ネットワークスペシャリスト'99/07は,斎藤末広氏 http://www.mirai.ne.jp/~suehiro/ が出されている宿題を再編集したものです。 ------------------------------------------------------------------------ 990701 マルチリンク手順に関する記述のうち,正しいものはどれか。 ア 複数の回線を直列に多段接続したときに,それぞれのデータリンクで信頼 性を高めるプロトコルである。 イ 複数のデータリンク間の中継機能を提供するプロトコルである。 ウ 複数のデータリンクを一つの論理的データリンクとして扱うプロトコルで ある。 エ 物理的に 1 本の回線を,論理的に複数のデータリンクに分けて使う,回線 多重化プロトコルである
------------------------------------------------------------------------ 990702 基本形データ伝送制御手順の基本モードの特徴に関する記述のうち,正しいも のはどれか。 ア SYN という伝送制御キャラクタは,情報メッセージのヘッディングの開始 を示す。 イ 情報メッセージの受信確認は 1 文字ごとに行う。 ウ 通信方式は全二重通信である。 エ 伝送制御キャラクタは,情報として扱ってはならない。
------------------------------------------------------------------------ 990705 基本形データ伝送制御手順の伝送制御キャラクタの一つである“ENQ”の意味は どれか。 ア 肯定応答 イ 伝送終了 ウ 問合せ エ 同期信号
------------------------------------------------------------------------ 990706 図は,FTP,IP,SNMP,TCP,UDP を用いたプロトコルスタック(プロトコルの 組合せ)を表している。各プロトコルの関係が正しいものはどれか。ここで,図 の下側は下位の層を表す。 ア ------------------- | FTP | SNMP | ------------------- | UDP | ------------------- | TCP | ------------------- | IP | ------------------- イ ------------------- | FTP | SNMP | ------------------- | IP | UDP | ------------------- | TCP | ------------------- ウ ------------------- | FTP | SNMP | ------------------- | TCP | UDP | ------------------- | IP | ------------------- エ ------------------- | FTP | SNMP | ------------------- | TCP | | --------| UDP | | IP | | -------------------
------------------------------------------------------------------------ 990707 OSI 基本参照モデルで用いる概念に関する記述のうち,正しいものはどれか。 ア層が 層に提供する機能を, サービスと呼ぶ。 イ 層と 層とのインターフェースを,プロトコルと呼ぶ。 ウ 同一レベルの層間のインタフェースを,サービスアクセス点(SAP)と呼ぶ。 エ 一つの層の中の機能を処理する主体を,エンティティと呼ぶ。
------------------------------------------------------------------------ 990708 スタートビットとストップビットを除いて 8 ビットからなる文字を,伝送速度 4,800 ビット/秒の回線を使って調歩同期方式で伝送すると,1 分間に何文字伝 送できるか。ここで,スタートビットとストップビットのビット数はともに 1 と する。 ア 480 イ 600 ウ 28,800 エ 36,000
------------------------------------------------------------------------ 990709 アナログ信号をディジタル信号に変換する PCM 変調方式では,サンプリング周 波数は,ア ナログ信号の最高周波数の 2 倍が必要とされている。PCM 変調方式 によって 4kHz までの音声信号を符号化する。そのディジタル信号の伝送に最低 限必要な回線速度が 32k ビット/秒であるとき,この符号化された音声信号は何 ビット符号か。 ア 2 イ 4 ウ 8 エ 16
------------------------------------------------------------------------ 990712 パケット交換方式の説明として,正しいものはどれか。 ア 情報を幾つかのユニットに分割し,各ユニットのヘッダ部に送信順序や転 送先アドレスなどの制御情報を付加し別々に送受信する。 イ 通信の呼ごとに発信側と着信側との間に設定される物理的な通信路を占有 してデータを送受信する方式であり,遅延時間の少ない通信が特徴である。 ウ 転送するデータをセル(固定長)と呼ばれる単位に区切り,それぞれにあ て先を付け,高速に交換する方式である。 エ プロトコルの簡易化を図ることによって,ネットワーク内の転送処理を簡 単にして 1.5〜2M ビット/秒程度の高速転送を可能としたものであり,誤り 制御は網で行わず,端末間で行う。
------------------------------------------------------------------------ 990713 フレームリレー交換方式に関する記述のうち,正しいものはどれか。 ア CIR(認定情報速度)を 0 に設定することはできない。 イ エンドツーエンドのフレーム伝送遅延時間は一定である。 ウ パケット通信のプロトコルを簡略化することによって,通信の高速化を図っ たものである。 エ フレームの多重化は,パレット交換のパケット多重化と同様に,OSI 基本 参照モデルのネットワーク層において行う。
------------------------------------------------------------------------ 990714 半二重通信と全二重通信に関する記述のうち,正しいものはどれか。 ア 2線式の回線で全二重通信を行うことは可能であり,よく使用される多重 化方式として位相変調がある。 イ 2線式の回線で全二重通信を行うことはできない。 ウ 4線式の回線で半二重通信を行う場合,データの流れの方向を切り替える 時間は不要である。 エ 4線式の回線を利用した場合,実際のエンドツーエンドのデータ伝送は常 に全二重で行われる。
------------------------------------------------------------------------ 990715 180 台の電話機のトラフィックを調べたところ,電話機 1 台当たりの呼の発 生頻度(発着呼の合計)は 3 分に 1 回,平均回線保留時間は 80 秒であった。 このときの呼量は何アーランか。 ア 4 イ 12 ウ 45 エ 80
------------------------------------------------------------------------ 990716 メッセージ長が3kバイトの電文が 150 件/分で送信されるシステムにおいて, 使用する専用線上で発生するランダムビット誤り率を 1/100,000 とすると,最低 必要となる回線速度はおよそ何 k ビット/秒 か。ここで,誤りが発生した場合は 1 回目の電文の再送で正しく送信できるものとし,1k バイトは 1,024 バイトと する。 ア 8 イ 62 ウ 77 エ 101
------------------------------------------------------------------------ 990719 FDDI における送信権制御に関する記述のうち,正しいものはどれか。 ア 各ノードは他のノードが伝送媒体に送信した信号の有無を調べ,無ければ 送信を行う。これによって,送信競合の頻度を低減する。 イ トークンと呼ばれる特殊な電文をノードからノードへ巡回させ,送信要求 のあるノードは,トークンを受信したときに送信権を得る。 ウ マスタコントローラは,各ノードから送信メッセージを受け取り,あて先 に中継することによって,送信競合を防ぐ。 エ マスタコントローラは,各ノードに送信要求の有無を問い合わせ,送信要 求のあるノードに送信権を与える。
------------------------------------------------------------------------ 990721 ISDN のチャネル種別に関する記述のうち,正しいものはどれか。 ア 一次群速度インタフェース(23B+D)のBチャネルは,チャネル速度64kビッ ト/秒でユーザ情報の転送だけに用いる。 イ 一次群速度インタフェース(3H0+D)のH0チャネルは,チャネル速度384k ビット/秒でユーザ情報と呼制御用信号情報の転送に用いる。 ウ 基本インタフェース(2B+D)のBチャネルは,チャネル速度64kビット/秒 で呼制御用信号情報の転送だけに用いる。 エ 基本インタフェース(2B+D)のDチャネルは,チャネル速度16kビット/秒 でユーザ情報の転送だけに用いる。
------------------------------------------------------------------------ 990722 ITU-T 勧告 X.25 に関する記述のうち,正しいものはどれか。 ア OSI 基本参照モデルの物理層,データリンク層だけに対応した規約であ る。 イ データリンク層には,LAPD 手順が定められている。 ウ パケット交換機間のプロトコルである。 エ 物理層には,X.21,X.21bis などを使用することができる。
------------------------------------------------------------------------ 990723 フレームリレーに関する説明として,適切なものはどれか。 ア 回線交換と同様に,接続中は帯域を占有する方式であるので,高速な通信 が効率的に実現できる。 イ セルリレーの論理多重機能と同様に,1本の物理回線上で複数の相手との 通信が可能である。 ウ 専用線と同様に,通信路を固定的に確保できるのは,独自のプロトコルに よる高速通信が可能である。 エ パケット交換と同様に,網の輻輳(ふくそう)制御やフレーム廃棄に対す る再送制御を網内で実現しているので,回線の信頼性が高い。
------------------------------------------------------------------------ 990726 ネットワークのフロー制御として,メッセージごとに受信確認を行うのではな く,複数のメッセージを連続して送信する方法がある。この方法において,受信 確認を待たずに送信できる最大メッセージ数は何と呼ばれるか。 ア ウィンドウサイズ イ セルサイズ ウ チャネル数 エ レイヤ数
------------------------------------------------------------------------ 990727 フレームリレー網で CIR(Committed Information Rate) を 16 kビット/秒と したときの説明として,正しいものはどれか。 ア 輻輳が発生した状態で,端末から 16 kビット/秒以上の情報転送が可能 である。 イ 輻輳が発生した状態での,網と端末間の物理的な伝送速度(ポート速度) は, 16 kビット/秒である。 ウ 輻輳が発生していない状態で,端末から 16 kビット/秒の情報転送が可 能である。 エ 輻輳が発生していない状態で,端末から 16 kビット/秒の情報転送が伝 送エラーなしで行われた場合でも,網内でフレームが廃棄される場合がある。
------------------------------------------------------------------------ 990728 HDLC 手順においては,送信するビットパターン内に五つの連続する“1”が 出現したとき,送信側で五つの連続する“1”の後に強制的に“0”を挿入する。 このような操作を行う理由として正しいものはどれか。 ア データとFCSの区別をするため イ ビット誤り率を改善するため ウ ビット誤りを検出するため エ ビット透過性を確保するため オ モデム間の同期をとるため
------------------------------------------------------------------------ 990729 HDLC 手順に関する記述のうち,誤っているものはどれか。 ア すべてのフレームはフラグシーケンスで開始し,フラグシーケンスで終結 しなければならない。 イ 一つのフレームにおけるアドレス部と制御部については,アドレス部が先 に送出される。 ウ 一つのフレームの終結を示すフラグシーケンスと次のフレーム開始を示す フラグシーケンスは兼用できない。 エ フレーム間のタイムフィルは,連続するフラグシーケンスの送出によって 行う。 オ フレーム検査シーケンスの長さは 16 ビットまたは 32 ビットである。
------------------------------------------------------------------------ 990730 ATM の基本機能に関する記述のうち,適切でないものはどれか。 ア B-ISDN による高速なデータ通信サービスを実現するために開発され た交換方式で,1.5 M ビット/秒以下には利用できない。 イ 呼制御とユーザ情報の転送制御の分離によって,複数コネクションの同時 設定や,通信中のコネクションの追加,削除が可能である。 ウ サービス品質を呼ごとに設定することが可能であり,異なるメディアを統 合して効率的に回線を利用できる。 エ 情報の発生パターンが一定であってもバースト的であっても,統一的に転 送が可能である。 オ 取り扱う情報の単位を固定長とし,網内の処理をハードウェアで実現して いるので,数百 M ビット/秒の高速,広帯域通信が可能である。