この春から、地元西川口にある劇団キンダースペースのワークショップに参
加しています。ワークショップとは、役者の勉強会のようなものです。
「私と演劇」の歴史を振り返ると、小学生の頃、国語の教科書の後ろの方に載
っていた戯曲のようなもの・・・台詞の「」を声を出して、感情を入れて読む
のが大好きでした。先生が「上手に読めたわね」と誉めてくれるので、その気
になっていたのかもしれません。
その当時、新聞の折り込みに入ってくる児童劇団のチラシとかに興味があり
ましたが、母親は全く取り合ってくれませんでした。
そして中学には演劇部がなかったため、結局、私の演劇史は高校からです。
浦和一女という女子校だったため、男性役とかもやりました。
念願の養成所に入ったのは大学生になってから。アルバイトで、入所金や月
謝が払えるようになってからのことです。
その後、劇団「円」の養成所に入り、卒業後、プロモーションコーナーに書い
たようなマスコミの仕事をやらせてもらってます。
という訳で、結構長い間、演劇とは関わっています。そんな中、今までに2
度ほどスランプがありました。
1度目は、プロダクションが潰れて全く仕事がなかったり、舞台とも関わっ
てなくて、全く演劇と離れてしまった時期がありました。そうすると、毎日
会社に行ってコンピュータに向うだけの日々が続いて...だんだん自分の
感性とかが摩耗してしまうような気になるんです。毎日のように芝居に関わ
っている時は、心臓が自分で動かせるというか、胸のキュンとするあたりを
自分でコントロールできる..うまく言えないけど自分の感情を自由に操れ
るという感じでしょうか。それが、ある時気が付くと以前のように心臓が動
かせない...焦りましたね。その頃もあちこちのワークショップに通って
何とかしようとしてました。
そして今回。まあ、芝居をソコソコやるので、マスコミの仕事を何とかこな
してる状態。でも、そういう仕事って、小手先の演技だったり、それらしく
見える、聞こえるというような方向に向かいがちなんです。お芝居をしちゃ
うんです。こんなんでいいのかなぁ..いや、何かが違う...お芝居をせ
ずに、ちゃんとそこにリアルに存在したい。
そんな状況の中、冒頭のワークショップに通い始めました。
いや〜、楽しいです。いろんな役者さんがいるし、テンションのかけ方もい
ろいろだし...
そのワークショップで講師である演出家の原田さんに言われることは、「セリ
フを忘れること」。芝居をすることを忘れて、喋ったらたまたま台本に書いて
あったセリフだった、というのがベストな状態だというのですが..ウ〜ン
難しいです。本当は相手が何を言うのか、知ってるんだもん。悪戦苦闘して
います。
もうひとつ、「演技の引き算」。いかに何もしないか...これまた難題。
でも、キーワードは自分でまとめず、相手からもらうこと。コレって演技の
基本のはずなんだけど、つい、自分で何かやっちゃうのよね。現在、引き算
中です。
何事においても、トライすることがあるって大事だと思う(と、プラス思考
の私。ハハハ...)目下、初心に戻って、「演じるということ」にトライし
ている私です。
By Toshiko