11月01日(日)美味しそうな店


どちらかというと、私は美味しそうな店を探すのが得意である。
別に美味しい店を探すための特別な方法がある訳ではない。野性のカンに
近いものがある。

先日、岡山に出張した時のこと。
関西方面には出張することが多いが、大阪や京都などはガイドブックがかな
り出ているので、事前に良さそげな店を決めておきやすい。
しかし岡山は初めてで、ガイドブック情報もなし。でも、せっかく出張した
のだから、何か美味しいものを..と繁華街へ繰り出した。
一緒に出張した後輩とブラブラすること15分ほど。
「どこにしますか?」と後輩。
「う〜ん...」私は、ブラブラする中で、何となく気になった2つの店を
候補に挙げた。
ちょっと前の日記にも書いたが、歳を重ねるごとに、だんだん美味しいもの
が食べたくなる。安いよりも、美味しいことの方が大事になってくる。特に
出張した時などは、「せっかく来たんだから...」という気持が強い。
候補に挙げたこの2つの店。ポイントのひとつは、学生たちで盛り上がって
いないこと。若者たちで盛り上がる店は安いが、美味しくないことが多い。
それから店構えとか、美味しそうな地酒がありそうとか...ピンと来るか
どうかだ。

結局、ちょっと覗いた時に、オジさんとオバさんのカップルがいた店を選ん
だ。年配のカップルが落ち着いて入るような店は、美味しい店である可能性
が高い。
結果は...大正解!!
カウンターに案内され、お洒落なランチョンマットと箸が置かれた時、
「こりゃ行けるに違いない」と思った。
まず、刺身を頼んだら、新鮮で美味しいお刺身が、とてもキレイなガラスの
皿に盛られ、お揃いのガラスの醤油皿とともに出てきた。
美味しいことにこだわるって、そういうことなんだよねぇ。美味しいお酒、
美味しい肴にこだわれば、必然、盛り付けとかにこだわりが出て来る。
でも、ココが難しいところだ。ただ単に、格好つけてる店というのはNG。
都会の洒落た店にありがちな、気取って飾ることと、こだわることの違いと
いうか...

実は昼間仕事をしている会社の近くに「みちのく」という私の行きつけの店が
ある。とにかく料理が美味しい。出て来るお酒も美味しい。女友達と行く機
会が多いのだが、みんなこの店のファンになってしまう。
出て来る料理に、お店のご主人のこだわりが感じられるのだ。
例えば、ここのメニューに牛刺がある。しかし、いつもあるとは限らない。
「マスター、今日は牛刺ありますか?」
「いや、今日はちょっと...」
ネタが良くないと仕入れないのだ。だから逆に、牛刺がメニューに載った時
それは霜降りで、間違いなくメチャ美味しい。

自分が飲兵衛だから、そう思うのかもしれないが、美味しいお酒にこだわっ
ていそうな店というのは、やはり料理にもこだわりがあるように思う。
やはり、美味しいお酒は、美味しい料理で飲みたいと思うもの。別に日本酒
に限ったことではない。ワインなんかでも、格好つけて高いワインを出す店
でなく、安くても美味しいワインにこだわってるスペイン・レストランとか
は、料理も美味しい。

地元でも、夫婦揃って、美味しい店を開拓するのが楽しみのひとつだ。
最近では、安くて、そうハズれもない居酒屋のチェーン店もいろいろあるけ
れど、そういう店ではなく、こだわりの美味しい店。
何となくピンと来るのよ、感じるんだよね。店構えとか看板とか..味にこ
だわるってことが、そういう所にも不思議と現れるように思う。
別に大上段に構えるということでもなく、お洒落で小奇麗だからいいという
訳でもない。怪しげな店でもなにか惹かれることもあるし..

美味しい店。キーワードは「こだわり」かな。

By Toshiko