この夏休み、モルディブへ行ってきた。ウチのサイトのトップページにある「最後の楽園」は
2年前に訪れた時に作成したものだ。
今回も同じホテル。「フォーシーズンズ・クダフラ」
もちろん前回訪れた時にとってもヨカッタというのが再び訪れた理由だが、フォーシーズンズ
を選んだ理由はもうひとつある。
前回、ホテルのバーテンであるBALUと仲良くなった。モルディブはイスラムの国なので、アル
コール禁止。ホテルではもちろん飲めるが、割高。飲んべえの栗田家は、毎晩、ホテルの
バーに足を運んでBALUと仲良くなったのだ。
彼はジョークは飛ばすし、親切だし、ダンナがいろんなカクテルを教えてあげて一生懸命に
新しいカクテルを勉強しようとするし、感じのいい、とってもイイ奴だった。
前回の別れ際、日本からのおみやげであるTシャツを彼にプレゼントし、メールアドレスを
交換した。
そして、それ以降、BALUがちょくちょくメールをくれるようになったのだ。
彼のバケーションの様子を書いてきたり、写真を送ってくれたり、ホテルに新しくできた施設
(SPA)の様子を写真で教えてくれたり...
ウチも彼にカクテルの英語サイトを教えてあげたり、日本のことを書いたり...
そんなことから、どうせモルディブへ行くなら、またBALUに会いたいね、ということで、同じ
ホテルに決めたのだった。
今回は、パパさんのことがあったので、ドタキャンもありの覚悟だったため、BALUには夏休
みに行くかもとはメールしたけど、旅行日程については知らせてなかった。いきなり行って
驚かせようという作戦だった。
モルディブは首都マーレの空港に着くと、各ホテルのカウンタがあり、ホテルへのボートの
手続きをする。
今回、我々が空港に到着したとき、カウンタになんとBALUが居た!!
ちょうど彼はその日がオフで、マーレに遊びに来ていて、その帰りだったのだ。
お互いに驚き、再会を喜び合った。なんかとってもうれしかった。彼もとっても喜んでくれた。
彼は昇格し、バーの隣のレストランチーフになっていた。今度はワインの勉強をしていて、
滞在中、レストランで我々に美味しいワインを選んでくれた。
バーコーナーで彼の作るカクテルを飲めなくなってしまったのは、ちょっと寂しかったけど、
彼が精進し新たな仕事をしている姿はうれしくもあった。
彼はオフの時間に、彼らが住むスタッフエリア(STAFF ONLY)に我々を案内してくれた。
レストランでは彼は仕事中だから、あまりプライベートな話はできないが、スタッフ専用ビーチ
でいろんな話をした。
BALUはインド人、26歳。
彼は自分の部屋からアルバムを持ってきて、インドの彼女の写真を見せてくれた。
どうやって彼女と知り合ったかとか、現在はメールやチャットでデートしてることをうれし
そうに話す。その姿は26歳の青年だ。
家族のことや故郷に帰ったときに行った旅行のことなどもアルバムを見ながら話してくれた。
私は、「ずっとココで働くの?」と尋ねた。
実は彼はメールで、新しくいろんなことを勉強していると書いてきたからだ。
きっとなにかやりたいことがあるんだろうなぁと思っていた。
私たちにとってのモルディブは「最後の楽園」にふさわしく、目の前には信じられないような
美しい海、別世界が広がっている。しかし、別の世界からやってくるから「最後の楽園」なのだ。
彼はモルディブへ来て5年になる。彼にとっては THE SAME SEA, SAME SKY, SAME FISH...
だと言った。
もう、そんなに長くは居ないつもりのようだ。
いつかはインドに帰って、ホテルマンの育成のようなこともやってみたいと夢を語る。
その前にアメリカへも行ってみたいようだ。
たまたま海外旅行で知り合ったホテルのスタッフと、こんなに仲良くなったことはない。
2年前訪れたとき、また、会えるなんて思ってなかったし、彼はモルディブ人ではないから、
再び訪れても彼がそこにいる保証はない。
国籍も、言葉も違う人とのつながり。インターネットができるようになったことも大きいね。
ふと「一期一会」という言葉がよぎった。あるんだね、異国でも。
彼の向上心を持った生き方とか、人なつっこい明るい性格が我々と合ったんだと思う。
しかし、彼がモルディブに居なくなってしまったら、モルディブへ行く楽しみが半減して
しまう。別のホテルにしてしまうかもしれないなぁ。
彼は帰り際、この秋にいろいろ考えていることがあるから、必ずメールで報告するよと言った。
彼からのメールを楽しみに待っている。
また、どこかで会えるといいなぁ。
BALUと私たち
By Toshiko