5月9日(火)未来日記



久々熱〜くなって見ていたTVがある。そしてGW中の3日、ついに
最終回を迎えた。
この番組はTBSの”ウンナンの気分はホントコ!?”という番組の中
の『未来日記』というコーナーだ。かなり話題になった番組なのでご存
知の方も多いと思うが。
この『未来日記』とは...
ドラマみたいな恋愛をしてみたい!そんな男女を一般から募集して、
主人公の二人の男女が選出される。
そして、お互い見知らぬ彼ら二人が毎回『未来日記』という台本を読み、
ドラマみたいな恋愛を演じていくというものだ。
ただし、台本といっても、この『未来日記』には、毎回シーンの最初と
最後しか書かれていない。
つまり、状況だけ設定してあり、その間のセリフのやりとりは全て
素人の出演者に委ねられているのだ。
そして『未来日記』を演じていくうちに二人の間に本当に恋愛感情が
生まれるのか?というドラマのような、ドキュメンタリーのような..
とっても不思議な番組だ。


3月1日から2ヶ月間に渡りOAされた「未来日記V〜スケッチブック」
のテーマは「言葉の壁」。脚本はナンチャン。

主人公は、お互いを全く知らない日本人の男の子と、台湾人の女の子。
成田空港で出会い、お互い言葉の壁があるために、最初はスケッチブッ
クを使って互いのコミュニケーションを取る。
徐々に互いの国の言葉を覚えていきながら、お互いに好意を持っていく
のだが、『日記』には自分の気持とは裏腹に別れのセリフを言わなけれ
ばならない設定が書かれている。
ナンチャンは、この2人に何度も試練(?)を与え、もうこれで最後か
という設定が何度もあった。
しかし、2人は試練を乗り越え、台湾ロケまで敢行され、遂にハッピー
エンドを迎えた。
このストーリーについては、番組を見ていない人に説明するのは難しい
ので
http://www.ktplan.ne.jp/tbs/un-nan/story.htm
をみてください。

この『未来日記』の凄いところは、設定こそ与えられるものの、そこで
繰り広げられる人間関係、セリフが全てナマであるところだ。
見ている人はそこに感動し、ドキドキする。
キムタクや今井美樹が出て来るトレンディドラマも悪くはないが、やはり
ドキドキ感が違う。『未来日記』の方が数倍、ドキドキできる。

そこでハタと考えた。
我々役者が演じるドラマとナマのリアリティ。
役者がどんなにリアルに演じようと、それはナマではない。
台本にはあらかじめセリフが書かれている。
相手の次のセリフはわかってしまっているのだ。でも、それをわかっては
演じられない。
それをリアルに演じる難しさ..
しかも、見ている方にとってはナマの方が面白いのだ。
数倍ナマの方がドキドキし、ウルウルできる。

この『未来日記』という企画は、私にとってリアルに演じることの難しさ
を改めて感じさせてくれた。
以前、ある演出家から
『芝居をすることを忘れて、喋ったらたまたま台本に書いてあったセリフ
だった、というのがベストな状態だ』
と言われたことを思い出した。
ホント、演じるというのは難しい。

ちなみにこの『未来日記』の主題歌は、福山雅治が書き下ろした新曲「桜坂」。
この『未来日記』という番組の人気もあってかなりヒットしている。
この曲を聴くと、あの『未来日記』でのシーンが浮かんでくるのは私だけでは
ないだろう。
役者ではない出演者の彼らが登場する数々の名シーンが、曲とともに甦る。
ドラマでもないのに、こんな体験も初めてだった。

久々ドキドキさせてくれた『未来日記』に拍手!!

By Toshiko