バハマの首都ナッソーの年明けは、ジャンカヌー(junkanoo)とい
うカーニバルで始まる。
色とりどりに仮装した人々が、太鼓を打ち鳴らし踊りながらパレー
ドする。リオのカーニバルと同様、チーム毎にその装飾と音楽を競
い合う国民的行事なのだそうだ。
(もっともリオのカーニバルについては、それを模倣した浅草の
サンバ・カーニバルしか知らないが...。)
それは古くアフリカから連れて来られた人々から伝承され続けたと
言う。
チーム毎の構成は、踊り手と鳴り物とそれに山車、規模の大きな
チームはこれにブラスバンドが加わる。
この地の鳴り物は、ドラム缶に獣皮を張ったものを素手で叩く太鼓
両手でうち振るうカウベル、それに金属製のラッバ。
太鼓は一枚皮で、皮をより乾燥させるためなのか胴の中で固形燃料
で火をたいている奏者もいる。
強烈なビートの主役はカウベル。現地ではその音を"kalik、kalik"
と表わし、これは現地産のビールの商標にもなっている。鳴り物隊
の中でもコスチュームが一番派手だ。
ラッパはその昔は、コンクと言う大きな巻き貝を用いていた物の替わ
りと後で知った。
コスチュームは鳥の羽、金銀のモール、ダンボールに独特の彩色をし
た飾りである。
山車のように見えるものに実は車は付いてなく、人がなかで担いで
いる。
肩に大きなパッドを入れた人が行列に混ざっており、山車を担ぐ交代
要員らしい。
チーム毎にテーマが決まっていて、クレオパトラや極彩色のミッキー
マウスがいたりする。
"Judge"と書いたゼッケンを付けた人が大勢いて、真剣に審査をして
いた。後で表彰があるらしい。
道の両脇には仮設スタンドが作られ、人々はそれぞれ贔屓のチームに
声援を送る。
路上の見物人の身体も揺れ動き、パレードのビートに酔いしれる。
パレードは灼熱の太陽を避けるためか、夜中の1時過ぎから始まる。
やがてそのまま夜明けを迎え、まだまだまだ続く....。
元旦の昼、ナッソーのダウンタウンはひっそりと静まりかえり、
明け方の熱狂が嘘のようだ。
スタンドを撤収する作業員が物憂げに働いている。売店のワゴンを車
につないで帰る親子がいる。
ふと、青森のねぶたと徳島の阿波踊りをこの地に..と言う幻想が
わいた。
#当Webのギャラリーのコーナーに、今回撮ったジャンカヌー
の写真を載せました。是非ご覧ください。しかし、肌の黒さが
闇に同化し、顔がよくわかりませんが...
By Akira & Toshiko