道場生コラム

  2002年1月28日 ryoji戸田

 
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合気道は、柔道・剣道等と同様、武道です。興味はあっても、はたして自分にできるのだろうかと二の足を踏んでいらっしゃる方は少なくないかもしれません。以下が、そのような方々のための応援メッセージになれば幸いです。

 あなたは男性ですか、それとも女性ですか? 若者、それとも壮年 ? 痩せている、それとも体格が良い ?  運動神経が良い、それとも悪い ?  

答えがいずれであってもOKです。合気道では原則として、二人が一組になって型の稽古をします。塾長の武田先生のおっしゃっていることの受け売りですが、エネルギーがあり余っている人は柔道のよう激しい稽古を、中年以上の方は息を整えながらゆっくりやればよいでしょう。また、力を「出す」ことはあっても、力を「入れる」ことはないと言われているのが合気道ですから、年齢、性別などに関係なくそれぞれのペースで稽古ができるのです。

合気道と一口に言っても、いくつかの流派がありますが、合気会では「試合」がありません。そのことについて異論がなくはないでしょうが、「勝ち負けにはこだわりたくない」という方にはより一層適しているでしょう。

 合気道に関わりの深い有名人3人挙げるとすれば…….

まずはハリウッド映画、特に「沈黙」シリーズで活躍するアクション派男優。最新作は「電撃」。出演する映画では必ず合気道の技をいくつか披露しています。ちなみに、日本語(大阪弁)が達者です。関西で道場を開いていたことがあるからです。

次に、TVの「水戸黄門」シリーズで忍者役を長年演じてきた女優。ダンサー・歌手としてデビューしてから今日まで体型が殆ど変わっていないといわれています。

最後に、流派は異なりますが、やはり初期の水戸黄門シリーズで黄門様のお供の役を演じた男優。最近は舞台で活躍しているようです。「流し目」が大変な魅力だそうです。別のTV番組の時代劇捕物シリーズではかなり激しい殺陣をこなしていました。

 合気道を始める動機は、健康のため、美容のため、ストレス発散など何でも良いと思います。また、何かを始めるのに遅すぎることもないと思います。

人は誰でも、学生、勤め人、自営業、家庭の主婦等々としてそれぞれ日常的な自分の世界を持っていますが、たとえ1時間ほどでも身体を動かすために1週間に1〜2度決まった道場に通うということは、もうひとつ別の世界を持つことでもあるのです。生活にリズムと「張り」が生まれます。

初めは誰でも「初心者」です。進歩の度合いには個人差があるでしょうが、稽古を積み重ねてゆけば、少しずつ「見えて」くる........といいですね。はっきりしているのは、「以前はできなかったことが、今日はできた」は、想像以上にすばらしいということです。

 合気道と私自身について少しお話します。酒が殆ど飲めず、これといった趣味も持たない私には仕事上のストレス発散の場がありませんでした。サラリーマンになって数年後、あれこれ考えたあげく、体を動かすのが一番であろうという結論に至りました。運動らしい運動をしたことはないが、どうせなら何か武道をと思い、同僚に話を聞いたり、入門書を立ち読みしました。ところが意気込みとは裏腹に、「〇〇に向いた体ではない、××は道具が重そうだ、△△は怪我をした人が身近にいる.....」などと言い聞かせている自分に気がついたときは苦笑するしかありませんでした。そうです。そういうものに関わりをもたなくて済む「言い訳」を見つけようとしていただけなのです。でも考えてみればそれは当然なのかもしれません。誰もわざわざお金を払ってまでつらい思いをしたくはないでしょう。

気を取り直して、華奢な自分にできそうなものはないかと再び探したところ、合気道が目にとまりました。しかし、本を読んでみても具体的なイメージが掴めなかったので、仕事の帰りに通えそうな清進塾で2度ほど見学させて戴き(結局、これが運の尽きでしたが)、また塾長から色々お話を伺った上で入門することになりました。早いものでそれから25年経ってしまいました。

振り返ってみてどうだったか。よき師、よき仲間に出会えたと思います。この出会いがなければ私の人生は間違いなくもっと違ったものになっていたことでしょう。

最初の頃は、受身の練習を少ししただけでも翌日は体中の筋肉が痛いなど、つらい日もありましたが、いつやめてもいいのだという楽な気持ちでいたおかげでかえって続けられたのかもしれません。少しの辛抱、少しの努力、少しの勇気があれば大概のことは「何とかなる」ことを身をもって体験しました。そして数年後、初段の免状と黒帯を戴いたときは、マラソンの有森さんのように「自分で自分を褒めて」あげました。

 刀を腰に差している時代ではありません。日本では、海外の某市のように、昼間でも一人歩きは危険という町があちこちにあるわけでもありません。一生のうちで合気道が実際に役に立つという状況に遭遇することはまずないでしょう(そもそも生兵法は怪我の元です)。ただ、精神的に多少なりとも強くなったとは言えると思います。また、道場で色々な人達と稽古することによって、世の中には合気道のみならず人生についても色々な考えがあるということを知り、また、いかにして自分を活かしつつも他との折り合いをつけるかについて大いに学ぶところがありました。 

 

「百聞は一見に如かず」といいます。一度実際に稽古を見学なさってはいかがでしょうか。

合氣道清進塾 東京都練馬区練馬2-23-8 TEL03-3992-9391