史料リスト・平安時代−物語−

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史料名著編者成立年代/略説明刊行本史料所蔵機関
日本霊異記景戒編823年頃/説話集。「霊異」とは仏の起こす不思議な現象で、それに因果応報を説明する形で、様々な説話集としてまとめた。基本書は787年(延暦6)に成立して、その後説話を付け加えてまとまった。「日本国現報善悪霊異記」ともいう。『群書類従』雑部『日本古典文学大系』『日本古典文学全集』
竹取物語不詳800年代頃/竹の中から誕生する竹取説話と貴族が求婚の条件を満たす為に策を張り巡らせては失敗する難題婿説話で構成される物語。5人の貴族の愚かな行為を描き、天皇以下の要請も断って月へと戻る仕立ては、風刺的要素を含んでいる。『岩波文庫』『日本古典文学大系』『日本古典文学全集』『新潮日本古典集成』
伊勢物語伊勢?800年代頃/歌物語現存最古の作品。ある「男」の元服以降その死までの物語で、「男」のモデルが在原業平ではないかと見られるが、他の人物性格も混ざっているため、業平の物語が基になって徐々に形作られていった作品と考えられる。伊勢は藤原継蔭の娘で、宇多天皇の寵愛を受けた人物。三十六歌仙の一人である。作者には在原業平や紀貫之説もある。『群書類従』物語部、『岩波文庫』『日本古典文学全集』
将門記作者不詳940年(天慶3)頃?/平将門の乱について記した書。成立は乱後まもなくか。諸本があるが須賀家の「書」が基になっている。『将門記』『群書類従』合戦部『茨城県史料古代編』『新撰日本古典文庫』『日本思想大系』『古典文庫』『東洋文庫』内閣文庫、静嘉堂文庫、蓬左文庫、神宮文庫、慶応大学図書館、県立大分図書館、金沢市立図書館など
宇津保物語源 順985年(寛和元)頃/物語。ストーリーはそれなりに整っているが、巻立ての時間順が前後曖昧で、因果関係もおかしい上に内容の重複があるなど不可解な構成になっている。そのため、その成立には複数の作品の統合や、欠失の有無、作者の実験的な手法と言った様々な説が考えられる。なぜか写本が少ない。『日本古典文学大系』国立国会図書館
落窪物語不詳平安時代/源忠頼の娘「落窪の君」が継母にいじめられるが、それに屈せずやがて幸福になっていくという物語。枕草子にもその名が見えることから、それより以前から知られていた事が判る。『角川文庫』『日本古典文学大系』『新潮日本古典集成』
枕草子清少納言1000年(長和2)頃/最古の随筆。枕草子は「狭本」と「広本」の両方があり、狭本は宮中の権力闘争に巻き込まれた清少納言が、半ば隠棲していたときに思いつくままに書き記したもので、広本は少納言が使えた中宮定子の死後、定子の事を評価するために記した物。『群書類従』雑部、『新日本古典文学大系』『新潮日本古典集成』
源氏物語紫式部1010年頃/物語。光源氏と薫の生涯を描いた全54巻の大作で、1008年には第5巻(若紫)までは完成しており、1021年に菅原孝標女が54帖を手に入れているから、この間の成立と見られる。当時草稿本、中書本、清書本の3種類が存在し、それが書写される内に、補作が行われ、60巻本、63巻本なども現れた。複雑な源氏物語をまとめたのは藤原定家の「青表紙本」と源光行・親行の「河内本」で、その二種類がその後の主流となった。物語の設定は「延喜・天暦の治」がモデルと言われる。この作品は完成直後から相当の評判だったようで、それ以降現代に至るまで多くの史料に散見でき、多数の研究書、注釈書、語訳書などが存在する。『日本古典文学大系』『日本古典文学全集』『新潮日本古典集成』
浜松中納言物語菅原孝標女か天喜年間(1053〜58)/故宮の息中納言が見る夢と現実、日本と中国が交錯した独特の物語。原題は「御津の浜松」といい5巻が現存する。『日本古典文学大系』
狭衣物語宣旨1059年(康平2)頃/恋愛物語。ストーリーは恋心を満たせぬ貴族が女性を遍歴する物で、源氏物語に似ている。登場人物の名や設定は明らかに源氏物語を受けている。全4巻。著者の宣旨は後朱雀院の皇女内親王に仕えた女房で、他にもいくつかの物語を記したという。『日本古典文学大系』『日本古典全書』
堤中納言物語編者不明1070年(延久2)頃/国内最初の本格的な短編集。10作の短編と断片作品が収められている。そのうち「逢坂越えぬ権中納言」のみ作者が小式部と判明している。収録作品は、姫と老婆を間違えて誘拐する話や毛虫を育てるのが好きな姫の話など独自の洒落と情感のこもった作品ばかりである。『日本古典文学大系』『日本古典文学全集』『新潮日本古典集成』
今昔物語編者不明1077年(承暦元)/説話集。全31巻で天竺(インド)編、震旦(中国)編、本朝(日本)編からなる。現存する物は一部欠落しており、一部分のみを含めても1059話が集録されている。日本や中国の書物を参考に編集したと見られ、また仏教説話などもあるが、教化、教訓的な物より、いわゆる話のおもしろさが編集の目的となっている感がある。『日本古典文学大系』
栄花物語赤染衛門著?11C/宇多天皇から堀河天皇までの時代を物語風に記した仮名文の史書。特に藤原氏の繁栄に詳しい。全40巻で30巻までが正編、残り10巻が続編。赤染衛門は、文章博士で撰国史別当大江匡衡の妻『新訂増補国史大系』『改訂史籍集覧』『岩波文庫』『日本古典文学大系』国立国会図書館、内閣文庫、静嘉堂文庫、京都大学、学習院大学など
江談抄藤原実兼撰1104(長治元)〜07年頃か/大江匡房の談話筆録集。間接的な内容もあり、全てが実兼の筆とも限らないが、成立年代は大江匡房の時代に近い。「古本系」江談抄は雑纂で、それを項目別に分類したのが「類聚本系」江談抄である。説話文学としては内容が雑多で、奇詩「野馬台詩」(破滅予言書)などもみられる。『群書類従』雑部、『古本系江談抄注解』『類聚本系江談抄注解』
陸奥話記作者不詳平安時代後期/前九年の役を描いた軍記物。軍記物としてはかなり古い書物。『群書類従』合戦部『日本思想大系』『仙台叢書』国立国会図書館、内閣文庫、宮内庁書陵部、静嘉堂文庫、天理図書館など
とりかへばや物語作者不明平安末期/物語。原本はなく、鎌倉初期の「無名草子」に「今とりかへばや」がある。現存は4巻。性格が逆の兄妹を交代させて、兄が女性として妹が男性として生き、栄華を極めてから男女の役割を元に戻すという内容。

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