6月7日(土)学んだこと


肉親の死というのが、たぶん一生のうちで一番悲しいことではないかと思う。
もちろん、親戚や友人、知り合いの死も悲しいけど。
人の死に直面した時、自分が頑張ればクリアできるという問題ではないことを知る。

日記にも書いたが、4年前、母が急逝した。直前までとても元気だったので、ホント
に急だった。
母が倒れた夜、かつぎこまれた病院で、意識が戻らず、いろいろ検査した後、医者に
呼ばれたときのことは鮮明に覚えている。
医者はとても言い難そうに「難しい」と告げた。私は突きつけられた現実をすぐには
受け止められなかった。私は尋ねた。
「大変失礼ですけど、大宮の大学病院の救急センターに運んでいただければ、
なにかやってあげられることがあるのではないでしょうか」
しかし、医者は「この危険な状態で搬送すれば、死期を早める危険があります」
その一言で、覚悟した。そして”現実を受け入れる”ということを学んだ。
現実を受け入れた上で、自分にできるベストのこと・・それは笑顔で母らしく旅立た
せることだった。
母の死で自分はより強くなれた気がする。

そして今回の父の死。母がとても急に逝ってしまったので、父にはなんとしても
長生きして欲しかった。日記にも書いたが、母の死後、弟と分担しての父の介護生活
は大変ではあったけれど、今にして思えば、とてもよい思い出だ。
しかし一昨年の夏、脳梗塞の再発以降はずっと意識不明だった。その後のことは日記
や掲示板に書いてきたが、呼吸困難や下血、高熱、嘔吐、痙攣..となんども危険な
状態や危篤状態を経験した。
その度に「今度こそダメか」と覚悟し、その度に父は危機を乗り越え、一喜一憂を繰り
返した。
この覚悟することを繰り返したことで、自分がより精神的に鍛えられたように思う。
そしてあの朝、父の顔を見たとき、最期と悟り、自分でも驚くほど平静な心で受け
とめることができた。
父は母に頼りきりだったので、母の元へもっと早く行きたかったんだと思う。
それを私たちが、まだ行かないでと引き止めていたのかもしれない。
安らかな顔で大好きだった母のところへ旅立っていけてヨカッタと思っている。

母の死、そして父の死を通して、私は精神的な強さを学んだ。
もともと精神的にタフな方だが、より鍛えられたなあ。
きっとこれからの人生、生きていく上で必要な強さなのだと思う。それを父と母が
教えてくれたんだと思う。

パパ、ママ、ありがとう。あなたたちの娘に生まれてよかったよ。あちらの世界で
また2人で仲良くしてね。


By Toshiko