むかーしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがおりました。
「僕、おじいさん役なんですか?」
文句言わないでよシンジくん。
だいたいかぐや姫って男性でいい目を見る人はいないんだからさ。
「そうよシンジ。あきらめましょ。」
「なんでマナはそんなに機嫌がいいのさ?おばあさん役なのに。」
「だって・・・」
頬を赤らめるマナ。
「シンジと夫婦役なんですもの。それに、年を取っても二人一緒なんて、まるで私たちの未来を暗示してるかのようで・・・」
「そうだね。」
そう言われて真っ赤になるシンジ。そのままマナの手を握る。
「あ、シンジ・・・」
頬を赤らめてシンジの方を見るマナ。
そのままシンジは優しくマナに口づけを・・・ってこの話そういう話じゃないんだけど。
じいさんばあさんがこんなとこでラブラブしないでよ・・・
「そう、ばあさんは用済み。」
「あ、綾波。いったいどこから出てきたんだよ!?」
しかも唐突に。しかし実は今回、ここしか彼女の出番はなかったりもする。
アヤナミストの皆さんごめんなさい。
「ついでにじいさんも用済み。」
補足説明。別にレイはシンジが嫌いなわけではない。ただ単に、目の前でいちゃつかれて嫉妬しているだけであった。
「僕は、やっぱり僕はいらない子なんだー!」
「なに言ってるのシンジ!あなたはマナちゃんを守らなければならない。そう私と約束したでしょう!?」
「母さん?」
「お義母様?」
おいおいユイさん。そりゃなんか違う話だって。
「マナちゃん、シンジをお願いね。うちの馬鹿旦那の作った私のコピーとか、阿呆キョウコのところの凶悪怪獣とかにシンジを渡しちゃだめよ。」
「はい、お義母様。」
なんかこの二人妙に仲がいいな。
ま、嫁姑の仲が悪いよりはいいか。ね?シンジくん。
「妙に良すぎても怖いんですけど。僕の立場がなくなりそうで。」
安心したまえ、もとより碇家の男に立場などはない。
「父さんが悪いんだ。」
そうそう、悪しき前例を作ったゲンドウでも恨んでなさい。
さて、いつまでも碇君の家庭の事情をやってても仕方がないので。
「なんですかその比喩表現は。」
「シンジが八神くんで、私が真幸で、お義母様が野美さん。」
いや、そういう変なたとえを持ち出されても。
「ふったのはジェイさんですよ。」
ごめんね。
「そういや真幸の名字って五十里(いかり)でしたよね、関係ないけど。」
もうその話は終わり!






あんまり脱線しつづけると、主役が怒って火ぃ吐きそうだから先に進む。
そんなわけでおじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に・・・
「そうすると川から桃がどんぶらこーと。」
そりゃ桃太郎だっちゅーの。
「ちなみに必殺技はファイナルエルボーともんがーダンス。」
そうそう、ジェットモンガロンに乗って・・・ってしかも桃太郎ちがいだし。
「そもそも芝刈りと洗濯が間違いなのでは?」
ありゃ、そういやそうだ。






気を取り直して。竹薮へと向かうおじいさん。
「そしてお金を拾って帰ってくるんですね。そのお金で私とシンジは末永く暮らしました。めでたしめでたし、と。」
違うって。しかもネタが古いぞ、マナちゃん。
だいたい竹とってなにすんだろ。
「竹細工作って売るとか。あ、実はタケノコ掘って売ってるとか。」
おう、なるほど。
「あの、話進めていいですか?」
ありゃごめんシンジくん。





で、竹薮に来たおじいさんは、妖しく光る一本の竹を見つけます。
「なんだろう?」
興味をそそられたおじいさんは、竹を割ってみようとスマッシュホークを、ってあんたなに構えとんねん。
「ここで竹もろともアスカを切ってしまえば。アスカ、ごめん、僕とマナの平和な生活のために死んでくれー!」
なんかあったんだろうか?
しかし、そんなシンジの願いも空しく、災厄は解き放たれてしまうのです。
自らの力で竹の封印を破り、中からアスカが出現します。
「シ〜ン〜ジ〜」
「最悪だ・・・」
これ、かぐや姫だったよな?






仕方なくおじいさんはアスカ、もといかぐや姫をうちに連れ帰ります。
おばあさんが心底嫌そうな顔をしたことは言うまでもありません。
「ああ、せっかくの二人きりの生活が・・・」
おじいさんとおばあさんの年金を吸い取って、かぐや姫は見る見る大きくなりました。
「そう、ウルトラマンぐらいに。」
「いや、イデオン並みに。」
実はマクロス並み、ってそうじゃねえよ。
当然、年金で暮らしていたおじいさんたちの生活は、見る間に苦しくなっていきました。
「ハンバーグが食べた〜い。」
「うちには肉を買う金なんてないんだよ。」
「ああ、かぐや姫が綾波さんだったら、肉なんて買わなくてもいいのに。」
でも食欲魔神だから、結果はあまり変らんと思うが。
「せめてどっかの玉の輿にでも乗ってくれれば。」
一石二鳥である。






そんなおばあさんの切ない思いが通じたのか、かぐや姫に求婚する者たちが表れました。
物好きな。
「写真にあの性格はあらわれへんからなあ。」
ごもっとも。
求婚に現れた男性は6人。鈴原トウジ、相田ケンスケ、加持リョウジ、日向マコト、青葉シゲル、そして渚カヲル。
ですが、
「いや。」
「なにいってるの、もらってくれるだけありがたいと思わなきゃ。」
「シンジじゃなきゃ、や。」
我が侭な奴。
「ほ、ほら、こういう時はさ、そう無げに断るんじゃなくて、無理難題を押し付けて、できたら結婚する、とか言ってさ。」
「でもそれって、万が一の事があったら結婚しなきゃいけないじゃない。」
「だからできそうにないことを言えば。」
ほんとのところ、その万が一が起きて欲しいと、切に願うシンジであった。
「うーん。」
とりあえずシンジの言うことはきくアスカ。
第一そうじゃないと話が続かない。
が、そうなると逆に話は早い。
無理難題を押し付けるのは、アスカの得意技である。
「南極に眠っているというロンギヌスの槍をとってきて。」
それはアスカのしたたかな計算であった。
とってこれなければそれでよし。もしとってこれたらサードインパクトを起こしてしまえば良いのだから。
あぶねえよ、おまえ。
しかも。
「誰も取ってこれなかったら、シンジがあたしと結婚するのよ!」
ちょ、ちょっと、おじいさんと結婚してどうしようっての。
「アンタバカァ。役の上での話じゃなくて、実際によ。」
なお悪りいよ。
「わしゃおりた。」
「そんなぁ。トウジ、僕を見捨てないでよ。」
「なんでわいが惣流なんかのために苦労せにゃならんのや!」
「僕のためだと思ってさー(泣)」
「許してくれシンジー!わいには委員長という心に決めた人がー!!」
そうだったのか。
その台詞を聞いて、舞台そででヒカリが涙を流して喜んでいた。
「そんなぁ、僕にだってマナが、」
が、その台詞はアスカのパンチと、レイの超長距離レーザーによって未然に防がれた。
「俺も下りるわ。」
とは加持。
アスカに恐怖を感じたからであるが、それ以上にミサトが怖かった、などとは口が裂けても言えない。
「他の連中は?」
ギロリ、と怖い顔で睨み付けるアスカ。
唯一結婚してもいいかな、と思った加持が下りたせいもあるが、それ以上に彼女のプライドの問題でもあった。
全員下りてくれれば、それで労せずにシンジと一緒になれるのだが、それはそれで面白くない。
「い、行くよ。」
「なあ?」
「う、うん。」
アスカの迫力を押し返せるはずもないケンスケ、シゲル、マコトの3人。
ちなみに彼らは、帰ってこなかったという。
「でも・・・」
「なによホモ使徒。」
ホモといわれたことには、まったく動じないカヲル。
「その賭けは僕にとってあまり旨味がないね。だから、」
「だから?」
「僕が勝ったら、シンジくんのキスをもらう。」
そういってシンジに向け、薔薇を投げるカヲル。
おいなんか違うぞ。
「そ、そうだよカヲルくん、その台詞はあすか、じゃなくてアスカに向かっていう台詞のはずだし・・・あるいはミサトさんか・・・」
フロイラインアスカ、ってそうじゃねえよ。サイバーフォーミュラを知らない人、ごめんなさい。
「ま、キャラとしては似たようなものね。」
「ちょっと待ったー。全然似ても似つかないぞ!僕はこんな変態ではな〜い!」
おいおい、誰だよお前。
「おいランドル。」
「あのね、ランドル、これはエヴァなんだから出てきちゃだめよ。」
「うるさい!これは僕に対する侮辱だ。決闘を申し込む!」
誰に?
「落ち着けって。」
「ごめんなさいね。お騒がせして。」
「離せハヤトー!離してくれー!!」
なんかこの3人、こうして見ると修、ブーツホルツ、クレアの3人につながるものがあるな・・・
「てことはいずれはフロイラインあすかは僕のものに?」
「そんなわけないだろう!あすかは僕のもの!!」
「もう、ハヤトったら・・・」
そのハヤトの台詞に、顔を赤らめ、しかし悪い気はしないあすか。
そもそもいつまでいる気だ、おまえら。






とりあえずランドル、ハヤト、あすかの3人は退場。
「なんだったんだ、一体。」
「でもいいわねー、向こうのあすかさんは。なぜ同じアスカなのにこうも扱いが違うのよ。」
それをいっちゃあ・・・






うやむやのうちにシンジへのキスを承諾させたカヲル。
悪の大魔道士碇ゲンドウと、その手下どもを薙ぎ倒し、ついにロンギヌスの槍をその手にします。
「誰が悪の大魔道士だ。」
「そんなことより、その手下どもとは我々のことかね?」
「そうらしいですわね冬月先生。」
「まったく、何で私がよりによって母さんとまで一緒にされなきゃいけないんだか。」
「ちょっとリッちゃん。あなたねえ。」
「だいたいなんでフィフスにこんなにあっさりと倒されなきゃならないのよ!この美貌の作戦部長がいるのに!」
「葛城さんだから、じゃないでしょうか。」
「ちょっとリツコ、後輩の教育がなってないんじゃない?」
「私に言わないでよ、そんなこと。」
どうやら敗因は、チームワークの無さにあったようだ。






「これでシンジくんは僕のものだね。」
さて、意気揚々と引き上げた来たカヲル。
いつの間にか主旨が違ってるぞ。
だが油断は大敵、カヲルは最大の敵の存在を失念していた。
「アスカさん、一時手を組みましょう。」
「そうね、あいつだけは倒さなきゃ。でも、あいつにはATフィールドがあるわ。」
「超高出力による、一点突破、しかないわね。」
「ヤシマ作戦ね。」
「そんなわけだから私がフォワード、アスカさんはバックアップをお願い。」
「ちょ、ちょっと、何でアタシが!」
「あら、おいしい役じゃないですか。笑えばいいと思うよ、とかいわれて。」
「それもそうね。あのファーストをここまで押し上げた名シーン。うまくすればアタシの人気も倍増。シンジとともにヒロインの座も名実共にアタシのものね。」
マナがフォワードだって忘れてない?
したがって、そうなると当然・・・
ズドン
崩れゆくカヲル。ついでにぴくりとも動かないアスカ。
「でも、払った犠牲は大きかったわ。」
「マナ、なんか2射目のタイミングがちっと遅かったような。」
「わかってシンジ!私たちの幸せを守るためには仕方なかったのよ!!」
ウソ泣きとはわかっていても、そんなマナをいとおしく想うシンジ。
「マナ、もう良いんだよ。」
そういってシンジはマナをしっかりと抱きしめる。
そんなシンジの胸に、全てをあずけるマナ。
だからぁ、爺婆がラブラブしないでよぉ。
「いいじゃないですか。爺婆ったって所詮は特殊メイク。中身は14歳の少年少女なんですから。」
そりゃそうだけどね。シンジくんどう思う?
「出来ればメイクなしのが良いですけどね、僕は。」
そういやそうね。中身がマナとは分かっていても、見た目がばあさんじゃねえ。






と脱線を繰り返していたが、これで終わるような話ではない。
「よ〜く〜も〜」
「ア、アスカ!」
「なぜ、なぜあれで生きていられるの!?」
ついにその本性をあらわすアスカ。
シンジの運命も、地球の平和ももはや風前の灯火か。
誰もが死を覚悟したその瞬間。しかし、奇跡は、起きた。
「アスカ!」
「マ、ママ!?」
月から現れた正義の使者。その名は惣流キョウコ。
「こらこら、本名言っちゃだめでしょ。きちんと南夕子という役名があるんですから。」
おいおい、その名は・・・
「い、一体どうなってるんだ?」
説明せねばなるまい。
本来月の住人であったアスカは、あまりに悪さが過ぎたため、地球に追放されたのであった。
なんつー迷惑な話や。
しかし地球の惨状を見かね、女王であるキョウコさん、じゃなくて、えっと、夕子さんだっけ?がアスカを連れ戻すために舞い下りたのである。
「月の女王だったらあたしの方がふさわしいのに。」
「駄目ですよそんなの。ミサトさんがその役やったら僕は一体どうなるんですか。」
シンジくんはウラヌス、だねえ。
「いくらママといえど、アタシとシンジの仲を邪魔するものは容赦しないわ!」
いきり立つアスカであったが、
「メタリウム光線。」
やはりウルトラマンAの方が強かった。
いいのかねえ、こんな話で。






そして地球に平和が訪れた。
ありがとうキョウコさん。
ありがとうウルトラマンA。
その後、お詫びとしてもらった不老長寿の薬のおかげで、すっかり若返ったおじいさんとおばあさんは・・・
こっから先は自主規制。
「好きよ、シンジ。」
「僕もだよ、マナ。」
とりあえず末永く幸せに暮らしたそうです。




−おわり

あとがき

ジェイ:というわけでエヴァキャラによるウルトラマンA第X話『帰って来た南夕子』をお送りいたしました。
マナ:違う違う。
アスカ:アタシが主役じゃなかったのー!?
ジェイ:何を言う。立派に主役じゃないか。ゴジラ映画の主役はゴジラでしょ?
マナ:でも、ウルトラマンの場合主人公はウルトラマンじゃあ。
ジェイ:怪獣がもう一方の主役であることも確かでしょ。
マナ:まあ、確かに。
アスカ:納得いかなーい!
ジェイ:というわけで、凶悪怪獣、あ、Aだから超獣か、のコメントでした。
マナ:ちなみにこのお話に出てきた超獣の名前募集中で〜す。(←ウソです)







新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。

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