今まで1度も【気まぐれ日記】を休んだことがなかったのに....
って、最低ひと月1回は書いてたってことだけどね。10年以上続いていたのに。
6月の上旬、『今月はなにを書こうか』って思っていて、そうだ、せっかくだから
W杯の話題にしようと思ってたのに、やはり結果がショックだったのかしらねぇ...
すっかり忘れていました。でも5月は2回書いたから、ま、いっか。(自分に言い訳)
さて昨晩のヒデの衝撃的な引退宣言。
(こちらでご覧になれます)
ブラジル戦でピッチの上で起き上がれなかった姿は目に焼き付いています。
今回の日本戦を象徴的に印象付けたし、ヒデ自身、燃え尽きたのかなぁと思わ
せるシーンでした。
その後も彼のことが気になって、ヒデの公式HPをときどきクリックしていました
が、ブラジル戦前日の日記を最後にずっと更新されませんでした。
昨晩、Yahooニュースの速報で引退を知りましたが、ヒデのHPはアクセス集中で
開かず、引退宣言の内容を知ったのは今朝のTVでした。
彼の引退宣言が読み上げられ、思わず涙してしまいました。
「サッカー、好きですか?」と問われても「好きだよ」とは素直に言えない自分がいた。
10年以上前に、TVで『蒼き伝説シュート』というアニメをやっていました。
日曜の朝だったと思いますが、ダンナと2人で毎週欠かさず見ていました。
『トシ、サッカー好きか?』というのが有名なセリフ。主人公トシの憧れの先輩久保が
言うセリフ。でも久保先輩、死んじゃうのよねぇ。
ヒデの引退宣言を聞いたとき、このアニメを思い出しました。
プロになり、子供のころのボールを追いかける瑞々しい気持ちがなくなってしまったと
述べています。
サッカーが大好きなハズなのに、それ以外のいろんなものが彼にのしかかっていた
んだね。
ある時はまるで感情が無いかのように無機的に、またある時には敢えて無愛想に振舞った。
突き放したようなヒデのインタビューやマスコミに対する態度は時とすると批判的に
報道されていました。
でもサッカーへの思いを傷つけないように、自分で厚い壁を築くようにして、それを守って
きたと告白しています。
20代の彼が、いかに多くのものを背負い込んできたか...
私が思わず涙した理由です。
時には励まし、時には怒鳴り、時には相手を怒らせてしまったこともあった。
だが、メンバーには最後まで上手に伝えることは出来なかった。
ヒデは日本代表の合宿中も、食堂で輪に入らずひとりで食事をするし、準備運動もみんなと
は一緒でなくひとり、シュート練習も居残ってひとりで練習...と伝えられていました。
本場ヨーロッパでの経験から、日本代表に伝えたいことがいっぱいあったんだと思う。
それを彼なりに一生懸命伝えようとやってきたんだと思うけど、なんとなく浮いてしまっていたのかもね。
自分の思いを、他人にうまく伝えるというのは難しい。しかも置かれている環境が違えばなおさらだ。
ヒデはうまく伝えられないもどかしさ、不甲斐なさを感じていたのだと思う。
今回のW杯の3試合でも、ヒデはほんとよく走り、気迫のプレーをしてました。それがヒデが伝えた
かったことなんだよね。
「大学は30歳を過ぎても行けるけど、サッカーは今しかできない。」
彼はとても頭がいい。高校時代も東大クラスを目指せるくらいのデキであったらしい。
(ちなみにキャプテン宮本選手もかなりデキがよかったらしい)
ヒデは大学進学を進める親の希望を振り切ってJリーガーになったそうだ。
今しかできないことを選択する。これは人生にとって、とても大事なことだ。だけれど、なか
なか思うようにできないのも人間なんだけどね。
私がヒデが賢いなあと思ったのは、今から8年前のフランス大会。初めてのW杯出場で日本
は浮かれていた。でもあのとき、W杯本番直前に突然、彼だけが金髪にしたのだった。
欧米人からみて、日本人はみんなのっぺりした顔で、黒髪で、見分けが付きにくいと言う。
そんな中ひとりだけ金髪にすれば、そりゃあ目立つわなぁ。
そして、思惑どおり、その才能が注目され、ヨーロッパへ。
サッカーの実力はもちろんだけど、自己を演出できる力というのも素晴らしい。弱冠21歳の
彼が、客観的に、世界からの目で自分を見ることができたんだねぇ。(感心)
サッカーをやめることは絶対にないだろう。
旅先の路地で、草むらで、小さなグラウンドで、誰かと言葉を交わす代わりに
ボールを蹴るだろう。子供の頃の瑞々しい気持ちを持って――。
このフレーズを読んで、ほっとした。
「サッカー、好き」と思えるヒデに戻ってもらいたい。
いろんなプレッシャーから解放されて、きっとニコニコしているんだろうなぁ...ヒデ。
我々凡人は、どんな分野であっても日本においてトップに立ち、さらに世界レベルで活躍
することはなかなかできない。
しかも、29歳という若さでそこまで登り詰め、また自らそこから離れ、また新たな道を歩む
などという人生も体験することはない。
NAKATAという生き方、これからも応援したいと思う。
頑張れ、ヒデ!そして、ありがとう!
By Toshiko