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No.04  FZ5   パナソニック  高倍率ズームの決定版!?                          23,February,2005
個人的にはFZ2とFZ10を使い分けていたのだが、どうもFZ10は大きすぎ、FZ2は解像感的に2M機の中でも不満が残った。結局、デジタル一眼とあまり変わらないサイズで、サブ機としてこのサイズは使わないだろうと判断してFZ10は処分した。そうしたジレンマを解消してくれるのが、今回発表になったFZ5である。通常ボディサイズが同じで画素数をアップする場合にはCCDサイズは据え置きで、画素を細分化するのだが、その悪しきトレンドに従わず、筐体サイズを据え置きながら、CCDサイズはローエンドの1/3.2インチからミドルクラスの1/2.5インチにアップ。これにより、見るに耐えない画像になる事態は回避され、並の5M機としてのポテンシャルは発揮できることとなった。全域F2.8であったレンズの開放絞り値は、F2.8〜3.3へと後退したがこれはCCD性能がFZ20と同等であることを考えると、健闘していると言えよう。すでにメーカーサンプルもアップされているが、FZ20同様低感度でもそこそこノイズが目につき、ハイライトの白とび耐性も特に優れているわけではない。しかし、これだけのサイズでA4サイズに十分な画像データが得られ、432mmまでに寄れる魅力は何ものにも代えがたい。同一画素数で、ボディサイズもほぼ同等の機種としてはコニカミノルタのDiMAGE Z5があるが、晴天屋外の絵の見栄えでも、夜景のノイズ比でも画像処理ではパナソニックの方に軍配が上がる。また、新規に追加されたテレ端1mのマクロ機能もあなどりがたい魅力を持つ。ボディサイズのイメージ以上の能力を発揮し、暗い望遠レンズや高価で重い手ぶれ補正レンズを用いてデジタル一眼で撮影する難行苦行を思うと、撮影の軽快さと機動性には天国と地獄ほどの違いがある。一枚の絵の画質のみを比べると、当然デジタル一眼の方に軍配が上がるが、どれだけよい絵の数をこなせるかというとズームの幅がきき、ライブビューの見られるFZ5の圧勝だろう。
A4サイズのプリントであっても、個人的には5Mは要らない。それくらいなら、むしろ少しでもS/N比がよく、少しでもラチチュードに粘りがあり、連写もきく4M機の方がよい。実はこのカメラの場合にも、海外仕様のFZ4が存在するのだが、日本での発売予定は今のところない。運動会用のカメラとしても、解像度のわずかな違いより、連写能力の高い方がつぶしがきく。そういう意味で、海外からのFZ4の購入も手間と若干のリスクが覚悟できる人にはお勧めである。もう一つ残念な部分は純正のテレコンやワイコンが準備されていないということだ。
事前評価 ☆☆☆☆★ 4.5 スタイルにも磨きがかかり、撮像素子のシビアさ(それは独自の絵の癖や明暗差の強いシーンでの破綻しやすさとして現れる)と拡張性の限界に目をつぶれれば、最強の高倍率コンパクト機と言えるだろう。
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No.03  LZ2   パナソニック                            19,February,2005
パナソニックの手ぶれ補正機のラインナップはとどまることを知らない。12倍ズーム機のFZ1より始まったラインナップは、上位機の12倍ズーム機のFZ10/20だけでなく、3倍ズーム機のFXシリーズにも搭載されたが、さらに今度は光学6倍のズーム機、LZ2が発表された。35mm換算で37-222mmをカバーし、開放絞り値はF2.8〜4.5。最近はやや大柄ながらもポケットに収まる中倍率のズーム機が各メーカーから発売されている。オリンパスの5倍ズーム機C-70Z(38-190mm)、Pentaxの5倍ズーム機Optio750Z(37.5-187.5mm)、OptioSV(36-180mm)、それより一回り大柄だがニコンの8.3倍ズーム機Cool Pix 4800(36-300mm)である。しかし、200mmを前後するこれらのカメラの望遠撮影は、晴天屋外ならいざしらず、曇天下や日没以降の撮影では、ボディの小ささも手伝って手ぶれの危険をつねに伴う。かと言って、感度アップすればノイズが増える宿命の極小ピッチの撮像素子である。その意味で、手ぶれ補正機能の搭載により、格段に手持ちで撮影できるシーン、時間帯も広がることであろう。また厚さはOptio SVの28mmに負けるが、6倍ズーム機で32.5mmの抑えたコンパクト化の技術も評価できる。画質は、メーカーのサンプルページを見る限りCCDを共通するFZ20とほぼ同等で、低感度でもそれなりにノイズが乗り、ハイライトも白飛びしやすい傾向がある。LZ2という型番がいきなり出たことに首を傾げる人もいるかもしれないが、欧米仕様では4M機のLZ1も同時に発表されている。画質的にはFZ10とほぼ同等と思われ、ノイズやラチチュード面では僅差だが有利であるし、連写能力も高い。国内発売予定がないのが残念な点である。
最近のトレンドとして、液晶モニターのみで、光学式ファインダーを搭載しないが、3倍ズーム機では異論がないものの、6倍ズーム機ともなれば、手振れを抑える意味で顔に密着させた撮影が望ましいので、ビューファインダー(光学式ファインダーではレンズによりケラレが生じる)を搭載し、よりマニュアル撮影の可能なカメラがサイズアップすることなしにほしいところである。
事前評価 ☆☆☆☆ 4.0 1/2.5インチの5MCCDの画質的な限界と、液晶モニターのみの搭載、マニュアル撮影機能がないなどの準エントリー機的な性格が不満点となる。しかし、ポケットサイズで200mm超をカバーできる機動力と、手ぶれ補正機能の安心感は何ものにも代えがたい。得がたいニッチ機種である。
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No.02  Fine Pix Z1  富士フイルム                                  18,February,2005
Fine Pix F10と同時に発表にされたのが、Fine Pix Z1である。このモデルは、富士フイルムとしては最初の屈曲光学系によるスリム系コンパクトズーム機である。このスタイルそのものは、コニカミノルタのDiMAGE Xシリーズが先鞭をつけたもので、類似のカラーバリエーションもすでに実現されているから、ISO:800での実用画質を除くとマーケットとしては新しいものはほとんどない。ただし、コンパクト化の技術においてはCasioやPanasonicに半周遅れであった富士フイルムがようやく肩を並べることができるようになったと言うことは可能である。そして、2.5インチの大画面液晶搭載でも追いついた。また、1/2.5インチのベイヤー機であるF450/455では後退していた動画や連射機能も元に戻った。こう書くとよいことづくめのように見える。しかし、F10と比べると、この機種への私の評価はあまり高くない。自分で使う上のメリットとしては、せいぜいポケットに入れても背広の型崩れがしにくいという点くらいである。画質上の問題点は二つ、一つは1/2.5インチのスーパーCCDハニカムHRの画質が未知数であるという点である。このCCDは、二倍出力画素こそないものの、1/2.7インチ3MのスーパーCCDハニカムHRよりもさらに細分化されたものであるため、実写を見るまで画質は未知数である。現在でこそ高感度でもノイズの少ない第W世代のハニカムHRも、初期モデルであるF410/A310/S5000では、ノイズの多さと解像感のなさでかなりの不評であった経緯があるので、新しいCCD導入直後のモデルはつい警戒心を持たざるをえない。もう一点は、屈曲光学系を用いたモデルは、通常のレンズだけのモデルよりも画像のキレで劣るという一般論がある。DiMAGE Xgあたりを使用した実感でも、全体にノイズリダクションのかかったような甘さがあり、何を撮ってもしっくりこなかった経験がある。Z1は基本的にはコニカミノルタのDiMAGE X系同様のプリズムを用いた屈曲光学系を採用し、その解像感も各種収差のレベルも実写がないことには結論を下すことができない。ただ、言えるのは画質的にはF810の時系列改善機種であるF10と比べて、画質的にこれを上回る要素は全くないということだ。したがって、このカメラはボディのサイズと質感とカラーリングが勝負となるだろう。店頭での実機の印象次第だが、人へのプレゼントとしては食指の動く機種と言えるかもしれない。
このカメラのもう一つの売りは、液晶モニター上を覆う強化ガラスで、従来の35倍の強度を実現したという点である。しかし、これまでFine Pix を十数機使ってきて、液晶モニターの視認性が著しく損なわれたという経験はほとんどなかった。それに対して、ボディ表面のロゴや塗装に関しては簡単に剥がれ落ち、モードダイアルやメニューボタン上のプリントによる表示に関してはあっという間に磨耗して消えてしまった。ボディ表面の塗装や表示がポケット内の衣類との摩擦により劣化しない工夫が施されていないなら、せっかくのモニターの強度アップも絵に描いた餅にすぎないのではなかろうか。
事前評価 ☆☆☆★ 3.5 F3.5というワイド側のレンズの暗さがやや気になる。実写サンプルの出来と、店頭での実機の手触り次第では評価は4.5まで高まることもあるだろう。
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No.01  Fine Pix F10  富士フイルム     高感度コンパクト機の決定版!?              17,February,2005
富士フイルムよりFine Pix F10が正式に国内発表となった。常用感度ISO:400、実用感度ISO:1600を謳い、超高感度での高画質撮影を売りにしたコンパクト機である。このところのFine Pix の高感度でのノイズの少なさは、ことハニカムCCD搭載機(F710/F810/E550)に関しては、他のコンパクト機を寄せつけないものであっただけにその画質は十分期待できる。F810のハニカムHRでは、12Mのフルサイズでも、ISO:400での撮影が可能であったが、ISO:800では3Mどまりであった。したがって、これを一感度分以上進化させたものだと言えるだろう。F710に関しては、ISO:1600での撮影が可能であったが、これも1Mモードという制約があり画質もそれなりだった。明るい部分はかなりクリアだが、暗い部分はノイズにノイズにまみえる。こちらも実用感度はISO:800どまりであったと言えるだろう。スーパーCCDハニカム開発当初よりの売りであった倍画素出力に関しては、この機種においては省略されているが、賢明な選択と言えるだろう。ことさらエッジの甘い画像を人目にさらせて、あまり予備知識のないエントリー層にまで酷評される必要はないのである。フルマニュアルでの撮影が可能なより上位機種になれば、当然のことながらRAWでの撮影をサポートするであろうから、12M出力は(拡張モードという形であれ)搭載してくるはずである。F10には光学式ファインダーは搭載されていないが、このクラスのファインダーは視野率が狭く、厳密なフレーミングには使えないので問題なしと考える。また、大きく進化した部分としては、従来比のほぼ三倍である500枚までのバッテリー寿命の改善と30センチまでのテレマクロの復活である。このところのFine Pix はSシリーズを除くと、7.5センチ〜10センチ程度までのワイドマクロのみになっていた。実は1700Z/4700Z/6800Z(4800Z)/F601までは同程度のテレマクロも可能であったのだが、F610からワイドマクロのみに仕様変更になった経緯がある。これにより背景をぼかした花の撮影も再び可能になり、ワイド・テレ両端でのマクロ機能を備え、さらに従来3秒どまりであった長時間露光も15秒まで可能となり、コンパクト機としてはほぼ完成の域に達したと言えるだろう。
ところで、このカメラで一番注目したいのは、ISO:1600での撮影画質よりも、新しい画像処理<リアルフォトエンジン>の方である。
ハニカム第四世代後期のF810/E550よりどこまで進化したのか、そこが最大の注目点なのだ。F810とE550はすでにISO:400のレベルまでは十分実用できる画質であったので、それが800になろうと1600になろうとそれほど大きな差は日常的には感じにくいであろう。最大の泣き所は、ダイナミックレンジの不足であり、特にハイライト側の白とび耐性のなさであった。それまでのFine Pixの絵の最大の特徴であった「どのようなシーンも明るくまとめる」という点においては、1/2.7インチ2Mベイヤー機である2800ZやA203と比べても劣っていたのである。明るくまとめようとすると空は順光の青空でない限りは白飛びし、被写体の明るい部分は白飛びを免れたとしても色が薄くなる。それを抑え込むと、全体にアンダーで沈んだ画像となる。何もハニカムHRに限ったことではないが、その両者の中間の露出を得ることは至難の業であり、フイルムに慣れた人は露出を微妙に上下に外す度に、フイルムほどきれいに撮れないと嘆いたことだろう。記者会見の席上明らかにされた飽和レベルの向上がどこまでできたのか、これがシーン合格率の高さのキーとなるのだが、こればかりは実写してみないことには何とも言えない。明暗差のあるシーンでの、絵のまとまりのよさこそがFine Pixの最大の売りであったのだから。ハニカムSRの分まで頑張れるハニカムHRであってほしいと思う。 
事前評価 ☆☆☆☆★4.5 もう少し明るいレンズで、マニュアル撮影可能な上位機種を早く出してほしいと思う。
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