戦後最初の内閣。終戦詔勅が出されると同日に総辞職した鈴木貫太郎内閣の後を継ぎ、進駐軍の受け入れと正式な降伏を目的とした。その為の武装解除も重要な目的であり、内大臣木戸幸一、枢密院議長平沼騏一郎が協議し、東久迩宮稔彦王を天皇に推挙した。内閣には、軍の穏やかな復員と解体のため、それまであまり表舞台に出ていなかった下村定陸軍大将と開戦に反対した英米派の元首相米内光政海軍大将をいれ、副総理に同等する権限を天皇に近い位置にいた近衛文麿に与えた。8月16日にはラジオ等で規律を保った武装解除を指令、まず内地から復員を開始し、一方で進駐軍の受け入れ準備に入った。
戦時体制にあった行政機構の改編と総選挙の準備、さらには憲法改正と議会制度の改革の準備も始めたが、9月から戦犯指定が始まると、終戦連絡事務局に不満を持っていた東久迩首相は重光葵外相を更迭。後任の吉田茂はGHQと交渉を開始、天皇のマッカーサー訪問を実現した。しかし、10月4日、GHQは内務大臣の罷免と特攻警察の廃止などを含めた「人権指令」を出し、対応が出来なくなった内閣は翌5日、終戦業務が一段落したという理由で総辞職した。
【東久邇宮内閣閣僚一覧】
総理 東久迩宮稔彦王(貴族院・無所属)
外務 重光 葵(貴族院・無所属)
吉田 茂(貴族院・無所属) 45.9.17〜
内務 山崎 巌
大蔵 津島寿一(貴族院・研究会)
陸軍 東久迩宮稔彦王(兼任)
下村 定(陸軍大将) 45.8.23〜
海軍 米内光政(海軍大将)
司法 岩田宙造(貴族院・同和会)
文部 松村兼三(兼任)
前田多門(貴族院・同成会) 45.8.18〜
厚生 松村兼三(衆議院・大日本政治会)
大東亜 重光 葵(兼任) 〜45.8.26
(8.26大東亜省廃止)
農商務 千石興太郎(貴族院・無所属倶楽部) 〜45.8.26
(8.26農商務省廃止、農林省設置)
農林 千石興太郎 45.8.26〜
軍需 中島知久平(衆議院・大日本政治会) 〜45.8.26
(8.26軍需省廃止、商工省設置)
商工 中島知久平 45.8.26〜
運輸 小日山直登(貴族院・無所属倶楽部)
国務 近衛文麿(貴族院・火曜会)
緒方竹虎(貴族院・無所属)
小畑敏四郎(陸軍中将) 45.8.19〜
書記官長 緒方竹虎(兼任)
法制局長官 村瀬直養(貴族院・研究会)