
BABY BLOWNING
ナガノ
ガス式
重量:80g
装弾数:約40発
購入価格:980円
・4月16日(月)はれ
なんか突然に普段持ち歩ける相棒のような銃が欲しくなった。グロック26?チーフス? いや俺が言っているのはそんなビッグな銃じゃない。普段持ち歩けるというのは、ポケットに入り、しかもその状態でバレバレにならないようなチビっこい奴だ。
ポケットに入る銃といえば真っ先に思いつくのはデリンジャーだ。確かマルシンから良さげなのがでていたはず。さっそく近所の量販店にレッツゴー兄弟だ。
あった!俺の求めるデリンジャーはショーケースの中で注意書きの黄色いシールをベッタリ貼られて光り輝いていた。値段は・・3,200円。しまった!定価だ!
定価でものを買うことは俺のプライドが許さない。しかも3,200円とは吉牛でディナーを済ませた給料日前の俺の財布には少々痛すぎる。ちきしょう、店員が訝しげな目でこちらを見てやがる。・・・確かに30過ぎのオヤジがデリンジャーを指をくわえて眺めている様は少々無様だ。今日はこの辺にしておいてやるか。
そして振り返ったショーケースの向かいの棚に・・奴はいた。

↑奴
パッケージの大きさからして奴がかなりチビっこいことは間違いない。価格も980円とリーズナブルだ。しかもガスと書いてある・・・ガスだとぉ!? この瞬間俺の心は決まった。
ブローニング、お前が俺の相棒だ!
早速レジへGO!だ。・・・ちきしょう、レジの店員が訝しげな目でこちらを見てやがる・・・確かに30過ぎのオヤジがこんなものを買う様は少々無様だ。店を出てからふと気づいた。しまった!定価だった!俺のプライドはズタズタに傷ついた。帰ったらすぐ寝よう。
・4月17日(火)はれときどきくもり
昨日バッグに入れたまま忘れていた奴を出す。見た感じはコッキングどころか銀玉鉄砲と言っても通用する出来映えだ。これを見せれば敵を相当油断させることができるはずだ。マズルはダミーで、リコイルガイドに当たる部分から弾が発射される点も敵の意表を突く素晴らしいギミックだ。装弾は、上部の穴からBB弾を流し込む銀玉鉄砲以来の伝統ある方式。ローダーを使用せずに一気に装弾することが可能だ。装弾数はなんと40発。93Rのマガズィンよりも軽量かつ小型なのにそれ以上の装弾数を持っているとは驚きだ。・・ふふ、まったく頼りになる奴だ。
さっそくガスを充填する。なんの音もしないので入っているのかどうか不安だったが、トゥリガーを引くと「ぷしっ」とガスが出た。これならインドアでもガスの充填を敵に悟られることはない。
ここまで完璧だと俄然射撃性能にも期待が持てる。BB弾を流し込みターゲットにサイトを合わせゆっくりとトゥリガーを引く・・・「ぷしゅう」。BB弾は50cm先の床に見事にヒットした。落ち着いて2発目・・・「ぷしっ」空撃ち。3発目・・・「ぷしゅっ」前方のどこかに当たって跳ね返ってきた。
・・・ダメじゃん。
なんか一気に気が抜けた。テレビでも見て寝よう。
・4月18日(水)はれのちくもり
今日は奴の分解に挑戦することにする。相棒とする銃くらいは目隠しをしても分解・組立ぐらいは出来なくてはいけない。分解はグリップ裏とマズル付近にある2本のイモネジを外すだけだ。スライドとフレームが一体化した「パーフェクト・モナカ」構造なので後は左右に引っぱれば分解でき
「ぶわぁぁーん!」
・・・思いっきり飛び散った。完全に抜いたつもりだったが、どうやらまだガスが残っていたらしい。まったくビックリ箱のような銃である。分解の際には安全のためゴーグルをした方がよさそうだ。
飛び散ったパーツを拾い集めるのにゆうに十五分はかかった。ちなみにその間にBB弾を23個拾った。俺の部屋って一体・・・
で、組み立てたのが下の写真だ。

Fig.1 ガスガンの基本的な構造1)
思わず余計なキャプションをふってしまったが、それほどまでにシンプルな構造だ。全く無駄がない。というか無駄じゃないものまで省かれている。驚いたのはインナーバレルとトゥリガーが一体化されているところだ。チェンバーやホップ(いい忘れていたがこの銃は一応ホップ付だ)もこのパーツに含まれている。
このパーツの後ろにはバルブと一体化したノズルがあるだけだ。つまりトゥリガーでこのノズルを押して出たガスで弾を飛ばしている。ただそれだけの構造だ。
これほどシンプルな構造なら、トラブルは起きにくい。また、メンテナンスも非常に容易だ。まったくこいつには感心させられることばかりだ。

しばらく眺めていると、突然俺の頭にキュピ〜ンと閃くものがあった。
通常のガスガンではハンマーまたはそれに相当するものがバルブを叩ために存在するが、こいつにはそれが無くトゥリガーとバルブが直結している。つまり、こいつでハンマーの役目をするもの・・それは、シューターの指にほかならない。銃の機能の一部をシューターが補う・・そう、この銃は銃人一体の思想に基づいた究極の銃なのだ!2)
このことに気づいた時の感動をどう表現すべきだろう。俺はすばやくこいつを組立て、噴き出すほどにガスを叩き込む。弾は・・そう、今ならわかる。マルイ0.12BB、こいつで決まりだ。
再びターゲットに銃を向ける。だが今の俺は昨日の俺とは違う。手首から先はすべて銃の一部だ。すばやく叩くようにトゥリガーを引く。「ぱすっ!」生ガスが吹きだし、弾はみごとにターゲットの片隅にヒットした。2発目!「ぶすっ」空撃ち。軽く手首をスナップして次弾をロード、3発目「ぱすっ!」命中。「シェイク&ショット」、これがこいつのベストスタイルだ。4発目「ぷす!」命中。何かを掴んだ、そう俺は確信した。
そして1時間後、俺はこいつの性能を存分に活かせるスタイルを確立し、10連続ヒットの偉業も成し遂げ、最高の気分で床につくことができた。
「おやすみ、相棒。」
・4月19日(木)くもりのちはれ
今日もいい気分でこいつで遊びまくった俺は、こいつを箱に戻し、TVチャンピオンの大喰い対決を見ながらキャベツ太郎を貪っていた。
大喰い最終決戦がラーメン五杯目に至ろうかという頃、それは起こった。
「ぱん!・・ぷしゅぅぅぅ・・」
敵襲か?! 俺は素早くテーブルの上のM19を掴み(但しカートは入っていない)床に伏せた。・・だが、どうもいつもと様子が違う。耳を澄ますと音の発生源は・・ああ、なんてことだ!奴の箱からしているじゃないか!
青ノリのついたM19をテーブルに戻し、急いで箱を開け奴をとり出す。しかしもう音はしない。恐る恐るトゥリガーを引く・・引けない。どうやら完全に逝っちまったらしい。分解するとかけたパーツの破片が落ちてきた。どうやらフレームのノズルを押さえる部分が欠けてしまったようだ。
・・・そういえば箱に入れる直前は生ガスを吹いているような過充填状態だったような。
「なんてこった!俺は相棒を殺しちまった!」
相棒殺しの俺の後悔の叫びと孝行息子のチャンピオンの歓声が同時に部屋に響いた。
ありがとうブローニング。君と過ごした4日間はしばらく忘れない。
この記事は多少脚色が加えられておりますが、まあ大体において事実です。
1)撮影の為トリガー後部のスプリングを外してあります。
2)妄想モードのため銃人一体の思想については不明。
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