−検証2−
聖闘士に同じ技は2度通用しないのか?

〜本当だったら負けは無い、聖闘士の主張〜

「聖闘士には同じ技は2度通用しない」有名なこのセリフは物語中、幾度となく星矢 達が吐いたセリフであり、皆の脳裏に焼き付く思い出の一言でもあろう。しかしどう だろう、同じ技は2度通用しない総計数十人の敵聖闘士達を、青銅聖闘士達は本当にわずか5人 で倒していくことは可能なのだろうか?ましてや最下級という設定で始った彼らに。 しかも一輝は最初から最後まで必殺技はわずか2つである。そこで我が「聖闘士研究 会」略して「セ研」は、この「聖闘士に同じ技は2度通用しない」というどうもウサン臭い設定の真偽を 確かめると共に、彼らの言う「同じ技」の定義を考察することにした。今回は膨大な 戦闘シーンの中より「さっき効かなかった技で倒してるじゃん」のような前述の設定 を覆すような戦闘シーンを単行本全28巻よりピックアップして分析した。

それではさっそく疑惑の戦闘シーンを見て行こう。


<疑惑第1戦 星矢VS紫龍(ギャラクシアンウォーズにて)>
紫龍は2回目の攻撃で必殺の昇龍覇を放ち星矢は吹っ飛ぶ。その後、星矢は流星拳を放つが、盾で全 てはじかれる。この時点で二人は必殺技を一つずつ失ったことになる・・・はずだ が、この後、違和感なく星矢は昇龍覇を食らう。この後お約束の脱衣シーンがあり、 星矢は再び流星拳をうつ。やはり紫龍にかわされ、おまけに当たらない理由まで聞か される星矢。星矢の負けは確実かと思いきや、実は流星拳は1発ヒットしている。ま た流星拳を撃ち、次は2発ヒットした。そして最後に流星拳。ところで、一度止まっ た聖闘士の心臓は逆方向から4分以内に同じ力を与えると甦るって、二度と出てこな かったな。

単行本第4巻にて一輝の口より「同じ技は2度通用しない」という設定が登場
一輝 : 「聖闘士なら一度見た拳は二度とは通用しないのだ。ましてやこの一輝にはな・・・」

<疑惑第2戦 星矢VS一輝(富士の地底にて)>
聖衣を破壊された一輝に最初から聖衣を着てない星矢が流星拳を放ち、見事ヒット。 その後、鳳凰星座の聖衣は甦り、フル装備になった一輝に再び星矢は流星拳。しかし 設定通り技は通じない。この後、気絶している紫龍、瞬、氷河の力(聖衣)が星矢に 味方する。瞬のチェーンによりなぜか幻魔拳を打ち破る。ちなみに既に星矢は幻魔拳を見 ているので「2度通用しない」のなら効かなくてあたりまえ。この後星矢はまた流星拳をヒットさせる。この時 の流星拳は氷河の凍気が宿っていた。ところで、鳳凰星座の聖衣は破壊されてもすぐ 甦り、一輝もそれを承知のはずなのに、奴は何故壊されるたびに「なにぃぃ〜!」とか 言っているのだろう。しかも聖衣が甦った後は妙に得意気だし・・・。

<疑惑第3戦 紫龍VS白銀聖闘士 ペルセウス座のアルゴル>
メデューサの盾の力で仲間が石になるがドラゴンの盾のおかげで助かった紫龍。昇龍 覇を撃つがメデューサの盾が気になりうまくヒットしない。この後右半身が石になり、 目を潰す。そしてメデューサの盾を気にすること無く、昇龍覇を撃つ、アルゴルは先ほど見た技なのに思い切り盾を 貫かれ見事に食らう。メデューサの盾は、果たして盾としての能力があるのかどうか が気になる。アルゴルが言うにはメデューサの盾の魔力は網膜に飛び込むらしい。 目を潰しても網膜が存在する限りは石になるのではないかと思う。

<疑惑第4戦 星矢VS黄金聖闘士 牡牛座のアルデバラン(金牛宮にて)>
気絶した仲間3人をほっといて闘う星矢。アルデバランのグレートホーンをくらい 吹っ飛ぶ。その後また食らう。そして星矢はビッグバンもどきを起こすがグレート ホーンをもう1回食らう。その次にやっとこグレートホーンを見切りうけとめる。そ れにしても、黄金聖衣はセブンセンシズすらまともに目覚めていない青銅聖闘士の ジャンプチョップで鋭利に切り落とせる物なのだろうか?神話の時代から破壊された 事が無いんじゃないのか。

<疑惑第5戦 紫龍VS黄金聖闘士 蟹座のデスマスク(巨蟹宮にて)>
積尸気冥界波を食らう紫龍。アテナの導きよって戻ってくるがすぐまた積尸気冥界波 をくらう。そして話は進み、紫龍は聖衣を脱ぐ。そして必殺の昇龍覇をうつ。ここま でで紫龍は昇龍覇をデスマスクに何度が撃っているが、すでに五老峰で見切られてい るため効かなかった。しかし最後にはやっぱりクリティカルヒット。聖域から五老峰 にいる春麗を念動力で滝に落としたデスマスクはかなりの超能力者じゃないだろうか と思うが、この程度の超能力は黄金聖闘士には当たり前の能力なのだろうか?

<疑惑第6戦 氷河VS黄金聖闘士 蠍座のミロ(天蠍宮にて)>
さて今回の最大イベントがやってまいりました。スコーピオンのミロの必殺技は、か の有名なスカーレットニードル。賢明な読者であれば私が何を言いたいか察しがつく であろう。そう、このスカーレットニードル、14発とアンタレスのセット技のよう な物なのだ。14発の「真紅の衝撃」の後、心臓にアンタレスを打ち込むのがこの技 だ。しかし、同じ技が14発も通用するはず無いのだ、「聖闘士」には。しかし、い とも容易に氷河は食らいます。見事に食らいます。避ける気はないのか?氷河!

<疑惑第7戦 紫龍VS黄金聖闘士 山羊座のシュラ(磨羯宮にて)>
さてまたも大イベントです。シュラのエクスカリバーは必殺技か否か。これはプロ フィールの必殺技に載っていたので必殺技とみなしカウントします。戦闘開始早々紫 龍は足と腕を少し切られる。その後盾ごと腕を少し切られる。このあと聖衣を剥ぎ取 られながら滅多切り。何回斬ったのか分からないが絵を見る限りでは腕の動いた軌跡 が6本なので6回だと仮定する。そして昇龍覇とカウンターで胸に一発突きを食ら う。その後、紫龍の亢龍覇が炸裂。不思議に思うのは、何故シュラはさっさと紫龍の 体を斬らないかという事。聖衣を脱がしてないで早く殺せよって感じだ。アイオロス の時もそうだが、みたところアイオロスの体には致命的な外傷が見られないので、チクチクといたぶった と見える。まさかサディスト・・・。それとも聖衣斬るのが精一杯で、案外切れ味が悪い とか・・・?。

<疑惑第8戦 氷河VS黄金聖闘士 水瓶座のカミュ(宝瓶宮にて)>
開始早々オーロラエクスキューションを食らう氷河。しかし君は憶えているだろう か。天秤宮で氷漬けにされた氷河だが、氷に入る前にオーロラエクスキューションを 食らっているのだ。しかも奴は師の技をパクってオーロラエクスキューション対決を し、カウンターでもう一発食らって共倒れ。瀕死の氷河を倒せない「本家オーロラエク スキューション」。見よう見まねで、ほぼ無傷の黄金聖闘士を一撃で殺す「パクりオーロ ラエクスキューション」。カミュの立場まるで無し。

<疑惑第9戦 瞬VS黄金聖闘士 魚座のアフロディーテ(双魚宮にて)>
瞬は必殺技サンダーウェーブをすべてを噛み砕くというピラニアンローズで止められ る。再びアフロディーテはピラニアンローズを放つ。ローリングディフェンスで防ご うとするが無駄なあがき。見事に食らう。その後またもアフロディーテはピラニアンローズを放ち、今度は 思い切り食らう瞬。この後、渾身のネビュラストームでブラッディローズと相打ちに なり倒れる。最初の方でアンドロメダの鎖って蛇みたいにウネウネ動いて文字を 作ったり、電流を流したりしてたのに後半は敵が近づいた時「鎖が緊張している」と か言われるぐらいで88の聖衣の中で最高といわれる防御本能はあまり役に立っていない。

<疑惑第10戦 星矢VS黄金聖闘士 双子座のサガ(教皇の間にて)>
出会い頭にいきなり流星拳を放つ星矢。教皇はローブのみだというのにいつも通り効 きやしない。しかもローブも全然破れない。その後、裸の上から聖衣を着たサガに五感を絶たれ、 再び流星拳。その速度は光速になりサガにヒットする。そして、一輝登場。一輝はサガ最大の技ギャラク シアンエクスプロージョンを食らう。一輝は立ち上がりもう一発ギャラクシアンエク スプロージョンを食らう。その後立ち上がった星矢が彗星拳でサガを倒す。この 闘いでは、サガが裸に直接聖衣を着た事で変なモノが見えやしないかヒヤヒヤ した読者もいたであろう。著者もその一人である事は言うまでもない。

<疑惑第11戦 星矢VS七将軍 海馬のバイアン(北太平洋の柱にて)>
ポセイドン編第1戦。開始早々流星拳を撃つ星矢。やっぱり効かない。そしてバイア ンの必殺技ゴッドブレスを食らう。再び流星拳を撃つがやっぱり効かない。そして ゴッドブレスをまた食らう。いろいろあってから聖衣が黄金色に光り、彗星拳で止め を刺して終わり。海馬(シーホース)って海将軍のなかで一番特徴ない海の怪物だ と思うのだが・・・。そもそも海馬って何だ?

<疑惑第12戦 瞬VS七将軍 スキュラのイオ(南太平洋の柱にて)>
六つの野獣の力を操るスキュラのイオ。そのすべての技を何とか打ち破った瞬。しか しスキュラのイオ最大の拳ビッグトルネードを食らう。しかもその直後また食らう。 食らった時の瞬の言葉「まるでビッグな渦潮にでも・・・」そのまんまの説明だっ た。やっぱり聖衣が黄金になって勝つ。スキュラの下半身である6匹の野獣はサーパント以外は 海とは無縁なのになぜ海の怪物なのだろう?

<疑惑第13戦 紫龍VS七将軍 クリュサオルのクリシュナ(インド洋の柱にて)>
クリシュナのもつ黄金の槍を、いつの間にか継承していたエクスカリバーで絶つ。つ いでに鱗衣(スケイル)まで斬る。このエクスカリバー、相手の体を全く斬らずに鱗 衣の背中側まで真っ二つにする。まさに神業!その後クリシュナのマハローシニーを 受けまた目が見えなくなる紫龍。しかし完全に目が見えなくなる前に弱点を見抜き相 手を倒すが、カウンターで再びマハローシニーを食らう。

<疑惑第14戦 氷河VS七将軍 リュムナデスのカーサ(南氷洋の柱にて)>
カーサは相手の心の弱点に化ける。この時はカミュに化けて登場した。偽カミュに オーロラエクスキューションを食らう。何度同じ技を食らったことか。「両腕のパー ツが重なり水瓶の形を成した!」とか説明してないで避ける姿勢を見せたらどうだ。 自分の使える技ぐらい避けて欲しい。

<疑惑第15戦 一輝VS海竜のカノン(道の途中にて)>
海竜のカノンは双子座のサガの双子の弟であり、ポセイドン復活の首謀者だ。この男 はサガと同じ技も使う。一輝はギャラクシアンエクスプロージョンを教皇の間ぶりに 食らう。2回も見てるんだから「うお!この技は!」とか驚いてないで避けて頂きた い。

<疑惑第16戦 蠍座のミロVS双子座のカノン>
カノンはアテナに忠誠を近い双子座の聖闘士としてアテナにつかえるが、ミロはそれを認めず スカーレットニードルを容赦なく14発打ち込む。アンタレスは打たず血止めの急 所、真央点を突き、聖闘士であることを認める。スカーレットニードル14発分のダ メージを物ともせず、冥闘士相手に暴れまわるカノンを見ると真央点は出血を止める だけでなく、かなりオールマイティなツボであるようだ。

<疑惑第17戦 蠍座のミロVSサガ&シュラ&カミュ(処女宮にて)>
逆賊の3人にスカーレットニードルが炸裂。一回目に3人に3発ずつ打ち込み続いて 何発か打つだがアンタレス直前まで打っているので11発と思われる。サガの反撃で 一時戦闘中断。十二宮編で氷河に「アンタレスを撃たせたのおまえが始めて」といっ ていたが、それ以降ここまででアンタレスを食らう権利を得たのは早くも5人目。 14発もくらっても案外踏ん張りのきく技スカーレットニードル。

<疑惑第18戦 紫龍VSサガ&シュラ&カミュ(処女宮にて)>
牡羊座のムウ、蠍座のミロ、獅子座のアイオリアと逆賊3人のアテナエクスクラメー ションの力比べ状態に紫龍が昇龍覇を打つ。シュラは見切っているはずなのに見事に 吹っ飛ぶ。小規模なビッグバンが起きるといっておきながら処女宮周辺が崩壊しただけの威力 しかないアテナエクスクラメーション。三身一体は卑怯という理由で封印されてい るが、天秤座ライブラの12個の隠し凶器の方が卑怯だ。

<疑惑第19戦 星矢VS冥闘士 天間星アケローンのカロン(三途の川にて)>
地獄の渡し守カロンに船に乗せてもらうが騙されて、必殺技エディング・カレント・ クラッシャーを食らう星矢。すったもんだで目的地まで連れてってくれるが星矢と1 対1の勝負をする。流星拳とエディング・カレント・クラッシャーを同時に出し星矢 はまたこの技を食らう。何の店も無い冥界で銀貨を貰ってカロンは何するつもりなの だろう?

<疑惑第20戦 双子座のカノンVS天猛星ワイバーンのラダマンティス(冥界にて)>
聖衣が共鳴し双子座の聖衣を脱ぐカノン。ラダマンティスは必殺技グレイテストコー ションをしてくるが、カノンは既にこの技を食らっており、見切っているはずなのだ が、見事にヒットする。ラダマンティスを道ずれにカノンは死ぬ。カノンは自らを犠 牲にする必要はあったのか?なぜ自らの命を引き換えにする時、聖闘士達は相手を背 後からつかんで飛んでいくのだろう?


さてどうだっただろうか?余計なコメントもあり、ファンの方には分かりきった内容 だが本題については少ないようにも多いようにも思える。「同じ技は2度通用しな い」という聖闘士達。誰が何回この設定を破ったかランキングにしてみた。 ちなみに同じ技を2度以上食らっていたのは11人である。

順位回数階級星座名前
1位16回青銅聖闘士白鳥星座氷河
2位15回黄金聖闘士双子座カノン
3位14回黄金聖闘士山羊座シュラ
4位13回黄金聖闘士双子座サガ
黄金聖闘士水瓶座カミュ
6位12回青銅聖闘士龍星座紫龍
7位8回青銅聖闘士天馬星座星矢
8位3回青銅聖闘士鳳凰星座一輝
青銅聖闘士アンドロメダ星座
10位1回白銀聖闘士ペルセウス座アルゴル
黄金聖闘士蟹座デスマスク

となった。やはり13発もスカーレットニードルを無駄に食らった奴等は上位になっ た。ざっと見てみるとなぜか最上級の黄金聖闘士(そのうち3人は冥闘士になった奴等だが)は上位にいる。 青銅聖闘士のメイン5人衆もみんな2度以上食らった事がある。一番中途半端な存在である 白銀聖闘士はペルセウス座のアルゴルしかいない。案外こいつらが一番律義な奴等なのかと思うが、 実際は1発でやられているやつが多い。2度目が無いだけなのだ。さて、青銅、黄金聖闘士諸君は 通用しないといっておきながら、これはどういう事なのだろうか?
中には高速化したもの、特殊 な効果が一時的についたものもあるが、基本的には同じ技を繰り出しているはず だ。ここでいう「同じ技」とはどの辺の変更までが同じ技に入るのだろうか? どう見ても攻撃進入角度以外は毎回同じように撃っているエクスカリバーや スカーレットニードルはどういうカラクリが潜んでいるのだろうか。 いくらなんでも10発近い回数をやられるなり見るなりすれば、少し避けるぐらい出来るのではないか? やっぱり毎回微妙に撃ち方を変えているのだろうか。
肘の角度や手首のひねり具合で「違う技」になるの だとしたら、撃つたびにモーションの微妙に違う昇龍覇は無限の可能性を秘めた必殺技だ。 実際に昇龍覇は1度は止められたがその後に通用したという割合は少なくない。伊達に「昇龍」と言っておきながら 前方に撃ったり、上から下に龍が襲ってきたりと「昇龍じゃねぇじゃん」と言いたくなるような撃ち方をや っていないなと感心する。
「二度通用しない」と最初に吐いた鳳凰星座の一輝も3度過ちを犯している。 1度は特殊な効果のあった場合で明らかに違う技っぽいのでカウントしないにしても、2回食らったことになる。
なぜ2度目も食らったり、2度目は見切ってたり、見切ってたのに食らったりするのだ。 やはり得意の小宇宙の問題なのだろうか?小宇宙を高めると技の何が変わるのだ? 小宇宙によって攻撃速度が速くなったものは、相手が見切れる速度を越えれば当たるようになるのは当然だ。しかし、 それ以外はどうやっても同じ技に変わりないような気がする。
よくよく考えてみると、聖闘士達は相手の攻撃を避けようとしない。 受け止める、弾き返す等で攻撃を無効化している。格好付けて受け止めようとせずに避けていれば、攻撃速度が速くならない限りいくら 小宇宙が高まったとしてもこんな醜態をさらさずに済んだ人たちも大勢いる。
・・・おや?2度目以降を弾き返したりした時にしか「聖闘士に同じ技は2度通用しない」なんてセリフは吐いていない。 ということはこの中途半端な設定は・・・ハッタリかぁっ! というわけで名ゼリフ「聖闘士に同じ技は2度通用しない」はハッタリであることが判明。 本当は2度目以降も通用するのだが、見切った時だけこのセリフを吐き相手を威圧するのだ。 海闘士や冥闘士などはこれを言わないことから本当に「聖闘士に・・・」である事は間違いなし。

結果:聖闘士に同じ技は2度通用する!