桃源 是の 如し 骨を 埋む 可く
 
ココツ サントウ コクショウを トムロう
古鶴 山頭 国殤を 弔う

【一九九七年・平成九年()九月】