過去の名作漫画「聖闘士星矢」を研究し続けた我ら「聖闘士研究会」。今回は 彼らがもし今も生存していたのなら何歳になっているか?という、前人未到の議題に取り組む事となった。 連載当時の年齢から、もう何年も経っている。今彼らは何歳なのだろう。我々読者だけが 歳を取っていくのは仕方の無い事だが、よりリアルな感情移入を求め、彼らの現年齢を割り出す事となった。
さて、早速彼らの年齢をみていきたい所だが、彼らのプロフィールには「誕生月日」しか
記載されておらず、西暦何年に生まれたのか解らない。これでは話しが全く進まない。
ところが、単行本第1巻を見てみよう。城戸沙織率いるグラード財団が催す「銀河戦争」
を一面見出しにした新聞のシーンがあり、この新聞に日付が記されている。昭和61年(西暦1986年)9月10日(水)
となっている。これで物語の始まった時期が判明した。
だが、これだけではまだ始まらない。プロフィールの公表が単行本13巻であり、第1巻の発売から実に2年が経過している。
よってこれに記される年齢が昭和61年当時の年齢とは限らない。作品中の時間も2年経過しているはずはないが、
少なからず時間は経過しているはずであり、その間に歳をとった人物がいないとも限らない。
なにしろ、作品中では第1巻の新聞以外では「日付」が一切通知されず、「何日後」や「季節を感じる描画」も
ほとんど記されていない。唯一の手がかりは、十二宮の戦いが終了した後のポセイドン編の冒頭にある。ポセイドンの地上代行者であるジュリアン・ソロの誕生パーティが開かれるシーンだ。
ジュリアンの誕生日は3月21日。そしてその頃、十二宮の戦いで傷ついた星矢たちは病院で眠っている。そこで医師がこう言っているのだ。
「一ヶ月前の十二宮の闘いが終わってここへ運び込まれてからずっと昏睡状態のままです。」
と言うことは十二宮の戦いは、3月21日頃の一ヶ月前、2月ごろに行われていたことになる。銀河戦争からだいぶ時間が経っていると伺える。しかし、この時期にはひとつの疑問が残る。話はまた十二宮の闘いに戻るが、
第11の宮「宝瓶宮」で白鳥星座の氷河と水瓶座のカミュが戦った後、第12の宮「双魚宮」へ向かう天馬星座の星矢とアンドロメダ座の瞬に、氷河が「さよなら」の意を込めた雪を一片降らせる。ここでの瞬がこう言うのだ。
「この季節にひとひらの雪とは・・・こ・・・これは氷河が僕達にさよならを・・・」
ジュリアンの誕生日と医師の台詞から考えれば、12時間限りの短期決戦だった12宮の闘いは、もちろん時期的に2月頃が妥当な線だ。インターネットで調べたところ、聖域のあるギリシアは、冬でも日本より暖かい気候ながらも、2月〜3月でも雪は降るらしい。さらに聖域のように山岳にあればなおさら降雪に不自然は無い。
しかも、ギリシアの気候はひどく不安定だったりするらしく、1日の間に晴れたり雪が降ったりなんて天候が変わることも珍しくないらしい。となると、医師の台詞に反抗するようだが、雪が降りそうにもない時期に十二宮の戦いが起こったとも考えられるわけだ。
こうなってしまうと、もはや時間の経過を正確に捉えることは不可能。なにしろ3月の一ヶ月前が2月ではないっぽいのだから。
さすがにもうはっきり日付の特定できる「銀河戦争」を基準に、回想シーン等を頼りに逆算するほうがわかりやすいだろう。
と言うことで、時間の経過が回想シーンで判別しやすい天馬星座の星矢を例に計算していこう。
まず、銀河戦争は星矢達青銅聖闘士10人が、聖闘士となって日本に帰って来た直後の
出来事である。星矢の聖闘士修行期間が6年である事は、熱心なファンの方なら周知の事だろう。
そしてさらに単行本1巻の回想シーン。鷲座の魔鈴の元に星矢が預けられるシーンでは
謎の従者が「魔鈴、そいつはおまえに預ける。まだ七歳だがおまえと同じ日本人だ。ちょうどよかろう。」
と言っている事から、星矢は7歳でギリシアへ渡り(送られ)、6年間修行していた事が判明する。つまりは
単行本13巻巻末のプロフィールは正しい事になる。そこで、物語の開始からはそれほどの時間が経過してないと
想定し、検証を続ける事にする。
さて、これでやっと具体的な誕生年を推測できる。星矢の場合、誕生日は「12月1日」である。
1986年の9月10日時点で13歳と言う事は、1985年12月1日で満13歳になったと言う事だ。
つまり、星矢が生まれたのは1985年の13年前、「1972年12月1日」と言う事になる。
この調子で、青銅聖闘士、白銀聖闘士、黄金聖闘士の正確な生年月日を割り出していこう。
その前に、一つ注意事項がある。ここでは、銀河戦争の日付を基準(プロフィールが作られたと仮定)に誕生日を逆算する
が、前述したように、日付が間違いなく特定できているのがこの銀河戦争のみである。
よって銀河戦争の日付を基準にした時、星矢のように前回の誕生日からある程度の時間が経っており、
さらに次の誕生日まで期間がある者に関してはさほど問題ないが、プロフィールの年齢が
何年何月何日時点のものかが解らない為、9月10日以降、すぐに誕生日を迎える者(例えば乙女座のシャカ「9月19日」)
等には、銀河戦争の日付からの計算では誤差が生じる可能性がある事をご了承願いたい。
こうして、各生年月日、現年齢を計算したものを下記表に記す。
射手座のアイオロスと先代牡羊座のシオンは、表中に「享年」で書いてあるが、全く死んでいないモノとして
計算している。よって、1986年9月10日時点ではアイオロスは27歳、シオン261歳はのはずだ。
階級 | 星座 | 名前 | 生年月日(推定) | 公開年齢 | 現年齢 |
---|---|---|---|---|---|
青銅 | 天馬星座 | 星矢 | 1972年12月1日 | 13歳 | |
青銅 | 龍星座 | 紫龍 | 1971年10月4日 | 14歳 | |
青銅 | 白鳥星座 | 氷河 | 1972年1月23日 | 14歳 | |
青銅 | アンドロメダ星座 | 瞬 | 1973年9月9日 | 13歳 | |
青銅 | 鳳凰星座 | 一輝 | 1970年8月15日 | 15歳 | |
青銅 | 一角獣星座 | 邪武 | 1972年11月3日 | 13歳 | |
青銅 | 子獅子星座 | 蛮 | 1970年12月30日 | 15歳 | |
青銅 | 大熊星座 | 檄 | 1971年5月15日 | 15歳 | |
青銅 | 海ヘビ星座 | 市 | 1972年2月10日 | 14歳 | |
青銅 | 狼星座 | 那智 | 1972年7月20日 | 14歳 | |
青銅 | カメレオン座 | ジュネ | 1972年4月17日 | 14歳 | |
白銀 | 鷲星座 | 魔鈴 | 1970年3月18日 | 16歳 | |
白銀 | 蛇遣い星座 | シャイナ | 1970年3月24日 | 16歳 | |
白銀 | 蜥蜴星座 | ミスティ | 1969年10月11日 | 16歳 | |
白銀 | 白鯨星座 | モーゼス | 1969年8月2日 | 17歳 | |
白銀 | 猟犬星座 | アステリオン | 1970年2月20日 | 16歳 | |
白銀 | ケンタウルス星座 | バベル | 1969年2月20日 | 17歳 | |
白銀 | 御者座 | カペラ | 1969年8月21日 | 17歳 | |
白銀 | 烏星座 | ジャミアン | 1969年7月27日 | 17歳 | |
白銀 | 地獄の番犬星座 | ダンテ | 1969年3月29日 | 17歳 | |
白銀 | ペルセウス座 | アルゴル | 1968年11月11日 | 17歳 | |
白銀 | 大犬座 | シリウス | 1969年1月6日 | 17歳 | |
白銀 | 銀蝿座 | ディオ | 1970年7月10日 | 16歳 | |
白銀 | ヘラクレス星座 | アルゲティ | 1969年8月15日 | 17歳 | |
白銀 | 矢座 | トレミー | 1970年6月16日 | 16歳 | |
白銀 | ケフェウス星座 | ダイダロス | 1967年4月30日 | 19歳 | |
白銀 | 琴座 | オルフェ | 1966年11月15日 | 19歳 | |
黄金 | 牡羊座 | ムウ | 1966年3月27日 | 20歳 | |
黄金 | 牡牛座 | アルデバラン | 1966年5月8日 | 20歳 | |
黄金 | 双子座 | サガ | 1958年5月30日 | 28歳 | |
黄金 | 蟹座 | デスマスク | 1963年6月24日 | 23歳 | |
黄金 | 獅子座 | アイオリア | 1966年8月16日 | 20歳 | |
黄金 | 乙女座 | シャカ | 1965年9月19日 | 20歳 | |
黄金 | 天秤座 | 童虎 | 1724年10月20日 | 261歳 | |
黄金 | 蠍座 | ミロ | 1965年11月8日 | 20歳 | |
黄金 | 射手座 | アイオロス | 1959年11月30日 | (享年)14歳 | |
黄金 | 山羊座 | シュラ | 1963年1月12日 | 23歳 | |
黄金 | 水瓶座 | カミュ | 1966年2月7日 | 20歳 | |
黄金 | 魚座 | アフロディーテ | 1964年3月10日 | 22歳 | |
黄金 | 牡羊座(先代) | シオン | 1725年3月30日 | (享年)248歳 |
なんとも言えない・・・。みんな良いオッサン(オバサン)じゃないか!?
天秤座の童虎なんか・・・とんでもない・・・このまま行けば3世紀を股に掛けるぞ・・・。
脱皮したからと言って、「仮死の法」が解けたかどうかは定かではないし・・・。
そんなわけで、悲惨(?)な結果に終わった今回の検証・・・。「夢を壊された」とお嘆きの皆様には
深くお詫びします・・・。私としても意外な結果に喜ぶと共に、ささやかながら絶望を感じております・・・。
「美少年漫画」と、一部では評される私の愛する聖闘士星矢のキャラクター達が、今となっては無惨にも
中年に成り代わっていたとは・・・。まぁ・・・それでもとっても強い彼らは変わる事無いだろう。
輝ける彼らの若かりし青春時代は、今も我々の中に生きているのだから・・・。
今回も、おまけを一つ付けてしまおう。単行本27巻で、最強最後の青銅聖衣が
死を司る神タナトスに粉砕された星矢達5人の元に黄金聖衣が現れ彼らの体を包む。
ここで、ちょっと疑問に感じた方はいないだろうか?
星矢に射手座の聖衣、紫龍に天秤座の聖衣、氷河に水瓶座の聖衣までは
わかるが、瞬に乙女座の聖衣、一輝に獅子座の聖衣と言うのはなんとも奇怪な話だ。
なにしろ一輝など、獅子座の黄金聖闘士アイオリアとは全く会話など交わしてはおらず、
瞬にいたっても乙女座の黄金聖闘士シャカとは軽く闘って即ブチのめされているだけだ。
むしろ、一輝が乙女座を使用する方が話しがわからんでもない。
この疑問は実はしっかりとした裏付けによって解決される。
彼らの生年月日を見てみよう(上記年齢表参照)。気付いて頂けただろうか?
12星座でみると、星矢は射手座、紫龍は天秤座、氷河は水瓶座、瞬は乙女座、一輝は獅子座なのだ
つまり彼らは占星術等で使用される12星座にあやかった聖衣をここで使用していると言う訳だ。
黄金聖闘士達も自らの持つ聖衣と、12星座は見事に一致している事から、黄金聖闘士はその生年月日から
ある種の宿命を持つものと言えるだろう。そこで各聖闘士の12星座と13星座を下記の表に記した。
階級 | 星座 | 名前 | 生月日 | 12星座 | 13星座 |
---|---|---|---|---|---|
青銅 | 天馬星座 | 星矢 | 12月1日 | ||
青銅 | 龍星座 | 紫龍 | 10月4日 | ||
青銅 | 白鳥星座 | 氷河 | 1月23日 | ||
青銅 | アンドロメダ星座 | 瞬 | 9月9日 | ||
青銅 | 鳳凰星座 | 一輝 | 8月15日 | ||
青銅 | 一角獣星座 | 邪武 | 11月3日 | ||
青銅 | 子獅子星座 | 蛮 | 12月30日 | ||
青銅 | 大熊星座 | 檄 | 5月15日 | ||
青銅 | 海ヘビ星座 | 市 | 2月10日 | ||
青銅 | 狼星座 | 那智 | 7月20日 | ||
青銅 | カメレオン座 | ジュネ | 4月17日 | ||
白銀 | 鷲星座 | 魔鈴 | 3月18日 | ||
白銀 | 蛇遣い星座 | シャイナ | 3月24日 | ||
白銀 | 蜥蜴星座 | ミスティ | 10月11日 | ||
白銀 | 白鯨星座 | モーゼス | 8月2日 | ||
白銀 | 猟犬星座 | アステリオン | 2月20日 | ||
白銀 | ケンタウルス星座 | バベル | 2月20日 | ||
白銀 | 御者座 | カペラ | 8月21日 | ||
白銀 | 烏星座 | ジャミアン | 7月27日 | ||
白銀 | 地獄の番犬星座 | ダンテ | 3月29日 | ||
白銀 | ペルセウス座 | アルゴル | 11月11日 | ||
白銀 | 大犬座 | シリウス | 1月6日 | ||
白銀 | 銀蝿座 | ディオ | 7月10日 | ||
白銀 | ヘラクレス星座 | アルゲティ | 8月15日 | ||
白銀 | 矢座 | トレミー | 6月16日 | ||
白銀 | ケフェウス星座 | ダイダロス | 4月30日 | ||
白銀 | 琴座 | オルフェ | 11月15日 | ||
黄金 | 牡羊座 | ムウ | 3月27日 | ||
黄金 | 牡牛座 | アルデバラン | 5月8日 | ||
黄金 | 双子座 | サガ | 5月30日 | ||
黄金 | 蟹座 | デスマスク | 6月24日 | ||
黄金 | 獅子座 | アイオリア | 8月16日 | ||
黄金 | 乙女座 | シャカ | 9月19日 | ||
黄金 | 天秤座 | 童虎 | 10月20日 | ||
黄金 | 蠍座 | ミロ | 11月8日 | ||
黄金 | 射手座 | アイオロス | 11月30日 | ||
黄金 | 山羊座 | シュラ | 1月12日 | ||
黄金 | 水瓶座 | カミュ | 2月7日 | ||
黄金 | 魚座 | アフロディーテ | 3月10日 | ||
黄金 | 牡羊座(先代) | シオン | 3月30日 |
これを見て一番不憫なのはシャイナさんだ。13星座において新たに黄道星座として追加された「蛇遣い座」を守護星座
としておきながら、当の本人は蛇遣い座ではない!!蛇遣い座なのはむしろ星矢(とアイオロス)!!
13星座で見てみると、黄金聖闘士は蟹座がいなくなったり、乙女座が二人になったり、アイオロスが女用の聖衣である「蛇遣い座」であったり
と大騒ぎだ。なにゆえアイオロスはマスクで素顔を隠さねばならないのか!?あんなに男らしいのに胸の出た女物の聖衣だし・・・。
憐れなりアイオロス・・・。
注:聖衣は持ち主によって姿を変えるという説があるので、アイオロスが女用の聖衣(シャイナ仕様の蛇遣い星座の聖衣)を使用するという表現はウケ狙いの空想に過ぎません。