国内で METALLICA のシングルを数多く紹介した本はいままで存在しなかったので、
METALLICA を集めている人達にはとても参考となる本だと思います。

が、加筆部分を担当した日本の執筆者は
米国リリースと欧州リリースの違いがわかっていないらしく、
いくつかの解説記事に間違いがありますので、その箇所を下記に列記してみました。
私がこの本の発行後、担当氏に「間違いが多いですね」と言ったのですが、
全く報告してもらえませんでした。
今後、増刷しても恐らく永遠に修正されないと思います。
このまま本人は、間違いに気づかずこの本は発行され続けるでしょう。
そしてなにも知らない人は、間違ったことを覚えて信じてしまうでしょう。

この本の原本はこの本です。

THE COMPLETE GUIDE TO THE MUSIC OF METALLICA

OMUNIBUS PRESS / ISBN 0-7119-4902-6

• p.97 - HARVESTER OF SORROW

  (誤)欧米では、ここで初めてリリースされたわけだ。

  (正)欧州では

  このシングルは米国で発売されていない。

  THE PRINCE が、欧米で 4th アルバム以降に発表されたかのような
  書き方をしているが、欧州ではアルバム発売より前に発表されている。

  ---

• p.98 - EYE OF THE BEHOLDER

  (誤)「メタル・ジャスティス」からのセカンド・シングルは、

  (正)米国での「メタル・ジャスティス」からのセカンド・シングルは、

  このシングルは、日本と欧州での発売はない。

  ---

• p.98 - EYE OF THE BEHOLDER

  (誤)未発表曲/テイクの類が収録されていないシングルなので

  BREADFAN は米国では未発表曲であるが、日本と欧州では既発曲。

  ---

• p.99 - ONE(上段)

  (誤)「メタル・ジャスティス」からのサード・シングルとして、

  (正)欧州では「メタル・ジャスティス」からのセカンド・シングルとして、

  日本と米国は 1st シングル。
  この記述から日本、米国、欧州リリースの区別がついていないのがよくわかる。

  ---

• p.99 - ONE(下段)

  (誤)欧米のメタリカファンは、ここで初めて「ザ・プリンス」を聴いたわけだ。

  (正)米国のメタリカファンは、

  米国で THE PRINCE は初登場。
  欧州では HARBESTER OF SORROW のシングルで発表済み。

  ---

• p.102 - THE GOOD THE BAD & THE LIVE

  (誤)METAL612

  (正)875487-1

  METAL612 は、p.102 下段の LIVE E.P. のコードである。
  

  (追記)ポスター付き。GARAGE DAYS は英盤だが、５曲になっている。
  英盤の GARAGE DAYS は４曲入り１２インチシングルがオリジナル。

  ---

• p.119 -STONE COLD CRAZY

  (誤)ここで改めてリリースされたわけだ。

  確かに米国では再発表だが、
  欧州で RUBAIYAT は発売されていないので、欧州では初登場音源。

  ---

• p.120 - WHEREVER I MAY ROAM

  (誤)「メタリカ」からの3rdシングル。

  (正)「メタリカ」からの4thシングル。

  レコード番号の順序で行くと METAL9 である本作品が
  METAL10 の NOTHING ELSE MATTERS より先に発売されていそうだが、
  実際には、NOTHING ELSE MATTERS が先に発売された。

  ---

• p.122 - NOTHING ELSE MATTERS

  (誤)「メタリカ」からの4thシングルが、

  (正)「メタリカ」からの3rdシングルが、

  WHEREVER I MAY ROAM の項で述べたように、順序が逆である。

  ---

• p.123 - SAD BUT TRUE

  (誤)「メタリカ」からの第５弾シングルは、

  オランダと米国では NOTHING のあとに発売されたので、
  第５弾シングルと断言できない。
  英国では第５弾シングルのと書けば正しい。

  ---

• p.124 - SAD BUT TRUE

  このオランダ盤は、英盤の SAD BUT TRUE より前に
  オランダのみで発売されたシングル。
  英盤の流れと関係ないので、英盤と一緒のページにあるのはおかしい。

  ---

• p.153 - ONE

  別音源が収録されていたデジパックのシングルＣＤが紹介されていないのは、 この本の担当氏が忘れたため。