ちょっと重い話。
パパさんの主治医から先日呼び出しがあった。年末から高熱が出て一時は9度7分(!!)
なんて状態だったため、その説明かと思って弟と病院へ向った。
高熱は薬でなんとか治まったようだ。話の主旨は『今後のこと』だった。
父は両目は開き(見えてはいないが)、片手は動かせるものの、意識不明のまま。
既に5ヶ月になろうとしている。
昨年10月初めには呼吸が停止し、危篤となり、延命措置で人工呼吸器を付けとかなり
深刻な状況であった。しかし、お蔭様でその後は持ち直し、リハビリ...といっても
抱えて車椅子に乗せたり、器械を使って立たせるなんてことをやってもらっている。
寝たままだと筋肉が落ちてしまうため、それをいくらかでも防ぐことが目的だ。
体の機能が回復するとか、自立することを目的とした本来のリハビリではない。
医者からの説明はこうだった。
『残念ながら回復するという効果が期待できないため本来のリハビリはできない。
ここはリハビリを目的とする病院なので、こちらとしてはこれ以上できることがない』
よって、退院して自宅介護するか、転院を考えて欲しいとのことだった。
ムムム...来るべきときが来たか。
しかし、父は痰のためノドを切開しているし、食事は現在は鼻からの経管栄養だし、
意識不明で体を動かせないため激しい床ずれができてしまっているし、もちろん
オムツだし、しかも巨漢だし...とても自宅で介護できる状態ではない。
というか、お世話できる人もいないし、病院のように24時間見守ることは無理。
となると転院しかない。
しかし、よくよく話しを聞いてみると、もし病院を移ったとしても、その病院でも
やはり3ヶ月をメドに転院させられるというのが、一般的なようだ。
よく病院を転々とさせられるという話しを聞いたことがあるが、何故なのか?
いろいろインターネットで調べたら、日本の医療制度がそもそもの原因であることが
わかった。
現在の医療制度では3カ月以上の入院は困難なのだ。
一般病棟に入院している高齢者(重い病状でない場合)については、3ヶ月を経過する
と、医療費の入院診療報酬が低減される。病院がつけることのできる点数が極端に少なく
なるのだそうだ..つまり、病院の収入が大幅に減ってしまうというシステムになっている。
「老人について、3ヶ月以上は正当な入院医療を認めない」という医療制度らしい。
だから、どこの病院でも3ヶ月経過すると、『移って欲しい』ということになるんだ。
今までは6ヶ月がその期限だったものが、3ヶ月に短縮されてしまったのだそうだ。
このため、入院がどうしても必要な高齢患者は他の病院にやむなく転院していることが
多いらしく、老人病院情報センターなどには様々な相談が寄せられているそうだ。
同じような状況下で困っている人がいっぱいいる。
政府も年々、増え続ける医療費を抑える目的なのだろうが、医療制度の改悪として
インターネットでもかなり問題になっている。
また、入院の必要性がないのに6カ月以上、入院を続けている患者を対象に、入院費用分
については医療保険からの給付をやめ、患者の自己負担とする方針も出ている。
自己負担となると、1ヶ月45〜50万近くなるらしい。(ひぇ〜!)
入院の必要性の定義が難しいところだが、在宅介護が難しい場合には、介護保険の適用が
考えられているらしい。が、よくわからん。
たった3ヶ月前、危篤だったことを考えると『転院できるくらい病状が落ち着いている』
ということなのか..いいような悪いような。
まあ、現在の病院はとっても良心的なところで、今すぐ退院してくれということでは
ない。次の受け入れてくれそうな病院をいろいろ紹介くれるという。
しかし、パパさんはかなり重度の患者だし、我々が会社の帰りに通える地域でとなると
受け入れ先も難しいらしい。
手続をしても数ヶ月待ちになるので、転院できるまではお世話しますとのこと。
う〜ん..医療制度の改革なんてニュースになってても、やはり身近な問題にならないと
わからないことがいっぱいあるんだね。
パパさんについての新たな心配のタネができてしまった。
By Toshiko