3月25日(月)パパさんのその後



今年1月に今の病院から転院を勧告されて以降の報告です。
我々の転院先の希望はあくまでも通える範囲の地域の病院。
しかし、パパさんは、気管切開(タンを取るためにノドを切開しています)/胃ろう
(栄養液を摂取するために胃に穴を開けています)/大きいジョクソウ(床ずれ)と
3拍子揃っていて、しかも意識不明。これはかなりの重症患者です。
そうなると、どこの病院も受け入れてくれない...
ソーシャルワーカーの方が片っ端から電話してくれて、ほとんどは電話で断られたそう
ですが、1箇所だけ、今の病院の近くで話を聞いてくれるところがみつかりました。
書類を持って、面接に伺ったのですが、やはりジョクソウが大きいということで結局
NGになってしまいました。

ソーシャルワーカーからは、地域範囲を広げるようにと言われましたが、例えば群馬とか
福島などという場所では通えません。
自分たちなりに、知人に相談したり、インターネットを駆使して、いくつか当たってみま
したが、反応はほぼ同じ。

そうこうするうちに、ある方からメールをいただきました。
その方のお父様が入院されている病院がとっても親切なので、相談されてみたらどうかと。
ワラをもすがる気持ちで、その病院に電話を入れ、見学へ。

ロビーでケースワーカーの方を待ってる間、驚きました。
広い廊下、ゆったりとしたソファー、壁にかかる絵画や写真...まるでホテルのロビー
みたい。
対応してくださったケースワーカーの方も大変にこやかで親切でした。
その方に案内され院内を見学して廻りましたが、イベントを行う大きな講堂や、富士山の
見えるサンルーム、庭園の見える喫茶室など、病院とは思えないほど施設が充実していて
また、廊下ですれちがうスタッフの方々もみなさん挨拶をしてくださり、大変よい印象を
受けました。
また、多くの老人病院はそうですが、パジャマ・タオルなどの準備はすべて病院でしてく
ださり、洗濯などの手間は一切いらないこと。
そして、こちらの病院は、入れれば最期まで。6ヶ月とか経っても転院する必要はなく、
いわゆるたらい回しになることもない、またe-mailで病状(例えば熱がどうだったとか..など)
を家族に伝えてくれるサービスがあるなどの説明を受けました。

実はこの病院、家からだとちょっと遠いんです。車で1時間半くらい。今の病院の倍くら
いかかる。また平日、会社の帰りに寄るにはちょっと遠いし、しかも面会時間が7時まで
なので、早退しないと間に合わない...今までのようには病院に顔を出せなくなるので、
ちょっと悩みました。
が、
残念ながらパパさんは意識がないので、我々と話をすることもできませんし、面会に来な
いから寂しいということも我々が思っているほどわかってないのかもしれない。であれば、
パパさん自体が24時間、快適に過ごせることが一番なのかなぁと。
やはり人間として最期の場所ですから、快適に過ごせる、尊厳を大切に扱ってくださるとこ
ろに入れてあげたいと思ってます。
老人を対象とする病院でも、病院によってってカラーがあって、以前お話したように人間と
しての尊厳を大切にしてくださるところと、ないがしろにするところと実にさまざま。
経営者の考え方ひとつでよくも悪くもなるということなのでしょう。

そして、昨日、先生との最終面接となりました。
やはりこの病院で最期を迎える方が多いということでしたが、なにかあった場合、手術など
の積極的な治療はできないという説明を受けました。
昨年秋に、呼吸が止まった際、延命措置をしてパパさんは一命を取り留めました。しかし
あの延命措置は当然我々家族が望んだことで、今日のような状態を本人がどう思っているか
わかりません。
ですから、今度はムリな延命措置はしない覚悟はできています。
その時がきたら、静かに苦しまずに大好きだった母の元へ旅立たせてあげたいと思っています。
(この心境になるまではいろいろ悩んだけどね)
ジョクソウが大きいのがちょっと心配(感染症とかが起こりやすい)とのことでしたが、
この病院でお世話していただけることになりました。(ワーイ!!)
しかし、当然、待っている方が多くいらっしゃるので、実際の転院は2、3ヶ月後になり
そうです。

今回の転院の騒動でいろんなことを勉強したし、悩みまもしたが、これがベストな選択だっ
たと信じています。
メールだけのやりとりで、直接、まだお会いしたことがないのに、親切に病院をご紹介くだ
さり、また病院側に対してもいろいろフォローしてくださった、シッチーさん、本当にあり
がとうございました。感謝の気持ちでいっぱいです!ありがとうございました。

By Toshiko