title4.gif (7249 バイト)
評価:最高が☆五つ、最低が★2とします

2000/10/30
「ねじ式」☆☆
わたしは漫画家つげ義春の大ファンです。相棒と仲良くなったのも、つげを読んでいるのがきっかけだったんだ、実は。これは二年くらい前に単館上映された、彼の漫画の映画化作品。「ゲンセン館主人」「無能の人」も映画化されてるけど、「ねじ式」の映画化はいつも頓挫していたようです。だって、難しいよ。
わたしの好きな浅野忠信主演で、公開時のポスターなんかでちょっとだけ期待してみました。会社を午後から休んだくらいだ。
つげのファンならすぐわかるけど、「もっきり屋の少女」「やなぎや主人」などのエピソードをつなぎ合わせて、最後のエピソードが「ねじ式」という流れになっている。
しかし、タイトルになっている「ねじ式」がやっぱり.....わたしは漫画の中で、住宅街に汽車がバーンと出てくるシーンが一番好きなんだけど、その汽車がなんとも安っぽい^^;うーん、ほかのエピソードは、やはり浅野くんの雰囲気と監督石井輝男の力でなかなか、なんだけど。やっぱり、「ねじ式」は、あの夢か現かわからない世界の映像化は、無理なんだろうか。健闘しているけど、やっぱり残念。

 

2000/06/12
「ボンベイtoナゴヤ」☆☆
インド映画。観たことありますか?わたしも「踊るマハラジャ」一本だけですが、その後いろいろとインド映画に関する情報は興味があって見ていました。やっぱり基本は踊り、そしてテンコ盛りの山あり谷ありのストーリー。そういうものらしいですよ。
で、この映画。いや、ホントに作っている側はとっても真面目なんです。でもいろんな勘違い、資金のなさがもうくらくらするほどのオマヌケ感と笑いを醸し出しちゃってるんで^^;
ストーリーは、インドの正義感あふれる主人公が、父である長官をインドノマフィアに暗殺され、その仇を打つためにマフィアを追ってナゴヤに…そこで偶然インドで恋が芽生えたダンサーと再会。ふたりの恋はもりあがり、そして仇討ちの行方は?
と、ストーリーはかなりシリアスですし、ラストも実はあまりハッピーじゃない。でも、ふたりが恋を謳歌して踊るのはそこいらの植え込みだったり、でかい道路の中央分離帯だったり。追っているマフィアに新幹線でにげられちゃうと、「じゃ東京案内をするよ」とかいってデートに出かけて(出かける自体ヘンだけど)そこでもまた踊る踊る…でも、そこ、東京じゃないよ(笑)あんたそれはナゴヤでしょう。(笑)(多分資金不足)
ナゴヤのデパートの屋上、はたまたピザ屋のスクーター借りてまた踊ったり、ナゴヤの電車の中で踊ったり、もうはちゃめちゃ。
撮っている側、ホントウに、何度もいうけどおお真面目なんです。決してギャグをやっているつもりじゃないとこがもうグッとくるほどおかしい
伊丹サチオ(字わからず)似の主人公、ぷりぷりと太って魅力的なコイビト、なぜかいつもパチンコ屋から出てくる謎のマフィア、などなど、機会があったらぜひ観ていただきたい一本!

 

2000/06/02
「エリン・ブロコビッチ」☆☆☆☆
公開初日に友達の付き合いでマリオンに観にいってきました。全然期待していなかったのですが、これがすごく楽しくスカッとしちゃう映画でした。かなりおすすめ。
学歴もなく、教養もなく、離婚して3人の子持ちの女性。職もなくて強引に働き始めた弁護士事務所で、公害問題にぶちあたり、大企業を相手に大きな訴訟を手がけるはめに。
ミニスカでハイヒール、もうブラジャー丸出しみたいな格好で、あちこち飛び回り、被害者の話を聞き、精力的な主人公、本当にカッコイイ。
今までジュリア・ロバーツって、ただ口のでかい女、としてして認識していなかったのですが、彼女の俗っぽい魅力がたまらなくいい。
アメリカでは知らない人がいないくらい、企業を相手取って高額の保証金を得た有名な訴訟らしいです。
わたしも真っ赤なブラジャー、買おうかな。

 

2000/04/05
「黒い家」☆☆
これは最初に本で読んでました。すげーこわい。ドキドキの原作。
どう映像になるのか楽しみだったので、ビデオで借りて観てみました。
保険金殺人を扱ったもので、保険金のためなら、自分のコドモを殺す、自分の夫の腕を切り落とすことも厭わない、まあ、殺人鬼といってもいい女が主人公。
でも、大竹しのぶより、西村雅彦のほうがずっと怖かった。何を考えているのかわかんない不気味な感じの無表情。なかなかいい役者さんです。
まあ、原作のほうが怖さ倍増ですね。あの原作をそのまま映画にしちゃったらちよっと正視できないよなー。

 

2000/03/16
「静かな生活」☆☆☆
伊丹十三が、ノーベル賞作家大江健三郎の短編をもとに撮った作品。脳に障害のある息子イーヨー、そして真面目で兄さん思いのまあちゃんを中心に、ある季節の事件などを織り込みながらストーリーは進んでいきます。障害者を「かわいそう」「もし障害がなかったら」などと考えない家族、ありのままのイーヨーを受け入れていくスタンスが伝わってきます。TVドラマで以前「聖者の行進」なんてカスみたいなドラマがありましたが、ああいう障害者を無闇に神格化したり、えせヒューマニズムをふりかざしたりしていない。ほんとうにしみじみと、ああ、イーヨーがんばれ、まあちゃんがんばれ、と素直な気持ちになれる映画です。ほのぼのとしたユーモアもいい。イーヨー役の渡部篤郎がなんといってもいいのですが、全ての役者がいい味を出しています。あんまりヒットしなかったんだろうなあ。ぜひお勧めです。
でも、何で、伊丹十三、死んだんだ?ああ、残念でなりません。

 

2000/03/06
「ケイゾク/Beautiful Dreamer」?????
何もいうことはありません。TVドラマ「ケイゾク」を観ていなかった人は絶対みないで、つまらないから(笑)わたしくらいケイゾクにはまってしまった人じゃないと、全然、まったく、何のたしにもならない映画です。でも、わたしは、この映画、満足です…ふう。多分もう一度観にいきます。以上。

 

2000/01/19
「ノイズ」
またまたヤッター。試写に当たった!ので観に行きました。劇場の宣伝、とっても面白そうだったし。
宇宙飛行士が宇宙で、突然2分間地上との交信を絶つ。彼らは無事帰還するが、彼らの行動には不審な点が…彼らには一体何が、そして彼らはナニモノ?彼の妻は双子を身ごもるが…。ね、ちょっと期待しちゃいますよね。でも、この映画、うーん。
とっても魅力的なチュエーションなのに、なんだか冗漫で、どうでもいいことばっかり延々と描く。映像はそれなりに雰囲気もあるのですが、大切なことがさっぱりわかんない。不気味ですね、怖いですね、と盛り上げてはくれるんですが。観終わった後に「なんなんだ」感ぱかり残ります。元NASAの職員が不審を抱いて調べるころなんかをもっと緻密に描いて、ひとつひとつ事実が明らかになっていったりすればいいのに、いきなり「奥さん、あなたのご主人は宇宙人ですよ」じゃあ、奥さんもだけど、わたしたちもひくよ^^;
ちょっと意外なラストですが…期待が大きすぎたのかな。がっかりの一本。

 

2000/01/10
「ダブル・ジョパディー」☆☆
試写に当たった!シリーズです。
タイトルは、「一度裁かれた人間は、同じ罪で2度は裁かれない」という意味。つまりこの映画を例にとって言えば、一度夫殺しで服役した主人公は、もしもまた同じ夫を殺しても罪にはとわれないわけです。
主人公は親子三人で水入らずでシアワセに暮らしている、つもりだったのでが、夫婦でクルーズに出かけた船から夫が失跡。保険金目当ての夫殺害の嫌疑が彼女にかかり、罪が確定してしまう。しかし服役中に大金と幼い息子を託した親友が行方をくらまし、夫と親友にはめられたことを知る。そして復讐がはじまる。
なんといっても主人公が魅力的です。目がいいです、強くて。途中からからんでくる保護司が最初は彼女を追う側なんだけど、だんだんと彼女の味方になって真相に近づくところが見所です。いい味だしてますよ、保護司^^。それにひきかえ、悪役の夫、チンケなご面相で、やり口が汚いぞ!
ラストシーンは、ちょっとあまりにベタで、興ざめですけど、悪くない一本でした。

 

1999/12/23
「シックス・センス」☆☆☆☆1/2
またまたロードショーに。いやはや、混んでましたよー。席が一番前しか空いていなくて、かなりトホホな状況。映像がちゃんと脳に届かない感じで、最初ブルース・ウィルスが誰だかわかんなかった(笑)
まず、本編に入る前に、「この映画のストーリーには、あるヒミツがあります。それをまだ観ていない人には絶対に教えないでください」という注意がスクリーンに表示されます。ホント、これ、そのヒミツを知っていたらこの映画の価値、半分以下
死者の姿が見えてしまう、という少年と、カウンセラーが主人公。カウンセラーは、以前に自分の患者だった若者が、自宅に侵入し、自殺を遂げた時から、以前の自分でなくなってしまって、妻ともうまく行っていない。この少年を救うことで、自分も救われたい、と願っている…。
確かに死者の映像は恐いです。でもただのホラーじゃないところがこの映画のいいところ。心温まるホラーなんて、初めて。ラスト近くでそのヒミツが一気に明らかになるのですが、もうちょとその辺ひっぱって欲しかった。明らかになってすぐ終わっちゃうんだもの^^;
最後にかわいそうな人のこと。わたしの先輩、駅のホームで電車を待っていたら、酔っ払った学生が、「あのさー、シックスセンスって、ブルース・ウィルスが実はXXXXなんだぜー」って大声で言ってるのをきいちゃったんだって。あははは^^;

 

1999/12/20
「ワイルド・ワイルド・ウェスト」☆☆☆
懸賞であたって観に行きました。まあ、ただじゃなかったらわざわざ行かなかったとは思うけど、案外アタリでしたよ。まー、よくぞこれだけ下らない映画を大金を投じて作ったもんだよなあ、アメリカだよなあ…^^;人気TVシリーズの映画化らしいです。
主役のふたりはすぐ銃をぶっ放す大佐と、ヘンテコな発明ばかりしているエンジニア。この二人にコンビを組ませて、悪の陰謀をぶっつぶせ、というもう明解なもの。でもウィル・スミス、ケビン・クラインのコンビ、でこぼこぶりがよろしい。悪の親玉、その名もLoveless、これがケネス・ブラナー。下半身を戦場で失い、精神的にもねじれた身体障害者なんだけど、もういやらしーく怪演しています。思い出すのもイヤ(笑)
二人を乗せてばりばり走り回るワンダラー号、ラヴレスを乗せたタランチュラ型の大型ロボット、なかなか楽しい作りになっています。でも随所で「んー、これは笑えない」というグロなところ、アメリカ人にしか通用しないよ、というものなど、まあ、日本でヒットするとは思えないけど、これだけ楽しませてもらったら、もういい。

 

1999/09/25
「隣人は静かに笑う」☆☆
またまた出ました、「ラストの衝撃は『セブン』を超えた!」のキャッチフレーズ。まあいいんだけど。でもちょっと手垢ついちゃってますよねえ。(そんなに傑作だったか?)
隣に越してきた人、なんか怪しい。小さな疑惑の積み重ねから、主人公は独自に調査を進める。隣人の意外な過去が明らかになっていくが、それは彼と彼の家族を危険にさらす結果に…
でも、前半、ちょっとテンポが悪すぎませんか?相棒はサスペンスものがあまり好きじゃないせいもあるんだけど、「んー、さっきから何も起こらないよー」と寝ちゃいました^^;それを乗り越えれば(笑)ラストまではスリルがあるスピード感のあるいい映画なんですが。
確かにラストはちょっと衝撃。こういう結末とは。うーむ。言えないけど。^^;

 

1999/09/15
「踊る大捜査線」☆☆1/2
あまりにもひまだったので、近所のビデオ屋(品薄なんだよなー)に行ってしまって、ついつい借りてしまったミーハーな一本(笑)でも、思いのほか、オトナの鑑賞に堪え得る作品です。もともと織田裕二ってあんまり好きじゃないのですが、この青島刑事はキャラにはまっていて、活き活きと演じています。脇を固める警察の管理職たちのとぼけたオヤジぶりもいい。まあストーリー的にはフツウの2時間ドラマのようなものだし、犯人の動機も希薄で無理がありすぎるけれど、テンポがよく飽きさせない。カメラのアングルなども凝っているし、映像もなかなかきれい。
あとことにいろんな映画のパロディがちりばめてあるそうなんですが、わたしはクロサワの「天国と地獄」のパートカラーしかわかりませんでした^^;
恋人が遊んでくれない休日などに。すかっとしますよ。

 

1999/08/28
「スネークアイズ」☆☆1/2
ニコラス・ケイジ主演。彼は今のりのりでいろんな映画に出ています。わたし、ニコケイファンなんですよ。「月の輝く夜に」で地味なオニイサンを演じてる頃からかな。リンチの「ワイルド・アット・ハート」のヘビ柄のジャケットのハデハデ君もよかった。リンチのグロと合っていた。「フェイス/オフ」も難しい役を公演していました。いつもおでこてかてか、めだまぎろぎろ、なんだけど、どうもいい味と憎めないキャラクターがいいんです。ふふ。
ええと、この映画。全然やる気のない賄賂まるけのいわば悪徳警官が主人公。その「やる気のなさ」を御しやすいとして抜擢されたボクシング会場の警備。その超満員の会場で長官の暗殺が!そして彼が巻き込まれた事件の真相とは。
早いうちから犯人もわかりますし、まあ脚本としてあまりひねりもありません。でも最後まではらはらとついてっちゃう映画ですね。ラスベガスの雰囲気も楽しめますよ。
長回しとかで話題になったらしいですが、わたしは複数のカメラを使って女性を探すシーンが好きでした。映像としても面白いし、焦る気持ちも盛り上がります。
しかし、最後のルビー、あれはやっぱりああいう意味なんだろーか?

 

1999/08/10
「スター・ウォーズ」/「スター・ウォーズ帝国の逆襲」☆☆☆☆
さっそく相棒個人所有のビデオを観ちゃう。もう今更、なのでくどくど書きませんが。
わたしは以前からかなりこういったSFXものに反感を抱いていたんです。もう「小津もクロサワも成瀬も観ないで、あんな子供だまし観てんじゃないよ!」って。
うん、そりゃ子供だましなんだけど。でもよくできた子供だまし。おとぎばなしなんだから、おとぎばなしを楽しめばいい。キャラクターがいいです、アメリカっぽくてわかりやすいけど。
なにしろ15年前だからたいしてSFXなんかすごくない(笑)だからなおさら丁寧に作ってある雰囲気も作り手の意気込も伝わってくる。遊びを楽しんでいるところもね。
思ったよりSF臭い感じもない。特に「〜逆襲」では主人公の成長物語にもなっていて、ちょっと「ベストキッド」とかああいうものに通じるところもあります。
R2-D2とC-3POの絡みがなんとも楽しいけど、これ「隠し砦の三悪人」で思いついたキャラじゃなかったかな。まあ、とにかくクロサワも観てね。
今のところここまでしか観ていないので、ハン・ソロが凍ったままなんです。何とかしてください。
まあ、とにかくクロサワも観てね。

 

1999/08/09
「スター・ウォーズ エピソード1」☆☆1/2
今回はなんと(というほどのことでもないけど)映画館でロードショー観て来ました。何を隠そうわたしはスターウォーズ初体験^^;これはエピソード1だから、今までのを見ていなくて大丈夫!と相棒が言うので付き合ってみました。
何しろCGがすごい、の一言です。もともとそういう映画、あまり興味がないんで最近の技術に触れていなかったせいもありますが、すごいですねー。でもなんかアニメーション観てるみたい。でもキャラクターがなかなか魅力的。このへん、うまいなあ。一発でR2D2のファンになってしまった(笑)
しかしスピルバーグはホントに日本びいきですね。悪役の顔、歌舞伎のくまどりそのもの。他の人は銃で戦闘しているのに、主役級の強い戦士は刀状の武器でちゃんばらだし。しかもその殺陣、すごいテクニック。暴れン坊将軍も真っ青。迫力あってなかなかです。
うむ、こういう映画もたまにはいいかな。大画面じゃないとこの迫力は堪能できなかっただろうし。
でもね、ちょっと映画館が×でした^^;今の映画って字幕が画面の脇じゃなくて下にでるんですか?前に座っている人の座高が高くてさー、まともに座っていると字幕、全然見えなくて、映画見ている間中、まるでヨガのポーズ(笑)これは彼のせいというより映画館のスクリーンのせい。新しい映画館に行ったほうがいいですね^^;吉祥寺ス○ラ座はお勧めできません。
しかしCGすごいと、途中で眠くなっちゃったりするんですねえ(笑)ある意味タイクツなんで^^;

 

1999/05/15
「惑星ソラリス」☆☆☆1/2
ロシアの映画。タルコフスキーです。わたしは以前、彼の映画(多分サクリファイス)を観て、どうしても眠くなっちゃって結局最後まで観られなくて、そのままビデオを返しちゃったという経験があります。
この映画はSFなんですが、今のアメリカ映画のSF慣れした身体には、ちょっと進行が遅い、イライラ…という感じは確かに冒頭はします。グローネンバーグが内臓なら、タルコフスキーは水ですね。ずっと、水草のシーンが続いたりして。
しかしこのSFは、哲学です。見終わった後、しばらくして、ずしーんと心にきました。
ソ連の宇宙研究機関は、「惑星ソラリス」を研究している。そこにいった宇宙飛行士が精神錯乱を起こしたと問題になるが、研究の価値がないという方向に話は進みつつある。主人公はそんなソラリスの宇宙船に後から乗り込むことになった。そこに待っていたものは、「ソラリスの海」がもたらす意外なものだった…。
ソラリスの海は、各人の意識下にあるものを、具体的な物体にかえてしまう。主人公の場合、それは十年前に自殺した妻だった。しかしその物体に彼は愛情を覚える。
物体と、人間の違いは何か、感情とは何か、そもそも人間とは何か、死とは?生とは?
ソラリスの海が私たちに与える命題はとても深くて重い。そして、象徴的なラスト。
イライラしている時じゃなく、こころに余裕がある時、ワインでも飲みながら、じっくり観るのにオススメです。
サクリファイスも再度挑戦してみようかな。眠くならないようにして。^^

 

1999/05/08
「ゆきゆきて、神軍」☆1/2
「知らぬ存ぜぬは許しません」のコピーで知られるドキュメンタリー映画。天皇にパチンコを打った男、奥崎健三が、かつてニューギニアの戦地で上官だった人々の家へ行き、終戦後に行われた二人の若い兵士の処刑についての疑惑を追う。そこには、恐ろしい真相が…。それは、大岡昇平の「野火」の世界というか、もっと凄惨なものです。
映画とは直接関係ないのですが、ニューギニアでの日本軍の行動は実に残虐極まりないものだったそうです。ちょっとここには書けない。もちろん、戦争での兵隊の残虐な行為は日本軍だけのものじゃない。でも戦争というのはそういうものだといってしまって済むものじゃない。
戦争から帰って、かつての上官たちは、平和な家庭を持ち、奥さんや子供や孫がいて、ちゃぶ台や応接間がある家に住み、実直そうに暮らしています。わたしには彼らを責める気持ちにはなれない。ただ、戦争の残虐な記憶をひきずって、または断ち切って、彼らは戦後をどのように生きていたのだろう。どのような思いを抱えて生きていたのだろう。
でも、今も戦争は行われています…。

 

1999/05/05
「コレクター」☆☆
モーガン・フリーマン主演の刑事ドラマ。猟奇的な連続女性殺人事件が起こる。若くて才能のある女性が次々と行方不明になり、彼の姪のナオミもまた…優秀な女医さんも犯人に囚われの未となるが、自力で脱出し、彼女の勇気ある協力で、事件の捜査は進展していく。
モーガン・フリーマン、いろんな映画によく出ていますね。相棒は、「僕が観るアメリカ映画には、この人全部出てるよ」問いっていた程^^;渋いいい脇役でしたが、今回は主演。この映画でもいい味を出しています。
でも、ビデオの宣伝文句だった「ローラーコースターに乗ったような戦慄と恐怖は『セブン』を超えた」って、どうかなあ。確かどきどきはらはらのシーンもあるのですが、なんか持続しない感じ。犯人もわたしにとっては、あまり「意外」じゃなかった。犯人の異常さも中途半端だし、犯人像に深みがなくて、だから怖さも半減しちゃう。この人が犯人で、ふうん、それでどうしたの?というか。
でもラストの緊張感はよかったです。意外な突破口もね。つまらないわけじゃないけど、まあ、あまり期待しないでみるがよろしい…かな。

 

1999/05/04
「パラダイス!」☆☆☆☆
またまた金城くんの映画。でもこれは金城くんファンならずとも楽しめます^^;香港映画です。
ギャンブル好きなチンピラが金欲しさに人殺しを請け負う。しかしギャンブルで大儲けした彼は、その殺しを下請けに出してしまう。それを請け負ったのは刑務所帰りの女性。そして二人には微妙な関係が生まれていく。請け負った殺人の日が近づき、そして。
ブラックなユーモアも随所にあり、ストーリーの展開もスピーディ。最初はみすぼらしかった女性がだんだん魅力的になるのも素敵。以前にも書いたのですが、金城くんは情けない役が似合います。この映画の青年もなんか捕らえどころのない人で、喧嘩すれば負けるくせに喧嘩っ早いし、女性には優しいような冷たいような、度胸があるようなないような、中途半端な若者。でもこれが金城くんにぴったり。決して甘いラヴストーリーじゃない。でも二人の心が触れ合うシーンは、映像も美しく、胸に応えます。ラストもクールでいいです。
二人は、パラダイスにいけるのかなあ…
金城くん、香港での人気は日本でのブレイク後のことだそうです。でも日本でも、ちゃんと金城くんの魅力は認識されていないと思うから、知りたい人はまずこれを(^^)天使の涙もいいけどね。

 

1999/04/30
「CUBE」☆☆☆☆
年下のお友達に薦められて観たカナダ映画。
「解かなければ、殺される」これが映画のキャッチコピーです。いいですね、このコピー。
ある日気がつくと真四角の部屋に閉じ込められていた数人の男女。部屋の隣にはまた同じような真四角の部屋。脱出しようと試みるが、わなが仕掛けられた部屋に入ると殺されてしまう。緊迫した状況の中で、次第にそれぞれの素性や性格が露わになり、人間関係が崩れて行き…
舞台はずっと得体の知れない四角の中。かなり制作費は安かったと聞きます。でもすごく斬新で前衛的な映像です。先が全然読めないドキドキの展開、人物の描写もすばらしい。ラスト10分の緊張感、すごいです。
クローネンバーグの雰囲気と似ていると思ったら、彼自身が推薦していたらしいです。
なかなかオススメの映画。やっぱり評判いいみたいで、レンタル中の本数が多かった^^

 

1999/04/26
「ディープ・インパクト」☆☆☆☆
アメリカの好きなパニックもので、また宇宙から何かが飛んで来て、またまた地球をアメリカ人が救う、大統領が出て来てすばらしい演説をして、ヤッター!で終わる…まあ、ハズレはないでしょ。という感じで見始めました。
想像通り、惑星が衝突するということが判明し、アメリカがそれを阻止するために宇宙に飛行士チームを派遣する…しかし計画は順調に進まず、一度は地球滅亡を想定し、ノアの箱船が用意され、そこに選ばれた人間と動物が乗り込むことに…
でも意外ととてもいい映画だった。登場人物たちの背景の描写がなかなか丁寧。ただのアメリカ万歳映画じゃなく、人間ひとりひとりのドラマ、愛する人と別れること、守ること、生き残ること、死んでいくことがドラマとして、描かれています。CGなんかの派手さはあまりないけれど、その分だけわたしはこの映画の真摯なテーマが伝わって来て、期待以上に感動しました。オススメ!

 

1999/04/25
「L.A.コンフィデンシャル」☆☆1/2
何かのランキング(ぴあだったかな?)去年面白かった映画、タイタニックを抜いて堂々1位だったそうです。
舞台はちょっと昔のロス。悪いイメージを払拭しようとロス警察はあの手この手で躍起なっている。そんな中、レストランで銃の乱射事件が起き、その被害者の一人が警官だった…
主要人物は、ハリウッドと関係を持ち小金を稼ぐもの、女性に暴力を振るう男を絶対に許さないもの、出世のためなら仲間を売るのも厭わないもの、などいろいろ。でもちょっとキャラクターが魅力的じゃない。だからいつまでたっても名前と顔が一致しない(^^;)だって、顔が似ているんだもん。名前も勝手に愛称とかで呼ぶしさあ。しくしく。
ストーリーは複雑で伏線もあちこちにあって、なかなかよくできてはいる…うーん、でもねえ、いまひとつ、夢中になれなかった。後半の40分くらいは手に汗にぎる展開でどきどきしたけど…これが一位ということは、タイタニックって、実はすごくつまらない映画だったの?と思ってしまったのですが。

 

1999/04/10
「ムトゥ 踊るマハラジャ」☆☆1/2
ちょっと前に評判になりましたよね、これ。ロードショーじゃなかったんだけとれど。関根勤なんかが絶賛していました。わたしも興味があって、ぜひ、と思っていたインドの映画。
主人公はムトゥ。大富豪のお屋敷の使用人だけど、歌って踊って、いつも楽しくてみんなの人気者、いうキャラクター。あんまり、ハンサムじゃないんですよね。インドのスターなのかなぁ?
ムトゥのご主人がある日旅芸人の女優に恋をしちゃうのですが、彼女を助ける段になって、ムトゥが彼女を連れて逃げることになり、その度の途中で二人は恋に落ちてしまう…
いやいや、踊る踊る、この映画。ミュージカルってわけじゃないんだけど、やたらと踊るのだ。踊ってばっかりいるから、なかなか話しがすすまない^^;だから160分くらい必要なんじゃないか?長いんですよ、上映時間が。あははは。
もう、天婦羅定食に味噌ラーメンとアイスクリームもつけちゃったって感じのてんこもり。笑いあり、ロマンスあり、サクセスストーリーあり、そして、踊り踊り踊り。
んー。わたしはそれほど絶賛しません。でもこの主人公、もうどうにも憎めなくてかわいいよー。小太りで、吉幾三にロバート・デ・ニーロが乗り移ったみたいな感じ。気楽に楽しめる映画、です。

 

1999/03/27
「ニューヨーク・デイ・ドリーム」☆☆☆
金城武が全篇英語で出演している香港映画。金城くんのおかげで最近香港映画を沢山観るんですが^^;これはまた全然今までのものと雰囲気が違います。舞台がニューヨークですし。
ケンジは死神の夢をみた翌日、夢でみた男と死神に会う。結果的に死神を助けてしまったお礼として、彼に死期が来たという時事前に死神が現れて、「あなたは12時間後に死ぬから、好きなことをしなさい」と予告する。
全体的に「夢」の雰囲気が漂っていて、わたしは好きです、こういう映画。
しかし邦題はなんとかならんか?香港での公開タイトルは知らないのですが、(一切漢字のテロップ出てこないし)原題は「TOO TIRED TO DIE」らしいです。これだとラストの感じとびったりくるんですけどね。
金城くんはっぱりフツウでちょっと困った役が一番合っていますね。不夜城や神様…のカッコイイ役じゃないほうがずっといいですね。味があるいい演技ができるというか。

 

1999/03/24
「リービングラスベガス」☆☆☆1/2
ニコラス・ケイジがこれでアカデミー賞を取ったんですね。アル中の役ってアカデミー賞取りやすいって話もあるらしいんですけど^^;まあ難しいい役であるこは確かですものね。
会社をくびになり、自暴自棄になった脚本家。彼はすべての財産を現金化し、「酒で死ぬ」という決意をする。そして彼がであったのはひとりの娼婦。二人は肉体関係もないまま、同棲を始める…。
彼は酒をやめようとしないし、彼女も自分の商売をやめようとしない。彼らの今までの人生のいきさつもほとんど語られない。でもふたりは愛し合い、癒し合っているのである。ふたりは孤独ではあるけれど、どこまでいっても孤独だけれど、それでも寄り添っているということは救済なんだ、とおもう。
当然ながら物語りは悲劇で終わる。
一度だけ、最初で最後のセックスをするふたり。哀しいけれど、どうしようもない話なんだけれども、観た後、切ないながらも温かな気持ちになれました。
ニコラス・ケイジ、いい俳優です。

 

1999/02/22
「HANA-BI」☆☆☆1/2
北野監督作品は「この男凶暴につき」と「みーんなやってるか?」しか観たことなかった。
「この男…」は暴力の描き方がストレートすぎてわたしにはどうにも好きになれない作品。「みーんな…」は下らんドタバタ。
でも、この映画、わたしは好きですよ。ビートたけしごときが…なんて先入観は捨てて観てみるといいです。
不治の病に冒された妻を持つ刑事、そして犯人の銃弾でか半身不随になった元刑事。その二人の日常がやがて…
割とセリフが少な目で、静かなカットが多い。その静謐がこの映画の雰囲気を作っています。また、映像の構図がいい。挿入される花をモチーフにした絵も素敵。(これ、誰の絵なんだろう?)
カンヌで賞を獲ったのもうなずける一本。

 

1999/02/08
「ラヂオの時間」1/2
しばらく前に終わったTVドラマ「今夜、宇宙の片隅で」がとてもよかった。三谷幸喜の脚本が洒落たかわいいラブコメディ。もともと「あなただけ今晩は」みたいなラブコメ、大好きですから。^^
三谷脚本では、「十二人の優しい日本人」を以前に観て、やったー、日本にもこんないい映画があるじゃないとすごく嬉しくなった。アメリカの真似して馬鹿みたいにお金かければいい映画ができるってもんじゃないよ、って。「十二人の怒れる男」のパロディの密室劇で、スターなんか出てなくて(トヨエツいるけどまだ多分無名)12人の会話だけで成立っている、一見地味だけどすごくスリリングな映画。これは最高の脚本だよ。
で、この「ラヂオの時間」ですが。うーん、面白くない。いい役者も出ているし、演技の間合いもいい。三谷センスのユーモアも散りばめられている。でも全体として、ただのドタバタで終わってる。ちょっと肩に力が入りすぎ。三谷さん、「やっぱり猫が好き」を思い出して。
あ、それから「十二人の優しい日本人」観てない人、すぐ観てね^^

 

1999/01/27
「イングリッシュ・ペイシェント」☆☆☆1/2
この映画は戦争映画だと思っていました。たまたま借りたビデオで観たのですが、これは恋愛映画。評判も高かったけれど、これは感動大作です。
戦地で担ぎ込まれた焼け爛れた患者は記憶を失っていた。ひとりの看護婦が彼を献身的に看病していく。その彼の過去とは…だんだんとそれが明らかになっていく。彼は本当は記憶喪失なんかじゃなかった。
「イギリス人の患者」というタイトルに込められた意味が、ラスト近くになって初めて明らかになります。彼の苦悩ともに。看護婦の明るさ、笑顔が悲しい。
砂漠の映像がすごく美しい。丁寧に作られた、上質の映画です。
原作もすばらしいって聞いたので、そちらも読んでみたい。

 

1999/01/17
「スターシップ・トゥルーパーズ」☆1/2
1959年に発表されたSF小説の映画化だそうです。だから、なんだか全体の雰囲気が1960年代って感じ。登場人物の若者のキャラも絶対ドラッグとかやっていなさそう^^;映像は最新のCGでリアルに作られているんですけれど。
未来社会では、世界が軍事国家になっていて、宇宙のある惑星からの侵略に立ち向かうという話。しかしなー。この星の宇宙人(?)が、昆虫なんですよ(;;)でも「ミミック」の時と違って、何しろ地球の生物じゃないからそんなには嫌悪感はありません。
主人公の男の子が最初は坊ちゃんだったのが、立派な軍人になっていき、顔つきも全然違ってくるのがよかったかな。
でもね、わたしはこういう映画…はっきりいえば好きではないので^^;SF好きなら楽しいのかな。SFが嫌いってわけじゃなんだけど。うーん。

 

1999/01/16
「恋する惑星」☆☆☆1/2
わたしの認識が正しければ、この作品でウォン・カーウァィ監督は全世界の知るところとなったはずです。金城武もね^^;
二つの恋のはなしのオムニパスです。2つ目の方がメインなのかな。長いし。
金城武は1つ目の方ですが、まだまだ若くてアイドルみたいな感じです。金髪でサングラスの女性と絡んで話は進むんですが、謎が残ったままおわっちゃうんですよね。うーん。
2つ目の話はお巡りさんとサンドイッチスタンドのアルバイトの女の子の恋の話。この二人、かわいくていいですよ。生き生きしていて。途中からなんだか思いもかけない展開になるんですが、ユーモラスなエピソードが織り込まれていて楽しい^^しかしこのお巡りさん、とぼけているよな、部屋の中ではいつもブリーフだし(笑)
全体にみずみずしさのあふれる映画です。「天使の涙」のほうが個人的には好きですが

 

1999/01/15
「アポロ13」☆☆☆
実際にあった話の映画化作品。今回はテレビでの放映を観ました。
随分前になりますが、NHKでアポロ13のドキュメンタリーをやったのをみたことあるんで、この話の内容は知っていたのですが。やっぱりドキドキハラハラしちゃいますねえ。
アメリカとソ連が宇宙への技術でしのぎを削っていた頃、打ち上げられたアポロ13号は謎の爆発事故で船体に致命的な損傷を受ける。絶体絶命の三人の乗組員は、無事に地球に帰ってこられるのか?ご存知の通り帰ってくるんですが^^;
乗組員もさる事ながら、ヒューストンで指示を出し見守るNASAのスタッフが、すばらしいの一言です。これを観ると、宇宙開発とは、実にアメリカという国に向いた事業だと実感させられます。年齢に関係なく、NASAでは全員がプロで責任者。もちろんリーダーはいるんですが、この人もまた、決断が早くて的確。まあ13号の時は、結果的に成功したからこうして絶賛されるのだということを踏まえた上でも、です。
感動はお約束通りですが、すがすがしい気持ちになること請け合いです^^

 

1998/12/28
「天使の涙」☆☆☆☆1/2
前回に引き続き金城がらみの映画です^^;
ウォン・カーアイ監督作品、前作の「恋する惑星」から観たかったのですが近所のちっちゃなレンタルビデオ屋さんではなかったので、こちらを借りてきました。
むむー、これはすごい。香港映画、カンフーとかだと思っていませんか?この映画は映画好きな人は、観て見て、絶対!絶対気に入ります!といいたい。音楽も映像もすごく斬新でカッコイイ。それにすごくいろんな技法を取り入れてる。ハンディーカメラを使った映像とか面白いなあ。
ストーリーは3人の男女のモノローグのオムニバスで進んでいきます。殺し屋の話が絡んでいるので、サスペンスタッチで始まります。
脚本、すごくいい。ちょっと異常な登場人物ばかりなんだけど、すべての登場人物がすごく丁寧に魅力的に描かれている。演出は「勝手にしやがれ」とかゴダールなどのヨーロッパ映画を思い出させるクールさがあります。この監督はこれから全作品を観たいと思う、金城武抜きでもね^^;
先日、「不夜城」を悪くないと書いたけど、この映画を観ると、あの金城武はちょっとなぁという気持ちになる。金城は言葉が不自由な若者の役。といって悲惨な感じは全然しない、空とぼけたやつで、コミカルな感じが随所に漂う、飄々とした人物。これをまたアナタ、金城が好演しているんですよー。
ラストはとても希望的でほのぼのとしているにもかかわらず、スタンスはあくまでもクール。うービデオも買っちゃおうかなぁ

 

1998/12/23
「不夜城」☆☆☆1/2
この映画、いい評判を全然聞いたことがないのです。でもわたし実は金城武の大ファンなんですよぅ^^;で、今日はミーハー気分で借りてきました。るんるん
新宿歌舞伎町を舞台に繰り広げられる中国人マフィアの物語です。
んー、わたしは原作を読んでいるのでわかるけれど、これ、初めて観た人は人間関係わかるんだろうか??主要人物がみんな中国名前なんで聞き取りにくいしなぁ。なぜ健一が富春を追わなくてはならなくなったのかも全然説明されないし。マフィアの実力者の力関係も言及されない。このへん脚本がよくない。
でもね、金城、ステキー!
確かに原作通りの健一ではないけど、もともと脚本がよくないから(笑)わたしはかなり好演していると思いました。原作ではもっと知的で狡猾に描かれているんですけどね。
相手役の山本未来という女優さん初めてみたけど、雰囲気あっていいです。でも椎名桔平…ちよっと作りすぎ。ヘンだよ。
最後のふたりのやり取り原作のほうが迫力あってドラマチックなんだけどなぁ、どうして変えちゃったんだろ?ラストもちょっと先のことになってますが、これはこれでよし。
金城ファンはぜひぜひ観るべし。ただし、原作を読んでからね^^

 

1998/11/23
「ミミック」1/2
ゴキブリを媒介として感染する伝染病を抹殺するため、遺伝子操作によって生み出されたかまきりと蟻を合わせた新種の昆虫を地下に放ってから3年後、謎の生物が…それは3年前生殖能力がなくて死滅するはずだったあの昆虫が巨大化したものだった!
うわー、もうこう書いただけでイヤですねぇ(笑)ホントに、イヤですよ、この映画^^;
昆虫学者なんて、死んでもなりたくないよぅ。(;;)
ミミックとは擬態という意味だそうです。

 

1998/11/15
「フェイス/オフ」☆☆☆☆
先日買った映画特集の雑誌で評価が高かったのと、お友達から薦められたこともあって、今日はこの1本。ニコラス・ケイジとジョン・トラボルタ主演。
テロリストに狙われ、巻き添えとなった息子を失ってしまったFBI捜査官。そのテロリストをついに捕らえたが、昏睡状態に。しかし彼はもうすでに細菌爆弾を仕掛けていた。その場所を探り出すために、なんと捜査官は整形手術でテロリストの顔をそっくり剥ぎ取りそれを移植、彼になりすまして刑務所に潜入する作戦を引き受けてしまう。全てが終わったら元の顔に戻せるよう自分の顔は保存して…。
と、こう書くとすごくB級みたいに聞こえますねぇ^^;でもこの荒唐無稽とも思われる脚本がよくできています。おまけにアクションシーンが大迫力!ををー、こんなことしちゃっていいんかい!といいたくなるくらい、ジェット機や車、建物をばりばりぼんぼんぶっ壊しちゃうの。お金をかけりゃいいってもんでもないんだけど、お金かかってますねー。
そしてなんといっても、ニコラス・ケイジがすばらしい。最も憎むべき相手の顔を持ってしまい、誰もそのことを知らない苦悩と孤独。孤立無援、絶体絶命の状況を必死で打破していく主人公をパワフルに繊細に演じています。カッコイー♪
face offというのは、対決という意味なんですが、間に「/」を入れることで、顔の皮を剥ぐというふたつの意味を持たせているんですって。
これまたオススメ、約140分くたくたになってみましょう。

 

1998/11/08
「デッドゾーン」☆☆☆
相棒は若干(?)クローネンバーギストなので本日は彼持参のビデオです。
わたしは詳しくなくて知らなかったのですがデビッド・クローネンバーグはむ「内臓派」といわれているようですね。実は以前ににゃーこ鑑賞会でもクローネンバーグは観たことあるのですが、あんまりB級ホラーだったので、掲載しなかったのです(笑)その作品(RABID)もなんか妙に粘膜を強調した映像があってふむふむと言う感じだったのですが。
この映画は悪くないですよ。これはA級です。
ひどい交通事故をきっかけに、他人の肉体に触れるとその人の過去や未来が分かってしまうという超能力を身につけてしまった主人公。それによって未来を変えることもできると気づいた、彼が知ってしまった全世界の未来とは…。
んーでもこの主人公、かわいそうだよー;;
クローネンバーグでは一番一般受けすると思われる作品です、多分。よくできています。ぜひS・キングの原作を読んでみたい。(わたしはキングの大ファン)

 

1998/11/03
「椿三十郎」☆☆☆☆1/2
にゃーこビデオ鑑賞会の黒澤第二弾!「七人の侍」は別格として、わたしの次点はこの作品です。
お城の上層部の汚職を暴こうと反乱を起こすために集まった9人の若侍を、偶然居合わせた凄腕の浪人が助ける、というストーリー。
もう、ほんとに痛快娯楽作ってのは、こういうものです。黒澤映画の中では笑っちゃうシーンが一番多いのじゃないかしら。小林圭樹のとぼけた捕虜(ちゃんと押し入れに戻っちゃうところがいい)、入江たか子と団令子のお嬢様(?)っぷりが何とも楽しい。三十郎の態度がだんだん大きくなるところも大好き。
開始5分から全然目が離せないスピーディーな展開の緻密な脚本、んー、やっぱりこの映画はすごい。セットやエキストラまでさすがだと思わせられます。
欠点はただ一つ、冒頭の加山雄三の口跡がはっきりしなくて、事情がすぐに飲み込めないところ。わかんなくても三船が説明してくれるので、すぐわかりますけど^^;
一時間半くらいで短いし、クロサワ初心者はまず観てくださいお願いだから。

 

1998/10/25
「12モンキーズ」☆☆☆☆
レンタルビデオ屋さんに出かけた時、相棒にわたしが観たいなぁと言ったビデオをことごとく却下されてかなりむっとしながら選んだ一本(笑)。「ブラッド・ピットが出てるなんて、ミーハーの観る映画なんじゃない?」なんて思いながら。ごめんなさい、ブラッド・ピット。この映画は、哲学です。
20XX年、人類は1996年に発生したウィルスのおかげで絶滅の危機に瀕し、地下に潜っての生活を強いられてしる。人類を救うため、科学者たちはウィルス発生時点に囚人をタイムトラベルさせて、治療法を見つけ出そうと試みる。違う時代に送り込まれたり、あっという間に精神病院に収監されてしまったりとさまざまなトラブルが主人公を待ち受けている。主人公はブルース・ウィルス。(なんか、トラブルに巻き込まれる役ばかりやってない?^^;)
時空を旅している間に、主人公は自分にとっての現実の時間、世界がわからなくなっていきます。本当に自分は精神病で、全ては自分の生み出した妄想なのではないかと。けれども、1996年の女性精神分析学者の理解を得て、ウィルスの発生源に近づいていく。
この映画は、ただのSFサスペンスではない。現実とは何か、認識とは何か、存在とは何か、時間とは何か、そういった命題をわたしたちに突きつけてきます。
もし、ウィルスの発生を食い止められたら、20XX年の科学者たちの存在はどうなるの?未来からやってきたという彼と出会わなかったら、分析学者の人生はどうなるの?どこまでが人の運命なの?どこまでが現実なの?
分析学者と、そしてわたしたちは、時間を逆行することはできません。もしも、未来からのタイムトラベラーがやって来て何かの変化を与えてしまった時、私たちの時間は、宇宙はどうなってしまうの?
これは、昔やっていた、NHKの「アインシュタイン」でやっていた命題だとわたしは思います。現実とは何か、妄想とは何か…
前出のブラッド・ピットですが、これが狂人の役をやってます。すごいですよ。マスコミは、「ブラピ」だの「レオ様」だのくだらない表記はやめて欲しいよ、失礼だとわたしは思う。
オススメの一本!

 

1998/10/11
「野良犬」☆☆☆
さてさて、相棒に黒澤映画をみせてあげようとずっと思っていたのが実現しました。
相棒は、邦画をあんまり観たことないって言ってたのでぜひぜひクロサワを観せたかったのです。「七人の侍」はトリにとっておいて、まず入門篇はなにかなぁと…、というか、わたし自身も忘れていたところもあったのでこれを選んでみました。
観始めてしばらくして、「ねえあの俳優はだれ?」と相棒。「えっあの年配の刑事さん?」「ううん、あの若い人」
ぎゃー、あれが三船敏郎だよぉ。(@@)
1949年のこの映画は、これでもかと言わんばかりに戦後すぐの東京の街を徘徊します。まだ戦争が終わって4年。たった50年ちょっと前なのに、ああ、これが東京なの?という風景と生活がそこにはあります。
その貧しさ、どうしようもない環境、戦争が終わった脱力感、それがやりきれない犯罪を生んでいく…それを丁寧に描いていく映画です。
丁寧すぎて、退屈しちゃう人もいるかも知れないなぁ^^;
でもラスト近くの挌闘シーン、泥だらけのふたりの迫力と、そして対する周りののどかな雰囲気、そして流れる童謡やピアノの音、こういう演出は、さすがクロサワだとわたしは思います。
確かにストーリーはたいしたことないし、今だったら「なんとかワイド劇場」でやってもいいのでは、ていうものなんだけど、べたべたとまつわりつく暑さ、貧しさ、そして全てをおおうやりきれない思いを迫力ある映像で丹念に追っていく…。俳優陣もいいです。
うう、やっぱりわたしはモノクロの日本映画、好きです。

 

1998/09/27
「ミッション・インポッシブル」☆☆
ひどい雨降りで、今日はスカッとする映画観ようねってビデオ屋さんに行きました。
わたし、実はトム・クルーズ好きじゃないんだけど「スパイ大作戦」は大好きなんで、これならハズレはないだろうと借りてみました。
でもね、これ、「スパイ大作戦」じゃないや。
TVの「スパイ大作戦」って、いろいろピンチはあるけど、みんなで協力して窮地を切り抜けるってストへリーでしょ。
これは違うのよ、もういきなし作戦失敗しちゃって。裏切りもあるし。というか、裏切り者を探すっていうストーリーといったらいいかな。
でも決して面白くないって言ってるわけじゃないです。ドキドキハラハラは期待どおりですね。
ただラスト近くのアクションシーンは、「をいをい、それはないだろー」ってご都合主義って感じが笑っちゃうけど、確かに雨降りでくさくさしてる時なんかはいいかもね、この映画。

 

1998/09/23
「スクリーム」☆☆
今日は軽く映画を観ようかな、という感じで、サスペンス・ホラーを選びました。
結構評判になってた映画だったので、観てみたかったのです。
いい映画とか悪い映画だとかとかいう範疇じゃないですね。でも面白かった。
話としては、とあるアメリカの町で、連続猟奇的殺人が起こる、さて犯人は…というよくあるもの。
でもこれ、脚本がよくできてます。
いろんなパロディとか笑いとかまであるホラー(?)って初めて観たかもしれないな。
こんな地の果てのようなサイトですけど、絶対犯人は言いません。
ラスト30分くらいは、ホントに「叫び出したら止まらない」です。
誰か、おともだちや恋人と、ひゃーひゃーいいながら観るべき。ひとりで観るとストレスたまります。
「あいつが犯人!」とか、「早く振り向けーっっ!」「くちょー、何やってんだ、お前はっ」とか言いながら観ましょう。
喉が渇きますので、観た後のためのビールを用意してくださいませ。
後で思い出してぶるぶるするような怖さじゃないから安心できます^^

 

1998/09/14
「うなぎ」☆☆☆
カンヌ映画祭で賞を受賞した今村昌平作品。
妻を殺して服役し、仮出所した主人公が千葉の佐原で床屋を始める。彼は服役中から可愛がっていたうなぎを一匹飼っている。うなぎにだけ、彼は心を開くことができるから。
うーん、日本映画の感想を書くのって難しいね^^;
観ていて井伏鱒二の「黒い雨」を思い出した。テーマは重たいはずなのに、なんか周りの人たちがやけに牧歌的で、のほほんとしていて、ほのぼのとした味わいがあっていい。特に船大工のおじさんがいいなぁ。
柄本明も怪演。こういう役やらせると、この人はすごいよ。
もちろん役所公司、いいです。うなぎも、いいです^^

 

1998/09/13
「インディペンデンス・デイ」☆☆☆1/2
これこそアメリカ映画。痛快娯楽大作。これはこれでgoods。
宇宙から敵が攻めてくる、それをみんなで撃退する、と、筋はただそれだけ。いいのよ、それで。\(^-^)/
登場人物がカッコイイ。カッコイイ登場人物は、必ず成功する。アメリカ映画ってほとんどそうだよね。
「セブン」は違ったな、「ダーティーハリー」の何作目かもちょっと驚く人が死んじゃってびっくりしたけど…
でもこの映画は、ハラハラドキドキ、でも絶対ハッピーエンドだってわかっててのドキドキだから、安心してドキドキできていいです^^
クライマックスの大統領の演説がいいですね。わたしのような単純なやつは、もうものすごく感動させられる。
これは映画じゃなくてもそうですよね。アメリカ人は、スピーチがうまい。
大統領だけじゃなくて、アカデミー賞やグラミー賞の授賞式でもそうだけど、壇上にたつようなシュチュエーションになる人というのは、前提にスピーチのうまさが要求されてるんじゃないかしらと思うくらい。
140分以上でちょっと長いけど、最後までとっても楽しめました。
日本でこういう映画を撮ったら、戦闘機に乗ってばりばり戦えるキャラクターの俳優がどれくらいいるだろう。でもそれって、だから日本人なのかもしれないな。国民の大半がああいう陽性の攻撃性をもってないということが。
ええと、でもわたしは日本のちまちました映画も大好きです、ちまちまという言葉は否定的な意味じゃなくてね。

 

1998/09/06
「リング」★1/2
原作は鈴木光司。「リング」「らせん」「ループ」の三部作で、最初の二つ目までが映画化されてます。
なんだ、これは。駄作もはなはだしい。
原作では、男性の友人同士が、謎を丹念に解きほぐしていく、そこにタイムリミットがあり、得体の知れない深みにはまっていく底知れない恐怖があった。ひとりじゃ読んでられないくらい怖かった。
それが、な、なんなの?
主人公が離婚した元夫婦、というのは百歩譲って許してあげよう。(松島菜々子で客を呼ぼうというのがみえみえで嫌なんだけど)男が超能力者ってのはなんなんだ??
綿密な調査によって明らかになっていく事実がめちゃくちゃ怖いんだよ?なのに、関係者に会っただけで、そいつの頭の中が見えてしまって、全部がわかっちゃうなんて、子供だましもいい加減にしてもらいたいよ。
おまけに余計な描写ばかり多くて、肝心のストーリーがいい加減。
以前、同じ原作フジテレビで二時間ドラマを放映したけど、そのほうが15000倍面白かった。問題のビデオテープだって、ドラマのほうがうまくできていた。TVドラマに負ける映画作って恥ずかしいと思わないんだろうか。
…ただ、唯一、あいつが○○の中からこっちにゆっくりと出てくる映像は、よくできていたと思います。ちょっと夢に見ちゃいそう^^;
まあ、とにかく観ないほうがいいモノ。時間の無駄。観たいならTVドラマのほうをレンタルすべし。

 

1998/08/29
「フィフス・エレメント」☆☆☆☆1/2
リュックペッソン監督のSF映画。ずうっと前からすごく観たかったこの映画。
うわうわうわうわうわぁぁぁよかったぁぁぁぁ
というのがわたしの感想だす(笑)久しぶりに「はまってしまったよ、あたしゃぁ」という感覚を味わいました。
「2001年宇宙の旅」にも負けるとも劣らない室内の妙なリアリティ、空中を飛び交う無数のタクシー、ゴルチェがデザインしたらしいイカシタ衣装、…
そしてなにより、脚本とキャラクターの素晴らしさ。メインキャラはもとより、悪役だっていいんだ、これが。わけのわかんない宇宙人だって、すごくいいんだ、さらに言えば。
美しい映像。隅々に散りばめられた上質のギャグ。
お金をかけたら、こういうモンを作らんかい!という見本のようなゴージャスな映画です\(^-^)/
残念なのはラストでまたタクシーの飛ぶシーンが観られるかと、期待してたんだけど(笑)
主演の女優さんは、ロシアの人です。(眉毛が薄い^^;)魅力的です。
まさに「面白いっのはこういうことだ」っていうCMのキャッチコピー通り。
とにかく、ずいぞすごいぞすごいぞすごいぞ!

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